パートナーに贈るクリスマスプレゼントは、いつもより少しだけ特別な気持ちになれる物を選びたいですね。革小物は高級感を感じられる見た目と長く使い続けられる丈夫さから、長年愛用しているという方も多く、プレゼントにも選ばれやすい定番アイテム。一方で、定番であるがゆえにすでに革小物を贈りものにしたことがある、という方もいらっしゃるのでは。
それでも、革小物には数多くの種類があるため、パートナーにあったアイテムを厳選すれば、新しさを感じてもらえるとともに改めて革小物の良さに気づいてもらえます。
ZUTTOでも多く取り扱いのある革小物の中で、今回は特に天然皮革ならではの質感を味わうことができる、2つのブランドをピックアップ。作りの背景に工夫があるからこそ実感できる、革小物の魅力をご紹介します。
革製品は丈夫で長く使える、使っていくと色が変わっていく、ということをすでにご存知の方も多いと思いますが、なぜそういった特徴があるのかという理由を改めておさらいしてみます。
天然皮革は組織密度が均一(キメが整っている)と言われており、適度な厚みを持っています。表面だけを革に模している人工皮革とは異なり、天然皮革はこの特徴ゆえに優れた強靭性があります。中でも牛革は耐久性のある革の代表です。
革製品の原料は動物の皮ですがそのままでは製品化できないため、鞣し(なめし)の工程があります。この工程では皮から汚れや毛を落とし、「革」になるよう原皮を柔らかくしていきます。その際に使われる一つが植物タンニン。木の皮や果実といった植物から採れる渋のタンニン液に原皮を浸け込むことで、製品に使える革が出来上がります。植物タンニン鞣しには、2ヶ月以上の歳月を要するため手間暇がかかる工程でもあります。
時間とともに艶が増したり、色が濃くなっていく革の経年変化を見ることができる最たる革は、この植物タンニン鞣しが施された天然皮革。特に染色していないヌメ革でその変化がはっきりと分かります。経年変化する理由は、タンニンに含まれる渋が酸化するから。使うことで空気に触れ、紫外線を受けることで酸化し、色艶が深まっていくのです。
この経年変化の仕方は使用している革の種類、鞣しの工程、表面仕上げ、加工、染色の違いによっても変わっていくので、一つとして同じ経年変化が表れない、という点も、天然皮革ならではの魅力と言って良いのかもしれません。
耐久性に優れている革は、重い荷物を運んだり、負荷がかかる場所に使う素材として愛用されてきた経緯があります。
乗馬をする際に馬にかける鞍(くら)、手綱、鎧(あぶみ)というパーツも、大きな負荷がかかるため主に革を原料として作られてきました。特に古くから馬術が発達したイギリスでは、多くの革製馬具が作られて、愛用されてきました。
そんなイギリスの乗馬文化を背景に感じられるのが、GLENROYAL(グレンロイヤル)の革小物。1979年のブランド設立からスコットランドの中西部エア・シャーで、ブライドルレザーを主な素材にした革小物を手がけています。
「ブライドルレザー」は、聞き慣れない用語かもしれません。
ブライドル(Bridle)とは、英語で馬の顔に取り付けるくつわや手綱といった馬具のこと。つまりブライドルレザーとは馬具に使う革を指しています。騎乗の際に手綱が切れるといった不具合が起きることはあってはなりませんので、ブライドルレザーは革の中でも随一と謳われるほど、磨き抜かれた強靭さを持っています。
ブライドルレザーは、植物タンニンで鞣した天然皮革に蜜蝋や牛脂を染み込ませて作られています。なぜその工程が必要かというと、雨の多いイギリスの天候を考えると分かる通り、レザーが少しの水気に当たっても傷みにくいように、という目的があるから。しっかりと芯部まで蜜蝋と牛脂が浸み込んでいれば、多少の水気や汚れを弾く、という効果が生まれるのです。馬具としての機能、そしてその土地の気候に見合った特徴を持った、理にかなった革とも言えます。
また、線維の引き締まったブライドルレザーは、美しいきめ細やかさを見せてくれ、気品ある佇まいがイギリスの紳士的なイメージを彷彿とさせます。
ZUTTOのスタッフにも、ブライドルレザーの良さを実感したくて、GLENROYAL(グレンロイヤル)のキーケースを使い始めたという者がいます。
使い始めてからまだ1ヶ月と日が浅いですが、驚いたというのはそのきめの細やかさ。使い始める当初から、手で持つと、まるで肌に吸い付くような感触だといいます。それは革に蜜蝋と牛脂がたっぷりと含まれているからです。
試しに豚革のバッグと並べてみると、やはり見た目も一目瞭然。豚革はくったりとした柔らかさが特徴ですが、ブライドルレザーはよりシボが少なく、つるりとした見た目であることが分かります。同じ革でも、これだけ違うのは興味深いですね。
新品のブライドルレザーのアイテムは、時に白っぽいブルームと呼ばれるワックスが表れることがありますが、これは擦り込まれた牛脂。使うことで目立たなくなり、革の艶を増してくれます。ブルームが出るのもまた、ブライドルレザーの特徴です。
遡ると乗馬文化にたどり着くブライドルレザー。道具として活用されてきた革ではありますが、その美しさと強さは、使い続けていきたい魅力的なチャームポイントです。シックな見た目も大人に似合う革小物ですので、クリスマスプレゼントにおすすめです。
革小物は形だけでなく、染色することでより幅広いデザインが生まれ、ファッション小物として活躍してくれます。
でも、たとえ染色したとしても、革本来が持つ個性を感じられるものであったなら、その個性が時間とともに変化していく様子が見えて革小物を持つ楽しさを感じられます。
日本発のブランド、vasco(ヴァスコ)は、「旅の道具」というコンセプトのもとバッグや革小物を手がけています。「旅の道具」とは、つまり「淘汰されても残り続けるもの」。そんなコンセプトに通ずる、時を経ても輝きを失わない革製品を作り出しています。
多くのレザーバッグを手がけるvasco(ヴァスコ)。特にバッグ本体からショルダーストラップに至るまで、全て革で作られたオールレザータイプは、革本来が持つしなやかさや質感を実感することができます。
ウエストバッグに使われた分かる本体のレザーは植物タンニンで鞣されたキップレザー。
キップレザーとは、生後6ヶ月〜2年未満の牛から採取された牛革のこと。柔らかさ、きめ細やかさ、そして耐久性を同時に有しており、vasco(ヴァスコ)のウエストバッグは背中に斜めがけした際に体に沿いやすいよう本体にキップレザーを、ショルダーストラップはより耐久性のあるカウレザーを、と使い分けられています。
天然皮革の場合、使っていくことで色艶を増していきますが、vasco(ヴァスコ)のウエストバッグは、新品当初から色艶が独特。その理由は、vasco(ヴァスコ)が創業当初から重視してきた独自の染色方法にあります。
vasco(ヴァスコ)のバッグは、工房で一つ一つレザーの裁断、縫製、染色、加工、仕上げを経て作られています。
その中で大切に受け継がれているのが「丘染め」という染色方法。
丘染めとは、19世紀にイタリアのサンタクローチェ地方で生まれた技法で、ブラシを使い、革の表面に色を載せていく技法。革の表面のみの染色のため、原皮が持つ特徴を残すことができ、味のある色むらが印象的な仕上がりとなります。
皮革職人の手腕が問われるこの手染めは、近年世界的にも希少な存在となっています。
vasco(ヴァスコ)のバッグは、丘染めを塗り重ねることで奥行きのある色合いが生まれています。
機械的に行えば、のっぺりとした単調な印象になり兼ねない染色をブラシを使って手で行うことで、革らしいムラのある表情が引き出されるのです。一つとして同じものがない、まさに天然皮革が持つ魅力を活かした技法です。
同じ形でキャンバス×レザーを組み合わせたウエストバッグも。CANVAS/LEATHER ウエストバッグ SMALL
革が持つ機能や高級感といった点だけではなく、味わいのある風合いにロマンを感じる方、そして長く使い続けられる革小物をお探しの方にぴったりなvasco(ヴァスコ)のレザーバッグ。男性にも女性にも使いやすいよう作られているので、愛着を持って使い続けられる革小物をクリスマスプレゼントにお考えの方におすすめしたい逸品です。
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