冬のおしゃれの必需品セーター。機能性インナーやアウターの登場により、防寒としてのセーターは必ずしも必要ではなくなってきましたが、やはり冬らしいおしゃれを楽しむためには欠かせない存在です。
ZUTTOがお取り扱いしているセーターは、どれも長く着られることを大切にしてピックアップしたものばかり。今回はその中から、毎年色々なブランドのセーターを見ているZUTTOのバイヤーがおすすめ5着をご紹介します。家にいる時間が多かったここ数年でしたが、大人数で集まったり人に会う機会も増えそうな今年の冬。快適に着られるという点に加えて、着飾ることも意識して選びました。ご家族など近しい方への冬のギフト選びの参考にもしてくださいね。
まずはセーターの種類について、簡単にご紹介します。
ウール(羊毛)
ハイネックセーター BRICKROW|macalastair
保温性、吸湿性に優れ、セーターの定番素材として知られるウール(羊毛)。いわゆるセーターというと、一番始めに思い浮かべる素材です。
ウールといっても様々な種類があり、メリノウールとはメリノ種から取られたウールを指します。一般的なウールよりも繊維が細く、より通気性・保温性に優れていることが特徴です。
ソフトラムウール ニット MINT|YONETOMI NEW BASIC
ラムウールとは、同じウールの中でも子羊からとられたウールです。繊維が細いことから滑らかな質感もありながら、起毛感のあるふんわりした風合いが楽しめます。中でも大きな特徴とされているのは軽いということ。それでもしっかり暖かいので、肩こりが心配という方にもおすすめできる素材です。
カシミヤ
カシミヤは、羊からではなくカシミヤヤギから採取される素材で、繊維が細く手触りがいいこと、艶感が特徴です。採取できる量が限られていることから希少性が高く、繊維の宝石とも呼ばれています。ウールとは異なる繊維構造を持ち、とても規則正しい表皮に覆われていることから独特のぬめりや優しい手触りを生み出すとされています。
上品・綺麗なスタイルが多い方や、しなやかで軽いという点から、軽やかな着心地がお好みの方にもおすすめです。
コットン
クリケットセーター WEXFORD NAVY|James Charlotte
ウールは繊維の太さに関わらずチクチクが気になる、という方でも選べるのがコットン100%のセーター。冬のセーターというとウールの印象が強いですが、コットンセーターのいいところは肌触りが優しい点、通年選びやすいという点、お洗濯がしやすいという点が挙げられます。ダウンなど保温性の高いアウターを着ている方は、真冬でもコットンセーターで乗り切れます。
セーターの編み方は様々ありますが、印象を大きく変えるのが「ゲージ」の違い。「ゲージ」とは、編機の針の密度を表す単位で、1インチ(2.54cm)間に編み機の針が何本あるかを表しています。よってゲージの数値が高くなるにつれ、同じ長さの生地によりたくさんの編み目が出来る、つまり、より細やかな編み目を持った生地になります。太めの毛糸でざっくりと編んだニットはローゲージ(5ゲージ以下)、7、8、10ゲージはミドルゲージ、そして12ゲージ以上はハイゲージと呼ばれています。
ローゲージ
Crew Neck Multi|KERRYWOOLLENS MILLS
ローゲージとは、編み目が大きい(ざっくりとした)ものを指し、立体感のある表情が特徴です。定番のセーターといって思い浮かべるものは、ローゲージセーターの方が多いと思います。ややルーズでほっこりと優しい雰囲気があり、カジュアルテイストによく合います。 ただし、編み目が粗い分風を通しやすく、ハイゲージよりも防寒性は若干劣ります。
ハイゲージ
一方でハイゲージは、編み目が細かいことで滑らかな手触りが特徴。繊細な編みを実現するには、それだけ熟練の技術が必要になるのだそう。品があり、きれいめなスタイルによく似合うので、オフィススタイルにも取り入れやすいセーターです。
メリノウール ケーブルセーター|aran woollen mills
ノーマルな無地のセーターも便利ですが、ニットらしい「ざっくり」「ほっこり」の印象を作るケーブル編みのニットは持っておきたいところ。流行に左右されることがなく、年齢を重ねた自分が着ている姿も想像できるのは、長く世界中で愛されてきた一着だからこそかもしれません。
スカート:EASY KILT LONG (81cm) GRAIGUEHESHIA、バッグ:2WAY トートバッグ A5(ブラックは近日販売開始予定)、シューズ:フロントジップサイドゴアブーツ
aran woollen mills(アランウーレンミルズ)は、1968年創業したアイルランドで最も古く最も有名な上質な100%メリノウールを使用しているニットメーカー。撥水性・保温性に優れたアランセーター(フィッシャーマンズセーター)を比較的抑えた価格で仕上げられるのはマシーンメイドならではです。長い歴史の中で培われてきた技術をベースにしているので、機械によるものでも見劣りがしないのも人気の理由の一つです。
▼ここが決め手!
程よくフィット感のあるシルエット
ゆったりとしたものが多いローゲージのニットですが、メリノウール ケーブルセーターは首周りがキュッと詰まっていること、比較的体にフィットする大きすぎないシルエットが特徴です。ルーズになりすぎず、年齢問わず着やすい一着です。
軽い
編み柄がある分、重いものも多いケーブル編みのセーターですが、こちらはゆるく編まれているので、重すぎないというのが嬉しいポイント。その分防寒性はやや劣りますが、あえてインナーに色のあるものを着たり、レイヤードする楽しみもあります。
エクストラファインウール リブニット BEIGE |YONETOMI NEW BASIC
セーターのふっくらとした起毛感もいいですが、ちょっとキレイめの格好をしたいときには合わせにくいなと感じてしまうことも。エクストラファインウール リブニット BEIGEは、光沢感のあるニットでビジネスシーンでも着やすい一着です。片畦編みの中でも一般的に裏面として使用されるフラットな質感の「平目(たいらめ)」をあえて表に採用し、装飾的なテクニックを一切廃したシンプルなデザインになっています。
セーターは重みがありますが、それは極限まで度詰めで編まれているから。その分しっかりと目が詰まり、高い防寒力と耐久性が生まれています。
山形県のニットファクトリーが作るYONETOMI NEW BASIC(ヨネトミニューベーシック)。素材開発から商品開発、量産に至るまで山辺町の自社ファクトリーにて一貫して行っており、新しい素材があると聞けば先駆けて取り入れ、新しい製品づくりに積極的に励んできました。全自動横編機が計43台と、日本一、世界でも有数のローゲージに特化した生産体制を誇ります。
▼ここが決め手!
スカーフも似合う光沢感
太い一本の糸ではなくて、ハイゲージのニットで使うような細番手の糸を何本も引き合わせて使用することにより、シルクのような光沢があるのが特徴。シルクのスカーフとも好相性です。結び方を考えて諦めてしまうことが多いスカーフですが、セーターからチラリと覗かせる合わせ方であれば、どなたでも気軽にスカーフを取り入れたおしゃれを楽しめます。
チクチク感が少ない
イタリア産19.5μ(ミクロン)極細ウールをミドルゲージで贅沢にもぎっしりと編み込んでいます。また、太い一本の糸ではなくて、ハイゲージのニットで使うような細番手の糸を何本も引き合わせて使用することによりカシミヤのようなしっとりとした質感が生まれ、チクチクしない滑らかな肌触りになっています。型崩れしにくく、自宅での手洗いも可能です。
クルーネックエルボーパッチセーター HARVEST GOLD|William Lockie
無地、フェアアイル柄、ケーブル編み。そんな定番デザインが多いセーターの中で、少し個性的なのがエルボーパッチがついたこちら。無地のシンプルな一着が、このパッチひとつで愛嬌のある一着に変化しています。
正面から見ると無地のセーターに見えますが、動いたり後ろから見たら気が付くというさりげなさもいいですね。
コート:テーラードジャケットコート、デニム:CTX-012L 12オンス セルヴィッチ クロップド ジーンズ、シューズ:TS-C04 3穴外羽シューズ
エルボーパッチは、もともと狩猟服のデザインに由来したもので、肘を地につけて銃を構える際に擦り切れを防ぐ、補強のためにつけられたもので、まさに機能がデザインになった無駄のない装飾。今の生活では肘から先に擦れてしまうことはなかなかありませんが、そんな補強のためのものなのでスエード風の別素材になっています。
▼ここが決め手!
薄手でありながらも暖かい
エルボーパッチが付いていても、子どもっぽく見えたりしないのはニット本体の素材の良さがあるから。素材は、ラムズウールの中でも高級品種のタスマニアウールを使用しています。ラムズウールは、メリノ種羊の生後6ヶ月までの子羊の毛を紡毛加工したものですが、William Lockie(ウィリアムロッキー)のラムズウールは、高級ランクのジーロングラムズウールに近い肌触りと風合いであると評価されています。ニットは太い糸の方が上質で空気を蓄え暖かいものですが、こちらは一般的なニットと比較しても密に編んでいることで、細い撚りでも高い保温性があります。また、密に編むことでハンドメイドセーター同様に、長年の着用でもへこたれることなく、弾力性は保ちながら型崩れしない耐久性があるセーターに。薄手なので、ウールのセーターやダウンなど厚手のアウターを重ねても窮屈感がありません。
クルーネックセーター Forest 285|Harley of Scotland
毎年様々な色が登場するHarley of Scotlandのクルーネックセーター。素材のシェットランドウールとは、シェットランド島伝説の海藻を食べる羊の毛で、厳しい環境で育つため非常に軽くて暖かいことに加え、発色が良いのが特徴なのだそう。その羊達のウールを、地元スコットランドで1798年に創業した老舗ミル工場の独自のブレンドし、シーズン毎に100色以上用意されているというバリエーションの豊富さを誇ります。ありそうでなかった色が揃うので、差し色の一着をお探しの方におすすめしたいセーターです。
1929年によって設立されたスコットランドの老舗ニットメーカーHarley of Scotland(ハーレーオブスコットランド)。設立当初からホールガーメントを採用し、現在も稼働している数少ないニットメーカーでもあります。コストパフォーマンス優れた製品として長く愛されています。
Forestというこちらの色は、冬の針葉樹林のような濃く美しいグリーン。より濃く深みがある色で、冬らしさを演出してくれます。
▼ここが決め手!
選べる3サイズ
身長:162cm
プレーンなニットだからこそ大切にしたいのがサイズ感。S/M/Lの3サイズ展開でご用意しています。丈を短めにコンパクトに着たい方、シャツを重ねても窮屈感が出ないようにしたい方、合わせる服や好きなスタイルに合わせてサイズをお選びください。
ごろつきのない着心地の良さ
ブランドの代名詞ともいえるフルファッション製法。フルファッションとは、手編みのように身頃や袖などを型紙に合わせて織目を増減させはぎ合わせて作る手間のかかる製法のことで、通常のニットにはあるボディとアームも縫い目が無いため快適な着心地です。ごわつかず重ね着した際にも肩周りが動かしやすいのです。
起毛させたことによるふんわりとしたクルーネックセーター。ほわほわとしているので、例えばさきほどのHarley of Scotlandのクルーネックセーターと比べても華やかさがあります。なんだかちょっと物足りないなというときに手に取る機会が増える一着です。
柔らかでガーリーな質感ですが、ラグランスリーブでボーイッシュなカジュアル感がミックスされています。糸を編むと空気の層が出来ますが、シェットランドウールの場合は糸が太いためにその層が大きく、ウールが湿気を吸った時に蓄熱する量が大きいと言われています。冬場に最も欲しい保温性、という観点から見ても秀逸な一着です。
インナー:スーピマノイルコットン 長袖レイヤードTシャツ、パンツ:圧縮ウールパンツ、シューズ:MILITARY DERBY SHOE 1830 Black
NORMAN TULLOCH(ノーマン タロック)は、自然豊かなシェットランド諸島で育てられた羊の原毛で糸を紡績し、糸から製品まですべてシェットランドで製造することにこだわっているファクトリー。その誇りを示すように、製品タグには"Made in the Shetland Islands of Scotland"と記されています。120年前に天然染料によって生み出された色を再現する、美しい発色が評判です。
▼ここが決め手!
気軽に着られる起毛加工
モヘアのようなホワホワ感ですが、こちらは起毛加工によるもの。そのため毛足が短くモヘアのような繊細さがないため、気兼ねなく着ていただけます。また、自宅で手洗いも可能なのも嬉しい点です。
ご紹介した5点以外にも、あらゆる素材やデザインが揃っています。お気に入りの1着に出会えますように。
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