「暮らし」というものに注目が集まり、大量生産・大量消費から、一つのモノと向き合い、本当にお気に入りだけを長く愛用していくことが美しいとされる世の中になりました。今回ご紹介する米沢緞通・滝沢工房(よねざわだんつう・たきざわこうぼう)は、山形県米沢市の絨毯職人が時間と技術を惜しみなく投じた、一生モノにしたいラグを制作しています。
始まり
米沢緞通・滝沢工房は1691年に山形県南部・米沢市に生まれた手織りの絨毯・「緞通」の工房です。米沢市は米沢藩時代から絹織物産地として有名で、日本国内の繊維産地最北地として、現在では天然繊維と化学繊維の総合産地となっています。「米沢織」と親しまれたこの織物は、高い品質から海外への輸出も多かったといいます。
滝沢工房は絹織物の織機の組み立てやメンテナンスから生業が始まり、親戚が絨毯を手織りしているのを見て「織り機次第でもっと織りやすくなりそうだ」と思い、絨毯織機の研究を始め、織りやすい手機織機を考案。1966年から手織絨毯業を営むようになりました。
手織絨毯・緞通は強く打ち込みできるので、毛が抜けづらく、丈夫なものが作れます。そのため、裏地や接着剤を付ける必要がなく、表の図案がそのまま緞通の裏面に現れます。
裏面をみると密度の高い緞通ということがよくわかります。
首相官邸にも採用された絨毯を、現代に
難しい織りや、大きいサイズの絨毯のオーダーが入るたび、自分たちで織機を考案のうえ生産できるその高い技術が認められ、米沢緞通・滝沢工房の絨毯は首相官邸や日生劇場に納品されていました。そんな丈夫かつ質の高い絨毯を作ってきた米沢緞通・滝沢工房ですが、今は現代の暮らしに合う小さなサイズを積極的に採用しています。大きなリビングや寝室に広げるような絨毯も素敵ですが、ベッドサイドにラグを置いたり、ダイニングチェアにスツールラグを並べたり、床に座る時のフロアパッドとして、その魅力を遺憾無く発揮します。伝統的な技術とモダンで洗練されたデザインが融合した緞通たちは、和洋どちらの空間にも合い、ひとつあるだけでインテリアに深みが増すのです。
緞通(だんつう)とは敷物用織物の一種で、中国語の毯子(タンツ)の音訳です。一般的には床に敷いたり、装飾用として作られてきた手織りの絨毯のことを指します。緞通の制作には膨大な時間と労力がかかり、指先でひと目ずつ毛を結び植え、ハサミや包丁で裁断し立毛して行きます。手織りだからこそ、様々な色や模様が表現でき、その美しい柄と密度の高いしっかりとした腰の強さを持つため、格式高い高級品としても知られています。
制作の様子
デザインをおこしている様子
一生ものにしたい、その理由
米沢緞通・滝沢工房の緞通は、手に取った人に「ずっと使っていきたい」と思わせるような職人の思いと高い技術が詰まっています。特に特筆すべきはその丈夫さで、ふっくら、ずっしり目の詰まった腰のあるウールのラグは、職人が手作業で結び植えていることもあり、裏地が必要ありません。
これまでの日本の暮らしでは、絨毯・緞通はリビングや寝室で大きく敷いて使うものという概念から、何十万、時には何百万という高級品という印象が強くありました。暮らしが多様化するにつれて、大きなリビングや、寝室に広げて楽しむ絨毯・緞通から、コンパクトな生活環境に似合うように変化したのが、米沢緞通・滝沢工房のラグたちです。お部屋の模様替えの時も簡単に移動できますし、自由な使い方を想像するのも楽しいものです。
さらに、米沢緞通・滝沢工房ではメンテナンスも充実。長く使った絨毯やアクシデントで汚れてしまった絨毯は、米沢緞通で修理・洗浄していただけます。まさに長く付き合っていきたくなります。
左上:気まぐれ格子 赤、右上:かさなりオレンジ、左下:かさなりグリーン、右下:はなあわせ
左上:うりぼう、右下:お花
こちらは米沢緞通・滝沢工房で最も大きなラグ。受発注生産でご用意いたしました。約63cm×約45cmというサイズの緞通は、玄関マットに最適なサイズです。
ご用意した柄は5種類。
【気まぐれ格子 赤】赤と黒の格子柄のように見えますが、よくみると横の黒い線はジグザグとしています。職人さんが作る伝統的な絨毯でありながら、デジタルの数字を思わせるような格子の表現が新鮮な柄です。
【はなあわせ】優しいピンクの地に鮮やかな色で表現されたキキョウの花の柄。まるで踊っているような花を見ると気持ちまで明るくなりそうです。米沢緞通・滝沢工房(よねざわだんつうたきざわこうぼう)には何十年も前に描かれた図案が数多く残っており、こちらもそのひとつです。
【かさなり】 まるで一枚の抽象画のような柄。雲形が二つ重なり合ったシンプルながら印象的なデザインです。
【お花】小さなお花が整列したデザイン。どこか涼やかなイメージで、北欧家具や白木とも相性が良いです。
【うりぼう】北欧テキスタイルを思わせるトライアングルが整列したデザインは、「お花」に比べると可愛らしさを抑えめにし、老若男女問わず気に入っていただけるシックな印象です。
※【はなあわせ】以外は、ラグの地色の部分は自然羊毛を使っています。染色していない羊毛をブレンドして色を作っているため、様々な色が重なりあい、グレー〜ベージュの間の自然な羊毛の風合いになります。
「絨毯を現代の暮らしに落とし込む」という目的のもと、コンパクトなサイズ感になったラグは、玄関に、ベッドサイドに、チェストの横に、ドレッサーの前に、まるで床に絵画を飾るように揃えていただきたいのです。
美しい裏面
正方形のチェアラグもご用意しています。(こちらは受注販売ではございません)
左:夜空、中:はなあわせ、右:おしどり
気まぐれ格子赤
一辺38cmの、正方形のチェアラグは、【夜空】【はなあわせ】【おしどり】【気まぐれ格子赤】【うりぼう】【花】の6種類をご用意。硬い木の椅子や、レザーシートの椅子などに置いてお使いください。朝晩の冷んやりする時期、お気に入りのラグが一枚あるだけでふんわりと暖かく、ほっこりとした気持ちにしてくれます。厚みもあり、すぐにへたらないところも、毎日使いするラグにぴったりです。
お花
夜空
また、スツールラグもご用意しています。
スツールラグ 雲と山
スツールラグは、スツールに使える長方形のラグでバタフライスツールにぴったりと合うサイズ。雲と山といった昔から愛されるモチーフを、ポップにアレンジしています。約30cm×40cmで、チェアラグを長方形にしたサイズ感です。
タペストリー ほら貝
こちらはタペストリーとして壁面に飾れる緞通。どこか懐かしさも感じる和の雰囲気を残しながら、ポップなデザインがモダンで可愛らしいです。【ひょうたん】【布風船】【ほら貝】の3種類をご用意しており、紐を解いて棒を外せば、花瓶敷きにもなります。
今回米沢緞通・滝沢工房でご用意しているラグは受注生産品です。以下の注意事項をお読みいただき、ご了承の上お買い求めくださいませ。
ご注文から商品のお届けまで
頂いたご注文は、受注してから工房で一枚一枚製造に入ります。即納ではございませんので、ご了承くださいませ。そのため、本製品はお届け指定日をお選びいただくことができず、ご注文からお届けまでに約1〜2ヶ月ほどでご指定のご住所へ発送させて頂きます。
※ラグは、他のアイテムとおまとめが出来ません。受注品でない米沢緞通のアイテムを注文される場合は、別でご注文いただきますよう、何卒ご了承くださいませ。
キャンセル・返品交換について
受注品は一点一点職人がお客様のためにお作りしておりますため、お客様のご都合によるキャンセル・返品・交換不可となっております。予めご了承頂きますようお願い致します。
お支払い方法について
ご入金いただいてからの制作になりますので、代引きでのご購入は受け付けておりません。クレジットカードをお選びの場合、商品が発送されるまでの間は、基本的に決済はされず「仮決済」の状態となります。商品発送後に「本決済」となります。ただし、アマゾンペイ・キャリア決済を選ばれた際は、決済の都合上、発送前に決済確定を行う場合がございます。何卒ご了承くださいませ。
緞通をお求めいただく際の注意事項
米沢緞通の地色は素材本来の色となっており、必ず商品ページ通りの色合いのものがご用意できることはお約束できませんことご了承くださいませ。自然羊毛を染色せずブレンドし色を作っているため、様々な色が重なり合い自然な風合いになっており製品一個ずつ色が若干異なります。地色はグレー〜ベージュに近いお色味になりますので、どのような色合いのものがくるか、楽しみにお待ちいただけますと、幸いです。
お手入れ方法
使い始めはウール独特のムダ毛が出ます。防縮加工のために水洗いを行なっておりますが、ウール繊維の断面の集合体のためどうしてもムダ毛が避けられませんこと、ご了承くださいませ。ご使用を重ねますと自然に落ち着いてきますが、気になるようでしたら、テープなどで取り除いてください。
埃っぽいように感じましたら、ぬるま湯を固く絞った白いタオルで毛向きにしたがって上から下へと拭きあげてください。埃とムダ毛が両方除去できます。毛の向きがわからないときは裏のタグが下がっている方が下なので、ご確認ください。困難な汚れのときは専門店でクリーニングしてください。
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