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本物の花のような繊細さと儚さ、SIWAの和紙アクセサリー

 

SIWA|紙和(シワ)は、山梨県で生まれた、
特殊な和紙を使用した、日常で使える和紙ブランドです。
通常の和紙とは違い、水濡れにも強く強度が高い
ナオロンと呼ばれる和紙を用いて
ポーチやバッグ、収納ボックスなど、
通常和紙では作ることの出来ないアイテムを
展開しています。

今回、ZUTTOではSIWA|紙和(シワ)の
新しいシリーズ、【Flower Accessory】をご紹介
出来ることになりました。
アクセサリーという新たなジャンル、
デザイナーさんとの新たな取り組みについて知りたくて、
SIWA|紙和(シワ)のブランドマネージャーと
デザイナーにインタビューを行いました。

 

 

 

SIWA|紙和(シワ)を展開している大直(おおなお)は、
山梨県の和紙メーカーです。
障子紙や書道の半紙を作るメーカーとして誕生し、
現在もその生産を行っています。
そこから派生して、「破れない障子紙をつくりたい」
という思いから、ナオロンの研究がはじまり、
通常の障子紙の3倍から5倍もの強度のある新素材、
ナオロンが完成したのは2003年のこと。


その後、ナオロンの特徴を活かして
現代の生活に新しい提案をしたいとの思いから、
2008年、自社ブランドである【SIWA|紙和(シワ)】を
プロダクトデザイナーの深澤直人さんと共に立ち上げました。

 

SIWAブランドページ

 

 

SIWA ピアス fuji L

 

 

 

そんなSIWA|紙和(シワ)は2016年、紙のアクセサリーシリーズ、
Flower Accessoryを展開しました。
直営店以外ではZUTTOでしかご紹介していない
貴重なシリーズで、今回はブランドマネージャーの一瀬さんにお話を伺い、魅力を探ります。

 

一瀬愛さん。ほんわかとした雰囲気が、SIWA|紙和(シワ)のイメージにそのまま重なります。

 

 

ーーー今回、アクセサリーを新たに展開されましたが、
これまでのSIWA|紙和(シワ)のイメージと大分異なりますね。
どういった経緯があったのでしょうか?

 

今年(2016年)の3月に、銀座に新たに出来た複合施設、
東急プラザに出店したのですが、そのオープニングに合わせた
企画として、和紙の可能性を広げる新たな製品のラインナップを開発し
より多くの人に和紙の良さをお伝えしたいと思っていました。


そこで、銀座店に来てくださる女性に向けた企画として、
和紙でアクセサリーを作りたいと思いました。
一緒に企画をしてくださるデザイナーを探していたところ、
ニューヨークで活動をされているヒシカワアユコさんが適任と思い、
一緒に始めることになりました。それから毎週のようにスカイプで
打ち合わせをしながら試行錯誤して進めていったのです。

 

SIWA ピアス tanpopo

ーーーアクセサリーの題材として「花」を選んだのは
どういった理由からなのですか?


女性に向けた企画がテーマでしたので女性らしい
モチーフの「花をテーマにしたい」と。
同時に、華々しい新たな展開をお披露目するには
ぴったりなモチーフだとも思いました。
デザイナーのアユコさんも花をモチーフに製品を作られて
いましたし、今まで行ってきた、深澤さんの手がける
ミニマルなSIWA|紙和(シワ)の製品とも相反し、
デコラティブな表情も表現したい、という思いもありましたね。

 

藤やたんぽぽ、なでしこ等を実際に製品として
展開しましたが、製作段階では他にもお花の種類が色々あって。
耐久性や、あとは他の花とちょっとイメージが
かぶってしまうという理由で泣く泣く製品化を断念したものもあります。

 

SIWA ピアス nadeshiko

 

 

ーーー花の種類によって造形の仕方が全く異なりますね。
近くで見るとため息が出るくらい繊細な作りです。


はい、作り方に関してはアユコさんにお任せして、
それぞれに合った作り方を提案して頂きました。
例えばたんぽぽ、芯となる真ん中の部分はナオロンを
クルクルと巻いていき、そのまわりに花びらのパーツを
何枚も重ねたものを組み合わせ、最後に手で一つ一つ
花びらを開いていきます。

藤は、一つ一つの花の中心部分を、熱でカップのような
形状に仕上げ、そのまわりに花びらを縫い付けていきます。
それらを藤の花がしなやかに垂れ下がるように組み、
縫いあわせていくのです。

 

 

ーーーアクセサリーに対するお客様の反応はいかがですか?


沢山の方々にお手に取って頂いています。
中には完売してしまってヒシカワさんに再生産して頂いたものも。
やはり、ボリュームもあって見た目がキャッチーなので
このアクセサリーシリーズをきっかけにSIWA|紙和(シワ)の
他の製品を見てくださる方も多いです。

初めて見るお客様は声を上げて感動してくださる方も多く、
非常に嬉しい瞬間です。
和紙の陰影が何とも美しく、手に取ると予想以上に軽い。
お客様の想像を超えた驚きのある製品になったと思います。

 

 

ーーー確かに、花のダイナミックさというか、力強さを感じますね。
おすすめのつけ方はありますか?


片方ずつで販売しているので、一つだけの場合は
真珠の一粒ピアスを合わせるのがおすすめです。
色合いも、シックに決まる感じもとてもマッチします。
どれも、ピアスとしては大ぶりなので他のアクセサリーを
つけなくてもアクセントになりますし、
和紙なので大きさの割にとても軽く、手に取られる方
皆さん驚かれます。

 

 

 

ーーー2015年には、ナオロンに漆で模様を描く、
URUSHIシリーズを展開されていたり、新しいことに次々とチャレンジ
されている印象です。


「和紙の新たな可能性を模索し、和紙をもっと色々な人の生活に」
という思いでやっていますので、新しいことに挑戦し続けなくては
いけないと思っています。
昔からのことには必ず意味がありますし、踏襲する部分はありますが
いま使いたいと思ってもらえる製品を目指していきたいです。

 

 

ーーーブランド開始当初のラインナップに比べ、
ファッション小物や今回のアクセサリーなど
多岐に渡ってきていますが、新たなことを行う上で
ブランディングとして意識すること、大切にされている
ことはありますか?

 

私達はくらしの中で和紙を使って欲しい、という思いを
テーマに商品を開発しています。
そのためには、和紙素材だけではなく様々な素材や
技術を組み合わせることで生まれる新たな可能性が
必要不可欠であると思っています。
出会いを大切にし、研究を重ね、どうしたら「使いたい」という
気持ちになって頂けるのか?を真剣に考え、和紙の良さを
残しつつも自然にくらしの中で使っていけるような
製品作りを模索し続けています。

 

SIWA ピアス fuji L

 

SIWA ピアス nadeshiko

 

 

続いて、デザイナーのヒシカワアユコさんにも伺いました。

ーーー今回のお話があった時は、どのようなお気持ちでしたか?


SIWA|紙和(シワ)については以前から知っていましたし、
とても興味があった破れにくい和紙で何かを
創ることが出来る!とワクワクしました。
実際に素材に触れて、知れば知るほどこの特殊な素材で
創り出すことの出来る表現の幅に驚きました。

 

 

ーーー製作に取り掛かるにあたり、どのようなアプローチを行ったのでしょうか?


まずはとにかく素材を知る事から始めました。
知識として知るというよりは、実際に触ってみて、
触感や折る事で生まれるしわの風合いや紙の固さ等を
体感するという感じです。
普段帽子制作にて使用するシルクフラワー(造花)の技法を
この素材に応用したら面白そう、ハリとしなやかさのある
自然の花をモチーフにしたらぴったりなのではと思い、試作を始めました。

 

ーーーワクワクしながら素材と向き合うお姿が想像出来ます!
藤やタンポポなど、花の種類、展開カラーはどのように決めたのですか?


実際の花を見て、インスピレーションを得ました。
単純にこの花の形がアクセサリーになったら
素敵だなという様な感覚で何種類もの花を試作した後、
デザイン性、実用性、強度等を考慮し最終形に絞り込みました。
紙の切り方や加工法で全く違った花びらの形を表現できるので、
なるべく違った雰囲気の花を愉しんで頂けるよう複数の花をデザインしました。
カラーはデザインが映える色、そしてコーディネートの
合わせやすさ、シリーズ全体の配色バランス等を考慮して決めました。

 

 

ーーー実際に作ってみて、アクセサリーの素材としてナオロンはいかがですか?


とても魅力的で創作意欲が湧く素材だと思います。
布には出せないハリ感やシワの模様の面白さ、
そして加工によって固くもなり柔らかくもなる。
ダイナミックな物を作っても軽いので、デザインの幅も広がります。
難しい点は、やはり紙なので安っぽい工作の様にならないように
デザインを追求する点は難しい課題でした。
全体的にとても扱いやすい素材ですが、
強いて言えば熱加工の際に加減が難しいという事でしょうか。
(熱すぎると溶けてしまうので。)

 

SIWA ピアス fuji S

 

ーーー製造風景を拝見すると、まさに熱でカーブを付けたりされていますね。
非常に繊細で時間と根気がいる作業のように思えますが、
1日でどのくらいの量が出来るのですか?


物にもよりますが、小さな物でしたら1日5〜8個程でしょうか。
1つの物を完成させるのに工程がたくさんありますので、
1個ずつ完成させるのではなく、各工程ごとに複数個分を平行して制作します。

 

 

ーーーやはり手が込んでいるのですね。。
おすすめの付け方やコーディネートの仕方があればお教えください。


シンプルな色形のトップスやワンピース等に合わせて頂くと、
よりアクセサリーの立体感や陰影が際立って素敵だと思います。
また、和紙素材ですので着物に合わせて頂くのもとても素敵です。

 

 

▼製造風景・繊細な技術に驚くばかりです。(一部、ZUTTOでのお取り扱いがない商品もございます。)
※再生時に音が出ます。

 

 

 

 

 

SIWA|紙和(シワ)製品の素材、ナオロンは和紙でありながら
水濡れに強い素材です。
ナオロン自体は水に濡れても引っ張っても簡単に
破れることはなく、本当に紙なのかと思うくらいに丈夫です。


ですが、アクセサリーシリーズは一つ一つのパーツを
縫い合わせているために繊細。
手で触ったくらいでは形状が大幅に変わることはありませんが、
踏み潰してしまうとやはり壊れてしまいます。

 

以下のように、取り扱いにご注意ください。


◇水にも強い紙ですが、金属パーツが付属していますので、
濡れてしまった場合はすぐに乾かしてください。

◇金属パーツと紙素材を強く引っ張ると、
若干外れやすいものもありますので、ご注意ください。

◇素材の特性上、色の濃い物は色移りする可能性がございます。

◇熱には弱い素材ですので、アイロンなどの高温のものに当てないでください。

 

 

 

今回、ブランドマネージャーである一瀬さんと
デザイナーのヒシカワさんにお話を伺って、
【Flower Accessory】の魅力を知り、
ひいてはSIWA|紙和(シワ)についても理解を
深めることが出来た気がします。


和紙という、何千年も前から存在する一つの素材を追求し、
無理なく今の生活にフィットするものを作り上げる。
「素敵なものだから」と手に取ったらそれがたまたま
和紙素材であった、という新鮮な驚きと感動。


実際、長年SIWA|紙和(シワ)をZUTTOで
取り扱いさせて頂き、個人的にもバッグを愛用している
私でも、初めて【URUSHI】シリーズや
【Flower Accessory】シリーズを手にした時は
その美しさと新鮮さに驚きました。
そしてお2人のお話から、SIWA|紙和(シワ)の
可能性と今後についても、ワクワクするのでした。

 

SIWAブランドページ

投稿者: 丸山 日時: 2016年06月28日 11:00 | permalink

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