本格的な冬が到来し、いそいそとクロゼットから
コートやマフラーを取り出して、寒さ対策をしている方も多いと思います。
その中で忘れてはいけないのが、手袋。
体の端にある指先は冷えやすいので手袋でしっかり防寒。
でも、手は人の目に触れる場所なので、コーディネートもきちんとしたい。
今回はそんな方におすすめの手袋の選び方をご紹介します。
【儀式からファッションまで】
その始まりは、古代ギリシャ時代まで遡ると言われる手袋。
時代によっては聖職者が使う神聖なもの、
もしくは権力を象徴するもののとして考えられてきました。
教会の司教や一国の王が儀式の際に手袋をしていることを思えば、
手袋が為す意味はあながち現在も変わっていないのかもしれません。
とはいえ、今では手を保護する防寒具の一つとして、
広く認識されているアイテムの一つです。
日本でも、平安時代の絵巻に手袋をしている人の姿が描かれており、
篭手(こて)と呼ばれる手を覆う武具が作られたりと、
昔から手を保護するものとして手袋は認識されていたようです。
その後、ヨーロッパからメリヤスが輸入されたことで、
現在の形である手袋が作られていくようになります。
中でも四国地方は明治時代より手袋の製造がさかんになったことで知られています。
今でも日本の革手袋の90%が四国地方で製造されているというのですから、驚きです。
また手袋はファッション小物としての手袋だけでなく、スポーツ用品の一つとして、
作業時の防具としてなど、幅広い分野において重宝されているアイテムと言えます。
【実は形が豊富な手袋】
ファッションとして使われる手袋にそれほど種類はないと思いきや、
実は多様な形があり、また素材が違えば異なる付け心地を楽しめるのが手袋です。
一般的な手袋といえば、ショート丈のサイズ。
ちょうど手首までの長さで脱ぎ着も簡単。男女問わず使いやすいのがこのタイプです。
スコットランド生まれのROBERT MACKIE(ロバートマッキー)の手袋は、
繰り返しの模様が施された独特な柄と、北欧らしい鮮やかな色使いが特徴です。
スコットランドのシェットランド諸島・フェアアイル島を発祥とし
400年以上も編み続けられているパターンを用いたFairisle(フェアアイル)シリーズは、
見るだけでも暖かさと気分が晴れやかになる明るいテキスタイルをお楽しみ頂けます。
柔らかくてハリのあるシェットランドウールを使った
ROBERT MACKIE(ロバートマッキー)の手袋は普段使いにぴったり。
ウール製のショート丈は指も動かしやすく、バッグを持つといった動作も難なく行うことが出来ます。
また、同じ柄のベレー帽やマフラーもお取り扱いしているので、
セットにして組み合わせると、簡単に北欧風のコーディネートが出来上がりますよ。
◇◇◇
ガントレットと呼ばれるタイプの手袋は手を入れる部分の裾が若干外に広がっており、
ショート丈よりも少し長さを持たせて作られています。
RANDERS HANDSKER(ラナスハンドスカ)のラムスキングローブは、ガントレットに近いタイプの革手袋。
しなやかなラムスキンが女性らしく、手に取ると驚くその柔らかさに病みつきになります。
ラムスキンは羊革の中でも特に高級と言われており、
手に吸い付くようなきめ細やかな生地と滑らかさが特徴です。
ラムスキングローブの内側はウールとアクリルの混紡になっているので、
外はしっとりとした質感で、中はほかほかと手を温めてくれます。
かつてデンマークにおいて手袋産業が盛んだった都市ラナスにおいて
1811年にスタートしたRANDERS HANDSKER(ラナスハンドスカ)。
市長自らが職人を募集し徐々に裁断や縫製、なめしの技術を高めていった結果、
200年続く老舗のグローブブランドとして知られています。
各国の著名人も愛用するRANDERS HANDSKER(ラナスハンドスカ)のグローブは、
暖かさだけでなく、無駄を削ぎ落とした美しさもまた、高い人気の一つです。
◇◇◇
手袋の産地である香川県に1913年に創業したlapero(ラペロ)も
また雰囲気の異なるガントレットタイプの手袋です。
手首に当たるくるみボタン、生地に施されたステッチやパイピングが
アクセントになった手袋は、大人の可愛らしさを存分に発揮したアイテム。
わずか2mmの縫い代を正確に縫い上げるという生地の伸縮性に合わせた
ミリ単位の調整技術は、まさに職人が成せる技。
海外では革製の手袋が主流の中、ウールとナイロンを組み合わせ、フェルトのような
独特の柔らかさを持った手袋は、しっとりと手に馴染んでくれます。
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グローブは防寒が主な目的とはいえ、あえて指の部分を
開けて作られたフィンガーレスタイプもその使い勝手の良さが好まれています。
ヒマラヤ山脈付近に生息するヤクの毛を使ったSHOKAY(ショーケイ)の手袋。
ヤクの毛は保温性や抗菌性、耐久力などが高いと言われ、ちくちくと感じにくい柔らかさが魅力です。
チベット族の人々の手で丁寧に編み込まれた手袋は
どれも人の温もりがあり、気持ちまで温かくなるようです。
フィンガーレス・グローブの良さは、指が出るので何より細かな動作がしやすいこと。
スマートフォンをポケットから出して操作したり、お財布から小銭を出したり。
指先を使う際にいちいち手袋を脱がなくて良いと同時に、しっかりと防寒もしてくれる。
そんな機能性が冬に嬉しい手袋です。
【お出かけに欠かせない相棒として】
さて、防寒着は揃ったけれど、意外と服やバッグに合わせないと
コーディネートの中で浮いてしまうのが手袋。
ポイントは素材やデザインを合わせること、もしくは色合いのバランスを取ることです。
上手に組み合わせれば、手袋一つで様々な印象を作ることが出来ます。
GL709 Zic Zag Jacquard グローブ/ROBERT MACKIE
合わせたもの:ワークコート Beige・SERGE ボーダー バスクニット LTC901・2way スクエアバッグ ブラック
ROBERT MACKIE(ロバートマッキー)の明るいフェアアイル柄の手袋は、カジュアルな装いのアクセントに。
白地のアウターに合わせると、その美しい柄が映えます。
オリヴァーツイストハンドウォーマー/SHOKAY(ショーケイ)
合わせたもの:ストール キルト チベタン
太めの編み地が愛らしい、SHOKAY(ショーケイ)のフィンガーレス・グローブは、
ウールなどの同じく毛糸を使ったストール等と合わせるとしっくり馴染みます。
また、赤色とアイボリーは冬の定番カラーで、目にするだけで暖かな雰囲気。
ラムスキングローブ BRANDY/RANDERS HANDSKER(ラナスハンドスカ)
合わせたもの:LONDON TRADITION ダッフルコート Black・2WAYバッグ ミニ Red
一見取り入れるのが難しいかな、と感じる革製のグローブは、同じ革小物と組み合わせれば、なんのその。
RANDERS HANDSKER(ラナスハンドスカ)のラムスキングローブは
定番ダッフルコートにも馴染み、全体を品よく仕上げてくれます。
【手袋を長く使うために】
手袋が主役の季節は冬。
1年のうちも使う期間が少ないと思うと、じっくりと好みのものを選んで、長く使っていきたいものです。
他の衣服と同様に、手袋もそれぞれの素材や作りに合わせてお手入れをしてください。
◇使い終わったら
手袋を使い終えたら、シワが残らないようにきちんと左右を合わせておくようにします。
また、直射日光は製品を傷めたり、湿気の多い場所はカビの原因となりますので
日の当たらない風通しの良い場所へ保管してください。
◇手袋のお洗濯
※各製品により適切な洗濯方法は異なりますので、
必ず洗濯表示をご確認の上、そちらに従ってください。
型くずれしやすいため、シーズン毎にドライクリーニングをおすすめします。
手洗いが可能な製品の場合はデリケート洗剤を水に溶かし、
手袋を浸します。生地を引っ張ったりせず、
水を回すようにして洗剤が手袋に浸透するようにし、
その後すすぎます。その際も手袋を出来るだけ動かさないようにしてください。
すすぎ終わったら、タオルに包んで脱水し、日陰で平干ししてください。
◇革製グローブのお手入れ
革製の場合、水に弱く毎日使うと傷みやすいのが特徴です。
日を空けて使うようにし、シーズン終わりには下記のお手入れをしてください。
柔らかいブラシでブラッシングし、汚れやほこりを落とします。
その後、革専用のクリームで革の表面を保湿し、陰干ししてください。
長期間収納する際は、除湿剤や防虫剤を使ってください。