ベルトには、コーディネートを引き立てる小物、というイメージがあります。
トップスやボトムス、靴やバッグなどに比べ何となく後回しにしてしまいがちなベルトですが、その正しい選び方、使い方、保管の仕方をご存知ですか?シーズンごとに買い換えることが少ないアイテムだからこそ、長く大事に使うためのポイントを押さえてみましょう。
そもそもベルトという言葉は、ラテン語のBALTEUS(バルテウス)を語源とし、ローマ時代に剣を下げる帯のことを指しました。つまりは、用途色の強い「道具」としての役割もきちんとあったのです。
中世に入り、階級社会が進むとベルトの役割は装飾品としてよりも、階級の権威を誇示するためのものであったと言います。貴族のみが肩ベルトを身に付け、絹帯には金糸で文様を施し、皮革ベルトには宝石をあしらい、豪華に飾っていました。17世紀以降は一般市民もベルトを身に付けるようになると権威の象徴ではなくなり、より「機能性」を求めるようになります。
そうして現在、ベルトの役割はファッション要素が強く、なりたいスタイルに合わせ活用されています。ファッション要素の中にも、単にベルト自体を見せるのではなく、洋服をジャストサイズで着るためのベルト、という見方もあります。きっちりとした印象の人、ものを大事にし洋服に負担を掛けない着方をする人は、ジャストサイズでお洒落を楽しんでいる印象で、ベルトの活用方法も上手なように思います。
そんなベルトですが、ファッションに合わせられるよう数本お持ちの方が多いと思います。
しかし、ご自身のベルトサイズを知っていますか?スーツを着用する男性の場合、クールビスでネクタイを締めない日はあっても、ベルトは必ず締めますのでご自身のサイズを把握されている方は多いと思います。ですが、そういったルールがない女性は「何となく」で決めていませんか?そもそも、適切なサイズのベルトは、どうやって知るべきなのでしょう。
ベルトの長さは、金具のピンの根本から、真ん中の穴までの長さで測ります。ベルトの穴は大体奇数で、真ん中の穴を使用した時にぴったりのサイズを選ぶと、ベルトの余り部分のバランスが良いと言われています。
サイズ表記に関しては、例えば「32インチ」のベルトの場合は、起点となる金具のピンの根本から真ん中の穴までの長さが32インチ(=約76cm)ということです。
※ベルトを全長で記している場合もありますので、ご確認ください。
一番失敗の少ないサイズの調べ方は、現在使っているベルトを確認することです。金具のピンの根本から、いつも使っている穴までの長さを測り、その長さが当てはまるサイズのベルトをお選びください。また、ウエストで履くのか、腰あたりで履くのか、など好みがある場合はそれを考慮した上でご検討くださいね。現在の体型、未来の体型を考慮して選ぶのも良さそうです。
ベルトと一口に言っても、様々な形、色、素材があります。ZUTTOでお取り扱いしている主なブランドにもそれぞれの個性があり、ベルトで作るおしゃれの楽しみ方があります。
イタリア・フィレンツェ発のレザーアイテムブランドCI-VA(チーバ)は、余計な装飾がなくシンプルで長く使えるアイテムが特徴です。使用する革にこだわりを持ち、美しい経年変化を楽しめるブランドです。植物タンニンなめし加工が施された革は、月日が経つにつれて出てくる革の個性や馴染みがよく表れます。
革の一枚ベルトというと厚みがありゴツゴツしたイメージですが、CI-VA(チーバ)のベルトは薄めで日常的に使いやすく、着けていて煩わしさがありません。これぞ定番という印象のシンプルさで、ベーシックな革と控えめな光沢の金具が良くマッチしています。
イタリアのベルトブランド、CAPPELLI(カッペッリ)は、カラフルに編み込まれたデザインが特徴的。素材にはストレッチ性の高いナイロンコードを使っており、レザーとはまた違う印象と驚くべきフィット感が魅力です。
伸縮性があるので体にフィットしやすいほか、サイズを気にせず選べるのも良い点。決まった穴がないのでちょうど良い長さでピンを通して使うことができます。編み込みベルトは色だけでなく、そのデザインが目を引くアイコンに。あえてベルトを見せるおしゃれを楽しめます。
ベルト 1.25 inch Quick Release/Black
イギリスのレザーブランド、MARTIN FAIZEY (マーティン・フェイジー)のベルトは堅牢なブライドルレザーを使い、長く使い続けられることを想定した丈夫な作りになっています。
ブランドを代表するQuick Release(クイックリリース)シリーズは、もともと消防道具を素早くまとめる為に使用していたベルトからアイディアを経て、バックルの一辺を外せばすぐにベルトを取り外せるという仕組みになっています。
ベルト 3/4 Roller buckle /Black・ベルト 3/4 Roller buckle /Red
女性が使いやすい細身ベルトや、コットンで作られたカジュアルベルトなど、種類豊富な展開もMARTIN FAIZEY (マーティン・フェイジー)の魅力のひとつ。使用されているブライドルレザーはオーク材の樹液でなめすという、ローマ帝国から伝わる製法が取られており、抜群の防水性と強靭さを誇ります。
Puntovita(プントヴィータ)は、牛革にスタッズを施した、ヴィンテージと新しさ双方の良さを感じさせるベルトを作り出しています。革の裁断から染色、装飾(刺繍、スタッズやビーズの応用など)全てイタリアンメイドにこだわっており、そのデザインからハードなイメージを持ちますが、身につけてみるとまるでジュエリーのように全身を飾る存在になってくれます。ベルトのおしゃれの幅を広げたい方におすすめしたいブランドです。
ベルトは長時間曲がった状態で着用していますので、使い終わって外すとくるんと曲がってクセが付いている状態です。その状態で、更にくるくると丸めて保管してしまうとクセが元に戻らず、定着してしまう可能性も。
素材によっては丸まった箇所に負担がかかり、破損や亀裂が入ることがありますので、クセを付けないことが大事です。
使い終わったら手でクセを伸ばし、専用のハンガーに釣ることをおすすめします。空気に触れさせることで湿気を取ることも出来るので特に湿気を嫌う革素材はぜひ行ってください。
写真のように、表一枚の革ベルトの場合は革小物同様、ブラシとクリームによるお手入れをしてください。摩擦が起きやすい箇所は傷が付きやすいですし、カサカサと乾燥もしやすいので、丁寧に観察します。クリームは、色付きでないものを使用してください。色付きのものは、衣類へ色移りしてしまいますので注意が必要です。
同じ革素材でも、メッシュになっている場合はクリームでのお手入れが難しいデザインです。その場合は、メッシュの間に入り込んだホコリや汚れを出すだけでも行ってください。柔らかい洋服ブラシで優しくブラッシングをします。
また、いつもベルトの金具を留める大体の箇所だけでも、クリームでのお手入れを行うとその部分の劣化を防ぐことが出来ますよ。
スエード素材の場合は、革用クリームを塗ってしまってはシミの原因となってしまいます。防水スプレーで保護すれば、汚れ防止にもなりますのでおすすめです。