ずっと使いたいモノ、置いてます。

次の世代に受け継がれる職人技

余計なボリュームのないすっきりとしたフォルムと、流行に左右されないシンプルなデザイン。かつて有名スポーツブランドのジョギングシューズを生産していたAsahi（アサヒ）が作るのは、当時の製法を生かして、福岡県の久留米工場で一貫生産されているこだわりの一足です。

技術を継承するスニーカー

Asahi（アサヒ）での1970年代から続くジョギングシューズの生産は、海外の有名スポーツメーカーのスニーカーから始まりました。当時全米に広がっていたランニングブームを支えていたシューズも、Asahi（アサヒ）の久留米工場で作られていたものなんだとか。TRAINER 016 BLACKは、その当時のものに近い1980年代の足型（ラスト）を使用し、爪先芯を入れないことなども踏襲することで、デザイン的にも機能的にも1970〜80年代頃の、ビンテージなシルエットや雰囲気を表現しています。

見た目だけでなく、製造方法も継承しているのがTRAINER 016 BLACK。通常金型を開発し量産されているソールですが、TRAINER 016 BLACKではEVA素材をミッドソールとして、一つ一つ削り出しています。人手や手間のかかる方法ではありますが、当時の技術を残していくためにも現在もこの製法を続けているのです。実際に当時のソールを削っていた方が今も現役でTRAINER 016 BLACKのソールを削っていて、技術を次の世代に日々受け継いでいます。ちなみにその職人さんの帽子には、限られた選りすぐりのベテランのみがかぶることができる「Meister」と印字があるのだそう。

履き口には柔らかなレザーを使い、履き心地の良さと軽さも魅力のTRAINER 016 BLACK。スニーカーというと量産品という印象が強いですが、Asahi（アサヒ）のスニーカーからは、職人さんの思いやこだわりが感じられます。履きやすさはもちろんのこと、そんな背景を知ることでもっと大切に丁寧に履いていきたくなるスニーカーです。

日本の靴文化を支えた老舗から

1892年に福岡県久留米市に創業して以来、120年以上に渡り日本の靴文化を支えてきたシューズメーカー、アサヒシューズのシューズブランドが、このAsahi（アサヒ）です。アサヒシューズは、創業者である石橋徳次郎が現在の会社の前身となる仕立物業（縫製業）「志まや」を創業したことに始まり、事業はふたりの息子に引き継がれました。それまでシャツやズボン下に足袋といった種々雑多な商品を作る仕立物業の非効率さを感じた彼らは、1907年に「志まや」の事業を「足袋専業」に変更します。電動機の導入や、綿布からの一貫生産などを取り入れながら会社を大きくしていき自社工場を設立。開発した貼付式地下足袋（足袋にゴム底を着けたもの）が評判を呼び、会社はさらに大きくなります。この生産において、ゴムを仕入れて加工をしていると採算上不利であったため、自社でのゴムからの一貫生産をすることにしました。これが現在の靴の生産へとつながっているのですね。このAsahi（アサヒ）はそんなアサヒシューズが作っているデッキシューズやスリッポンなど男女問わず履いていただける靴をもっと提供したいと考え、別ラインとして独立したブランドなのです。