ずっと使いたいモノ、置いてます。

シンプルに差がつくデニム

余計な装飾のない、シルエットと履き心地を重視したデニム。合わせやすく重ね着にも活躍する、迷った時にはこれというデニムは欠かせないという方が多いようです。そんなシンプルなデニムは、ヴィンテージデニムやトレンドデニムの数々を研究し続けてきたこだわりのメーカーが、今改めて日常使いにおすすめする、ストレートスリムならコレという1本をご紹介します。

世界に誇れる児島のブランド

岡山県の南端に位置する繊維の町・児島は世界に誇れるデニムの産地。その地で職人一丸となって服を作るFOB FACTORY（エフオービー ファクトリー）は1992年に活動をスタートしました。リーバイス、古着ブーム、多数のインポートデニムブランドの登場と、様々なデニムブームを経験した上で、見かけばかりのものではなく、着て2～3年経った頃に買ってよかったと思える服、自分たちの作る服で着る人の生活に良い影響を与えたいという思いに辿り着きました。職人気質なmade in japanデニム。糸・生地・縫製・ボタンやファスナーなど、本当に良いと思うものを突き詰めたものづくり。開発した生地やそれぞれが持つ技術を活かすこと、そして着用する身体そのものや生活を考えることで、デザインは自然に、必然的に誕生しているのだそうです。

コンパクトなシルエットの基本の1本

ST.SLIM G1138は、12.5オンスのセルビッチデニムにストレッチ性を持たせたベーシックなパンツ。上質感のある履き心地が良いこちらは、シンプルでいて随所にちょうど良いこだわりを貫いた『基本の1本』と言えます。　

セルビッチデニムとは、昔の旧式織機を使って織られたデニム生地のことで、生地の両端の「耳」が見られることが特徴です。セルビッチデニムの生地巾は80cm程。（通常のシングル巾が110cm、ダブル巾が146cmです。）現在の技術の織機は高速でキレイに、キズも少なく織れますが、生地の表情がフラットになりがち。FOB FACTORYが求めるものはビンテージのような凹凸感があり、粗野な雰囲気を持ちながら温かみのあるデニムです。その為、敢えて古い旧式の力織機（緯糸がシャトルで織られる織機）を使用して旧き良き時代の表情のデニム生地を製作しています。80cmという狭い生地巾で、ゆっくりと少しづつしか生産できないため、1日に50mしか生産できない覚悟で織られています。
そして、こちらはそんな古い織機を使用したセルビッチデニムでありながらも、技術の力でポリウレタンを織り込むことに成功した珍しいセルビッチストレッチデニム。見た目も履き心地も叶えてくれるのです。

縫製にはポリエステルの上にコットンを巻いたコアスパンと呼ばれる糸を使用しています。自然な退色が見られ、生地の経年変化とともにヴィンテージ感のある表情に変化することを楽しめる糸です。古い時代にはコアスパンというものはなく、オールコットン糸が使われていました。コットン糸は生地とともに変化して自然な味わいが深まります。現代では強度があり、低コストで縫製も楽にできるスパン糸（ポリエステル）が多く使われていますが、合繊のため糸だけが変化せず浮いてしまうという欠点があります。
そこで、こちらで使用しているコアスパンはポリエステルの上にコットンを巻くことで、コットンより強度が出て、上層にコットンがくることで糸色も自然な発色に変化していくという優れものなのです。
裾縫いでは専用のアメリカ製のミシン・ユニオンスペシャルが活躍しています。アイロンをする工程が省ける金型を通す事でテンションがかかり、裾の部分に凹凸感が出て、着用していくと裾にアタリが生まれます。

毎日のように活用できる究極のベーシックデニムには、経験を積んだこだわりのメーカーによる、考え抜かれたディテールを織り込んだ1本がオススメです。