前編では、fog linen workオーナーの
関根由美子さんを訪ね、「ものえらび」「ものづくり」という視点で
リネンを長く使うことで生まれる愛着について伺いました。
そして後日、取材で伺ったお話を思い出しながら、
ZUTTOスタッフが愛用しているリネンアイテムを並べてみたのが、この写真。
こちらの写真、左から右に行くにつれて
段々と使った年数が長くなっていきます。
キッチンクロス、ハンカチのようにシンプルなクロス類の他、
エプロンやリネンパンツなど、身に付けるものもありますね。
一番右のリネンパンツがZUTTOスタッフ愛用品の中では
最長記録(?)なのですが、持ち主であるスタッフ堺いわく、
もうどれくらい着たか分からない、とのこと。
左端のキッチンクロスとこのリネンパンツは
どちらも同じ「ナチュラル」の色みですが、
写真で見ても色合いや風合の変化が見て取れます。
2:以前ZUTTOでリネンラッピング(大)として使用していたクロス
3:リネンハンカチ
4:エプロン(※こちらの型は既に廃盤です。)
ZUTTOスタッフの中で愛用率が高いのは、シンプルなクロス。
オリジナルラッピングにfogのリネンを使用していることもあって、
ラッピング用のリネンを手仕事の中で使ったり、
ランチョンマットとして使ったりすることが多いようです。
fog linen work(フォグリネンワーク)から年に2回、
春と秋に届くカタログ。
商品はもちろん、写真や装丁が素敵なので
スタッフがバックナンバーをストックしていました。
シーズンごとに新しい柄が生まれ、
少しずつ買い足すのが楽しみになるリネンアイテム。
もちろん廃盤となる柄もありますが、
定番で変わずずっと愛され続けられている品番も。
その筆頭が、「N(ナチュラル)」です。
関根さんの愛用品の中にも、
この「ナチュラル」のリネンが多く登場していました。
fog linen workの中で一番最初に生み出されたという
「キッチンクロス ナチュラル」で、
リネンのエイジングについて見ていきましょう。
写真左が新品、右が2年使用したキッチンクロス。
2年経過したものは、いつもキッチンに掛けて
食器拭きとして使っている、現役選手です。
よくよく見てみると、長く使ったものは少し毛羽立ちがあって、
新品よりもかなり柔らかな手触りになっています。
洗濯を繰り返している分、色が薄くなっているのも分かりますね。
関根さんによると、新品を使い始める時の
最初の水通しで5%ほど縮むのだとか。
長く使ったものと新品とを比較したところ、
さらに、ぐっと縮んでいました。
新品はパリッと糊が効いているのに対し、
アイロン掛けせずに使っているということもあって
だいぶくったりとした良い風合になってきています。
そしてこちらも。
fogのクロスには裏側に洗濯表示が印字された
ループが付いているのですが、ブルーの印字が
だいぶ薄くなって、見えないくらいに。
たくさん洗濯したんだなぁ、という証ですね。
アイロン派か、ノンアイロン派か、というのは悩ましい問題。
ZUTTOスタッフも関根さんと同じように
キッチンクロスやエプロンはアイロン掛けはせずに、
くったりとした風合を楽しむことが多いです。
それでも、来客時のテーブルクロスなどは、
やっぱり真っ直ぐに、パリッとしたリネンで決めたい。
そう思うものです。
ところが、サイズの大きいテーブルクロスを
ピシっとアイロンでプレスするのはなかなか骨の折れる作業。
そんな時におすすめなのが、香りを楽しみながらのアイロンがけ。
1:the Laundress(ザ・ランドレス) アイロンウォーター
2:naiad(ナイアード) 朝摘みばら水
3:Florame(フローラム) ピロースプレー
アイロンウォーターは、そのままアイロンのタンクに注いで
スチームを掛ける時に便利ですし、
ばら水やピロースプレーは、霧吹きの水に
適量混ぜれば、ほんのり香りが付いて心地良いですよ。
好きな柄、好きなデザインを選びというのも、
愛着をもって長く使うことの大切なポイント。
fogのリネンの柄はシーズンごとに入れ替わりがあるので、
廃盤になってもう手に入らない!というものも
中にはありますが、それもまた愛着が増す理由の1つなんですね。
1:ネイビーとレッドのチェック柄
2:爽やかなブルーとホワイトのストライプ
3:何にでも使いやすい細めのストライプ
セレクトした3柄はどれもブルー系の色みですが、
並べてみると1つずつ表情が違いますね。
(ちなみに、実はこの3枚、
ZUTTOのオリジナルラッピングで
使用してきた歴代のリネン達です。)
今日はどれを使おう?と、気分に合わせて柄を選んだら、
どんなシーンで使うか考えるのも楽しいですよ。
関根さんにお話を伺う中で、
身に付ける服からキッチンやリビングはもちろん、
バスルームや寝室でも、普段の暮らしにリネンが
溶け込んでいるなというのを会話の端々から感じたのですが、
シンプルなリネンのクロスこそ、色々な用途で使えます。
ハンカチサイズを4つ折りにしてお菓子のプレートを乗せたり、
花やグリーンとの相性を楽しんだり、
もちろん、バスルームで使うのもOKです。
道具としてのリネンだけでなく、
それと同じ素材で身に付けるアイテムが揃うというのも
fogの魅力だと思います。
気兼ねなく洗濯機でジャブジャブと洗って
さっぱりと乾かすことが出来るリネンは、
肌に触れても心地良いこと間違いなしですよ。
お料理だけでなく、家仕事をする時にも欠かせないエプロンや…
リネンパンツは、リラックスする時のお気に入り。
ちょっとリッチな気分を味わえるバスローブは、部屋着のガウンとしても。
今回の企画のキーワードは「普段使い」でした。
ものえらびの視点から言えば、
例えば繊細なガラス製品を日常的に使ったり、
高価なダイヤモンドのネックレスを普段から
身に付けるという格好良さも、あるでしょう。
それとは別に、ストレスなく毎日使い続けられるものというのは、
やっぱり良いな、と改めて思います。
洗濯機でジャブジャブ洗っても強いこと。
毎日使い、選ぶ楽しみがあること。
適正な価格であること。
fogのものづくりにおけるこだわりは、
普段使いというコンセプトに集約されています。
2年使ったリネンのキッチンクロスと新品とを
比べてみると、とても大きな差がありました。
関根さんのお話にもあったように
今まさにリネンをご愛用中という方には
時折、真新しいリネンを仲間入りさせて、
リネンのエイジングを実感頂けたら…。そんな風に思います。