秋の装いが楽しみになるようなポップな柄。時を超えて愛される、久留米のかすりショールのお話。

日々身につけているものの中で、特別なアイテムはありますか？例えば、手入れをしながら長年愛用している靴や、贈り物でもらった時計やジュエリーは、緊張する場面でも平常心を保つ力をもらったり、勇気をもらったり、チャレンジする気持ちを思いだしたりします。今回ご紹介するかすりショールも長く使うことで気持ち良く、優しさを感じられる織物。「久留米かすり」と呼ばれる日本の伝統工芸であり、重要文化財でもある特別な逸品です。

左からCHECK・DOTS・BORDER

久留米かすりとは？

今でいう福岡県の南側にある筑後地方に伝わる久留米かすりは、200年以上前の江戸時代に誕生した伝統工芸品でもある綿織物。どんなに機械が進化しても、人の手でしか作ることの出来ないかすりは｢括る｣｢染める｣｢織る｣という30以上の工程を全て手作業で行います。

当時のかすりというのは、仕事着として各家庭で手織りされた無地のものが一般的だったのですが、綿糸を先に染めてから織ることで、微妙なズレが生じ、独特なかすれ模様となったのが後の久留米かすりで、ファッションとして好まれ、その優しい風合いの柄、織物に浮かび上がらせる技法のことを「久留米かすり」というようになります。

豊かな土壌と豊富で綺麗な水源で生まれた久留米かすり。非常に軽く、通気性や肌触りも良いので夏は涼しくいられて、冬は暖かいので年中手放せない存在になります。洗ざらしの状態でもかすりらしくて素敵なので、そのままクルクル巻いて出かけられます。暮らしに適した自然体でいられる製品なのです。

秋の装いが楽しみになるようなポップな柄も

サイズは、幅約37×長さ約184(cm)と、ショールほど大判ではないちょうど良い長さと程よいボリューム感です。ZUTTOでは、伝統を大切に日常に取り入れやすい生地を選び、イエローベースのハンサムチェック「CHECK」、日本の伝統的も感じつつつも、北欧のポップなデザインにも見える、優しいブルーの「DOTS」、テープを切り貼りしたような楽しい柄をベージュとブラウンで作った「BORDER」の3種類を用意しました。

CHECK

DOTS

BORDER

また、使い始めからかすりの良さが感じていただけるように、洗い加工を施していますので、届いたその日から、かすりの良さを体感できるようにしています。

昭和46年創業の問屋にお願いして作った一枚

製品を依頼したのは昭和46年創業の久留米絣で有名なオカモト商店。初代・野口太助により創業したオカモト商店は、世のファッションが和装から洋装へと変わりゆく中で、「絣をいかにして旬の流行にマッチさせていけるのか？」を問い続け、機屋と消費者をつないできたオカモト商店。200年前は仕事着にしてきた丈夫で、使い込んでどんどん肌触りが良くなり、繕いながらも使い続けられ、昔は母から娘へ、そのまた娘へと受け継がれていた久留米かすりを現代に合わせて製品化するオカモト商店は、ずっと長く愛用したい製品を作ります。生地作りから縫製まで、手間ひまかけて織りあげられたかすりショール（スカーフ）は、毎日休むことなく使うことで愛着が増す製品です。

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