ずっと使いたいモノ、置いてます。

意外なほどのしっとり感

長く愛されるモノやブランドには、必ず理由があるもの。
シンプルな出で立ちの、一見何の変哲もないJames Charlotte(ジェームス シャルロット）のクルーネックセーターには、見た目からは、すぐには想像がつかない、誰もがいつでも身に纏いたくなる「ベーシック」であるための大事なこだわりが実は密かに存在しています。

選ばれた「ピュアウール」と確かな着心地へのこだわり

縦に走った細い編み目が見える程度に、うっすらと起毛した、厚くも薄くもない、まさに「ふつう」の生地。どこにでもありそう、なんて考えながら何気なく手に取った時、不意をつかれたのは、そのしっとり感でした。思わず手の中の生地をにぎにぎ、指の腹で撫でてみたり。柔らかくてゴワつきがなく、乾燥しがちな敏感肌の手で触っても、心地良く感じます。この風合いは、スーパーファインラムズウールと呼ばれるピュアウールを使って、丁寧に編まれているから。

付かず離れずのちょうど良いシルエットは、シームレスな身頃と、ラグランスリーブのパターンによるもの。脇に縫い目がなく、袖も肩から脇にかけての縦の切り替え線が入っていないため、フォルムがすっきりとして重ね着もしやすく、動きやすくて快適な着心地を叶えています。ラグランスリーブは肩幅が目立ちにくいので、華奢に見せる嬉しい効果も。

一見気にも留めないようなディテールや、目に見えないこだわりが、着心地の良さや着まわしやすさを生み出した、何枚あっても良いと思える優れた定番ニットです。

着る人を選ばない、DERBY GREY。カラーボトムスの引き立て役は言わずもがな、シックな同系色コーデに取り入れても、ややざっくりとした風合いとラグランスリーブが程良いカジュアル感をプラスする、万能なミディアムグレーです。

ニットの本場から

およそ400年も前から伝わるハンドフレームニット製法。この製法を得意とするニットブランド、James Charlotte (ジェームス シャルロット）は、熟練のニッターとリンカーによる伝統的なニットを作るため、イギリス北東部の都市 グリムズビーを拠点に、1976年にニット専業メーカーとしてスタートしました。

英国ニットの発祥には、1589年にウィリアム・リーという牧師がニット編機を発明したという歴史があり、素材や製法を守り続けるメーカーが多く存在します。中でもJames Charlotte (ジェームス シャルロット）は、厳格な採用基準を持つことで有名な、英国発祥のスポーツであるクリケットの公式ユニフォームの生産を請け負っています。また、冬のニットに用いるウールには、英国政府が設定する英国羊毛公社（B.W.M.B）の厳しい基準をクリアしたものを使用するなど、素材も厳選するというこだわりです。

古典的な美しさ

昔ながらの織り機を用いた、手織りで作るハンドフレーム製法は、産業革命以降の機械化が進む中で、近年採用するメーカーは英国でも僅かとなっていますが、大量生産品では味わえない質感や精度の高さ、温かな着心地、味わい深い風合いといったこの製法ならではの魅力から、現在も一流ブランドに選ばれ続けています。また、ふわっと膨らんだ柔らかな風合いや、滑らかな縫い目は、織り機を操る熟練の腕や、小さな編み目を拾う優れた視認力と器用な手先を持った職人によって実現しています。

グリムスビー漁船の漁網修理のために建てられた、約150年前の建物に工場があるというJames Charlotte (ジェームス シャルロット）。職人が一目一目愛情を込めて拾う様子を想像すると、さらに愛着がわく一枚になります。