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暮らしの中の、播州刃物

 

播州刃物(ばんしゅうはもの)をご存知ですか?
日本の刃物ブランドはその切れ味や耐久性からいまや世界からも注目されるようになっていますが、暮らしの道具として改めてその歴史や使い勝手、活用法などをご紹介していきます。

 

 

 

播州刃物が製造される地は兵庫県南西部の播州。刀の鍛造が元々の始まりと言われており、現在では小野市の伝統的特産業として家庭用刃物や鎌の製造を行っています。
その歴史は古く、1744年に剃刀が製造され、その後1807年にはにぎり鋏や包丁、明治44年にはナイフの製造が始まりました。

 

 

250年以上もの間その時代のニーズに即したものを作り続け、積み重なった技術を用いてさらに進化を遂げています。刀の鍛造が元々の産業ということもあり、扱っているのは鋼(はがね)の刃物。
現代では様々な拡大解釈があるようですが、鋼とは元々は焼き入れによって硬化する鉄合金を指します。鉄を焼き、叩いて圧力を加えることで強度を高めるとともに目的の形状に成形する技術のことです。

 

 

鋼の硬度と切れ味について

 

鋼の特徴として、「切れ味が良いが、錆びやすい」という点が挙げられます。刃が硬いことが切れ味の良さにつながりますが、鋼に関しては折り紙付きです。一方ステンレスに比べると水に弱く、水が残っていると錆びが生じることもあります。水にさらされる用途のものはキッチン鋏、生花用鋏ですが、刃物は使い終わって放置しておくことは無いかと思いますので、仕舞う前に簡単に拭くことを覚えておけば面倒に感じることもありません。

 

 

 

播州刃物の商品アイテムは多岐に渡ります。
その中でも代表的なものを、ご紹介していきましょう。

 

キッチン鋏

 

<キッチン鋏>

台所仕事には欠かせないキッチン鋏。
食材のパッケージを開けたりすることに使用することが多いかと思いますが、播州刃物のキッチン鋏は、ぜひ食材を切ってみてください。

 

キッチン鋏

 

例えば、ねぎやニラ。
お味噌汁に入れる少しの量を、包丁とまな板で切るのはちょっぴり面倒。しかも擦れてつぶれてしまうこともあります。キッチン鋏ならお鍋の上でパチンパチンと切って完了です。他にも海苔やシソ、アスパラガスやレタスなど、キッチン鋏で切れる食材はたくさんあるんですよ。

 

キッチン鋏

 

例えば、鶏肉。
包丁で切る場合、皮が切りにくいので何度も引いたり押したりを繰り返すことがありますよね。鋏ですとその必要はなく、食材が滑らないので簡単に切ることが出来ます。


例えば、離乳食。
まだ小さいお子さんの食事作りは大変です。麺類を茹でて、お皿に載せてキッチン鋏で短く切ってあげる。パンやおにぎりを食べやすい大きさにカット。

 

「キッチン」という空間の中でも本当に様々な使い方があるキッチン鋏。播州刃物の専門的なラインナップの中でも、毎日活躍するのはこのキッチン鋏かもしれませんね。

 


 

握り鋏

 

<握り鋏(爪型 105mm)>

 

お裁縫を日常的にやらない方でも、取れてしまったボタンを付ける、ちょっとほつれてしまった裾をかがる、くらいのことは必要に応じてしますよね。
裁ち鋏を使った大それた針仕事でなくても、必ず必要なのがこの小さい握り鋏ではないでしょうか。

 

握り鋏

 

糸切り・細かいところの布地の切断に適し、230年の播州刃物の歴史の中でも、お客様の要望に応えながら、様々な形のバリエーションが作られてきました。
布を傷つけないために刃先の丸まったものや、反り刃など数ある中から、一番シンプルで使い易いタイプを選んでいます。

 

固すぎず緩すぎない、適度な反発で、チョキンと小気味よく楽に切れます。

播州刃物の産地には、一本の鉄の棒から最終工程まで、今では珍しい手打ち鍛造で製造される数少ない職人さんがおられます。日本鋼の高炭素鋼を使用していますので切れ味に加え、摩耗性にも優れた品です。

 


 

生花用鋏

 

<生花用鋏(池の坊165mm)>

花の寿命は、上手な水切りによって伸ばすことができます。
水切りとは、切り花の水の吸い上げ口を適切に処理することで、花が効率的に水を吸い上げるようにすること。

 

生花用鋏

 

水切りで最も大事なことは、吸い上げ口の断面や茎の導管を潰さずにきれいに、斜めに切ること。その際、花用の鋏を使うことをおすすめします。
播州刃物の生花用鋏は刃の角度を鋭角にすることで断面の繊維を潰すことなく、水の吸い上げを良くするのでお花を長く楽しむことができます。

 

古流型

古流型もございます。

 


 

白鷺 散髪鋏

 

<白鷺 散髪鋏>

前髪だけ自分で切る方、お子さんの髪を切る方にぜひお試しいただきたいのがこちらの散髪鋏です。

プロユースもされているこの鋏は、髪を効率的に切るために計算された理想的な刃線を有し、最大の特徴であるネジ部は、毛髪切断時の抵抗を極限まで減らすためにベアリングを2個使用し、切断時における手への負担を軽減させる構造になっています。

 

切り心地はとても軽く、自分で髪を切るのも楽しみになってくるほどです。

 

 

 

播州刃物 桐箱

 

播州刃物は、パッケージにもこだわりが。きちんとした印象の桐箱を開けると、刃物は美しい布で覆われてお届けされます。この布は、播州織物です。

 

播州織物とは、兵庫県西脇市で生産される綿織物のこと。先染めによる平織りはシャツ地として用いられ、チェックやストライプ、ボーダーなどの柄物が特徴的です。同じ地域に根ざす地場産業の播州織物で、播州刃物が包まれているなんて、とても素敵ですよね。
(播州織物の柄は予告なく変更になります。商品ページに掲載している柄は一例です。)

 

 

 

播州刃物 ギフト

 

このように、播州織物と桐箱に包まれた播州刃物、素敵なパッケージを見るとついついどなたかに贈りたくなってしまいますよね。でも贈り物で刃物はタブー?と心配される方も多いかと思います。

 

確かに、贈り物で刃物はNGだという話もよく聞きます。それは刃物が「縁を切る」ことを連想するからだと思うのですが、最近では解釈の仕方が大分変わってきています。

刃物は、「邪気を払い、未来を切り拓く」神聖なものとして扱われてきた経緯があります。結婚式ケーキカットのナイフ、船の進水式での斧、七五三の男子には守り刀、様々な式典でのテープカットの鋏など、新たな出発を祝う場では刃物が使用されていますよね。
このように、刃物は人生や未来を切り拓く象徴として、贈り物で用いても問題ないものです。

 

それでも、贈り先のお相手がどのように思われるかは大事ですよね。その場合は刃物を選んだ理由を一言添えてみてはいかがでしょうか?日々の暮らしの中で使いやすい播州刃物はとても喜ばれるギフトになると思います。

 

 

 

播州刃物 メンテナンス

 

<錆びを防ぐには>
前述の通り、鋼に水が残っていると錆びが生じることがあります。
使い終わったら必ず拭くことが大事です。メーカーがおすすめしているのは定期的に油を塗ること。ミシン油、椿油、シリコンスプレー等で軽く拭き取り、長期の保管には付属の桐箱で保管すれば防湿効果もあります。


<切れ味を持続させるには>
心地良い切れ味持続のために最も大事なことは、「用途以外で使用しない」ことなのだとか。切る対象物によって鋏の刃付け、構造を変えているので本来以外のものを、無理に切らないことです。
播州刃物の鋏は用途別で専門性を持ったラインナップなので、播州刃物で揃えても良いですね。

 

播州刃物 研ぎ直し

 

メーカーでの研ぎ直し


包丁の研ぎとは違い、鋏は刃物専門店でも難しい部類となります。
布・糸を切るものと植木・花を切るものでは、先端の刃付けが違いますし、2枚の刃で切る鋏は、歪みを取らないと刃付けが完璧でも切れません。そのため、研ぎ直しの際は播州刃物の職人にお任せください。購入された商品をどの職人がつくったか把握することができる体制なので、極限まで完璧な研ぎを提供することが可能です。

 

 

素材上、鋼というのは強固で長持ちする素材で、すなわち買い替えが少ないということです。手が届きやすい鋏は他にもありますが、長く愛用することを考えると切れ味も使い勝手も良く、かつ万が一のアフターフォローが充実していることはとても大事なのだと実感します。

 

 

▼播州刃物取り扱い商品一覧はこちら

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投稿者: 丸山 日時: 2016年02月12日 11:00 | permalink

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