ずっと使いたいモノ、置いてます。

銅の美しさをインテリアに

1日に何度も目にする壁掛け時計。携帯電話やパソコンなど、時間を確認するためのツールは様々登場していますが、リビングや書斎の部屋の壁にいつもそっと佇んでいてくれる存在は、安心感を与えてくれます。日本を代表するプロダクトデザイナーとして知られる渡辺力が作る壁掛け時計は一見スタンダードなデザインですが、数字の大きさやバランスを追求し、普段の暮らしに馴染む、誰にでも見やすい時計です。

シンプルさの奥に秘められたこだわり

渡辺力氏は家具などの大きなインテリアから腕時計のような小さなプロダクトまで同じように、常に使う人のことを考えてデザインしてきました。中でも時計については、目に見えない生活の流れを的確に伝えてくれる最も身近な計器と捉え、この計器をどのようにして使う人に寄り添ったものにするかを考えて、ライフワークとしてデザインしてきたアイテムです。

フレームに銅板を使った銅の時計は渡辺力氏の百歳を記念して作られた時計。渡辺氏が最も愛してきたとされる壁掛け時計と置き時計の2種と、渡辺氏が大切に使ってきた素材、銅を組み合わせて製品化したものです。京王プラザホテルメインバー、ブリアンのインテリアデザインに初めて剥き出しの銅板を持ち込んで以来、氏の銅への愛着は益々深まり、クロックデザインにおいても数々の試作でその可能性を探ってきた素材です。

銅の時計には、素材の美しさを表現するために純銅を用いています。そのままではすぐに黒く変色してしまいますが、できるだけ最初の状態を保てるようにと、銅の表面にはクリア塗装が施されています。しかしながら金属には、目に見えない無数のピンホ－ルがあり、その中の僅かに蓄積した水分などと化学変化を起こし、黒い斑点が出てくることもありますが、こちらも銅という素材ならではの変化としてお楽しみください。

銅の時計には2種類の大きさがあります。小さな時計は、一体成形でつくられた立体文字が美しい影を作り出す掛け時計としても置き時計としても使える時計。ベッドサイドや仕事机に置くのにちょうど良いサイズです。リキクロックは時計として最も基本的な見やすさということを重視した軽やかなデザインが魅力の壁掛け時計です。銅という素材の美しさを再発見でき、木が基調になりがちなインテリアの中で、キラリと輝きを放つ存在に。華やかなアイテムなので、引っ越しのお祝いやお誕生日プレゼントにも素敵ですね。

工業デザイン界の巨匠

デザイナーの渡辺力は、戦後日本のデザイン黎明期に革新をもたらしたパイオニア的な存在でした。
1940年代にデザインがまだ一般的ではなかった時代に、デザインの原点、機能をデザインにした数々の名作を世に送り出してきました。時計のデザインは、渡辺力にとってライフワークといえるほどで、どんなに太い文字や針を使っても 見た目が軽やかでないといけないというデザインベースで、時代を超えても愛される時計を多く生み出してきています。
また、現代において日常の中で渡辺力のデザインに触れていることは少なくなく、時計以外にも、ホテル等のインテリア、椅子、家具などサービス施設や公共の場におけるプロダクトデザインにも数多く携わっていました。

『インテリア・デザインは、舞台装置のように「虚構」の世界に入り込むことも十分に考えられます。しかし舞台と役者のかもし出す空間と時間が観客にとって虚構を乗り越えた「何か」でなければなりません。虚構がみえみえではしらけてしまいます。』こうした言葉を残した日本が誇るデザイナー渡辺力。 101歳で逝去するまで生涯現役を貫いたデザイナーが手がけた渡辺力（わたなべりき）のアイテムには、しっかりと渡辺力の「 Riki 」というサインとデザインに対する情熱が刻まれているように感じます。