夏の日差しによく似合う、帽子。
夏帽子の素材といえば麦わら帽子ですが、
コットン、ラフィア、リネンなど、夏におすすめな帽子の素材は様々。
紫外線対策や日差しによる眩しさの軽減など、
たくさんの機能性を備えた帽子ですが、
素材ごとに特徴やかぶり心地、さらにはお手入れ方法も変わってきます。
そんな「夏の帽子」を素材ごとに見つめ、
それぞれの特徴と長く愛用するためのお手入れ方法についてご紹介します。
ファッションアイテムとして季節を問わず活躍する帽子。
ハット、キャップ、ハンチング、ベレー、キャスケットなど
形、素材、装飾など様々ありますね。
帽子の役割としては
・頭を守る(衝撃・寒さ・暑さ)
・ファッション要素
があります。
帽子の起源は古く、原始時代から帽子の原型のような、
道具が存在していたそうです。
当初は頭を守るための実用的なものでしたが、
西洋の上流階級では自分をより美しく見せるための
装飾品の役割が増し、頭を全て覆わない小さい帽子など
その時代時代の流行が非常に現れるアイテムであったといいます。
現代では実用性とファッション要素のバランスが良く、
洋服とのトータルコーディネートを楽しむ人が多いですね。
さて、夏に帽子をかぶることにどういう意味があるのでしょうか。
日除け、暑さ対策が挙げられますが、夏帽子の素材や形に
その理由がよく表れています。
夏帽子の素材としては、麦わらやリネンなど天然素材の草木が
よく使われていますね。乾燥させた草木を編みこんで
帽子を形づくることで、通気性を確保しています。
夏に帽子をかぶりたくない理由を挙げるとすれば、帽子の中が
蒸れるから、ということがありますが、風が通る素材であれば
蒸れは軽減することが出来ます。
また、夏の帽子はブリム(ツバ部分)が長いものが多いです。
直射日光の熱から頭を守り熱中症予防になるだけでなく
紫外線から目を守り、かつ日焼けから顔や首を守っています。
帽子の素材によって、かぶり心地やお手入れ、
持ち運びやすさなど変わってきます。
何を重視するかによって、何を選ぶかが分かってきますよ。
素材別に、特徴を見ていきます。
ストローとは、麦わらのことです。
「麦わら帽子」は夏帽子の定番ですが、麦わらは空気層が
多いために熱を遮断し、かつ通気性が良い素材です。
直射日光を受けた場合でも、帽子内部に熱がこもらず
発散するので熱中症になりにくいのです。
また麦わらは紫外線に強く、UVカット率が高いことでも
知られています。
何となく、夏=麦わら帽子のイメージでしたが、
きちんとした裏付けがあることを知ると、納得出来ますね。
DAY STROWS(デイストローズ)は、麦わら帽子作りの産地
岡山県の老舗帽子メーカー、石田製帽のブランド。
明治30年の創業より長年麦わら帽子を作り続け、
かぶり心地が良くシンプルなスタンダードデザインが特徴です。
麦わらを数本ずつ編んだものを平らなテープ状にし、
それを帽子用の特殊なミシンでくるくると円を描くように
縫い合わせていくと、平らだったテープが立体的な帽子へと形づくられます。
石田製帽は、細さ4mmの極細のブレード編みの技術を要し、
目の詰まった丈夫な帽子を作り出します。
帽子専用の「環縫いミシン」。
それは上糸一本だけで縫い上げていくため、ニットと同じような
構造で 帽子本体に伸縮性が出るようになっています。
その結果、まるで自分用に誂えたような被り心地になります。
帽子はあくまでも洋服の引き立て役と考える石田製帽。
「カラダの一部であるかのようにかぶりやすく、いま着ている服をさらに輝いて見せる。」
という言葉に、ものづくりの理念が込もっています。
ヤシ科の植物であるラフィアはアフリカ大陸東の島国、
マダガスカルが主な産地で、葉を乾燥させて作られます。
天然樹脂を含んでいるために柔軟性・耐久性が高く、
折りたたんでも壊れない、あたためると簡単に
手で形をつけられるという特徴があります。
肌触りはなめらかで、ゴワゴワしないので持ちやすく
長く使い続けることでツヤが出てくることも素敵な素材です。
HELEN KAMINSKI(ヘレンカミンスキー)は、
オーストラリアの強い日差しから人々を守りたい、という
デザイナーの想いから誕生しました。
マダガスカル島の最高品質のラフィアを用いて
作られる帽子は、エレガントな印象。
ラフィアの特徴を用いた、ローラブルな(丸められる)
帽子が多く、持ち運びやすさが嬉しい点です。
かぶらない時はくるくると丸めてバッグの中に
入れておいて、必要な時に手で形を整えて
サッとまたかぶれる。
旅行にも連れていきたい帽子ですね。
リネンはフラックスという植物の繊維から作られる天然繊維。
天然素材の中で、最も汚れが落ちやすく、洗濯に強いと言われています。
吸水性、速乾性に優れているために夏の素材としてのイメージが
ありますが、実はオールシーズン使える優れた素材です。
布素材なので、草木の帽子のチクチクが気になる方にはリネンがおすすめです。
リネンハットの良い点は、気を使わず、普段使いが可能な点。
シワがついてもそれはまたリネンの味としてお楽しみ頂けますし、
かぶっているうちに自然にとれることがほとんどです。
洗濯も可能なので、アウトドアで汚れても問題ありません。
もちろん、折りたたんで持ち運びも出来ます。
こちらはfog linenwork(フォグリネンワーク)のリネンハット。
カジュアルな素材のリネンですが、ブリムが広くなると
エレガントな印象に。深くかぶれば首まで隠れるので安心です。
ブリムが短いタイプもありますので、カジュアルなイメージが
お好みの方はそちらをどうぞ。
ニットキャップも、コットン×リネンならば夏でもサラリと
お使い頂けます。
肌触りはリネン特有の乾いたサラッとした感じと、
コットンの柔らかさが気持ちいいキャップです。
リネンが含まれる触感からも、水分の吸湿、発散が早く
ベトつかない特徴を感じます。
Highland2000(ハイランド2000)は伝統的なハンドフレーム製法で、
一つずつ職人さんによって作られ、
機械生産にない温かみをどこか感じることが出来ます。
パナマハットは、パナマソウ又はトキヤ草とも呼ばれる
葉っぱを細く裂いた紐で作られる、夏用のつば付の帽子で、
パナマ運河の建築を手がけた男性たちが日差しから
頭皮を守るために被っていたことから、
パナマハットと呼ばれることになったという説が有名です。
しなやかなパナマソウを編んだ帽子は軽くて柔らかく、
更にこの【SANFRANCISCO HAT】のパナマハットは
コットン糸のストレッチ素材を編み込んだ混紡素材で、
パナマハットの特徴である通気性はそのままに、
見た目の雰囲気は柔らかく、
中折れ帽にしては珍しい、クラッシャブルを可能にしました。
つまり、くしゃっと折りたたんで持ち運べます。
素材の特徴として、通気性、防熱性、耐久性を兼ね合わせた、
暑い地域にぴったりの帽子で、紫外線カット指数UPF50+を誇ります。
パナマハットの産地で有名な赤道直下、南米エクアドルの
パナマソウを使用していますが、エクアドルは15世紀から続く
上質なパナマソウ・パナマハットの産地です。
SANFRANCISCO HATの創業者はパナマハットの名産地、
モンテクリスで最高品質を表す「FINO」と呼ばれる
パナマハットと出会い、当時アメリカで販売されていたパナマハット
との違いに完全に魅了されます。
それから、SANFRANCISCO HATではパナマハットの
ストレッチ素材とパナマを編み込んだ混紡素材の開発や
速乾性に優れた高機能ファブリック「クールマックス」を
採用し快適性を確保するなど、
これまでにない使い心地を重視したパナマハットづくりを行っています。
夏の強力な紫外線を受け、
ホコリや汗にもさらされる帽子には、適切なケアをして
また次の夏も大切に使えるようにしてくださいね。
ブラッシングでホコリ・砂を取る
使い終わったら柔らかい洋服ブラシで優しくホコリを取り除いてください。
海や山などに行かれた場合は砂なども入り込んでいますので、
入念に行います。ブラッシングの手順としては、
帽子のクラウン(頭が入る部分)の上から下に。
次にブリムを、外に向かってスナップをきかせてブラッシングしてください。
布で叩いて汗ジミ対策
ハットの場合、内部にグルっとテープまたはリボンがあるものが多いと思います。
これはサイズ調整やかぶり心地のためのテープですが、
1日かぶったあとは汗を吸収しています。
固く絞った布で、シミ抜きの容量でトントンと汗を叩き出すようにします。
汗ジミや臭い対策になります。
汚れてしまったら
帽子に汚れがついてしまった場合も、固く絞った布で叩きます。
この時、一部分だけに力が入り過ぎないように注意してください。
凹んだり、形が変わっていないことを確認しながら行います。
また、ストロー(麦わら)は消しゴムや食パンでこすると汚れが
落ちることもありますので試してみてくださいね。
濡れてしまったら
突然の雨で帽子が濡れてしまった、または汚れてしまって濡れ布巾で
叩いたあとは、形を整えて必ず陰干しで乾かしてください。
この時、帽子を吊ったり掛けたりすると変形の原因となりますので、
通気性の良い台の上などに置いて乾かします。
市販の消臭スプレーは変色の可能性もありますので、使用しないでください。
長期保管の時は
シーズンが終わり、次の夏まで長期保管する時は以下にご注意ください。
・完全に乾かしてから仕舞う
汗や湿気が残っているとカビや臭いの原因になりますので、
保管の前には陰干しをして乾かしてください。
・届いた状態が良い保管方法
基本的に、帽子が届いた状態で保管することをおすすめしますので、
専用の箱がある場合は捨てずに取っておいてください。
ない場合は、型崩れ帽子のためハットの中に丸めた紙を入れて、
ブリムが上がるものは根本から上にした状態で保管します。
・箱や紙袋に入れて湿度の低い場所で保管
帽子を箱や紙袋に入れて、日陰で湿度が低く風通しの良い場所で
保管してください。湿気がこもりやすいビニール袋は避けてください。
▼素材と形で選びたい、帽子いろいろ