何年も愛用する愛着のある傘はありますか?いろいろなモノを触ってきた中で、「なんとなく」で使っているものでも、使い続けていつしか愛着へと変わるものと、そうでないものがあると感じます。例えば、人からの貰い物はその最たる例。もちろんそれ以外にも、使わない時にも気にかけてあげられるようなモノだと、お手入れも楽しめて愛着を感じますし、大切にしたい気持ちも自ずと湧いてくるように思います。
今回ご紹介する傘は、広げたときのシルエットの綺麗さは前提に、「畳んでも綺麗」であることにも注目しました。
開いた時のシルエットだけでなく、閉じた時にすっきりしていて綺麗な傘。道行く人の目に止まる、素敵な傘。傘立てでスタンバイしている時にも上品な雰囲気を感じる傘。
そんな傘として生まれたのが、ZUTTOのオリジナル雨傘・日傘です。名前には「傘職人と作った、フォルムが綺麗な雨傘」、「日差しを楽しむ、閉じても美しい日傘」と名付けました。
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長く使うためにまず大切なのは、飽きないことです。流行に関係なく、基本を大切に、どの時代でも美しいと思えるシルエットを目指して作りました。つい開くのが楽しみになる傘は、まさにお出かけの相棒といえる存在。長く使って壊れてしまったら、修理も可能ですので安心です。
広げた時の大きさは女性が使いやすい定番の大きさで、親骨の長さも一般的な58cm。傘を広げた時の綺麗な見栄えを大事に、曲線が美しく、そして引き立つようなハンドルや石突きの長さ、生地・パーツ・素材の色でバランスをとっています。閉じた時に細くすらりとみえる見た目からはどこか華奢な印象もある長傘です。
閉じて歩くことも多い日傘だからこそ、閉じて持ったときの形にもこだわりました。雨傘より一回り小さくしているので、閉じて持ち歩く時にすっきりして見えます。広げた時の大きさは、日を避けるために十分な親骨の長さ47cmと使いやすい定番の大きさです。麻、コットン素材を使用し、涼しさを求めながら使い続けて風合いが出る生地で選びました。
右:日傘、左:雨傘
日傘・雨傘にベストな長さを追求して作った長傘は、並べてみるとこのような違いが。雨傘はスラリとスマートにみせる一方で、日傘は短めにして閉じて持つ時に歩きやすいようにしています。長さは違うけれど、統一感のある持ち手なので、二つ揃えて傘立てに並べた時に違和感がないのが嬉しいところです。
右:日傘、左:雨傘
親骨にも違いがあります。雨傘は濡れても安心感のある素材なのに対し、日傘は優しい雰囲気のある木目素材の親骨です。ハンドルはどちらも白木の籐素材を使用し、和装などにも合わせられる温もりある落ち着いた仕上がりに。
また、どちらの傘にも傘の石突下の陣笠部分と開け閉めする時に上下する下ろくろ部分、上はじきには、傘生地でラップ巻きを施し、開閉時に手当たりが優しく、傘を閉める時にありがちな指を挟みそうな感覚がなくスムーズです。
探すとなかなか見つからない豊富なカラーバリエーションのZUTTOの日傘・雨傘は、色の組み合わせを楽しむのもおすすめです。悩んだら、こんな組み合わせはいかがでしょうか?
オレンジ×リネンダンガリー
ネイビー×リネンローズ
スカイ×リネンカーキ
こだわりと職人技のつまった傘は生地裁断から一つ一つのパーツ付けまで全て手仕事で作られています。傘を作っていただいたのは、昭和48年創業のオーダーメイド傘を得意とする傘職人の工房です。多くのアパレルブランドのオーダーメイド傘を手がける工房で、傘がより身近で楽しい存在になるようにと願い、傘を作り続けています。工程は大きく分けて、以下の7つの通り。
◆検反と裁断
傘に使う生地に穴があいていると大変です。それを防ぐために行われるのが、検反という工程。生地を広げて裏側から光を当てながら、生地のムラや傷をチェックしていきます。問題ないことが確認できたら、傘のサイズに合わせて生地を丁寧に裁断していきます。
◆へりかけ
裁断ができたら、まずは専用ミシンで生地の端の部分をみつ巻きに塗っていきます。細くミシンをかける作業は技術を伴うところで、この縫いの細さがすっきりとした見た目につながるのです。実際に傘の縁を見てみると、縁はかなり細くミシンがけされていて、その細やかなお仕事に驚きます。お手元に届いた際は、ぜひ見てみてください。
◆三角裁断
次に、8本の骨に合わせた三角形の木枠に合わせて生地を裁断します。
こちらが傘の生地サイズの木枠。工房には、今まで作り上げてきた多数の傘の木枠がずらりと並びます。この木枠に合わせて小気味よく裁断されていく様子はまさに職人技。一つ一つの作業に愛情を込めて工程を進めていきます。
◆小間検品
「小間」とは、裁断された生地のことです。実際に傘に使う生地に傷や穴ができていないか、さらにもう一度検品しています。
◆中縫い
検品で問題ないことが分かったら、小間を専用のミシンで縫い合わせていきます。三角形の頂点を合わせて縫い合わせると、きれいに仕上がるのだとか。
細く、丁寧に、縫われているのがわかります。
◆中とじ
ここから傘骨に生地を合わせていく作業になりますが、こちらもすべて手作業。ひとつひとつ手で傘と合わせていくことで、バランスを整えながら美しい傘へと仕上がっていくのです。
↑※こちらはお取り扱いのない傘です。
◆手元付け
最後に傘にハンドルを取り付けたら完成です。
これらの工程を経て一本一本丁寧に作られる傘は手仕事のぬくもりを感じさせる仕上がりに。愛情をたっぷり注いで作った傘の細部に目をやると、その手仕事の様子が想像されるようです。大量生産された街で多く見かける傘ではなく、こうした手仕事の傘でものを大切にする気持ちを改めて持っていただけるのではないでしょうか。
大切に作られたZUTTOの長傘をいつまでも愛用いただくために、いくつか注意点があります。
お手元に届いたら、まずはハンドルのビニールを外しましょう。普段外さずに使っている方は少し緊張するかもしれませんが、ビニールを外さずに使うとむしろ中に水が入ってしまい、ハンドルの腐食の原因となることがありますのでご注意ください。ビニールを取ることで、白木の籐素材そのままの手触りと、経年変化を楽しみながらお使いいただけますよ。
雨傘には特殊な防水加工を施し、雨傘として使用できる防水基準を満たしています。市販の防水スプレーや汚れ落としの薬品を使ってしまうと、相性によってはシミの原因となってしまいますのでご使用をおすすめしておりません。また、極端な大雨、強風の日にはご使用にならず、レインコートなどでお出かけください。
■傘を開く時
傘にもウォーミングアップが必要です。ハンドルを持ち、軽く2、3回振り、生地を完全にほぐしてから開くと安心です。
■傘を閉じる時
雨に濡れた傘はブンブン振ってしまいがちですが、そうすると骨やロクロ、生地に大きな負担がかかります。水切りは優しく行ってください。
■持ち歩く時
石突部分で地面を強く突くと、故障の原因になってしまいます。持ち歩く際は地面から離して持つのをおすすめします。
■ご使用後
濡れたままにしておくと、生地の変色や雨漏り、カビや傷み、骨のサビなど様々な不調が起こる可能性があります。陰干しで完全に乾かしてから、直射日光の当たらない乾燥した場所で保管してください。傘立てに立てておくのがおすすめです。
頻繁に使うお気に入りの傘はどれだけ丁寧に扱っていても、使えば使うだけお手入れが必要になったり、修理が必要になったりすることも当然出てきます。ZUTTOの日傘・雨傘は、愛着の湧いた傘を長く愛用してもらえるようにと、使っているうちに起きた不具合や故障などのアフターケアも万全です。傘骨の交換修理、部品の交換、縫製修理、生地張替えなど故障が起こった際には、お気軽にカスタマーサポートまでお問い合わせください。
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