ZUTTOの商品を誰よりもチェックし、誰よりも知っているスタッフが、お買い上げしたものを熱くご紹介する愛用レビュー。今回は、スタッフが前々から気になっていたという給食缶ミニを実際に1週間使用してみました。
「給食缶ミニ」は、老舗ステンレス調理器具メーカー、仔犬印の便利な保存容器です。料理の冷蔵庫保存、温め、持ち運びまでを実現してくれるオールインワンキッチン用品で、アウトドアシーンでも活躍してくれる優れもの。
私はよく週末に作り置きをするのですが、レンジの温め時間の調節があまり得意ではなく、温める時に水分が抜けてしまって作りたての美味しさが損なわれてしまうのが気になっていました。それもあって、基本的に鍋に移して温め直すので、洗い物も増えてしまいます。
給食缶ミニは、冷蔵庫から取り出したまま直火で温められるということもあって、時短というだけでなく水の節約にもなるのでは?と思い、ずぼらな私の中で常々気になる存在でした。今回は、そんな給食缶ミニをようやく手にできたので、1週間、どんな使い方ができるのか実際にレビューしていこうと思います。
一晩置いたカレーが好きな私。
『二日目のカレーは美味しい』とは昔からよく言いますが、一晩置くと出来立てよりも食材に味が染み込んで、コクと深みが感じられてとっても美味しいです。でも、鍋のまま冷蔵庫に入れるのはあまり良くないし、ジッパー付き袋に入れるのももったいなくもあり、小分けにしてタッパーに入れるのも面倒でもあり…。
今回給食缶ミニを手にした私は、早速カレーの作り置きに挑戦することにしました。
カレールー1/2を使ってたっぷりつくったカレーでしたが、1.8Lの給食缶ミニのおよそ半分に収まりました。片手で持てるようなコンパクトサイズなのに、頼もしい容量です。
嬉しいのは、中身の温度に関係なく蓋ができるところ。
タッパーや弁当箱などは、粗熱を取って蓋をしたつもりでも、冷やしてみると結局蓋が開かなくて力任せに開ける、というのは何度も経験があります。
給食缶ミニは、例え熱々のものを入れて急速に冷やしたとしても、蓋についたつまみを押すことで鍋に空気が入って、すっと開くのです。例えるなら、プリンの底のつまみを倒すような感じ。
▲つまみを抑えると中に空気が入ります。
今回、1時間ほどで粗熱が取れたので、このまま冷蔵保存して翌日を待ちます。冷蔵庫の中に入れても鍋を入れるより断然コンパクトですし、見た目もなんだか愛らしい小さな給食缶。なんと言っても、密閉性が高いので、中のカレーの匂いは冷蔵庫内へ漏れ出ません。これはキムチ料理の保存にも良さそう。
▲こちらの写真は大きめの冷蔵庫ですが、一人暮らしサイズの冷蔵庫にも余裕を持って入りました。
翌日、一晩置いたカレーを開けてみると…。
「しっとり」!
いつも通りのカレーを給食缶ミニに入れたところ、柔らかさと水分をしっかり感じられる、いつもと違う二日目のカレーになりました。
このままことこと弱火で焦げ付かないように時々かき混ぜて温めると、まるで出来立て。しっかり二日目のコクと深みが感じられるのが嬉しいです。
普段と同じ作り方だったのにもかかわらず、食材から水分が抜けていないようで、ジャガイモもお肉もいつもと全然違うのがすぐわかるほど、しっとりとした食感になっていました。
1日目の最後は、お手入れです。
洗うパーツは、「本体、蓋、蓋のパッキン、持ち手」の4つ。
▲持ち手は決まった角度で外側に引っ張るとすぐに取り外せます。
カレーやシチューづくりは、鍋は焦げつきやすく、タッパー保存では色移りや油で洗い物は一苦労でしたが、給食缶ミニはお湯でするんと汚れが落ちていって気持ちいい!
▲お湯をさっとかけて馴染ませ、すぐに流したところ。
▲残った汚れを指で撫でるとするんと落ちました。
給食缶ミニは見た目以上に軽くて小さいので、女性でも片手で持てます。保管場所に困らず、高い棚にも片手でヒョイっと置いておけるのがさりげなく嬉しいポイントでした。
2日目は、作った煮物をいれてみることに。
前日にカレーを入れたばかりでしたが、カレーの匂いは洗ってすぐに消えているのはさすがステンレス製。今日の煮物にも前日に入れた料理は一切影響ありませんでした。
ステンレスは他の金属に比べて熱伝導率が低めなので、一度冷やすとしばらく冷たいです。煮物のコラーゲンを含んだ汁を煮こごりのように食べるのもよいですね。
カレーや煮物など、焦げつきやすい料理を温めるときの焦げつきはどうか?というと、私は全く気になりませんでした。一般的な雪平鍋を想像していただいて、それよりもくっつきにくく扱いやすいという感じです。テフロン加工には劣るかもしれませんが、「温める時にはとろ火で時々かき混ぜる」ということを意識すると、焦げつきは心配無用です。
実はレビューする前に一度、ビーフシチューを入れた給食缶を温めすぎて底が少し焦げついてしまったのですが、こちらもお湯で馴染ませるとすぐに取れました。
▲ゆで卵はレンジでチンできないので、冷蔵庫から出したままの鍋で温められるのが便利です。
温め鍋として以外の使い方はできないだろうか?ということで、この日の夜は翌日のお吸い物のために、給食缶で水だしの出汁をつくってみることにしました。
▲今日は簡単にいりこ出汁。水出しなので頭をつけたままでも煮干しのクセが少ない出汁が作れます。
翌日に給食缶を開けてみると、しっかりいりこの出汁が完成していました。
水出しの出汁というとお茶を入れるようなボトルなど専用のものを用意する必要があります。その容器も素材を選ばなければ匂い移りがあったり、着色してしまったり…。また一度にたくさん作りたい方からすると、微妙に足りないこともあるかもしれません。
給食缶は約1800ml入るので、一人分の味噌汁に使う出汁180ml程度とした時、なんと約十人分。お客さんが来る日の仕込みにも良さそうです。また、出汁だけでなく、食材の下味をつけるのにも良いかもしれないですね。
さて今日は、メーカーの推奨している使い方ではないのですが、料理を完全密封する給食缶ならストッカーのようにも使えるはず!ということで、サニーレタスを保存してみることにしました。
そのままだとすぐしなしなになってしまう痛みやすいサニーレタス。最近では、濡らしたキッチンペーパーにレタスを挟むようにして、ジップつきの袋に入れて保存していました。(1週間くらい保ちます)
それでも、もっと無駄のない方法がないかと気になっていたところに、給食缶の出番がありました。底にキッチンペーパー、サニーレタス、上にキッチンペーパーというように、濡らしたキッチンペーパーで挟むように保存してみます。
そして、三日後、中に入れていたサニーレタスはというと
シャキシャキが保たれていて嬉しい。なんだか余裕の様子だったので、3日と言わずもう少し持つかもしれません。
実験的に、同じ期間何もせずに置いていたサニーレタスは、やはりしなしなになっていたので、保存の仕方や容器次第で、より鮮度が保たれることを実感しました。
▲今日は、ポテトサラダの付け合わせにしました。
最後に、給食缶の実力を確認すべく、屋外で使用してみます。作ったのはクラムチャウダー。キャンプといえど、カレーのように簡単に作ることができないちょっと一手間な料理です。
食材をたくさん準備する必要があったり、煮込む以外でも工程の多い料理は、アウトドアではなかなか手が出しにくいということもあります。そんな時は、あらかじめ作っておいた料理を給食缶で持っていくのもおすすめです。温めるだけメニューも、外の新鮮な空気や楽しい雰囲気と相まって美味しく味わえます。
とろみがあるとはいえ液体状に近いこともあり、タッパーや鍋での持ち運びは躊躇されるクラムチャウダーでしたが、給食缶の強力な密閉で、料理が外に漏れたり、車内に匂いが漏れ出ることもなく、安心して持ち運ぶことができました。
▲ とってもコンパクトなので、まだまだたくさん荷物も積めますね。
今回は、給食缶と過ごす1週間をレビューしてみました。
実際に使ってみてわかったのは、保存容器でありながら直火で温められて冷蔵庫に直接しまえることの便利さ。ただ保存するだけではなく、しっかり密閉して水分を閉じ込めることがおいしさにつながったり、冷蔵庫や車内に匂いを漏らさない点も良く、これ一つで暮らしを豊かにしてくれる魅力を持ったものでした。
今回ご紹介した使い方以外にも、まだまだ工夫次第で活用できそうです。実際どうだろう?と思って購入に踏み切れなかった方に、ぜひおすすめしたい給食缶でした。