シンプルであることの美しさを真摯に受けとめ、追求していく姿勢。時代に惑わされることなく、良いものを追い求めていく姿は老若男女問わず心を打たれるものでもあります。今回は、イギリスのCAMPBELL COLE(キャンベルコール)から、そのシンプルな美しさと機能性を兼ね備えたレザー小物についてお話しします。
CAMPBELL COLE(キャンベルコール)は、2人のイギリス人デザイナー、Ian Campbell ColeとFelicity Baggettによって、2012年にイギリス・ノッティンガムにて創業したブランド。シンプルでタイムレスであることを良しとし、イギリス中部にあるタンニンレザーアイテムを作る工場で製造を行っています。デザインの場と製造の場が近くにあるため、コミュニケーションは密になり、実際にどういった場所や空間で製品が作られているかを知ることができるといいます。大量生産、大量消費されていく製品に疑問を抱き、時代を超えて愛される良質な製品を提供したいという思いから作られたCAMPBELL COLE(キャンベルコール)は、イギリスの中でも卓越した技術力のあるBespoke Manufacturingと呼ばれる工場にて生産を行い、真の意味での「イギリス製」と言える品質を持ったコレクションを展開しています。
Ian Campbell ColeとFelicity Baggett
端の処理まで美しい
シンプルかつ時代に囚われないデザインを目指すCAMPBELL COLE(キャンベルコール)。その背景について更に詳しく知るために、本国ブランド担当にミニインタビューをしてきました。
ブランドがスタートした時、確固たるスタイルのある製品を作りたいと考え、何度も思い描き工夫を重ねました。特に「シンプル」という表現は、もうこれ以上足し引きが必要ないという究極の状態のデザイン。そんな美しさはどんな方にも楽しんで貰えると思います。
時代に囚われないものがあれば、丁寧に使って長く大切に持ち続けたいと感じるものです。そのモノと時間を共有し、過ごすことで愛着が生まれます。それとは逆に移り変わりの早い流行のアイテムを手に入れても、そのトレンドの流れとともに捨て去ってしまう可能性があり、私たちはそのような消費を皆さんにしてほしくないと感じています。
はい、エンボス加工を施していますが、レザーに真鍮の金型を置いてプレスしています。パンチングレザーのドットの表情は、フラットな表面のレザーに対してコントラストが出て、生き生きした表情になります。機能面としても、仕切りとしての目印になるようにとデザインされており、デザイン面・機能面の両方でブランドに採用したデザインです。
レザーにパンチング加工を行う機械
私たち人間は消費をし過ぎていると思います。まだまだ使えるはずの製品たちを、ただ見た目に飽きたからといって捨て去られていく。そんな状況にひどくうんざりしています。そうではなく、よく考えた上で商品することは環境に対しても素晴らしいことなのです。あなたに本当に必要なものは何か、それが長く使えるものなのか。一度時間を費やして考え、決めることは、例えそれで多少高い買い物になったとしても、その後あまりに早い段階でモノを手放す可能性は低くなるはずです。
生産地までこだわった、高品質な製品を持ちたいと考える、クリエイティブな方々に選ばれている製品です。シンプルで長く使えるデザインを好み、隅々まで考え抜かれたデザインを理解し、共有してくださる方に選んで頂けたら嬉しいです。
CAMPBELL COLE(キャンベルコール)が作り出す、シンプルの中にエレガントさが詰まったレザー小物たち。バイヤーのオススメポイントと併せてご紹介していきます。
ジップコーナーウォレット
2面ファスナーのジップコーナーウォレットは、その名の通り、コーナー(角)使いが特徴的なお財布です。ファスナーを開くと、中央部にパンチング加工が施された、コインの入るポケットが取り付けられています。
このお財布が他と一線を画しているのは、その中身の取り出し方。お財布というと、小銭・お札・カード類がそれぞれ別の場所にあるイメージですが、このジップコーナーウォレットはその3つが全て同じ場所に集約されています。中央のポケットは小銭入れ、そのポケットを挟んだ前後にはお札やカードを収納できます。
ウォレットを開いた際に、ポケットの口が開くため、小銭の出し入れは簡単です。通常こういったお財布は片側にマチがなく、奥のモノが取り出しづらく感じることもありましたが、開いた時にマチが大きめで使い勝手が良いのがポイント。また、紙幣やカードもウォレットの上からだけでなく、横からも取り出せるのが便利です。コンパクトなお財布でありながらも、機能面も工夫されたデザインです。
ジップ部分はスイス製のRiri Zipを採用。金属密度が高く、歯が壊れにくいジップです。ファスナーチャームには、美しい編み込みが特徴的なPARACORDと呼ばれるものを採用しており、これはもともとアメリカ空軍のパラシュートの紐に使うために開発された、非常に丈夫で汎用性のあるものです。お財布のように繰り返し引っ張るものでも、十分に持ちこたえてくれるジップです。
ZUTTOおすすめポイント:
小さい財布がもてはやされており、L字型のミニウォレットも珍しいものではありませんが、このお財布は「コーナー」がポイントです。角がマチになっているので、ガバッと開いて中が見やすい。そうすることで、奥にモノを差し込みやすくなるのです。特に小さなことですが、ジップが3面目にもかかっていることにより、大きく開きます。こういった他のお財布とは少し違ったポイントで、使い勝手に大きな違いが生まれるんですよね。
キーラップ
緩やかな五角形の革に、ギボシ金具の付いたCAMPBELL COLE(キャンベルコール)の代表作【キーラップ】。ちょっぴり不思議な形のキーラップは、その「ラップ(包む)」という名の通り、鍵を包み込む役割を果たします。一枚革でできたシンプルな作りで、その見た目はスマートかつ機能性に溢れています。
革の上部についたリングは、アメリカ軍が採用している、書類を束ねるためのキーリング。ボールノックと呼ばれる取り外し式で、指でぐっと押すだけで着脱可能。
革を曲げて留めるキボシ金具も、全体のデザインの邪魔になりません。
ZUTTOおすすめポイント:
「ケース」ではなく、ワイヤーに鍵を通して、一枚革で包んで留めるだけのキーラップ。ユニークでシンプルな構造ですが、斬新で素晴らしいアイディアであることを是非皆様にお伝えしたいです。キーケースだと、その形の大きさに囚われてしまいがちですが、このキーラップなら、鍵が少しはみ出してもラフでおしゃれですし、高さのある車などの大型スマートキーは外側に付けても良いです。バッグの中のものを傷つけてしまいそうな尖った鍵だけ革の中に包んで、それ以外はカスタム自由。そんな自由さはシンプルなデザインと機能性だから生まれると思うのです。ギフトパッケージに入っているので贈り物にも最適。高級イタリアンベジタブルタンニンレザーで、経年変化も楽しめるアイテムですよ。
A6ポーチ
片手で持ち歩ける、スリムでコンパクトなA6ポーチ。隅々まで行き届いたレザーの処理は、惚れ惚れしてしまうほど。
シンプルに作られたコンパクトなポーチは、持つ人に寄り添う、自由度の高さも魅力です。
例えば、バッグの中で行方不明になってしまいがちな、通帳やノート、文具やリップクリームなどの小物収納に。身の回りに実は多い、長さやマチがあるものをまとめて収納が可能です。
旅行の時にはパスポートや航空券入れ、外貨用ウォレットとしても便利。
小さめサイズですが、必要最低限のものだけ入れて小さめのクラッチバッグとしても。
薄手のタイプではありますが、ファスナー側に若干のマチを付けているので、開閉時は十分に開いてくれ、取り出しも心配ありません。
また、このA6ポーチにも、ジップコーナーウォレットと同様のPARACORDのファスナーチャームを採用しています。美しいレザーに馴染む丈夫なチャームは、シンプルなポーチのアクセントにもなっています。
ZUTTOおすすめポイント:
ありそうでなかった、A6サイズのポーチ。実はとっても使い勝手が良いです。ミニノート、文房具、小さめの化粧品、パスポート、カードや紙幣まで・・。片側にだけマチのあるスリムなデザインで、カバンの隙間にすっと入ります。高さがないので、他のものに干渉しにくく、見た目以上の使い勝手の良さがありますよ。バッグインバッグにして、クラッチとして使うのもおすすめです。
カードホルダー
斜めに入ったスリットに、パンチング加工が目を惹く、カードホルダー。手に取ると、ぺたんこというより、やや厚みの感じられるぷっくりとした作り。ぺたんこのものに比べて、カードが取り出しやすいのです。片面にはブランドロゴが刻印されており、もう一方の面には全体的にパンチング加工が施されています。両面ともに、カードホルダーが非対称に付いていて、それぞれ約3枚ずつカードが収納可能です。
CAMPBELL COLE(キャンベルコール)の創業したイギリスは、小切手の文化が主流であったこともあり、クレジットカードよりデビットカードの利用が主流なのだとか。現金で取引するよりも安全で、スマートに見える小切手やデビットカード文化はイギリスらしいとも言えますね。現金はほとんど持ち歩かず、カード支払いが多いので、このカードホルダーはブランド開始当初からの定番品。まだまだカードだけでの生活はしづらい日本の方には、お札を何枚か忍ばせて、コインケースと併せて使っても良いですし、ICカードを入れる定期入れとしても使えますね。
ZUTTOおすすめポイント:
使い込んだレザーの革小物は、人となりを表します。バッグやポケットから上質なカードホルダーを取り出す姿は品があって素敵です。ビジネスシーンでさっと取り出しても違和感なく馴染んでくれます。大人っぽい色味を揃えたカードホルダーなので、世代や性別を越えて大人へお勧めしたいアイテムです。
CAMPBELL COLE(キャンベルコール)のレザーは、タンニン染めのため、使っていくうちに色艶を増し、その姿をくったりと変化させていきます。今回は日本代理店のブランド担当の方が実際に1年間使った【ジップコーナーウォレット】をお借りして、その経年変化を見ていくことにしましょう。
今回お借りしたもの:ジップコーナーウォレット BLACK
左:1年使用した私物、右:新品
左上:新品、右下:1年使用した私物
上:新品、下:1年使用した私物
お借りしたウォレットは、新品に比べてつやつやとしており、最初にあった厚みも馴染んできた様子。とはいえ、上質なイタリアンレザーはへたってしまうことなくしっかりと形を保っているので、取り出しやすくなっています。
程よく手に馴染んできたウォレットは、まさに使う人の面影を感じさせる「愛用品」。美しい経年変化は、これからも持ち主を楽しませてくれるでしょう。
長く使っていくうちに、自然に持ち主の手に馴染み、柔らかく愛着を持って使っていけるレザー小物。それはまるで長い年月少しずつ分かり合い、付き合っていく関係性を連想させます。大切な方にこそ、「これからもずっとよろしくね」の気持ちを込めてレザー小物をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
ギフトとして、そのまま贈れるパッケージ
カードホルダーとA6ポーチ、そしてキーラップは、止め紐の付いた、封筒のようなデザイン。ブランドロゴが押されたシンプルなパッケージで、このままプレゼントとして渡すこともできます。
気持ちを表現する、リネンラッピング
美しい箱に入ったジップコーナーウォレットは、リネンラッピングの追加がおすすめ。レザーと同様に、使っていくうちに愛着が増して経年変化を楽しめるリネンのラッピングは、ラッピングを解いた後でもハンカチとして、食器拭きとして活躍します。この商品だと、赤いストライプの【小】サイズのご用意になります。長く大切に使って欲しいから、ラッピングにもこだわって、記憶に残るプレゼントをしてみませんか。
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