春の不安定なお天気に、日々のファッションは振り回されることもしばしば。
例えばバッグも、雨の日には悩んでしまうものですよね。
スマートフォンやパソコン、お財布や本など濡れては困る大事なものを
収納して持ち運ぶという役割があるバッグには、
雨で濡れても中身には影響しにくい素材やデザイン、仕様を選びたいもの。
今回は、バッグの中でも雨の日に持ちやすいバックパック(リュック)に着目してご紹介します。
まず、雨の日に持つリュックに求めることを考えてみます。
・濡れても中身は無事、浸水しにくい素材
・意外と盲点、防水・止水ファスナー使い
・フラップ使いで安心
・濡れたり、汚れても簡単なお手入れ
【濡れても中身は無事、浸水しにくい素材】
雨の日にリュックを背負って、傘をさす。
体を覆うような大きい傘の場合は別ですが、
大体の場合は傘から滴り落ちる雨粒は多かれ少なかれリュックに
掛かってしまうもの。これは、避けようがありません。
ならばリュックの素材として大事なのは、生地が濡れても
中には浸水しにくい素材を使用していることや、撥水加工が
施されているもの。
【意外と盲点、防水・止水ファスナー使い】
ファスナーが付いているバッグの場合、一見きちんと
閉じていて安心なように見えるのですが、
強い雨の場合はファスナーの台布が濡れて、そこから水が
中に滴り落ちる、ということがあります。
パソコン等の電子機器を多く持ち運ぶ方はファスナー部分に
防水・止水ファスナーを使用しているか、というのは
大事なポイントですね。
【フラップ使いで安心】
ファスナーだけで心配、という場合は、更にフラップが付いて
いたりと開閉部が二重になっているものは更に安心です。
【濡れたり、汚れても簡単なお手入れ】
雨に強いと言っても、濡れたまま放置することはバッグ生地に
とっても良くありません。お手入れは必要なものですし、
その場合、濡れたり汚れても拭くだけで済む厚手のコットン素材や
ポリエステル生地のものがおすすめです。
(濡れたら拭く、だけで済まない革素材は雨の日には向きません。)
上で挙げた条件に一つでも当てはまるものをブランドごとにご紹介していきます。
日々相棒として活躍してくれるバッグかどうかは、デザインや雰囲気と
いった見た目もさることながら、「何を入れるか」「どういう場面で使うか」
「日々の自分の環境のTPOに合うか」ということも大事になってきます。
雨の日に強いバッグ、ということを前提に、ご自身が身に付けた
時のイメージを持ちながらお選びください。
【RAINS/Back Pack Mini】
デンマークのレインウエアブランド、RAINS(レインズ)の
バックパックはレインコートと同じ素材を使用していて、
正に「雨の日のために」作られたバッグです。
マットで柔らかいゴムのような質感の、
ポリエステル生地を使用しています。
触ってみるとしっとりと滑らかで、背中に当たる感触も
ごわつきがなく長時間背負っていても疲れにくい素材。
RAINS(レインズ)のBack Pack Miniのメイン収納部は
大きなフラップによって守られています。
正面に付いたフックは片手で簡単に取り外しが出来るので、
荷物の出し入れもスムーズです。
フラップ部分はフックの他にマグネットが2つ付いていますので、
風が強い日でも浮くことがなく、雨が中に入りにくい仕様となっています。
バッグの内側・外側ともにポケットが付いており、
防水ファスナー使いで安心。
雨に強い素材と言えども、万が一のことを考えて
スマートフォンやお財布は更に安心出来る場所に
入れておけば言うことはありません。
外側のポケットは背中側に配置されているので、
背中によっても守られるという配慮がなされています。
RAINS(レインズ)は、デンマークで2012年創立されました。
デンマークは、一年の3分の1以上が雨の国という降雨頻度の高い国。
雨の日は外に出ることが億劫になったり気持ちが
憂鬱になることもあるのではないか。
レインコートは実用的なものばかりで、便利だけれど、
ファッション性が低く若者が着たがらない。
そんな事を考え、雨につきまとう憂鬱なイメージを
ポジティブに変換して雨の日を楽しめるようにと、実用的なレインコートに
楽しさとファッション性を持たせたのがRAINS(レインズ)なのです。
【QWSTION(クエスション)/Daypack Jet Black】
QWSTION(クエスション)のDaypack Jet Blackは、
厚手のコットンキャンバスに更にPUコーティングを施すことで
高い撥水性と耐久性がプラスされています。
また、元々の撥水加工に加え、コットンツイルの裏地が付いていることが、
中に入れたものを雨から守るためのポイントでもあります。
ツイルは、綾織りされた生地のことで、目が詰まる織り方。
クッション性のある厚地を使用していることも、雨対策として適っています。
Daypack Jet Blackは、マルチな持ち方や使い方に対応する、機能的なバッグ。
ハンドルが取り外し可能で縦・横どちらの持ち方にも対応可能。
背中の大判ポケットにはショルダーベルトが収納されていて、
リュックとして背負うことも可能です。
例えば、通常の仕事の外回りの時はハンドル部分を手持ちして
ビジネススタイルにより合うように持ち、雨が降ってきてしまった時は傘を持ちやすく
するためにリュックにして背負う、などの柔軟な使い方が出来るのです。
開閉ジップは二辺に付いていて、3WAYどのタイプで使う場合にも、
大きく口が開いて使いやすさ抜群。
ノートパソコンが入る収納スペースが付いていたり、
内部にも外側にも複数のポケットを配置し高い収納力を備えている点も、
日々使用するバッグとして使い勝手が考えられています。
QWSTION(クエスション)はスイスで生まれたバッグブランドで、
機能性を重視したスポーツバッグとエレガントなファッションバッグとの
ギャップを埋めるべくスタートしました。
「良い質問をしてこそ良い答えが見つかる。
生活に合ったバッグを探している人にはQWSTIONがその答え。」
伝統の形に疑問を投げかけ改良を重ね、時代に左右されずに
日常的に使える商品を生み出すことを目指しています。
【STANDARD SUPPLY/DAILY DAYPACK】
STANDARD SUPPLY(スタンダードサプライ)の
DAILY DAYPACKシリーズ。
大きなメイン収納に、フロントの横長ポケットという
定番の形のリュックですが、その一番のポイントは使用されている生地です。
生地は64(ロクヨン)クロスと呼ばれ、
コットン60%とナイロン40%が素材として用いられています。
なぜコットンとナイロンという異素材を使用しているかというと、
「コットンとナイロンの、良いとこ取り」を実現するため。
一般的な64クロスは、コットンとナイロンの繊維を垂直方向に
混紡した構造なのですが、例えば生地が水に濡れると、
コットンがその水分を吸い取って膨張するため、
生地全体の密度が上がり、水や風を通しにくくなります。
それが、64クロスが雨に強いと言われる所以です。
反対に水分が乾くと、繊維の間に隙間が生まれて通気性が良くなり、
濡れた生地も乾きが早いという訳なのです。
また、ジッパー部分にかぶせがあることも大事なポイント。
ジッパーがむき出しになっていないので、
雨に濡れてもジッパー部分から中に浸水することを防いでくれます。
STANDARD SUPPLYのアイテムはどれもとてもシンプルな見た目。
それは、より多くの気持ちをより少ないデザインで表現するという
ブランドコンセプトの表れです。
見た目はシンプルに、ですが使い勝手については非常によく
考えられています。メイン収納部内のポケットには、飛び出し防止用の
ベルトが付いていたり、外側のポケットには内部に小さなポケット、
そして鍵を取り付けられるフックまで付いています。
片方のサイドにはボトルが入るポケット、もう片方にはマジックテープで
上部が閉められるポケットが付いています。
ショルダーパッドには、厚さ10mmのウレタンパッドを入れ、
さらに中にテープを通しているので、肩に優しい作り。
また、リュックのトップに付いたハンドルも、
グローブレザーが巻かれることで手持ちする際の負担が軽減されることを考えての仕様です。
【Billingham/ラックサック クレードル】
大きく容量のあるBillingham(ビリンガム)のラックサックは
コットンにラバーを挟んであるボンディングコットン(ゴム引き)を使用する、
雨や汚れに強いバッグです。
ハリがあり、質実剛健な雰囲気が漂う生地とデザインで、
使い込んだ後のクタッとした表情になる経年変化も味わえる
長く愛用したくなる素材で作られています。
また、ハンドルや底、パイピング部分には、丈夫で存在感のある厚手の
ブライドルレザーが使用されているのもポイントです。
バッグ底面には鋲が打ってあり、床に置いた時の汚れや濡れ防止にも
役立ってくれますね。
Billingham(ビリンガム)は、創業当時から英国伝統の狩猟用バッグの
流れを汲んだトラディショナルなバッグを、イングランド中西部の熟練した
職人の手で作り続けています。
普遍的なデザイン、機能面にも考慮し、適度な収納力が備わった
ファッションアイテムとして日常で活躍してくれるBillingham(ビリンガム)なのです。
雨に強い素材や仕様でも、濡れてしまったら
きちんとお手入れをしなくては、長く愛用することは出来ません。
綺麗に長く使うためには水気・湿気対策を行うことがポイントです。
・屋内に入ったら必ず拭く
濡れてしまったら、室内に入ったタイミングで都度
バッグを拭いてください。
駅に着いたら、会社に着いたら、レストランに入ったら。
雨の日は必ずハンドタオルを持って、濡れてしまった
生地を拭いてリセットします。
・自宅に帰ったら
自宅に着いたら再度バッグを拭きましょう。
表面だけでなく、中身を出して内側の湿気も
しっかりとタオルで抑えます。
その後、通気性の良い場所に吊って水気・湿気を飛ばします。
翌日が晴れならば、外に出しておくのもおすすめです。
・完全に乾いたら収納
バッグを仕舞うのは、完全に乾いて湿気もなくなってから。
どんなバッグでも言えることですが、
ぎゅうぎゅう詰めの場所に保管するのは通気性がなく
生地の劣化やカビにつながりやすいことと、
シワになりやすいので避けてくださいね。
バッグ一つ一つの形を保ちつつ、ゆとりを持って
置く場所を確保するのがベストです。
・コットン素材の防水持続のために
バッグに防水・撥水処理がされている場合も、
その効果は永久的ではありません。
定期的に防水スプレーを全体的に吹きかけると
雨や水だけでなく、汚れも弾いてくれるので一石二鳥です。