湯呑みはあったらもっと暮らしを豊かに感じられる、そんな暮らしの道具のひとつ。
お茶を飲むための道具としてはマグカップで代用できるものではありますが、日本茶専用の湯呑みを用意したならば、お茶の香りをより深く感じたり、口の中でお茶の味が広がるのを感じたり、さらに湯呑みの形や色柄を楽しんだり、と五感を使った楽しみ方があります。
また、湯呑みはきちんとした印象で見栄えがすることから目上の方にも贈りものにしやすく、まだ道具を揃えきっていない若い夫婦への結婚祝いなどにもおすすめ。適切な湯呑みの種類を選べば、お茶が好きな方にも喜ばれる贈りものになります。
日々の生活の中で安らぎの時間を作ってくれる湯呑みを贈りものに選んでみませんか。
湯呑みは素材が違ったり形が異なったりと、実は多くの種類があります。それぞれのデザインには理由があり、いずれも美味しくお茶を頂くための工夫が施されています。
もっともシンプルとも言える、筒型になった白磁の湯呑み。こちらは白山陶器(はくさんとうき)のベーシックシリーズで、ぽってりとした形が手によく馴染む、磁器製です。磁器は素地がきめ細かく滑らかな手触りで、お茶の色が映える美しい透明感があり、品を感じさせるのが特徴です。そのため贈りものやお客様の前に出す湯呑みに選びやすいと言えます。
お茶を淹れた後に手に持つとじんわり熱を感じる湯呑みですが、磁器は陶器に比べて熱を通しやすいため、低めの温度のお湯で作る玉露や煎茶におすすめです。
▼こんな贈りものにおすすめです
・目上の方への贈りものに
・お礼の品など、たくさんの方に贈る贈りものに
・贈りものに迷った場合に
西川貞三郎商店(にしかわていざぶろうしょうてん)の組湯呑は、京都の伝統工芸品である清水焼の湯呑み。陶器は磁器に比べて目が粗く、比較的厚さを持って作られるのが特徴です。その分、熱を長く維持することから、玄米茶やほうじ茶といった熱々のお湯を使うお茶にぴったり。食後の一服用にも最適です。
また、端反り(はたぞり)と言われる飲み口の部分が反り返った形と底面に高台がしっかりと付けられていることで安定感があり、熱々のお茶を淹れても、手で持ちやすい工夫が施されています。
▼こんな贈りものにおすすめです
・若いご夫婦への結婚祝いに
・ご両親への記念日のプレゼントに
こちらも西川貞三郎商店(にしかわていざぶろうしょうてん)の清水焼ですが、上級煎茶のために作られた容量100mlと非常に小ぶりな湯呑みです。上級煎茶はお湯の温度を60度ほどと低めに、さらにお茶の味が濃厚なことから少量を味わうお茶のため、専用の碗も小さめに作られています。白磁が美しく、濃厚なお茶の色を見せてくれ、味だけでなく目で見ても楽しめる湯呑みです。
▼こんな贈りものにおすすめです
・日本茶を日頃から楽しんでいる方への誕生日プレゼントに
・うつわがお好きな方への誕生日プレゼントに
汲出(くみだし)とは、湯呑みとは少し異なります。湯呑みより背が低く、飲み口を広く取られているのが汲出の特徴。お茶屋さんに行くと、お茶菓子と一緒に汲出に煎茶が入った状態で出てきた経験はありませんか。汲出はお客様をもてなすために、色の良い煎茶に使われることが多くあります。もちろん、ご自身が煎茶を楽しむためとして揃えるのもおすすめ。白山陶器(はくさんとうき)の汲出は、艶やかな磁器製で、土瓶とセットになっています。
▼こんな贈りものにおすすめです
・すでに基本の湯呑みを持っている方への贈りものに
・新鮮味がある結婚祝いに
素材や形のほかにも、印象に残るのが湯呑みに描かれた色や柄。職人が丁寧に絵付けした中には、季節感があるものや特別な意味を持った柄があり、贈りものにはそれらをベースにして選ぶのもひとつの手です。
西川貞三郎商店の湯呑みには、古都・京都らしい華やかさや優雅な印象を作る絵付けが施されています。金銀彩 秋草は、大胆に描かれた万寿菊・萩・ススキといった秋の草花を金銀の色とともに表現した柄。草花が夕日に照らされながら、風に揺れるような情景が表現されており、ついじっくり眺めたくなります。
湯呑みはお茶を味わうための道具ではありますが、それとともに四季折々の移ろいやそれぞれの季節が持つ特徴を視覚的にも楽しむことができるので、贈る季節に合わせた絵付けの湯呑みを贈りものとするのも素敵です。
こちらは、6つのひょうたんが楽しげなタッチで描かれた湯呑み。6つのひょうたん、つまり六瓢(むびょう)は「無病」の語呂合わせから、古来より縁起の良いものとして考えられてきました。色づかいも鮮やかで、明るい気持ちにさせてくれる色柄。結婚祝いのほか、快気祝いや還暦のお祝いなど、おめでたいシーンでの贈りものに最適です。
独特な色使いに、幾何学模様の入ったKamany(カマニー)の湯呑み。焼きものの歴史が長い沖縄の壺屋地区で作られた湯呑みで、沖縄の土と伝統色を用いた釉薬を配合させ、焼成されています。強い日差しを受けた沖縄の大地や海を彷彿とさせるコントラストを活かした色合いに、彫刻刀で彫られた線彫の模様が浮かんでいます。「バサナイ」とは沖縄の言葉でバナナの意味。わさわさと揺れるバナナの大きな葉っぱが直線だけで表現されており、遊び心と温もりを感じさせます。
深みのある落ち着いた色合いは、和洋を問わず食卓に馴染んでくれるので、若い世代への贈りものとしても喜ばれます。
大きな水玉模様にどこか懐かしさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。COS KYOTO (コスキョウト)の水玉シリーズは、1965年頃の高度成長期に数多く生産されてきた、手彫りの水玉模様。手彫りで仕上げる窯元は今や一箇所のみとなってしまいましたが、COS KYOTO(コスキョウト)ではその古き良きデザインを今に残しています。手彫りのため水玉部分は適度にへこみがあり、湯呑みを持ったときに滑りづらく持ちやすいという特徴も。食卓に彩りを添えてくれるお茶セットです。
白磁に淀みなく絵付けが施された上出長右衛門窯(かみでちょうえもんがま)の湯呑 笛吹は、60年以上窯元が描き続けてきた代表的な絵柄。笛吹は、中国明時代末(17世紀前期)に作られてきた古染め付けの絵柄のひとつで、この絵柄に四代目が惚れ込み、上出長右衛門では60年描き続けられてきました。着物姿の男性が目を閉じて静かに笛を吹く姿は、ゆったりとした時間にどこか哀愁を感じさせる趣のある絵。これまで何人もの専属絵付け師が描き続ける中で、少しずつ変化し、今の形になっていったと言います。
笛吹の絵柄は職人がひとつひとつ細筆で描き、さらに内側にもぐるりと均一な模様が描かれています。色づかいはとてもシンプルですが、繊細な手仕事を感じさせます。ユーモアがありつつ、じっくり見るとこだわりが深い絵付けの湯呑みは、ご家族や友人へのお誕生日プレゼントにどうぞ。
朝起き抜けにお茶を飲む時間。お客様と一緒にお茶と会話を楽しむ時間。午後、作業の合間にお茶を飲んでリフレッシュする時間。こうした時間は日々何気なく過ごすことも多いですが、湯呑みのように、お茶を飲むための専用の道具がひとつあるだけでも、よりお茶を美味しいと感じられたり、お茶を飲む時間を大切にしたいと思うようになったりと、使う人の気持ちを豊かにしてくれます。大切な方への贈りものには、気持ちにプラスに働くアイテムを選べたら素敵ですね。
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