2016春夏から開始した、ZUTTOのウエア、皆様すでにご覧頂けましたか?
これまで10年間、「ずっと愛着を持って使いたい」モノをご紹介して参りましたが、今回オリジナルウエアを展開する想いやこだわりについて、企画担当者にミニインタビューを行いました。
ーーZUTTOでウエアを作る上で、どういうことが指針にあったのですか?
これまで、様々な洋服に袖を通し、成功と失敗を繰り返してきましたが、ふとクローゼットの中を見るとそれらが一緒に積み重なっている現状がありました。トレンド色が強くてもう着られなくなったもの、折角買ったけれど出番があまりないもの、気に入っていたけれどそれが故に洗濯を繰り返しくたびれてしまったもの、色あせや形崩れしたもの。
そういったものを眺めていて、「本当に色々着てきたな」と。長く着たもの、いまでも着ているもの、失敗したと感じるものをピックアップしていくと、自然と着やすくて出番が多かったもの、人にも褒めらえるものがどういうものか分かってきたのです。
ーー色々と試してきたからこそ、これから欲しい洋服がどういうものなのか、分かるようになった、と?
そうです。これまで失敗と成功を繰り返してきて今後どういうものを着たいのかが分かる。そろそろ長く愛されるものが確立されてきたのだと実感するわけです。
長く着たいと思うのは、上質、あるいは機能性に優れた素材であること。
使い込んで風合いが増すもの。整って見えるシルエットであること。
短サイクルのトレンドは追わないものの、シルエットのような大きな流れを捉えているもの。
これ見よがしにならない、さりげないデザインであること。
こういう点が、長く愛される洋服なのかなと思い、ZUTTOで洋服を提案するにあたりこだわる点はそこだと思いました。
ー上質で機能性に優れた素材、というのは頷けます。
素材は本当に大事ですね。上質で良い素材は、簡単にへたれないから形崩れしにくい。着るうちに馴染み、着やすさが続くのです。もちろん、基本的には糸ですから柔らかくはなります。でも、それがヨレや崩れにはつながりにくいのが良いところ。風合いが出て雰囲気が高まる素材というイメージです。
ートレンドも取り入れるのですね。
トレンドといってもワンシーズンでさようならするようなものは追わず、大きな流れを取り入れます。
例えば、カットソー。昔は、カットソーは家着や作業着のようなイメージとして捉えられることが多かったようですが、いまは、ライフスタイルからファッションを模索することも多くなったことがあり、ナチュラル思考も相まって肩の力を抜いた日常着が素敵に見える傾向です。
そのためカットソーはとても頼れる存在で、生地やサイズ感、フォルムにこだわったパターンなど、細部でトレンドを入れることが出来ます。
長く続くトレンドはありますし、ZUTTOが目指すのはそういった、長く続く時代感を見極める、ということなのかもしれないと思っています。
ーー手に取ってくださった方に、どういう風に着て頂きたいですか?
パンツもトップスも、着まわししやすいデザインやシルエットにしているつもりなので、ぜひ、たくさん着て頂きたいです。素材面でも、長くご愛用頂くことを見越して、着るうちにどんどん馴染み風合いが増すものを意識して採用しています。色々なものと合わせて沢山着て、ぜひ長くお使い頂けたらとても嬉しいです。
何度もサンプルの作り直しをしてはスタッフ全員で試着して意見を出し合い、生み出されたウエア。今回はパンツを中心に、こだわりを突き詰めていきたいと思います。
深めにデザインされた股上は、変形シルエットながらきれいな縦ラインが強調されます。
全体的にワイドなので、一見スカートにも見えることから違和感なく、ファッション性を入れても挑戦しやすいようにしました。
ジャストサイズでもゆったり履いても、様になるようなシルエットに。裾を少し内側に入れることで、ワイドでもバランス良く見えるように、着まわしやすいデザインにしています。
使用している素材は「GIZA リネンラミー」という、リネンとラミー2つの麻素材とコットンの混紡糸。
発色性や光沢感が美しく、表面に少し節が出ます。触れてみるとハリがあり、履くとしっかりパンツのシルエットが強調されるので、体のラインが出にくいのです。
履くうちに柔らかく馴染んでいき、ハリが少なくなると若干のドレープと味のある風合いが出てくるのが楽しみですね。一般的なチノ素材に比べて細い繊維を使用しているので汗で重くなっていかない点も、日本の夏にぴったりです。
足元は重くならないよう、クロップド丈に仕上げています。夏はサンダルやエスパドリーユ、秋は細身シルエットの革紐靴、ヒール付きのショートブーツなどで合わせると素敵です。
腰回りに余裕を持たせ、裾に向かうにつれ細身のシルエットに変化するテーパードパンツ。定番の形ですが、タックを入れて少し表情をつけています。カラーはネイビーとベージュの着まわしやすい2色展開。
このパンツ最大のポイントはウェスト調節部分です。左右に3つのボタンが並んでおり、ウェストの丁度良い位置で留めて履くことが出来るのです。
その日のトップスや靴とのバランスで、ボタンの位置を変えることでコンパクトに詰めて履き、例えばワンピースの下に重ねたり、ウェストを下げてゆったり履いてボーイッシュなコーディネートを楽しむことも出来ます。
トップスをインした時にアジャスターボタンが見えるのもポイントで、真鍮製の鈍い輝きがコーディネートのアクセントになり、定番のパンツですが「普通なだけでない」一味を加えています。
リネンラミー テーパードパンツは、フルレングスで履くのはもちろん、裾を少しまくって足首を見せてフラットシューズやサンダルと合わせるのもかっこ良いですね。
ドレープがとてもきれいな裏毛ワイドパンツは、素肌に気持ち良いスウェット素材です。スポーティでカジュアルな印象のあるスウェットですが、履いてみるとその印象はまるきり変わります。
ウェストはゴムと紐なので、楽ちんさを確保しながらもこだわったドレープシルエットのおかげか、トップスに同素材を持ってきてもきれいに決まり、小物使いが映えます。
履いてみると、脚部分の筒が立体的に立ち上がっているようで、横のラインに沿ってペタンと足にまとわりつく感じもなく、全方向から見てもきれいなシルエットです。
素材はシルキータッチのスエードのような手触りです。南米アンデスのペルーで栽培される上質な高級綿・ペルーピマ綿の極細糸で、通常の裏毛よりも目の詰まった超ハイゲージに編まれた生地を使用。紀南莫大小工場(キナンメリヤス)という老舗ファブリック工場の日本屈指の技術力によって表面に上質なスウェードのようなタッチの加工を施しています。通常機械で起毛させる場合はもっと毛羽立ちが出るそうですが、こちらは滑らかで上質な仕上がりです。
フルレングスのワイドシルエットなので、バランス良く決めるために足元はフラットシューズの場合は、素足が出るタイプのものがおすすめです。ヒールの場合はウェッジサンダルやサボが似合いますね。
スニーカーを合わせて思い切りスポーティにしたら、トップスやアクセサリーなど小物で女性らしさを取り入れてミックススタイルを楽しんでください。
▼ZUTTOの洋服・2016春夏