今回取り上げるのは、「ヤク」のニット。
寒さが身に沁みる季節に身につけたい素材といえば、「ウール」や「カシミヤ」が代表的ですね。そんな中、ウールの暖かさやカシミヤの保温性にも匹敵する「ヤク」という素材があるのをご存知でしょうか。私たち日本人にはあまり耳慣れない種類のニットですが、実際に手で触れてみるとふんわりと滑らかで、非常に繊細な肌触りを感じることが出来ます。
そんな「ヤク」の毛を使ったアイテムについて深掘りしてみましょう。
ヤクとは、ヒマラヤ山脈等の標高3000m以上の高地に生息する牛の仲間。
ヒマラヤ山脈では、ヤクはチベット族の生活の糧として大切にされている動物です。
寒冷地で育つヤクは、厳しい環境にも耐えうるよう柔らかい毛と硬い毛の組み合わさった体毛になっており、非常に高い保温性があります。
ニットブランドSHOKAY(ショーケイ)と香港化学大学の共同研究によると、
ヤクの保温性はウールより30%高く、カシミヤと同等かそれ以上とも言われ、
通気性もカシミヤより130%高いと言われるほど。
常に呼吸をしている素材のため、暖かさだけでなく熱がこもって蒸れる心配もないのですね。
また、ヤクの繊維を特徴づけるのが「繊細さ」と「希少性」。
ヤクの毛は全体から柔らかい部分だけをクシですき取るため、
1頭からわずか100gしか採取できず、標高が高ければ高いほど高品質になると言われます。
ヤクの毛は14〜20ミクロンの細さとなっており、
一般的なウールの糸が20ミクロン以上であることを考えるとその細さが分かります。
毛が細いゆえにきめ細やかな編み地となり、風を通しにくく暖かさを保ち、
ちくちくと感じにくい優しい肌触りとなっているのです。
ヤクに限らず、様々な素材の繊維製品に共通することですが、
繊維製品は「織物」と「編み物(ニット)」に大別されます。
織物は縦糸と横糸の構造を持ち、
一方のニットは1本または複数の糸を特定の法則で編むことで
様々な模様を作り出します。
先述のように、繊維が非常に細いヤクの毛は、
ストールのような織物にすれば軽く薄くて、暖かい、
ニットにすれば柔らかかく素肌にも心地よい仕上がりになるのが特徴です。
冬のニットセーターといえばウールが定番ですが、
お肌が敏感な方はチクチクとした素材感が気になってしまうことも。
その点、ヤクはもともと繊維が非常に細いため、織物・編み物の生地に加工した際に
肌あたりが柔らかく感じることができるのですね。
それでは実際に、ヤクの毛を用いたニットアイテムを見ていきましょう。
・高い保温性を誇る、冬の防寒アイテム
なんといっても、ヤクの一番のメリットは保温性です。
メリノウールより10〜15%高いといわれるほど保温性で、
セーターの他にも、マフラー、ストール、手袋など様々な冬の防寒アイテムがあります。
またヤクの毛は汗を吸収し、外に蒸発させるため臭いがつきにくいことも大きなメリット。
冬のニット製品は気軽にお洗濯やクリーニングが出来ないのが気になりますが、
その点ヤクの場合、繊維そのものが自然に呼吸してくれるため
匂いがつきにくいというメリットがあるのです。
・素肌にもチクチクしにくい、柔らかな着心地
また、繊維が細くチクチクしにくいため
素肌に直接触れても触り心地がよく、たとえば写真のような
ノースリーブニットも快適に着用することが出来ます。
ボレロや光を反射するジュエリーを合わせれば
パーティーにお呼ばれした時など、上品な装いに仕上がります。
今回は、ヤクを使用したアイテムを数多く展開するブランド、SHOKAY(ショーケイ)から
複数のアイテムをご紹介しました。
SHOKAY(ショーケイ)のヤクのニットは、基本的にドライクリーニングでお手入れをしてください。
もしくは水で手洗い、あるいは洗濯機の手洗いモードでお洗濯も可能です。
洗剤はウール用洗剤をおすすめしますが、メーカーによりますと
髪用シャンプーで洗ってリンスやコンディショナーを柔軟剤代わりに使っても良いのだそう。
お手入れをしながら、7〜8年も愛用の方がいらっしゃるというのですから、
大事に使えば何年も着こなしたい愛用ニットになってくれます。
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