ずっと使いたいモノ、置いてます。

凛とした佇まい

白土が際立つ白い菊が描かれた器。
西川貞三郎商店の器は、四季を表現した絵付けと釉薬の表情豊かさが魅力で、その中でも、熟練職人が一筆一筆丁寧に描いた美しい白菊が伸びやかに咲き誇る抹茶碗　白菊刷毛目銀彩は、地に銀彩を刷毛目で入れ、その上に白と金を用いて描かれた白菊が美しい器です。
菊の絵付けは、本来の季節の秋に最も楽しみたい器ですが、白菊の花言葉である「真実」「誠実な心」を象徴する美しい女性に姿を変えたような器で凛とした品のある佇まいと、今や年中お花屋さんにあることもあって、一年を通して楽しみたい美しい器です。

伝統に手を加えて愉しむ「かより」シリーズ

抹茶碗　白菊刷毛目銀彩は、清水焼きの新しい愉しみ方を提案する西川貞三郎商店の「かより」シリーズの器です。古くから受け継がれてきたものに、少し手を加えたり組み合わせたりすることで、新たな愉しみ方を見つける。そんな豊かな遊び心も京都が長い歴史の中で培ってきたものの一つで、いつの時代も人の暮らしや営みに華やかさを添えます。絵付けに西洋的な色合いやモチーフを大胆に取り入れてみたり、伝統的な茶具を思いがけない方法で組み合わせみたりして生まれた「かより」には、そうした創意を感じます。

抹茶碗は、お茶の席用という限定した使い方ではなく、煮物やおひたし、和え物などの小鉢としてや、お酒の後のちょっとしたお茶づけや麺類などを入れたり、アイスクリームやカフェオレボウルとして洋の食を盛り付けるにもおすすめです。また、お客様用にお漬物などを盛り付けても器の話題もできて楽しい時間になりそうです。
和だけでなく洋の雰囲気をも感じる美しい白菊の器は、美味しいものや料理が好きな方、日本文化を楽しめる方への誕生日やお礼の贈り物としても、他の方とは被らないギフトにおすすめです。

京都の美意識

清水焼は、京都を代表する伝統工芸品の一つで、もともと清水寺に向かう清水坂界隈の窯元で焼かれていたものを指してそう呼んでいたのが始まりです。日本の各地の有名な陶磁器が、その土地固有の土や水など自然条件を生かしてつくられているのに対し、1000年に渡り、都として人々が集まった京都の美意識や文化が影響し、日本独特のわびさびの文化を感じさせる焼き物であることが特徴といえます。

京都は都であったことから、古くから日本の中心地として全国の焼き物が集まる巨大な市場でした。桃山時代に入ると茶の湯の流行とともに京都市内でも茶道具、器を作るようになり、茶人や宮家・公家、各地の大名や寺へ献上されるようになりました。現在でも300以上の窯元があります。

シンプルモダンに進化

大正6年創業で、まもない大正10年頃からシベリア・中国南洋諸島へ清水焼や生活用品の販路拡大に努めていた老舗、西川貞三郎商店は、日本の伝統文化に根差した新商品を開発しています。
現代においては珍しいことではありませんが、創業当初から国内だけにとどまらず、パリやオランダなどヨーロッパを中心に広く清水焼を紹介している老舗メーカーです。その功績から、全国中小貿易京都連盟の初代会長となり、京都伝統工芸品の輸出の草分けの一人として名を残し、日本の都、京都で大切にされてきた清水焼は、今も昔も世界で注目され続けています。

西川貞三郎商店の作る器は、日本の美しい風景を連想させつつ、雪・月・花をコンセプトに見立て、釉薬の重なりが織りなす繊細さや、澄みきった職人の技と揺るぎない伝統 、華やかさを愉しむ京の遊び心を器で表現しています。日本らしさを大切にしながらも海外にも目を向け、シンプルでいてモダン。それでいながら、日本人ならではの美的感覚がきちんと盛り込まれた情緒ある焼き物です。