外出する時の必需品を、「これはどうしても欠かせない」という順番に並べると、
きっと多くの人が最初の3つに「スマートフォン・お財布・家の鍵」を挙げるはず。
その次は、例えば音楽が好きな方ならイヤホンやヘッドホン、
移動時間が長い人は文庫本、という風に少しずつ個性が出てくるものですが、
最初の3つは誰もが必ずといってよいほど一致するのではないでしょうか。
今回取り上げるのは、そのうちの1つ、「お財布」です。
カード支払いや電子マネーが浸透しつつある昨今、
スマートフォン1つであらゆることが出来るのは事実ですが、
お財布という製品には、なぜか必需品としてのこだわりを持ちたくなるから不思議ですよね。
そんなお財布ですが、難しいのが「替え時」の判断です。
こだわって選んだものであればあるほど、買い替えるのにも勇気がいりますし、
大切に使っていればなおのこと、使えなくなるほど壊れてしまうということも稀ですよね。
あまり頻繁に替えるものではありませんが、心新たに何かをスタートしたい時や
学生の方であれば入学、社会人なら転職や引越しのような節目でお財布を新調する方も多いようです。
また、「財布が "張る"」という頃になぞらえて、
せっかく財布を新調するなら「春」が良いという一説も。
どうやら何かと語呂合わせでげんを担ぎたくなるのが私たち日本人の癖であるようで、
思わずくすりと笑みがこぼれるようですが、確かに新しい季節が始まるタイミングで
毎日触れるお財布というモノを新調するというのも素敵なのではないでしょうか。
それでは、実際にお財布を選ぶ時のポイントを見ていきましょう。
■コツ①「前のお財布と同じ造り」にとらわれすぎない。
突然ですが、今、自分のお財布に現金がいくら入っているか
どれくらい正確に把握しているでしょうか。
これは、今持ち歩いているお財布の造りが、
どれくらい自分にフィットしているか知るためのバロメーターの一つ。
もちろん、お財布の中身の管理法は人それぞれなので一概には言えないのですが、
使い易いお財布=「自然にお金の出し入れができて、ストレスなく中身の管理が出来るお財布」
という見方をすれば、現金がいくら入っていて、頻繁に使用するショップカードが
どこに入っているかすぐ分かる、というのはとても大切なポイントです。
もし、ざっくりとした金額しか把握していないかも…。
そういえば、使いたいと思った時にカードが迷子になって困ることがしばしば…。
という時は、お財布の替え時かもしれません。
ここで盲点になるのが、お財布に限らず、機能性のある製品を新調する時には、
「前のものと似たもの、同じように使い勝手の良いもの」を探しがちだということ。
特にお財布の場合は、1日に何度も取り出す機会があり
同じものを長い間使い続けることになるので、
見た目だけではなく中の造りがどうなっているかを重視して、
今使っているものと比較して選ぶことが多いように感じます。
お財布の愛用歴が長ければ長いほど、この傾向は強いかもしれません。
もちろん、使い慣れたものと似たものを探すのも良いのですが、
無意識のうちに、お金の使い方が変化していて、
自分にとって理想的なお財布のデザインが変わっているという可能性も高いので、
せっかくお財布を新調する機会には、
「前のお財布と似たものを探す」という意識をクリアにして、
どんなデザインが良いか1から考え直してみるのがおすすめなのです。
■コツ②折り財布か、長財布か、じっくり考えてみる
ここで考慮したいポイントは大きく2つ。
「折り財布か、長財布か」そして「収納力をとるか、コンパクトさをとるか」です。
この2点は深く関連していて、
■折り財布…お札を折りたたむ分、コンパクト。バッグの中でかさばらない。
コインケース外付けタイプなら、お会計もスムーズに。
■長財布…お札がまっすぐ入って、整理整頓しやすい。
カードポケットが多く、収納力に優れる。
といった特徴にまとめられます。
少々かさばっても、収納力を重視してお札とコイン、カードを
ひとまとめにしたいのであれば長財布が良いですし、
逆にカード類はあまり持たないので出来るだけコンパクトに持ち歩きたいなら
折り財布という風に考えるのが、基本的な選び方になります。
悩ましいのは、これまで長財布・折り財布の両方を経験したことがあっても、
一度「自分はきっと長財布(または折り財布)派だ!」という風に答えが出ると、
見直す機会がなかなかやってこないこと。
お財布を折らずに収納できるという理由で収納力抜群の長財布を使っているものの、
実はカードポケットはなかなか活用していない。
デザインが気に入ってコンパクトな折り財布を使い始めたけれど、
別にコインケースとカードケースを持ち歩く必要があり、かえって荷物が増えてしまった、
など、お財布の使い方を見直してみると、きっと意外な癖が見つかりますよ。
ですので、前回と同じように長財布(折り財布)を…、と探し始める前に、
■カードポケットは活用しているかどうか(ポケットは全て埋まっているか、そのうちいつも使うカードは何枚か。)
■現金とクレジットカードの利用頻度はどちらが上か(紙幣よりクレジットカードの使用頻度が高ければ、
お財布はよりコンパクトにすることが出来ます。)
■必要以上に小銭がたまっていないか(十分な小銭があるのに気付かずにお札を使ってしまうのは、
そのお財布を使いこなせていないことに原因があるのかも?)
以上のような項目をチェックするようにしましょう。
これらを見直せると、長財布と折り財布のどちらが良いのか、
必要なポケットはいくつなのかが自然と把握出来るはずです。
■コツ③使い勝手の盲点、開閉の仕様をチェック。
理想的なお財布の造りが掴めた上で、もう1点忘れずにチェックしたいことがあります。
それは、「開閉」の仕様です。
当然といえばその通りなのですが、お財布を使う時は、
必ずお財布を開けて、最後に閉めるという一連の動きをします。
中身の設計が自分にとって完璧のデザインだったとしても、
いざお店で会計をする時に「開閉」の動作がスムーズでないと、
お財布を使うたびにちょっとしたストレスを感じることになってしまいます。
一般的なお財布の開閉パターンは大きく分けて2つ、
「ファスナー」か「スナップボタン」です。
ボタン1つの動作でお財布の開閉ができるので、
お財布の開閉にかかる時間はスナップボタンの方が短くなります。
お金を取り出す時も、会計が終わってお店を離れる時も
ぱちんというボタンの動作だけでOKというのは大きな魅力です。
ただし、スナップボタンタイプのお財布の場合は、
お財布自体の造りが「かぶせタイプ」になっているのが大半です。
特に長財布の場合は、蓋が、本体に覆いかぶさるようなデザインになっているものが多く、
蓋の分だけ、お財布に使われる生地の面積が大きくなり、
本体が重たく感じられる場合があります。
対してファスナータイプの場合は、開閉に少々時間はかかりますが
閉じた時の見た目がすっきりして見えること、
バッグの中で他の荷物と混ざってもパカパカしない等、
スナップボタンにはない良さもあります。
長財布の場合も、蓋付きかぶせタイプではなく、
ファスナーをコの字に開いて左右に大きく開くというシンプルな造りのものであれば、
重さ、生地のかさばりも解消されます。
また、コの字の他にL字ファスナーという存在もぜひ選択肢に入れてみたいもの。
L字ファスナーは、その名の通りL字型の2辺にファスナーが付けられたデザインで、
コの字型に比べると開閉もスムーズですし、
閉じた時にファスナーの取っ手が上部にくるので、見た目にもおしゃれ。
写真のモデルのように、左右のマチがジャバラ状になっていれば、
大きく左右に広げて中身を取り出すことが出来るので、使い易さも抜群です。
■お財布を長く使うためのポイント
・収納力が大きなお財布も、使い始めはコインやカードは目一杯詰めるのではなく、
生地や革が伸びない程度の量に抑えて少しずつ慣らしていくようにします。
・特にレザーのお財布の場合は、中身のボリュームに応じて
ある程度革が伸びるので、たくさんのカードやコインを長期間入れていると、
本来のシルエットを忘れがち。定期的なメンテナンスの際は一度全ての中身を出すのがコツです。
・外側にポケットが付いたお財布は、ポケットの中と外で色の変化やエイジングに差が出てきます。
クリームやオイルを塗る時はポケットの中までお手入れをするようにしましょう。
■デザインいろいろ、長く愛用できるお財布を
▼bellroy(ベルロイ)
「財布をスリムにすること、それが私達の使命。」そう謳うbellroy(ベルロイ)。
設計や素材の選び方で、財布がスリムになるよう考え抜くという、何ともユニークなブランドです。
オーストラリア・メルボルンで産まれた本格レザーウォレット専門のブランドで、
必要以上に財布がかさばるところを、仕切りをなくし、カードをまとめて収納する構造を採用しています。
写真のように、大きな長財布には取り外し可能なコンパクトウォレットを内蔵するなど
随所に見られるスマートな造りが、ミニマル派の男性に人気です。
【こんな方にぴったりです】
・カード決済で済ませることが多く、紙幣やコインは最小限。
・収納力とスリムさをできる限り両立したい。
・旅行に出かけることが多い。
▼ARTS&CRAFTS (アーツアンドクラフツ)
「100年続くモノコトを」をコンセプトに、考える人、作る人、使う人の想いを繫ぎ、
ずっと長く使い続けられるモノを作り、語り継がれるコトを続けていくものづくりを行う、
ARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)。
バッグを中心に、革を使用したお財布までも手がける日本のメーカーです。
写真は、良質なコードバンを採用した長財布。
コードバンレザーが世界的にも入手困難になっている状況で、繊細で上品な国産の水染めコードバンを使用。
表面を顔料で覆うのではなく、水染め と呼ばれる染料のアニリン仕上げで染色し
ワックスを塗込みながら一枚一枚磨き上げて仕上げた、美しい光沢の表面になっています。
【こんな方にぴったりです】
・飽きのこないデザイン・機能美に惹かれる。
・男女問わず使えるシンプルなものが好み。
・自分の手でお手入れしながら、使うほどに味わいが増すレザーのお財布を選びたい。
▼STANDARD SUPPLY(スタンダードサプライ)
「LEAN, LESS AND LEAVE」をモットーにしたブランド。
使う人を選ばず、それでいて使い手によって長く育ててもらえるようにという精神のもとものづくりを行っています。
64クロス(ナイロンとコットンを合わせた素材)を使用したリュックや手提げバッグが人気を博している
STANDARD SUPPLY(スタンダードサプライ)ですが、それらと同じデザインセンスをたっぷりと盛り込んだ
レザーウォレット「PAL(パル)」シリーズも展開しています。
【こんな方にぴったりです】
・遊び心のあるデザインが好き。
・お財布もファッションアイテムの一つとして選びたい。
・たくさんのカラーバリエーションから選ぶのが好き。
>STANDARD SUPPLY(スタンダードサプライ)について
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