ふんわり、優しい着心地のガーゼウェア。赤ちゃんの肌に直接触れるお洋服や、肌に触れるインナーの素材としてよく選ばれていることが「肌に優しい」ことを証明しています。新潟県糸魚川の縫製工場から生まれたファクトリーブランド・ao(アオ)。加工を極力行わないことで、ガーゼが持つ本来の風合いと肌に対する「本当の優しさ」にこだわり続けています。
そんなao(アオ)のものづくりに強く共感した私たちZUTTOが、話し合いと試作を重ね、1年中使えるオリジナルのガーゼウェアを作りました。デリケートな素材と思われがちなガーゼですが、ガーゼのプロと作ったデイリーウェアは季節を問わず着て頂ける自信作です。
左から、なめらか天竺8分袖Tシャツ、スーピマコットン二重ガーゼシャツ
東京・代官山に佇む、ao(アオ)本店
ガーゼとは、綿の糸をゆるく撚(よ)り、縦横交互にあまく織った布のこと。吸湿性、速乾性、通気性に優れたガーゼは、汗ばむ日でも快適に着ることが出来る上、お洗濯のあともすぐに乾き、いつでも清潔に着られる素材。多重構造のガーゼが作る空気の層により、保温性にも優れているので肌寒い季節にも活躍する万能ぶり。そんな優れた素材のガーゼ、肌に直接当たるインナーに使われることが多い一方で、なぜ大人のお出かけ着にはならないのだろうーー。そんな観点から生まれた「ao(アオ)」。ガーゼのプロとも言えるao(アオ)の服づくりの中で、一番大事にしているのは「天然素材の風合いをそのまま実現すること」。
となると、そもそも私たちが知っているガーゼは「本来の風合い」ではないの?と疑問が浮かぶ方も多いのでは。そんな疑問にもお応え出来るよう、ao(アオ)のガーゼウェアならではの特徴をご紹介します。
まず一番のこだわりは「加工をなるべくしないこと」。糸からガーゼを作る上では、実に様々な工程を踏みますが、その工程(加工)が間に入るほど、素材そのものに手が加わったり生地へのストレスを加えることとなってしまい、風合いを損ねてしまうのだそう。そのため、ao(アオ)は化学的な加工を最低限まで抑えた生地を使っています。
試作途中だったシャツ。白く染める前は少しピンクがかった色味です
ガーゼを加工する際は通常、ガーゼ特有の縮率(洗い、もしくは染色した際に生地が縮んでしまう割合)を安定させるために加工することが多いそうですが、こういった加工により、ガーゼ最大の魅力である風合いが損なわれてしまうと考えたのがao(アオ)です。そのため、扱いづらい状態であっても、最低限の加工のみを施した生地を使うことを決意。そのため、結果として着る人の肌にも優しい服となるのですね。
しかしながら、そういった生地を使うことは風合いがよいというメリットに対して、洗うと縮むという、扱いにくさもありました。そこで、ファクトリーブランドの強みを活かし、一貫した生産管理の中で少しずつ調整することでao(アオ)は素材本来の風合いを活かした服づくりを実現したのです。
通常の生地よりも縮みやすいガーゼ。繊細な生地であるがゆえに形が決められた1枚の服を作るのが難しい素材とも言えます。そのため、一部の工程ごとに任された工場だけでは調整しきれないことが多いのだとか。
昭和42年創業の縫製工場が、ao(アオ)を生み出しました
素材づくりから1枚の服が完成するまでを一貫して自社の工場で行うao(アオ)は、パターン調整、カッティング、縫製と、各工程間で調整が可能。生地の洗い、もしくは染め加工の後に行われるカッティングの工程では、計算しきれなかった誤差の部分も判断しながら、断裁する位置を都度見極めていきます。その他にも服のパタンナーは、その服の形だけではなく「後工程の人が実現しやすい形」を考えながらパターンを引くことで、結果良質な服づくりにつながります。
そんな細やかな気配りができるao(アオ)だからこそ、長く愛着の持てるZUTTOらしいウエアができるはず。そんな想いから、今回のオリジナルウェアが実現しました。
ガーゼのプロであるao(アオ)さんに、様々なことを相談しながら出来上がった【なめらか天竺8分袖Tシャツ】と【スーピマコットン二重ガーゼシャツ】。どちらも「綿のカシミヤ」とも呼ばれる「スーピマコットン」を使った糸を使用していて、その別名からも窺えるように滑らかで優しい肌触りが特徴です。
では同じ糸を使用したシャツとTシャツの違いは何かというと、「編み物」なのか「織り物」か。今回は【なめらか天竺8分袖Tシャツ】が編み物で、【スーピマコットン二重ガーゼシャツ】が織り物にあたります。編み物は糸でループを作って引っ掛ける作業を続けて作り上げるもので、伸縮性があることが特徴。一方で織り物は縦糸と横糸が直角になるように交互に編み込んで作り上げるもので、伸縮性はありません。お好みの着心地や、その服をどんな服と合わせたいかによって選び取るものが分かれるところです。
左:なめらか天竺8分袖Tシャツ、右:スーピマコットン二重ガーゼシャツ
【なめらか天竺8分袖Tシャツ】では、60番手の普通糸とムラ糸(太さが異なる糸を撚りあわせた糸)を編みあげて独特のシボ感を作ります。シンプルな白いTシャツといえど、奥行きが感じられる質感です。一方で、40番手の糸で織った二重ガーゼを使った【スーピマコットン二重ガーゼシャツ】は、ガーゼのふんわりした柔らかさに包まれるような感覚の1枚。どちらも同じ「白」に仕上げていても、異なる糸を使用することで出来上がりの風合いにも違いが生まれます。まさに素材を活かした服作りですね。
多くの試作、打ち合わせを重ねながら作り上げた今回のガーゼウェア。季節を問わず、どんな方にも選んで頂きやすいベーシックさを重視しながら、要所要所のディテールに気を配りました。
ao(アオ)の代表作でもある「なめらか天竺シリーズ」。そんな人気シリーズのTシャツをベースに、ディテールにこだわったのが【なめらか天竺8分袖Tシャツ】です。袖丈はオールシーズンを通して着やすい8分丈にしました。
夏の冷房にも心強い袖丈。淡色のインナーを着ただけですが、透け感も気になりません
スカート:ST.SKIRT 28color スカート、ベルト:レザーベルト PV887、バングル:STERLING SILVER BANGLE SB31・STERLING SILVER BANGLE SB32、サンダル:近日発売
襟周りや裾周りは動きをつけたデザインにして、シンプル過ぎず、1枚のトップスとして着られるように。首元の横幅を広く取ることで優しい印象を作ります。首後ろには淡いグレーのテープを配し、左裾には首後ろと同じカラーでZUTTOの「Z」刺繍を入れてもらいました。
サイズは2サイズ展開。左:1サイズ着用(158cm)、右:2サイズ着用(166cm)
一方で、一枚着としてはもちろん、羽織りとしても活躍する【スーピマコットン二重ガーゼシャツ】。さらりとした優しい触り心地はやはりガーゼならでは。
Tシャツと同じく2サイズ展開。左:1サイズ着用(158cm)、右:2サイズ着用(166cm)
「ブラウスのようなシャツ」をテーマにして、ナチュラルな白シャツの中に、襟元や袖口にポイントを散りばめています。襟幅は小さめにして、首周りを少し広くとることで首がすっきりと見えるように。Tシャツとお揃いの「Z」の刺繍も正面裾の部分に入れてもらいました。
袖口にもブラウスのディテールを取り入れています
光にかざすとガーゼらしい透け感は感じられるものの、二重に生地を重ねているので、安心して1枚で着ることが出来ます。暑い夏でも気になる冷房や、日焼け対策にさっと羽織れる着心地の良いシャツは重宝します。肌に優しい素材なので、敏感になっている肌の上からでも安心して着られるのが嬉しいです。
冷房や、日除け対策の羽織りに。シンプルな形はボトムスを選びません
パンツ:シェフズ トラウザーズ、サンダル:MACI クロッグサンダル BLACK
スカートに合わせて、フェミニンな1枚着としても
スカート:ブラッシュ天竺スカート、バングル:STERLING SILVER BANGLE SB31・STERLING SILVER BANGLE SB32、バッグ:サコッシュバッグ、サンダル:近日発売
ガーゼの風合いが活きたシャツ。繊細な素材ではありますが、日常使いするべくして作られたものなので、ご自宅で気軽にお洗濯をして徐々に深まる風合いをお楽しみください。
デリケートな素材なので、お洋服を着る時、脱ぐ時にはアクセサリーやバッグの金具部分などの引っ掛けにご注意ください。
・弱流水のコースで、洗濯ネットに入れて洗うこと
繊細なガーゼ素材。なるべくお洋服にストレスがかからないよう、お洗濯の際は目の細かい洗濯ネットに入れて弱流水コースを選んでください。
・柔軟剤を頻繁に使わないこと
そもそも柔軟剤は衣類の繊維をコーティングして柔らかくするもの。頻繁に使用するとそれだけ生地に負荷をかけてしまうため、生地本来の風合いが損なわれます。お好みではありますが、気になったときだけと決めて使うことをおすすめします。
・タンブラー乾燥は避けること
デリケートな素材なのでタンブラー乾燥によって様々な方向から力がかかってしまうと生地が傷んでしまいます。お洗濯の後は形を整えた上で、陰干ししてください。
スーピマコットンは良質な長繊維の糸であるため、摩擦やお洗濯によってピリング(毛玉)が目立ってくることがあります。その場合は、洋服ブラシで優しくブラッシングしてピリングを取り除いてください。
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>>基本の白シャツを優しい素材で。【スーピマコットン二重ガーゼシャツ】
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