ZUTTOでも10年近くのお取り扱いしている、KISSO(キッソオ)のアクセサリー。身につけるだけで気持ちが明るくなるようなカラフルな色使いと、優しいつけ心地が好評で、自分用のみならずギフトにも人気のブランドです。
今回は福井県鯖江市のKISSOさんにお伺いし、数ある素材の中からZUTTOのお客様に喜んでいただけそうな素敵な柄を探して別注を作っていただきました。よみものでは、その手間暇がかかる製造工程や、一緒に柄を選んでいただいたKISSOの喰田さんにもお話をお伺いしています。
眼鏡の産地として全国的に知られる、福井県鯖江市。鯖江の眼鏡は分業制で作られており、街を車で走っていると至る所で眼鏡関連の会社や工場を見かけます。鯖江市内の眼鏡関連従事者は約6人に1人と、まさに「眼鏡のまち」なの。tesioのサングラスも、鯖江市で作られています。
KISSOのアクセサリーを作る株式会社キッソオも、1995年に眼鏡の材料商社として鯖江市で創業しました。創業者である吉川松郎氏は、当時、加工が難しいとされたチタンを使った眼鏡が鯖江で本格的に製造されるのを見越し、いち早く材料供給体制を整えて最先端の眼鏡加工機械をイタリア・フランス・ドイツから鯖江に提供していたのだそうです。
お隣には越前漆器や越前和紙の産地である越前町や、越前打刃物で知られる武生市、繊維工場も多く点在していたりとまさにものづくりのエリア。今年ZUTTOが参加させていただいたRENEWもこの地域のイベントです。どのメーカーさんも、ものづくりの伝統を守りながら常に新しいことに挑戦していく姿勢が感じられ、KISSOのアクセサリーも、眼鏡の素材という概念にとらわれないまさに新しいものづくりです。
今回ZUTTOが別注に使用させてもらったのがこちらの素材。
倉庫に保管されている数多くのセルロースアセテートの中から、担当の喰田さんにアドバイスをいただいて一緒に選んだ柄です。
ここにはメーカー側で廃盤となって現在は生産されていない素材もたくさんあり、今回選んだのもそのひとつ。メーカーのわずかなストックからアクセサリーのために仕入れた素材なのだそうです。
ZUTTO:今回選ばせてもらったものは水玉のようなチェックのような、不思議な柄ですよね。角度によってブルー〜パープルに変化していく色もとても綺麗で、見た瞬間にこれで作ってもらおう!と思いました。ZUTTOにこの色をお薦めしてくださったのはどんな理由からでしょうか?
喰田さん:この素材は以前から面白い柄だなと思っていたんです。こうやって光に透かしてみると色々な柄が見えるでしょう?玉虫色というか、角度によって色が変わっていくのも素敵だなと思っていました。
喰田さん:ただこういう柄って、眼鏡のフレームに使うとどうしても細くなってしまうので、なかなかこの柄の面白さが伝わりにくいんです。でもアクセサリーは面積を広く見せれるので十分に伝わるなと。そう思っておすすめさせてもらいました。
ZUTTO:見る角度で色が変わるというのは面白いですよね。屋内外で印象が変わるので、一つでいくつもの雰囲気を楽しめるというのもいいですよね。
ZUTTO:他の素材も色々見させていただきましたが、色柄が日本の眼鏡ではあまり見ないようなものも多いと感じました。これらは全てイタリアから届くのでしょうか?
喰田さん:はい、KISSOのアクセサリーに使っているのは、全てイタリアの老舗メーカーのMAZZUCCHELLI(マツケリ)社というところのものです。イタリアは眼鏡をファッションの一部として捉えていることもあって、色柄が非常に豊富なんです。毎年新柄もたくさん出ているんですよ。
ZUTTO:眼鏡の生地になるセルロースアセテートを作っているメーカーさんの中でもMAZZUCCHELLI社を選んでいるのはどういう理由からですか?
喰田さん:なんといっても色柄の美しさですね。特に今回の柄はMAZZUCCHELLI社にしか作れない色柄なんですよ。一枚になっている板ですが、これは柄ごとにいくつもの柄の層を重ねて作っているんです。こういう柄を作るのには職人の高い技術が必要で、他のメーカーではなかなか作れないものなんですよ。
別注Aurora Dot イヤーカフ/ペンダントルーペ/ヘアタイ
今回の別注柄を使って、「ヘアタイ」「ペンダントルーペ」「イヤーカフ」という人気の3アイテムを作りました。
単品ではもちろん、いくつかを組み合わせても素敵に決まります。一見落ち着いたカラーですが、動くたびにきらりと光る、シックな装いにもよく馴染むアクセサリーです。
KISSOのアクセサリーは、軽くて肌馴染みが良いのも特徴。金属のひんやり感が苦手な方や、普段アクセサリーをあまりに見付けない方にも手に取りやすいので、ギフトにも喜ばれます。
昨年リニューアルし、製造工程の一部を見ることができるようになっており見学させていただきました。眼鏡のフレームに使われるセルロースアセテートを素材として使うKISSOのアクセサリーは、眼鏡と同じ工程を経て作られています。その工程は分業制で、まさに眼鏡の産地鯖江だからこそ作れるアクセサリーと言えます。
板の状態でイタリアから届くセルロースアセテート。そこからさまざまな工程を経て、一つのアクセサリーが出来上がっています。
セルロースアセテートをまっすぐに伸ばす
比較的低い温度で変形するセルロースアセテート。届いてすぐの状態は、ゆがんだりたわんだりしているので、まずはそれを圧力をかけてまっすぐ平らな状態にします。
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それぞれのアクセサリーの形状に抜く
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バレル研磨をして角を取り、表面を滑らかにする。
分業制で作られるのが鯖江の眼鏡。この工程からは他の協力工場で行われています。
参考)tesioを作る谷口眼鏡さんで見せていただいたバレル研磨。タンクの中に、フレームと一緒に研磨剤と、プラスチックや木、竹製のチップを入れてガラガラと回し、タンクの中でフレームと研磨剤やチップがこすれ合うことで、均一で滑らかな表面に仕上げていきます。
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曲げ加工、レンズをはめる
キッソオに戻ってきた素材は、それぞれのアクセサリーに必要なパーツを追加したり、曲げる加工が行われてます。お伺いした日にはちょうどルーペを製造されていました。レンズの加工もノギスで細かくチェックしながら精度高く行われています。
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最後の艶出しの研磨(バフ研磨)
バフ(羽布)というフェルトや布でできた円盤型の研磨機に研磨剤をつけて行われるのが最後の艶出しの工程。これによって、KISSOのアクセサリー特有の美しい艶が出ています。
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小さな傷や凹みがないか、最終チェック
セルロースアセテートという素材は、熱によって柔らかくなり加工がしやすくなる素材。その分、プラスチックなどよりも傷や凹みが製造工程でつきやすい素材とも言えます。最後の検品ではルーペを使って1点1点、細かく確認していました。
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完成!
眼鏡のフレームと同じ工程で作るKISSOのアクセサリー。いくつもの工程を経て、美しい輝きが生まれています。
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