どこか懐かしさを覚える籐かごや、籐でできた椅子。曲げやすく軽量という素材の特性を活かしたものづくりを続けているのが、山形県に拠点を持つツルヤ商店です。
ZUTTOでは数年前から新しい商品をご相談して、もともとあったスツールをベースにより使いやすいようラッカー塗装にしたスツールや、玄関など狭い場所にも置けるよう相談してゼロから作り上げたスリムラックを作っていただきました。今年は新しい別注品として、「サイドテーブル」を加えて、受注会を開催します。
別注品製作でご協力いただいたツルヤ商店の代表・會田さんへインタビューでは、今回のサイドテーブルの細かな工夫についても詳しく聞かせていただきました。ぜひあわせてお楽しみください。
左から 【別注】籐 3段ラックサイドテーブル、【別注】籐 3段 奥行きスリムラック、【別注】籐編みスツール
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軽くて持ち運びやすい籐素材でテーブルが作れたら。きっと気軽に模様替えができるし、家の中の様々な場所がもっと心地よく、住みやすくなるはず。そんな気持ちからご相談したのが今回のサイドテーブルの始まりでした。耐久性、強度をツルヤ商店さんで見ていただき、試作を重ねて、ようやく出来上がったのが今回のサイドテーブル。今までのラックとは違って「テーブル」という用途が加わり、より幅広い使い方ができる籐のインテリアが出来上がりました。
重さは約2.7kgで、女性が軽々持つことができる重さ。この重量だから、どんな場所へも気軽に移動できるし、例え引越しをしたときも手放す必要のない、ずっと寄り添ってくれるインテリアになります。
・ソファ横のサイドテーブル
・飾り棚
・サイドチェスト
・ベッドサイドテーブル
など、日常の様々なシーンでお使いいただけたら嬉しいです。
天板(一段目、二段目)は万が一飲み物などをこぼしてしまっても拭き取りやすいように、籐の風合いを残したラッカー塗装を施しました。その他は無塗装で仕上げ、サイドテーブルとして他のシリーズと一緒に使っても違和感がない仕上がりです。白くてマットな風合いが軽やかなので、リビングのフローリングや玄関・キッチンのタイル、ベッド横にもよく合います。
ツルヤ商店のかごを愛用しているスタッフの相談から出来上がったスリムラック。狭い玄関や廊下にも置けるスリムな籐ラックがあれば、「ここにちょっと置きたいもの」の収納が叶うのに。そんな思いから生まれたアイテムでした。
キッチンカウンターの横や洗面所と狭いスペースでも、圧迫感なく収納スペースが増え、そのスペースがぐんと使いやすく。
また、「ものを仕舞う」ための収納道具としてだけなく、飾り棚のような役割も果たしてくれる作りに。奥行き25cmとスリムなので、どんな場所でも使いやすいラックです。
人気の別注籐編みスツール。こちらも愛用スタッフの「こんなのがあったらいいな」から生まれたもので、ZUTTOでしか手に入れることが出来ない特別な一脚です。
スタッフ「ツルヤ商店のかごを長年愛用していて洗面所やリビング、子供部屋など様々な場所で色んなものを入れてきましたが、どの部屋にも籐素材はとてもよく馴染むことに驚きました。そして多分それは、無垢の籐が持つナチュラルな雰囲気のおかげ。そこで、収納かごとは違う形でも籐を暮らしに取り入れられたらと思い、籐素材のスツールの別注をお願いすることにしたのです。」
「デザインは元々ツルヤ商店さんが販売されていたもの。オリジナルのスツールは、籐に濃い茶色の塗装が施され、とても渋くかっこいい雰囲気でしたが、いまの暮らしに合うようにそれをZUTTOの別注として籐本来の色合いを楽しめる淡い色合いのままにした仕上げに変更していただきました。
私の家での定位置は洗面所ですが、来客があった時にはテーブルに持っていって補助席として使っています。手間なくサッと運べるのが良いですね。」
受注会開始当初から人気の高いランドリーバスケットも、今回ご注文を承ります。
3段ランドリーバスケットの高さは約95cm。高さが出て収納力は上がるのに、後ろが見える「抜け」があるためか圧迫感はさほど感じません。
出し入れ可能なバスケットは下段だけでなく、上段や中段に入れて使うこともできます。
かごが取り外せることで、より自由な収納に。
Brand Interview
ZUTTOで長くご紹介しているツルヤ商店は、明治40年(1907年)に創業した、籐製品を製造する山形県の老舗ブランドです。
かつては多くの家庭や銭湯、旅館で見られた籐の脱衣かごや椅子は段々と安価なアイテムに代わられ、どこか伝統工芸のような位置付けになってしまった籐製品ですが、やはり籐は暮らしの道具。インテリアの軸になるインパクトはないですが、そっと生活に寄り添い、不便を解消し長くそこにいてくれる存在です。
本社にあるショールームには、かご製品がずらりと並びます。
会社の歴史を辿ると、現在の代表・會田源司(あいた げんじ)さんは、先代の社長であったお父様が病気で倒れたことをきっかけに、若くして仕事を継いだのだそう。時代は高度経済成長期、電化製品ブームの中でも、便利な製品が増えるほどに手仕事で作られたものを求める人もいるのではないかと考え、今のツルヤ商店のものづくりへとつながっていきます。
曲げるのはひとつひとつ人の手で。
製品にあわせた木枠を使って組み立てていきます。
ツルヤ商店では吟味した材料を使い、山形の手仕事として自社一貫生産を行い、品質の維持や技術の伝承につなげています。職人さんが「籐製品の良さを知ってもらいたい、そのために良いモノを作ることが大事」と、お話するようにツルヤ商店の籐かごを見ると、ものづくりへのとても真っ直ぐな想いが伝わってくるようです。
昨年のスリムラック、今年のサイドテーブルと別注品も一緒に作ってくださった會田さんへ、改めてお話を伺いました。
會田さん:
「ご相談のときにいただいた設計案をベースにしながら、私と、プロダクトデザインに詳しい社員と二人でサンプル製作を進めました。スリムラックのときもそうでしたが、ZUTTOさんから構造のラフをいただいて、そこから強度は問題ないかと、全体の構造を見ていきます。
籐という素材は、通常の木製と比べると、しなりがある分、少し不安定に感じる場合があるんです。なのでそれを支えられる補強のパーツも考えていくんですが、例えば、スツールだとこの部分も強度を高めるためにつけているものなんです。椅子ですから、座った時のがっしり感、安定感は大事ですよね。」
「この曲がっているパーツは座ったときに安定感を感じられるように設計したものです。デザインのようにも見えますが、この部分がないと椅子として成り立たないんです。」
「サイドテーブルだと、中央にあるアーチのパーツや、柵部分は強度、安定性のために付けているものです。」
二段目とフレームを繋ぐ中央のアーチ部分。
「中央のアーチは、棚の中央に配置することでより安定するんですよ。」
スリムラックにもある最下段の柵。
「はい。結果として収納棚として使えるので使いやすくはなってますよね。ただ、前後で高さをつけているのは、ものを取り出しやすいように設計した部分です。
あとはこの丸い部分も、籐の特性を利用した作った支えるためのパーツですね。丸くしているのは、この部分が斜めになっているからです。」
「手前や奥と同じように縦方向に柵を作ろうとすると、前と後ろで高さが違うので、一本ずつ長さの異なる材料を用意しなければいけなくなります。そこに曲げた円形のパーツを入れることで、柵を作らなくてもしっかり安定させられる。」
「大きくは、テーブルとして使うことを想定しているからです。一段目・二段目はよりテーブルらしく使えるよう編み目がぎゅっとした『目積(めせき)編み』で、三段目は『カゴメ編み』です。
カゴメ編みに比べて目積(めせき)編みはフラットですし、裏にベニヤを貼ることを考えたときに編み目が詰まっている方が見た目としていいですよね。目積(めせき)編みは縦横方向に編まれていて、捻れが出てしまう心配もあるんですが、ベニヤ板と組み合わせることで、テーブルとしてもしっかりしますし、捻れという問題もクリアできています。テーブルの天板としては扱いやすい編み目になっていると思います。」
一段目、二段目の目積編み部分。裏には強度を高めるためにベニヤを貼っています。
※ケバを焼く工程を入れてケバを極力少なくしていますが、多少のケバは素材の特性としてご了承ください。(画像はサンプル品、ケバ焼きなしの状態です)
縦横斜めに編まれている「カゴメ編み」は捻れにくい編み方。スリムラックやランドリーバスケットにも使われている、ツルヤ商店定番の編み方です。
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受注会期中には、この取材の後半もお届け予定です。どうぞお楽しみに。
※ご注文のタイミングによってお届け時期が異なります。ご注文時の商品名をご確認ください。
▼事前に必ず以下をご確認ください。
・商品のキャンセルやご返品は承っておりません。予めご了承くださいませ。
・代引き注文は不可となります。ご注文は【クレジットカード・アマゾンペイ・キャリア決済】をご利用くださいませ。また、決済の都合上、発送前に決済確定を行いますのでご了承ください。
・今回の受注会のお品物は、受注会以外のアイテムとおまとめができません。お手数ですが、別でご注文いただきますようお願い致します。
・ご注文のタイミングによってお届け時期が異なります。ご確認の上、ご注文くださいませ。また配達日の指定ができませんことをご了承ください。