酷暑の夏を超え、9月も中旬となると過ごしやすさも感じられるようになりました。春から夏へ、夏から秋へ、服装に悩みがちな季節の変わり目は一年に二度ほど訪れます。毎年気候にマッチした服装に悩みながら過ごしていた私、スタッフFですが、最近では服装に悩む日には七分丈とカーディガンに頼りきり。今回のよみものでは、半袖の夏から長袖の秋への移り変わりに活躍する、七分丈トップスとに注目して季節の変わり目を快適におしゃれに過ごす方法を探してみました。
まず、紹介したいのはコットンセーターの七分丈トップス。手編み木製機械で編んでニットをつくるアルゼンチンのブランドNido(ニド)からOVERSIZED T-SHIRTです。このトップスがただのオーバーサイズニットではない理由をご紹介します。
▲リラクシーなウェアでまとめて、ゆったりとルーズな着こなし。
コットンニットの良さは、やはり肌触りと着心地、抜け感の作りやすさです。
コットンニットにはぎゅっと隙間を詰めるように編む編み方と、あえて隙間を少し残すように編む編み方があります。こちらのOVERSIZED T-SHIRTは、隙間を少し残すように編まれているコットンニット。整っているけれど整然としすぎず、味のある編み目が特徴です。
▲編み方によって異なる風合い(左:Nido、右:YONETOMI NEW BASIC)
なぜNidoのニットに味わいがあるのかというと、”職人の手が直接触れて編み上げたものだから”です。一点一点が日本から遠く離れたアルゼンチンで作られていて、1日で仕上がるのは10枚ほどなのだと言います。大量生産の製品は一定の品質を約束すると同時に、モノを通じて感じられる人の温もりを忘れてしまいそうになりますが、こういった人の手から手を通じたモノの巡り合わせのよさを改めて感じるのもよいものです。
手にとってみると非常に細やかな仕事であるのが一目瞭然なのですが、その編み目の微かな揺らぎ、少しの個性からは職人さんが一つ編むごとに少しずつ調整してカタカタと編んでいく姿が目に浮かぶようです。なんだか温もりを感じさせてくれるコットンニットですよね。
着心地は、透け感を感じるほどではありませんが、通気性に富み、とても軽やかです。オーバーシルエットなので体に張り付く感覚もなく、ゆったりとリラックスして着られるのがとても好みです。
質感は肌に触れて優しくとろけるような滑らかさ。スタッフFがおすすめするOVERSIZED T-SHIRTのチャームポイントは、裾がくるんと丸まっているところです。
オーバーサイズなので、すとんとシルエットが落ちるようになっているのですが、このくるんと丸まっている裾のおかげでシルエットに動きが出るんです。さりげない工夫のようにも見えるのですが、このおかげでほんのり甘さも出て、リラクシーだけれどフェミニンな印象も持つ、不思議な魅力が表現されているように思います。
▼綺麗めに、おしゃれしてお出かけ。
▲綺麗めスカートと合わせて、おしゃれして出かけたい休日に。
スカート:コンビネーションスカート CLAY RED&CARRIGAHORIG、シューズ:M サボ TEXAS 2020 LEATHER BLACK
カジュアルなコットンニットですが、おしゃれしたい日にはスカートと合わせると、綺麗めにもお出かけできます。柔らかく薄手なので、トップスインしたスタイルでも着られますよ。
▼少し肌寒い日に、ジャケットを羽織って
▲肌寒くなってきたらジャケットを羽織るのもおすすめです。
ジャケット:F2410 COVER ALL、パンツ:コットンサテン アーミーパンツ、シューズ:コインローファー ブラウン
カラーはベージュで、どの季節の装いにも馴染みます。秋らしいアースカラーとメンズライクにパンツでまとめることで、格好良くも着られるコットンニットです。
今年の秋は普段より暖かく、秋らしい長袖を取り入れる期間が短い予報ですが、七分丈に秋色を取り入れると少し長く季節のファッションを楽しめますね。こちらはそんな秋らしいコーディネートを楽しむためのイズミールコットン裏毛プルオーバー。杢調の奥行きのある色の生地を使っているので、一枚でコーディネートにメリハリがつきますよ。
▲くすみのある紫色が秋らしさもある七分丈トップスです。
こちらのプルオーバーの嬉しい点は、「裏毛」であること。裏毛というと、初秋~冬におすすめな素材で、裏がタオルのようになっているので吸湿・吸水性に優れるのが特徴です。ふわふわの裏起毛は体の熱を逃さず温かさを保つ一方で、裏毛には体の熱を適度に放出させてくれる機能もあるのです。まだ少し暑さの残る日に着て汗をかいてしまっても熱がこもらない点で、今~これからの時期にぴったりで、冬には重ね着をしながら長く着ていける嬉しいプルオーバーです。
▲裏毛はドライタッチで汗ばむ季節にも着られる素材(左は裏毛:ZUTTO、右は裏起毛:HAVERSACK)
素材はトルコのイズミール地方でとれるコットンを使用したイズミールコットン。エーゲ海を望む美しい街で育ったコットンは、一本一本の繊維が長く、柔らかい質感と光沢感が特徴的な上質な綿素材です。適度な厚みと安定感のある伸縮性があり、着心地もとてもよいのです。
ワイドでゆとりのあるシルエットが可愛らしく、裾には前後差をつけて少しドレープを出すことで、ラフな印象もあるスウェットでありながらもファッション性を感じられる、大人に似合う一着に仕上がっています。スタッフFのおすすめポイントは横から見た時の素敵さで、そのままで着た時ふわっと広がるようなシルエットが可愛らしいです。
▼とことんカジュアルに、ピクニックスタイル。
▲オーバーオールでカジュアルに。袖を折ると、内側の白い裏毛生地が現れます。
ボトムス:UP190302 ジップオーバーオール、シューズ:コインローファー ブラウン
程よい肉厚でボリュームが抑えられているので、オーバーオールとの組み合わせも可能です。気取らずナチュラルなおしゃれができるのが嬉しいところで、手首が綺麗に見えるので、腕時計やブレスレット、リングなどとのアクセサリーとも相性が抜群な七分丈です。
▼寒さ対策もしながらトラッドに。
▲トラッドなチェックスカートと合わせて女性らしいスタイル。防寒対策も◎。
ジャケット:MARKET ジャケット、スカート:EASY KILT LONG (81cm) GRAIGUEHESHIA、シューズ:コインローファー ブラウン
イズミールコットン裏毛プルオーバーは全体的に体に張り付かないゆとりのある着心地なので、肌寒い日には、オーバーサイズなアウターでお出かけするのもおすすめです。あずき色のようなくすみカラーはコーディネートのアクセントになりながらも、他のジャケットやボトムスとも合わせやすい色味なので、この時期に重宝します。だぼっとしている様子が可愛らしく裾と袖のステッチが印象的なイズミールコットン裏毛プルオーバーです。