春から夏のお出かけは、紫外線対策に帽子は欠かせません。日傘に比べて荷物も少なく、街中や人混みの中も歩きやすいので、まずは手軽な帽子がおすすめ。帽子を一つ取り入れるだけでおしゃれの楽しむ幅も広がりますし、シンプルな洋服も良い帽子を合わせるだけで、ぐっと引き締まります。色々な形の帽子がありますが、一番大事なのは「良い」帽子であること。ご紹介するのは、品質がよい、デザインがよい、使う人の元で物語になりそうな良い帽子です。
CHECK! ストローハットの形や素材。
ストローハットといっても、一見同じ素材の帽子に見えても実は違う素材のものまでその種類は多種多様。まずはそれぞれ帽子ごとの特徴をおさらいしてみましょう。
バケツを逆さにしたような形から名付けられた「バケットハット」。起源はアイルランドの農民や漁民が着用していた羊毛で作られたハットだといわれていますが、現在で一般的なのはコットンやキャンバスの布製のものです。カジュアルな見た目で野外フェスやアウトドアシーンでよく見かけますが、ストローハットやファー素材など様々な素材で登場する近年注目の形。ツバが短いので、被ったままで電車に乗っても邪魔にならず、日常で被るのにも安心です。
バケットハットタイプのストローハットです。なんといってもコンパクトで無駄がないフォルムが素敵。甘めの服と一緒に着ればラフィアの淑やかさとガーリーな印象が上手く調和して道行く人から一目置かれる存在に。
素材には、マダガスカル産のラフィアが使用されており、丁寧に甘めに編み上げられたクロッシェ編みから温もりを感じるバケットハットです。日差しの下で被ると、木漏れ日のように光が差して、表情を明るく見せてくれます。
この帽子自体は、柔らかい手触りで、コンパクトに畳むことができるため、バッグやポケットに簡単に収納できて持ち運びが便利というポイントも。この旅行やアウトドアで使いやすいという点もバケットハットが重宝される理由の一つです。
高級帽子として名前の知られている「パナマハット」。パナマハットは厳密にいうとストローハットとは異なります。一体何が違うのでしょうか?
ストローハットとパナマハットの違いは「素材」にあります。麦わらや天然の草を使った帽子か、高級なパナマ草を使った帽子かということです。赤道直下のエクアドルで育つパナマ草は熱に強く、耐久性に大変優れる素材で、メンテナンスや保管を正しく行えば10年は愛用できると言われています。これを細く裂いたものを使用して作られるのがパナマハットですが、主にエクアドルの少数の職人たちの手作業によって細かく編んでいく必要があり、春夏の麦わら帽子の中でも高級品という位置付けになっています。この編み目は密であればあるほど高級品とされています。
パナマハットと一口でいっても、形はさまざま。中折れ帽が最も一般的のようですが、カンカン帽のような被りやすい形なのがこの帽子です。日が差し込まないほど細かく編み上げられたしなやかなパナマ草は、ツバがへたれず頭の形も崩れにくいのが特徴です。
もともとは赤道直下のエクアドルの人々を強烈な紫外線から守るために生まれたエクアドルハット。整った編み目にキリッと張った帽子のツバが凛々しいスタイリングです。それでいてカジュアルな装いにも似合う麦わら帽子ということもあって、近所のお散歩にも被って出かけられるのが魅力。かっこよさも日差し対策も同時に叶えてくれる帽子といってよさそうです。
正統派はフェルト製のものが多いですが、男女問わず身につけやすいかっこよさとその人気の高さ、ベーシックな合わせやすさから麦わらだけでなくさまざまな素材で作られている形です。シルエットも幅広く、ツバが広いもの、中折れの形、クラウンの高さなど、個性があるものが多い帽子です。
Zack Sr Panama Straw(パナマストロー帽)
中折れ帽はパナマハットでよく見られる形になっており、この帽子はそのパナマハットらしさから「パナマストロー帽」と名付けられています。使われているのは天然ストローですが、作ったのは正真正銘のエクアドルの熟練の職人たち。隙間が見えないほど丁寧に編み込まれた美しい編み目から品の良さを感じさせられます。
帽子のツバは短めで、カンカン帽のような小ぶりな愛らしい印象も併せ持っています。
日本ではあまり聞きなれない名前ですが、ボーイスカウトが被っている帽子を思い浮かべて想像されるのがこの形の帽子。北アメリカでは軍や警察官の制帽として被られています。クラウントップの四方に窪みがつけられていて、つばが水平に伸びているのが特徴です。
ボーイスカウトという印象もあってカジュアルにも思われるキャンペーンハットですが、素材と作りが異なれば、エレガントな印象に変わります。丁寧に編み込まれたパナマ草の帽子と、細めの黒リボンがさりげなく愛らしさを演出し、かっこよさの中に凛と美しい印象も見える不思議な帽子です。
ゆったりしたリゾートスタイルにはツバの広いリラクシーな帽子を選びがちですが、あえてピリッと辛口の帽子を身につけてみると、人とは違うこなれた大人の雰囲気を作り出してくれます。帽子の内側には刻印が入っていて、職人のハンドメイドであることを感じさせる帽子です。
こちらのブリサ4デントキャンペーンハット(パナマハット)はパナマハットに象徴される高級パナマ草を使用しています。1980年ごろ、アメリカで売られているパナマハットはというと、大量生産されたセラックという樹脂が塗られて固められている、もろく壊れやすいものでした。SANFRANCISCO HAT創業者はパナマハットの名産地、モンテクリスの郊外で完璧に太陽を避ける事の出来る、軽く柔らかい最高品質のパナマハットに完全に魅了されたのがきっかけで、ブランドを立ち上げます。これまでにない使い心地を重視した帽子を目指し、細かな部分にまで配慮が施されています。例えば、汗留めには、速乾性に優れた高機能ファブリック「クールマックス」を採用したり、自社生産にこだわり、カリフォルニア工場で一つ一つ職人の手によって編んで作られるなど、一つ一つが量産品にはない温かみある帽子なのです。
CHECK! 外で帽子を被ってみました。
形によるテイストが異なるストローハット。シンプルなコーディネートで帽子を被ってみると、帽子をかぶるだけで雰囲気がガラリと変わるのがわかります。
ツバが短いこちらの2つは、どの角度から見てもカジュアルで甘めの印象。
ツバが長くてきちんとしたこちらの2つは、ハンサムでキリッとした印象になりました。
CHECK! ストローハットの着こなし
・ポイントはリボン
帽子のアクセントに使われるリボンには、素材もさまざま。リボンに注目してみると、スタイルによって雰囲気が異なるのがわかります。ZUTTOで紹介している帽子からリボンに注目してみていきます。
◆紐タイプのリボン
同素材の細い紐リボンがさりげなくアクセントになっている形はHELEN KAMINSKIに多くみられます。紐のリボンはカジュアルでナチュラルな雰囲気で、ギュッと結べばサイズ調節も可能という優れもの。色と素材が本体と同じになっていることで程よくアクセントになっていて、エレガントに寄りすぎず、愛らしさもあるリボンです。
◆幅の広いリボン
<Tiffany Sr Panama Straw(パナマストロー帽)>
長く愛されてきたクラシカルなデザインの帽子。エレガントな印象で流行に左右されないことから長く身につけることができます。ダークブラウンのリボンはさりげなく色みがあることで、被ると柔らかさとすっきりした清楚な雰囲気が作れます。
◆垂らせるリボン
カジュアルとエレガントの雰囲気を両方持っているいいとこ取りの帽子。耳元から垂れるデザインの帽子は幅広い女性から人気があり、風にそよぐ様子が涼しげなデザインです。ショッピングからちょっとそこまでのお出かけにもかぶりやすく、出番の多い帽子です。
ストローハットは、ただの日差し避けというだけではなくおしゃれの一部として長く愛されてきました。ファッション性の高さとデザイン・形の多さがなによりのその証拠。長く愛していける帽子を一つ持つのもよし、使い分けてスタイリングを楽しんでいくもよしの帽子は、これから先廃れることなく愛され続ける小物の一つですので、今年のうちにお気に入りを見つけておくのも良さそうです。
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