素肌を見せる機会が増える夏。ワンポイントのおしゃれとしてバングルなどのアクセサリーが楽しめるのも今の季節ならではですが、愛用の腕時計がアクセサリーのように楽しめたら、機能性も兼ね備えたおしゃれが楽しむことが出来ますね。
装着感が軽やかなものであれば、暑い夏でも違和感なく使うことが出来るのでは?そんな思いがきっかけとなって、アクセサリー感覚で楽しめるような腕時計、岩絵の具が生む味わい深いカラーリングが特徴の「はなもっこ」での別注品が出来上がりました。
まずご用意したのは、日本画にも使われる岩絵の具を用いた「こないろ」シリーズの3カラー。はなもっこの腕時計はどれも日本の四季の移ろいが感じられる色名が特徴的ですが、今回も日本ならでの情景が浮かぶような名前をつけていただきました。
左から、桜鼠(さくらねずみ)、垂柳若葉(たれやなぎわかば)、岩紫雲(いわしうん)
3カラーとも、はなもっこの定番としてはお取り扱いしていないカラー。文字盤には日本が古来から使ってきた岩絵の具を使っていますが、今回のカラーはいずれもざらっとした表面が特徴です。というのも、それぞれの石がもともと色が濃いものではなく、細かく砕いてしまうと、ほとんど白に近い色になってしまい、色をうまく表現出来ないのだそう。腕時計の文字盤として機能性を損なわないギリギリの厚みを0.01mm単位で調整しながらも、原石のもつ色の魅力を表現するため可能な限り粗めの岩絵の具を使用した結果、ざらっとした風合いが生み出されました。
◇ こないろ 桜鼠(さくらねずみ)
桜鼠(さくらねずみ)に使用される天然石は柘榴石(ざくろいし)。1月の誕生石としても知られる石で、磨き上げられた柘榴石は「ガーネット」という宝石として知られています。うっすらと彩られたピンク色は主張し過ぎない色ながら、芯の強さを感じる奥深さがあります。
左:ホワイトベルト、右:ボルドーベルト
今回の別注では、4種類の文字盤に、それぞれベルトを2色ずつご用意しました。こちらの桜鼠には「ボルドー」と「ホワイト」を合わせました。文字盤と同じくレッド系で揃えたボルドーのベルトと、儚さを際立たせるホワイトベルト。使っていくうちに手に馴染んでいくレザーベルトは、愛用していくにつれ付け心地が良くなり、肌に馴染んでいきます。
◇ こないろ 垂柳若葉(たれやなぎわかば)
垂柳若葉(たれやなぎわかば)には天然の黄碧玉(こうへきぎょく)を砕いて作った岩絵の具を使用しています。うっすらと彩られたイエローは少し緑味を帯び、他ではなかなか出会えない絶妙な色合い。レモン色とも言えるような爽やかな文字盤には、落ち着いた色味のベルトを選びました。
ビジネススタイルにも対応してくれるサンドベージュベルト
モノトーンのコーディネートにも映える、オールドブルーベルト バッグ:【別注】ガマグチポシェット
◇ こないろ 岩紫雲(いわしうん)
モスグリーンベルト
こちらの岩紫雲(いわしうん)に使用しているのはソーダライト。ラピスラズリを構成する鉱物の一種です。まるで刻一刻と変わる空の色を写したような色付けは、天然石ならではですね。
キャメルベルト チュニック:リネン フレンチスリーブチュニック(HONEY)
ベルトは淡いブルーを引き立たせる優しい2カラー。落ち着いた色合いが素敵なモスグリーンと、どんなコーディネートにも合うキャメルです。
そして、こないろ以外のもうひとつの文字盤に使ったのは、金沢ならではの素材ともいえる「金箔」。元々、はなもっこが展開している「かさねシリーズ」に、岩絵の具と金箔を重ねてあしらった文字盤がありますが、金箔の上品な華やかさが目に留まったのがきっかけでした。
「かさねシリーズ」の加工工程。岩絵の具と金箔をかさねて作られていきます
美しさがありながらも決して派手すぎず厳かな雰囲気があるかさねシリーズを見て、「フェイス全面を金箔にしてみたら、手元がキリリと引き締まる、かっこいいものになるのでは?」と感じ、こないろが表現する岩絵の具とは異なる「日本の美」を表現していただいたのが【箔 ゴールド】です。
◇ 箔 ゴールド
はなもっこの故郷、金沢を代表する素材である金箔。金沢のある石川県は、日照率の低い日本海側特有の気候で、雨が多く、また季節風と山脈の関係で暖流の影響を受ける地域。そのため年間を通して湿度が高いことから乾燥による静電気が起こりにくく、極めて薄い金箔も扱いやすかったのだとか。その結果、金箔産業が発達したとも言われています。
ブラックベルト
ゴールドの金具とオーソドックスなベルトのカラーが、金箔の上品かつ厳かな雰囲気をより引き立たせます
文字盤部分は直接金箔を貼るのではなく、落ち着いた風合いを出すため下地には粒子の細かい岩絵の具を塗ってから金箔を貼っています。0.0001(1万分の1)mm という極めて薄い素材である金は、下地のテクスチャーがそのまま金箔表面の表情になります。たとえば、つるつるしたガラスの上に貼ると、まるで鏡のようにフラットな表面になり、今回のような岩絵の具が塗られたようなザラザラした下地に貼るとマットな落ち着いた風合いになる、といったように。細かな凹凸に輝く金にすることで、デザインとしても、文字盤としての可読性の点でも良いため、こういった工程になったのだそう。
岩絵の具は刷毛を使って塗っていきますが、その刷毛で残る跡(刷毛目)すらも、金箔の表面のテクスチャーに影響してしまいます。刷毛目が残らないよう、ひとつずつ丁寧に塗っていけるのは、ひとつひとつ時間をかけて手作りをしているはなもっこの腕時計ならでは。接着剤には岩絵の具とあわせて日本画に使われる膠(にかわ:獣や魚の皮や骨などのタンパク質を煮て取り出したゼラチン。古くから接着剤として使用されています)を使うなど、伝統的な技法にこだわり製作しています。
そして、シンプルな作りであるはなもっこならではの特徴のひとつが、ベルトの付け替えも簡単なこと。文字盤を異なるベルトに付け替えるだけで、あっという間に違う印象の腕時計に変身。異なる腕時計をいくつも持つよりも、気軽に腕時計のおしゃれを楽しむことが出来ますね。
気軽に付け替えられるのが嬉しいです
ベルトを何本も持っているだけで、まるでお洋服を着替えるように組み合わせを楽しむことが出来るはなもっこ。今回の別注では、もっと「色」を愉しんで頂けるようベルト単体もご用意しました。
付け替えられるベルトは、よりアクセサリー感覚で付けられるよう二重巻きベルトに。同じ文字盤でもベルトを付け替えるだけで、あっという間に印象が変わります。ツートンカラーなので、よりカラフルなおしゃれを楽しむことが出来ますよ。
上:箔 ゴールド(ブラックベルト) 下:箔 ゴールドの文字盤にインディゴ/キャメルをあわせて
カラー:ブルーグレー/ホワイト こないろ 岩紫雲(いわしうん)とあわせて
色の組み合わせはZUTTOだけの別注。使うほどに味わいを増し、くったりとしてくる革ベルトは、何色か揃えて代わりばんこにお使い頂くのがおすすめです。全て手作業で1本ずつ染め上げている革ベルトは、存在感があるので文字盤を付けずにブレスレットとしてもお使い頂けます。
腕時計本体は付属しませんので、2本目の替えベルトとしてお選びください。
組み合わせは5色。すべて牛革ですが、色ごとに少しずつ革の産地も異なります。お仕事の日はベーシックなブラウン系やネイビー系、休日にはビビッドなカラーをと、お好みの組み合わせを探してみてください。
腕時計の贈り物をするときに、相手の方のイメージに合うベルトを選んで贈るのも喜ばれそうですね。もし色の組み合わせに悩まれた場合は、文字盤に使われた岩絵の具と近しい色味をベルトに持ってくると時計全体の統一感が出ますよ。
【磁気には近づけないこと】
腕時計は精密機械。そしてはなもっこは「クォーツ式腕時計」に分類され、電池を動力として動いています。腕時計は磁気の影響で時計が正常に動かなくなってしまうことがあるため、ご使用の際はご注意ください。
具体的には、電源の入ったノートパソコンの上や、スマートフォン、タブレットに直接置くと磁気の影響を受けてしまう可能性があります。磁気を発生する機械からは5cmほど離してお使いください。
【保管場所は、温度変化と湿度に注意】
温度変化による金属の膨張や縮小や、湿度の高いところでの保管が、腕時計のトラブルや誤差の原因になることがあります。湿度の高い場所や、温度変化の激しい場所(直射日光が当たる場所など)での保管は避けてください。
【レザーベルトとの付き合い方を知ること】
気に入った愛用品は毎日身につけたいものですが、肌に直接身につけ続ける革ベルトはその日かいた汗や、油分で日々消耗されます。長く愛用するためには、同じベルトを毎日身につけないようにすること。お気に入りの服ばかり着ていたら、気がついたら生地がへたってしまっていた・・・なんて経験がある方ならおわかりかと思いますが、革ベルトも同じなのです。また、レザーベルトは湿気に弱いです。保管場所ももちろんですが、汗が付着した状態での保管を避けるため使用後は乾いた布で軽く拭いてください。
同じく天然石から作られた日本のジュエリー、TO LABOのLAPUTA NECKLACEと。/トレイ:文具トレイ 中(FUTAGAMI)
はなもっこの腕時計には、そのひとつのプロダクトの中に、岩絵の具が使われてきた悠久の時間、文字盤ひとつずつに岩絵の具を塗りパーツを取り付けていくという職人さんがかける時間、手に届いた人の手元で1秒ずつ刻まれる時間、そんな様々な時間がぎゅっと詰め込まれています。お洋服を着替えるように、日本の伝統的な技術を日々の生活にあわせて身につける、ちょっとした特別感を感じて頂けたら幸いです。
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