女性のアクセサリーの筆頭として、古くから用いられてきたネックレス。お洋服や髪型とのコーディネートが楽しいネックレスですが、長さやサイズによって、ぐっと印象が変わるもの。
ネックレス、チョーカー、ペンダントの違いは?プリンセス、マチネ、ロープなど、異なる長さの特徴は?などなど、意外と知らないネックレスの長さとサイズのこと。サイズ選びのポイントをおさえることで、自分に似合う一品が見つかります。そんなネックレス選びに関する豆知識をご紹介します。
映画でよく見かける、女性がドレッサーの前で身支度をするシーン。その日の装いが決まったら、ヘアブラシで丁寧に髪を梳かして、お化粧の仕上げに、上品に口紅を引く。そして最後のお決まりは、アクセサリーを身につけること。中でも、女性の胸元をさりげなく演出するネックレスは顔周りの印象をぐっと輝かせる魔法のような一品です。
ピアスはピアスホールがないと身につけられないですし、指輪には微妙なサイズ展開があって選ぶのに気を使う一方で、ネックレスはサイズや細かな仕様をさほど気にせずに選ぶことが出来るのも嬉しいポイントですよね。
そもそも装身具としてのネックレスの始まりは、古代の人々が貝殻や動物の牙や角など、仕留めた獲物から採取したパーツを首から下げるようにして身につけていたこと。とても原始的な造りではあっても、ビーズのように穴を開けたパーツを何らかの紐に通して首に下げるという構造は、現代と全く同じ。
世界各地から、そして様々な年代の遺跡から同様の首飾りは多く出土していますが、古代では、ネックレスは呪術的・魔力的な目的で身につけられていました。首飾りを身につけることで、災いから身を守ったり、病気を治すことが出来るという風に信じられていたようです。やがて、時を経るにつれて首飾りの目的は、そういった「おまじない」「お守り」的なものから富や権力を表現する一つの手段となり、やがては自身を美しく演出するというファッションの一つに数えられるようになったのです。
一言で首飾りといっても実に様々な呼び名がありますね。たとえば、「ネックレス」「ペンダント」「チョーカー」。これらはすべて首飾りの一種に数えられますが、実は似て非なるもの。
まず、「ネックレス」とは首飾り全般を指す総称です。チェーンやコードの長さ、チャームの有無にかかわらず、首元を演出するアクセサリー全般を指してネックレスと呼びます。一方の、ペンダントとチョーカーはネックレスの一種です。「ペンダント」は「吊り下げる」というその意味の通り、厳密にはチェーンに通されたチャームの部分を指します。「ペンダントトップ」とも言われる飾りのパーツですね。
そのため、これがチェーンに吊り下げられているタイプのネックレスを「ペンダント」と呼ぶのです。さらに、チョーカーはチャームの有無にかかわらず、チェーンやコードの「長さ」によって特徴付けられるタイプのネックレス。もっとも一般的なペンダントタイプのネックレスが40cm程度の長さなのに対し、チョーカーは35cm程度と短く、身につけた時に首に沿うようにタイトなデザインが特徴的です。
不思議なもので、それぞれに名前が付けられて別個のものとして認識されるのは、それらが異なる特徴を持っている証拠。チャームの有無やチェーンの長さでがらりと印象が変わるからこそ、同じネックレスの仲間でも、こうして様々な呼び名が生まれたのですね。
さて、ネックレスがチェーンやコードの「長さ」で分類されるというのはチョーカーの例の通りですが、これ以外にも実に様々なタイプがあります。同じ素材、チャームでも、チェーンの長さによって身につけた時の印象ががらりと変わるので、それぞれの呼び名を知っておくと便利です。
一般的なネックレス (40cm-45cm程度)
「プリンセス」は最も一般的な長さのネックレスで、全長が40cm前後のものを指します。身につけた時、バランスの良い高さにチャームが来るのが特徴です。シャツの第二ボタンを開けてペンダントトップを覗かせると素敵。
一般的な長さではありますが、この長さは身につける人の体格によっては見え方が微妙に異なるので注意が必要です。試着が出来ないことも多いので、手持ちのネックレスと比較したり、同じ長さの糸を首元に合わせてみて、ペンダントトップがどの位置に来るか確かめるようにすると安心ですよ。
鎖骨下から胸元あたり (50cm前後)
プリンセスタイプよりも10cm程度長い「マチネ」。重心が少し下がるので程よくゆったりとした印象になります。
チャームが大きめのデザインや、全体に大振りのビーズが連なったものなどはプリンセスタイプだと首回りに視線が集中してしまうので、これくらいゆったりな長さがおすすめです。首から胸元にかけて華やかな印象になりますので、単色のニットや、シンプルなカットのシャツなど装飾の少ないトップスに合わせるととてもバランス良く仕上がります。
胸下 (100cm〜)
ロープはマチネよりもさらに長く、胸よりも下に重心がくるタイプ。ペンダントタイプはナチュラルな印象になり、細かなビーズが何連にも連なったデザインなどはボリュームが出て華やかに。
大人っぽいムードを演出することが出来るほか、縦長の線を強調することで、全身をスリムに見せてくれる効果も。またこれくらい長さがあると、ネックレスを二重の輪にして二連風に身につけることも出来るデザインもたくさんあります。
首に沿うように身につけるチョーカーからゆったりと胸元まで垂らすロープタイプまで長さによって様々なネックレスがあることが分かりました。実際に試着することが出来れば問題ないのですが、オンラインストアでネックレスを選ぶ時はモデルが着用した写真をもとに選ぶことになります。
ネックレスは、指輪やブレスレットほどサイズによる着用感の差異は少ないものの、着用する人の身長や首の周囲によって見え方が異なってきます。実際に手元に届いてから着用してみると、
イメージでは「プリンセス」くらいかな?と思っていたネックレスが実際は自分には長めで、「マチネ」に近い着用感だった、ということも十分にあり得ます。
モデルの着用写真を参考にしつつ、サイズ表記を見て、糸や紐を使って自分の体に合わせた着用感をチェックしてから選ぶようにすると失敗がありません。
これはネックレスに限らず、アクセサリー全般にいえることですが、金属アレルギーについても知っておきたいものです。
金属アレルギーは金属と汗などが反応して起こるもの。金属は汗を含む水分に、わずかですがその成分が溶け出す性質がありこれが体のタンパク質と結びつくことでアレルギー源となり、かゆみやかぶれなどの症状が起こります。チタン製のアクセサリーは金属アレルギーが起こりにくいと言われますが、どうして同じ金属でもアレルギーの可能性に違いがあるのだろうと不思議に思ったことはありませんか。
「金属アレルギーになりにくい」と言われている金属は、チタンやプラチナなど幾つかの種類があります。これらの金属は、溶け出しにくい性質を持っているため、アレルギー反応が起きにくいと言われるわけです。どんな金属によってアレルギーが起こるかは体質によって異なるので注意が必要ですが、金属が原因で肌が痒くなったり、かぶれたりという経験がある場合は、チェーンや留め具の素材をチェックしましょう。
ネックレスはとても繊細なアクセサリー。特に気をつけたいのが、チェーンの破損(切れてしまう)です。
プリンセス、マチネのように比較的短い長さのネックレスは着替えの際に、トップスの襟元に引っかかってチェーンが切れてしまうケースが多いです。着脱時の破損を防ぐために、着ける時は、着替えとお化粧、ヘアセットが全て終わった後にネックレス、という順番にし、逆に外す時は服を脱ぐ前にネックレスを外すという順番を守りましょう。
また、お守りのように肌身離さず身につけていたいネックレスも、入浴や就寝の際は外して休ませた方が無難です。「引っ掛ける」」「引っ張る」ことによる思いがけない破損を防ぐようにしましょう。
また、表面の輝きを美しく保つために定期的なケアを心がけたいもの。肌に直接触れるネックレスは、意外と汗や皮脂、化粧品の成分で汚れが付きます。身支度の際、整髪剤や化粧品が付かないように注意する、ネックレスを外した時には、さっとクリーニングクロスで汚れを拭き取るようにする。
こうした習慣を続けていれば、いつまでも美しい輝きを保つことができますよ。保管する際は、チェーンやコードが絡まらないようにアクセサリーケースやトレーにそっと置くようにすれば安心です。
最終更新日:2020年3月5日