ずっと使いたいモノ、置いてます。

独自のパターンが作るフィット感。リネンの変形バッグ

そのバッグには不思議な魅力があります。ヨーロッパのとある街で誰かに毎日のように愛用されてきたことで、味わいを深めたような風貌。肩に力が入っていないおしゃれ。今まで見慣れたバッグとはどこか異なる形。そんな魅力たっぷりのMARVELETS（マーヴェレッツ）のバッグには、フランス、パリで育まれた技巧が込められています。

こだわり抜いたリネン生地とパターンの為せる技

幅のあるショルダーベルトと丸みを帯びた形が特徴的な、リネン レザー ショルダーバッグ GULUTO。肉厚で目の詰まったヘリンボーン織のリネン生地がしっかりとした丈夫な印象を作っています。原料となるリネンは1835年に北アイルランドで創業したハードマンズ社製。ハードマンズ社が作るリネン糸は「アイリッシュリネン」を代表する亜麻潤紡糸として世界中で高い評価を得ています。生地自体は岡山県倉敷市の帆布を手がける機屋に依頼し製造。リネンならではのしなやかな柔軟性をそのままに残しつつ、綿密に織っていることで十分な耐久性を備えており、素材の良さが表れたかのよう。さらに表面は起毛加工とすることで、より手触り良く、ヴィンテージ感が高められています。

通常、ショルダーバッグというとバッグの両脇にショルダーベルトが付いていますが、こちらのバッグは正面、背面のどちらから見ても右半分が真上に伸びた形になっています。そのためバッグにねじれが生じ、不思議なニュアンスが生まれるとともに、このパターンによってバッグの中が見えづらくなり、持った際に体に沿うことで持つ人が動きやすくなっています。この技術は、作り手である満田氏が服飾デザイナーをしていた際にパターンの厳しさで有名なコレクションブランドで叩き込まれたもの。パターン技術がMARVELETS（マーヴェレッツ）のバッグの基盤となり、バッグでは通常見られない「型紙の妙」を生み出しているのです。考え抜いた型紙は極力シンプル。その分、余計なパーツや縫い目がなく、丈夫に仕上げられるというメリットも生まれています。

内側にはファスナーの付いたポケットが付いているので、大事なものはこちらへ。さらにショルダーベルトの外側に小さなポケットも付いているので、よく手に取るスマートフォンや定期入れなどを収納することが出来ます。外側に付いた牛革ベルトがアクセントになり、くったりと丸みを帯びた形が優しく荷物を包んでくれます。バッグはオーバーダイ（製品染め）が施されているので、程良く柔らかさがあり、既に使い込んだかのような味わい深さがあるのも特徴。

開口部はフックが付いたタイプになっており、風合いを増していくリネン・革・真鍮のバランスが絶妙なデザイン。ショルダーバッグなので、肩に掛けたり、斜めがけをすると柔らかく体に馴染んでくれます。使っていくうちに変化する表情が楽しみなバッグです。

フランスで培った信念をバッグへ

MARVELETS（マーヴェレッツ）の創業者であり作り手である満田秀二氏は、母親がクチュールデザイナーだった影響を受け、服飾デザイナーとしてフランス、パリで活動していました。そんな氏がたまたま先輩デザイナーのバッグ工場を訪れた際に、革の魅力と加工の面白さに衝撃を受けたことが後にMARVELETS（マーヴェレッツ）をスタートさせるきっかけとなります。服は通常多くの人の手を経て完成していくもの。それに対してバッグは、革を思う色に染め、ほぼひとりでもハンドメイドで仕上げることが出来る魅力があります。その魅力に惹かれた満田氏は、自身がよりバッグの製作に打ち込める岡山県に環境を移し、MARVELETS（マーヴェレッツ）をスタートさせたのでした。

「時を経て、より深みを増すもの」「色あせて、より愛着の湧くもの」 。これが満田氏が考えるものづくりのコンセプト。ヨーロッパの人々はものを長く大切に使い、その価値が高まっていくことを知っています。こうしたヨーロッパ文化の影響を受けた満田氏によってデザインされるバッグには、時代に流されない、それでいて唯一無二の感性が反映されています。