誕生日や記念日など節目のプレゼントとしてもよく選ばれるレザーアイテム。革小物といえば、経年変化や手にだんだん馴染んでいく魅力がありますが、その素材や加工によって特徴も様々あります。今回はZUTTOで長く取り扱っている、ARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)の中からコードバンシリーズとホースレザーをピックアップしてご紹介します。
一度は耳にしたことがある方も多いであろう「コードバン」。馬の臀部(お尻)から採取できる皮革を指し、その美しい表情から「革のダイヤモンド」「皮革の王様」とも称されています。ただ一口にコードバンと言っても、どのような仕上げを施しているのかによって、普段の使い方やお手入れも変わってくるのです。
ZUTTOで取り扱うARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)のコードバンシリーズ(CORDOVAN ACC)に使用されているのは「ALPS CORDOVAN」と呼ばれるコードバン。東ヨーロッパ(主にポーランド)の大型農耕馬の臀部にのみ存在する、鎧のように固い緻密な真皮層(コードバン層)を、長野県にある歴史あるタンナーが南アルプスの伏流水と植物タンニンで鞣しています。
CORDOVAN BILLFORD WALLET W/COIN PURSE(WHISKY)
そして鞣した後に革の表面を薄い皮膜塗装しラッカー仕上げをしているので、扱いやすく耐久性にも優れ比較的水分にも強いことがALPS CORDOVANの特徴。この仕上げを施すことで経年変化も緩やかになり、綺麗な状態で長く愛用いただけます。
ではどのような変化を見せるのか、実際に数年使っているものをお借りして新品と比較してみることに。
新品に比べると艶が増した様子。実際に触ってみると、ハリもありながらもしっとりと柔らかく、手に馴染むような手触りです。一人の人が毎日愛用したものではありませんが、サンプルとして様々な人の手が触れても数年たっても尚、コードバンらしい美しさが感じられます。新品のときの静かで落ち着いた印象の光沢感から、徐々に変化して生まれる艷。薄い皮膜仕上げなので、使い込むほどに少しずつ艶が増していくのです。
CORDOVAN BILLFOLD WALLET(Brown)
5年、10年と使い続けられる耐久性の高いコードバン。
ZUTTOにも、家族にARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)のコードバンアイテムを贈ったスタッフがいます。選んだ理由や変化について聞いてみました。
▼スタッフHが贈ったアイテム:CORDOVAN SHOEHORN
選んだのは、クリスマスギフトや、男性への贈り物の定番でもあるコードバンのシューホーン。
▲折りたたんで収納できるコンパクト仕様。
スタッフH「4年前の12月に、父へ誕生日プレゼントとして贈りました。当時は出張も多かったので使うシーンも多そうでしたし、休日も図書館やプールへ出向く比較的アクティブなタイプなので、常に持ち歩けるサイズの靴べらがあれば喜んでくれそうだなと。一つのものを長く大切に使ってくれるので、耐久性があって長く綺麗に使い続けられるものを前提に選んだ記憶があります。」
▲スタッフHのお父さんが愛用しているもの。3年以上経ったとは思えないほど綺麗です。
「せっかくなので、先日久しぶりに会ったときどうやって使っているか聞いてみました。使い始め当初の使用頻度は週1〜3回程度。会食や出張時に特に役立っていたそうです。今は在宅時間が増え使う機会も減ってしまったようですが、コンパクトなので常に鞄に入れて持ち歩いてくれているのだとか。
還暦を迎えた父のお気に入りポイントは
・ずっと使い続けられるデザインであること
・ビジネスシーンでも使いやすいこと
・経年変化が穏やかなこと(手入れをしなくても綺麗)
とのこと。いつも巾着袋に入れているそうで、特にお手入れをしなくても綺麗な状態がキープできているのだそうです。気に入ってるポイントを実際に触りながら嬉しそうに話してくれて、自分まで嬉しくなりましたね。選んでよかったなと思いました。」
革の質感や色の変化が分かりやすいものにも魅力がある一方で、美しく緩やかに変化していくものにもずっと使い続けたいと思わせる魅力があります。親や恩師など、お世話になった年上の方へ贈るとき、コードバンという選択肢があってもいいのかもしれません。
次は方向性を変えて、軽くてしなやかなホースレザーを使ったシリーズをご紹介します。
ホースレザーの軽さがわかる、上品なポケットバッグ
「軽いけれどレザーの重厚感があり、経年変化も美しいウエストポーチが欲しい」。そんな願いを叶えてくれたZUTTOの別注バッグです。
ウエストポーチはスポーティーな印象が強く、ナイロンや帆布素材のものは多く世に出回っています。カジュアルな洋服には良いのですが、綺麗めなファッションのときにはどこか浮いてしまうことも。そこで綺麗めコーディネートでも使いたいと思えるウエストポーチを、レザーで作ることにしたのが始まりです。
モデル身長:162cm、カラー:TAN
綺麗めの定番・レースアップシューズやステンカラーコートと合わせても、しっくりマッチ。それでいて気軽に外出できるレザーのポケットバッグは、なかなか見当たらないものです。実際に愛用しているスタッフは春夏だけでなく秋冬も重宝していると言います。
耐久性や美しさという面からみるとコードバンには劣りますが、この革の強みはなんともいっても軽さ・柔らかさで、馬革は牛革の3割程軽いとも言われています。また、オイル等は使用せず、ワックスやラッカーによって艶と透明感を出す工夫が施されているので、比較的汚れや雨水が滲みこみにくくなっています。
ベルトを外してポーチとしてもお使いいただけます。
絶妙なサイズ感、合わせる服にも困らないお利口バッグ
ポケットバッグのサイズでは不安という方には、同じ素材を使ったミニトートがおすすめ。バッグ自体が軽く柔らかいので荷物が多い日も、中に入れるものに合わせてフィットしてくれます。
軽くて柔らかいホースレザーシリーズは、使うほどに柔らかさも増していくので、自分自身に馴染んでいくのがわかりやすいのが育てたくなるポイント。育てるとはいっても、仕上げにクリア加工が施されていることもあり、お手入れ自体はさほど必要なく、自然に育ってくれます。日常的なお手入れは乾いた布で拭く程度で充分です。
特別なお手入れやクリームでのお手入れも基本的には不要で、乾燥が気になってクリームを使いたいという場合は、まずは目立たない場所でお試しいただいてから少量の使用をおすすめします。
レザーアイテムと一口に言っても、今回挙げたコードバンとホースレザーだけでも表情やその変化に差があるもの。これからやってくるギフトシーズンの参考になれば嬉しく思います。
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