すっかり寒くなった季節に、「そういえばあの人は今どうしているだろう?」なんて、長く会っていない友人のことをふと思い出すことも。大人数でワイワイすることはまだ憚られるけど、自宅でのプチパーティーや年末年始の親族が集まる時期に、何か楽しみがあるといいなと思います。
例えば、ダイニングテーブルの真ん中に置いて楽しい、ちょっと珍しい調理器具はいかがですか?これからの家族で過ごす週末や、長いお休み期間、久しぶりの友人とのホームパーティーや親戚の集まりに、おいしいご飯の楽しみをプラスして。今回は新登場のロースト土鍋を含めた、長谷園(ながたにえん)の伊賀土鍋のご紹介。
伊賀の風景
長谷園は天保3年(1832)に築窯して以来、伊賀焼の伝統と技術を継承してきました。文明とともに進化するライフスタイルを肌で感じながら、常に時代を見据えたものづくりをしている作り手です。
調理に最適な伊賀土のこと
鎌倉時代に生産が始まり、古くは茶陶(茶の湯に用いる陶器)として、現在は日常の器として活躍する伊賀焼。生産地である伊賀市は、かつて琵琶湖の底であったと言われ、その地層から採れる伊賀の土の中には、400万年も前に生息していた有機物が多く存在します。
この土を高温で焼くと有機物が発泡し、土の中に細かな気孔が数多く生まれるのですが、この状態になった土は熱をすぐに通さず、一度蓄熱する性質を持つため、じっくりと熱を伝えられることから、調理に適した土と言えるのです。日本で取れる土の中で、土鍋にできるほどの耐火度を持つのは伊賀の土のみと言われています。
重要文化財にも指定されている、長谷園の「登り窯」
熱に強い特性を活かし、「伊賀の七度焼き」と呼ぶ高温で何度も焼く製法を取り入れていますが、焼きすぎて窯の中で壊れてしまうものも。完成品として取り出せるものはごくわずかで、とても手間のかかる焼き物なのです。こうした工程を経て出来上がった伊賀焼は、力強い形、独特の土の風合いが特徴でもあります。
長く使われる台所の定番道具、土鍋をもっといろんな人に
おうちで燻製料理が楽しめる、いぶしぎん (卓上燻製器)
長谷園の伊賀土を使った鍋や調理器具は、現代の暮らしにフィットするように考えられたアイテムばかり。使い道は複数あり、土鍋の良さをしっかり感じ取れます。素材の味を活かしたシンプルな味付けでも驚くほど美味しくなるので、嫌いな人がいません。味付けに悩むこともないので、人を呼んで集まるときにも便利です。電子調理器具と違って火があればいいので、キャンプやバーベキューにも活躍しますね。
NEW! ロースト土鍋
ロースト土鍋はその名の通り、ロースト(炙る)ができる土鍋です。伊賀の粗土の特性(多孔質)により蓄熱性が高く、遠赤外線効果で食材の芯までしっかり熱が浸透し、土鍋なのに空焚きができるので、ロースト以外にも「焼く」「炒める」「煮込む」など、あらゆる調理が可能な多機能性があるのが大きな特徴。(揚げ物には対応していません)
特に得意としているのは「無水調理」。野菜・肉・魚などの食材がもつ水分を使って煮込みや蒸し調理を行う“無水調理”で、味が薄まらず旨みをたっぷり含んだ調理ができます。例えばカレーやビーフシチューも、水を使わずに野菜や肉から溢れる栄養ある水分だけでこっくりと味わい深い一品へ変わります。本体とふたの間が密封されるシーリング構造は特許を取得していて、ロースト料理、蒸し野菜から焼き芋まで、バラエティ豊かな食卓が一つで作れてしまうのが、ロースト土鍋の最大の魅力なのです。
新米を美味しくいただく、かまどさん
「土鍋ご飯」その美味しさはわかっていながらも、なんだか手間がかかりそうだから躊躇してしまうもののひとつかもしれません。「今は機能的な炊飯器があるから・・・」などと言い訳をして躊躇していた方へ、長谷園が簡単に美味しくご飯を炊けるお鍋「かまどさん」を作りました。
火加減調整が不要
多孔質で肉厚のかまどさん(ご飯土鍋)は、いわゆる「はじめチョロチョロ、中パッパ」をお鍋そのものがしてくれる作りになっています。付属説明書には「鍋底の釉薬がかかっていない、白い部分の約半分の高さまで炎が達することを目安にしてください。」とあり、実際にその通り使ってみると、火をかけている途中気にせずとも、ふっくら美味しいご飯が炊き上がります。
二重蓋のため吹きこぼれない
かまどさんが二重蓋構造になっていて、重さのある中蓋と外蓋の相乗効果で中のお米に圧力をかけることで、吹きこぼれを防いでくれます。吹きこぼれてコンロまわりが汚れてしまったり、火が弱まってしまったりといった心配がいらない点は、様々な工程をこなす料理中、とても便利です。
炊きあがったら蒸らして、そのまま食卓へ。遠赤外線効果の高い釉薬を使用しているのでお米の芯まで熱が通り、肉厚成形の仕上げにより熱を蓄えてから穏やかに伝えてくれるので、本当にふっくらとしたご飯が炊けます。土鍋から直接よそるご飯がなんとも美味しそうで、それだけでご馳走ですね。具沢山の炊き込みご飯、美味しい新米と、かまどさんから季節の美味しさを是非感じてみてください。
伊賀の粗土が木のおひつと同じように呼吸をするので、かまどさんで炊いたご飯のべたつきを防ぎます。木製の宮島しゃもじも一緒にお届けします。
スタッフも愛用するかまどさん。今の時期は新米をコトコト炊くのが楽しみなのだそう。
しっかり煮込む肉厚土鍋、伊賀土鍋 アメ釉
一点一点手作りだからこそ、自然で個性豊かな長谷園の伊賀土鍋。水炊きなどの冬の鍋はもちろん、ご飯を炊くことができるのはもちろんのこと、食材の水分を引き出す土鍋の特性を活用して、炒め物の定番でもある焼きそばを作ることだってできます。長谷園の伊賀土鍋 アメ釉は平たいデザインなので、そのまま大皿として食卓へ並べられるのも嬉しいポイントです。電子レンジやオーブンも使えるので、かぼちゃのグラタンも簡単に作ることができます。
底面には伊賀ならではの粗土を使用することで熱が通りやすく工夫され、遠赤外線効果の高い釉薬を使うことで食材に均等に熱が加わり、しっかりと味が具材に染み込みます。蓄熱力も高いため、火を止めた後でも弱火でじっくり煮込むのと同じ効果があり、 食材の旨みをより引き出してくれます。煮る・焼く・蒸す・焙るなどの調理器具として昔からプロの料理人にも好まれてきた土鍋です。食卓を楽しく囲み食材本来が持つ美味しさを十二分に味わって欲しいと追求し続けてきた長谷園の思いが感じられる土鍋の無限大の可能性をお楽しみください。
バラエティ豊かな土鍋、ビストロ蒸し鍋
このビストロ蒸し鍋は、蒸す・煮込む・ロースト・炒める・焼く、ができる万能土鍋。陶製すのこが付属していて、ヘルシーな蒸し料理が楽しめます。新鮮なお野菜やお肉の素材の味を楽しみたい時に。もちろんすのこを外して、通常のお鍋として使うことも可能で、食卓に並べて華やかで楽しいお鍋です。
手ごろなサイズなので場所をとらずお手入れも簡単。食卓に並べても味のあるおしゃれなデザインなのでテーブルを華やかに彩ってくれますよ。
実際に長谷園のロースト土鍋を愛用しているスタッフに、その良さを聞いてみました。
「聞くより実際にやってみた方が良さが分かると思います!」早速調理してみることに。
スタッフ:今日は無水カレーを作ります。本当に水を入れなくても作れるので、見てみてください。
まずは切った具材をお鍋にポンポンと放り込みます。野菜やお肉の水分を使って作るので、水分がたっぷりある野菜を入れるのがポイントです。私はトマトを多めに入れるようにするとうまくいくなと思っているので、たっぷり使います。
蓋をしめてぐつぐつ。ロースト土鍋って、土鍋なのに空焚きできるのがポイントで、火をかけても底面が熱くなりすぎず、勝手にコンロの火が消えたりしないんです。じっくり火を通すことができて、焦げ付きも安心です。重さがあること、そして内側の蓋部分に溝があって、そこに内部からの水蒸気が溜まることで密閉されます。
「無水カレー」というと圧力鍋を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、圧力鍋とは違ってロースト土鍋は調理途中で味見が出来るのが便利という方もいるみたいです。
しばらく煮込んだらこんなに水分が出てきます!ここにルーを加えてまた煮立たせます。
このロースト土鍋で、大体4〜5人前のカレーが作れました!野菜がたっぷりで濃厚でトロトロ、水を入れないから本当に味に深みがあってすごくおいしい。このロースト土鍋は、無水調理できる鍋と土鍋のいいところを組み合わせた、万能な土鍋と言えると思います。
別日にローストポークも作ってみました。
豚ブロックをボンと入れて周りに人参とか玉ねぎとかごろごろ入れて火をかけただけです。じっくり火を通すので柔らかいのにお肉の余分な脂が落ちていて、とてもヘルシー。お野菜もほくほくで、シンプルな味付けでもすごくおいしい!
ローストポークを作る時に気をつけたのは、土鍋にコゲがつかないように、最初別のフライパンで肉の焼き目だけつけること。その後付属の網に乗せてロースト土鍋でじっくり中に火を入れたら、網の下に余分な油出てくれました。チャーシューなども同じ手順で作れますよ!
使っていていいなと思ったポイントは、鍋の裏面に、鍋底が熱くなり過ぎないようにするための切れ込みが入っているんですが、それが五徳にうまくはまってくれて、安定感があって安心だなと思いました。
すごく気に入っているのでいいポイントばかりお伝えしてしまいましたが、デメリットは重さと、焦げ付いた時に洗うのが大変、というところですね。いわゆる土鍋らしい"持ち手"がないのは、収納にも邪魔にならなくて良いですし、「土鍋感」を消してくれて、あらゆるキッチン・リビングに合うと思います。
付属の網を使えば、炙り野菜や焼き餅、焼き芋など、網を使った焼き料理も作れます。年始にお餅を焼いて楽しむのもこの鍋でできますよ。
今回はおやつに焼き芋を作ったので、こちらもご紹介したいです。子どもが外で遊んで帰ってきた時のおやつにすごく良くて、よく作っています。
鍋を火にかけた後、そのまま冷ましておけるのが便利!保温性があるので、一気に冷めてしまわないのもポイントで、子どもを迎えにいく前に作って、火を止めて外出して、帰ってきた時に食べ頃のあったかいお芋が出来上がっているのが嬉しいです。他の方法で焼き芋やふかし芋を作ると、熱々の状態で火傷しかねないので、ほんの小さなポイントなのですが、普段から作る私にとっては大きなポイントです。
長谷園はオフィシャルでレシピブックを出しているのもポイントで、普段の暮らしに寄り添ってくれながらも、いろいろな料理に挑戦してみようかな?というポジティブな気持ちにさせてくれる調理器具ばかりです。
ローストや蒸し料理など、一見してある料理に特化した土鍋を扱う長谷園ですが、使い道が一つしかないわけではありません。どの土鍋でも「炊飯」や「鍋」「煮料理」をすることができるので、まずは一番使いたいアイテムを決めて、長谷園の土鍋を体験してみてください!
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