ずっと使いたいモノ、置いてます。

知恵の賜物

一石二鳥。
当事者にとって、とってもうれしい言葉の一つも、一つ一つのことを積み重ねていくことを良しとする文化の日本では、時に合理主義にとられあまり良いほうに取られないこともあります。

それでも、一つのことでいくつもの事を兼ね備えるということは、無駄をなくすという観点からすれば素晴らしい考えかたです。

2000年のクリスマス、デンマークでセンセーショナルな取り上げ方をされたその商品は、たった一つの形で五役をこなすものでした。
それはわずか3ヶ月の間に、4万個を販売しました。
デンマークの総人口が500万人ということを考えれば、全国民の125人に1人が購入したことになります。

その商品の正体は、5つの機能をもつワインのボトルキャップ。
それは大勢の人たちが、悩んでいた問題を解決したボトルキャップでした。

ある飛行機の中での出来事。
開発者の一人エリックの同行者が赤ワインを倒してしまい、着ていたスーツは染みだらけ。
この話を聞かされた友人ジョージは、何ヶ月も経ったある日エリックに「あの問題を解決したよ。」と連絡してきたのです。　
「何の話？」と返すエリックは、すっかり忘れていた問題を解決したジョージの画期的なアイデアを聞くや否や、一緒にこのボトルキャップの開発に没頭したのです。　

そうして出来上がったのが、一つで5つの機能を持った画期的なボトルキャップ、ボールポアラーです。

1．ボトルが急な転倒を起こしたときのこぼれをストップ。
2．ワインの流量を、簡単にコントロール。
3．ボトルをあけたあと、酸化を遅らせるコルク栓代わり。
4．適度な空気流入を行う、デカンタージュ効果
5．サーブ時に苦労するしずく・液だれを完全にストップ。

このアイディアのお陰で、多くのワイン愛好家は永年の悩みが解決されました。

一石二鳥は、知恵の賜物。
その知恵が誰かを幸せにするのなら、引け目に感じることはないのです。