ブレスレットの一種である、バングル。
たとえば本のページをめくる時、コーヒーカップを手に取る時などちょっとしたシーンで腕元にカランと揺れるバングルはシンプルながら存在感のあるファッションアイテムです。そんなバングルを選び、他のアクセサリーと上手に合わせるポイントをご紹介します。
こちらに2種類のバングルをご用意しました。
左:樹脂製
右:シルバー製
一見して素材が違うというのは分かりますが、それ以外にも、
・「正円」に近いか「楕円」に近いか
・内径のサイズ
・バングル本体の厚み
・「開き」の幅が広いか、狭いか
といった微妙な特徴があります。そもそもバングルとは、ブレスレットの中でも金具がなく幅の広い腕輪の形状のものを差し、ちょうど「C」の形になっているのが特徴です。シンプルなデザインであるからこそ、ちょっとした違いで見た目が大きく違ってくるのですね。これは意外な盲点なのですが、私達の腕はどちらかというと「楕円」に近い形をしています。バングルが正円に近ければ腕よりも内径が大きいことになるので、腕に沿わせるよりは遊ばせるように付けて、一方楕円に近いものは、腕にぴったりとフィットするように身につけた方が自然に見えます。
どんな服装にも違和感なく溶け込み、他の素材とも相性が良いのが、シルバー(銀)です。細めのバングルを選べば、適度な存在感を放ちつつ、単体で悪目立ちすることがありません。シルバー製のバングルは「楕円に近く、サイズが小さめ」ということが多いもの。手首の一番細くなっている部分よりも上にずらしちょうど留まるあたりで固定するように装着すると、こなれた印象になります。シルバーはプラスチックやレザーに比べると重量もありますので、腕に沿わせるように固定することで、動作も身軽になりますよ。写真は、デザイン違いで2本のシルバーバングルを重ね付けした例です。
一方こちらは、バングル本体に厚みがあり正円に近い樹脂製のバングル。あえて手首の下の方で遊ばせるように身につけることで腕との対比が生まれ、華奢で女性らしい印象に仕上がっています。白無地のカットソーにボトムスだけを合わせたシンプルな装いにこのバングルを一つプラスするだけでぐっと夏らしく、みずみずしい雰囲気へと変わるのが分かりますね。
1. 手首の一番細い場所の横側(側面)から、バングルの切れ目を入れます
2. 同じ場所で、バングルを回転させます
3. 手首から肘までの適当な場所までスライドさせます
バングルを付けたい場所で、自分の腕の周囲をぐるりと計り、そのサイズから3-5mm程度大きい内径であればジャストサイズで身につけることが出来ます。思わぬ破損を防いで長く愛用するためにも、ぜひサイズによるイメージ違いを防いで、自分に合ったサイズを選びたいものです。
金属製の場合、手で調整して切れ目の幅やカーブの具合を自分好みに変えられるものもありますが、強い力を加えてサイズを無理に変えるのは破損のもとになるので注意が必要です。シルバーのように柔らかな金属製のバングルで、サイズの調整可能と表記されたものはゆっくりと力を加えて「開き」の加減を微調整することが出来ます。ただし、開いたり閉じたりという動作を繰り返し行うと破損しやすくなる(金属疲労、疲労破損と呼ばれます)ので力を加えてのサイズ調整は必要最小限にしましょう。
先にご紹介したのと同じ、樹脂製のバングルにブレスレットを合わせて。透け感のあるガラスのモチーフにゴールドチェーンという華奢な雰囲気がバングルの存在感と程よく調和しています。バングル単体だと一点に視点が集中してしまいかえって重い印象になりがちなのですが、こうして細身のブレスレットをコーディネートすることでボリュームを出しつつ、優しい印象にまとめることが出来ます。ガラスや色味のないビーズ、シンプルなチェーンといったブレスレットはどんなバングルとも相性が良いので便利です。
KISSO(キッソオ)のバングルは、いわずと知れたメガネの産地、福井県鯖江市で1点ずつ丁寧に製造されています。素材には、イタリア・マツケリー社のセルロースアセテートを採用。「樹脂」と言っても、アセテートは科学繊維ではありません。実は綿花と高純度パルプから作られた植物繊維。植物繊維なので肌に優しくアレルギーも少なく、肌に直接付けてもどこか温かみがあります。メガネといえば、人の顔の印象を大きく左右する大切なアイテム。そんなメガネを手がけるKISSO(キッソオ)のアクセサリーは身につけた時、私たちの装いにしっくりと馴染んでくれます。透明感のあるピンクやホワイト系の色味はもちろん、市松模様や多色使いといった柄・カラーのバリエーションが豊富なのも特徴です。
コーディネートしたガラスのブレスレットも、同じく日本の職人が丁寧に作り上げたもの。HARIO Lampwork Factory(ハリオ・ランプワーク・ファクトリー)は、1921年創業の国産ガラスメーカー、HARIO(ハリオ)が手がけるハンドメイドブランド。手加工にしかできないガラスアイテムを生み出しています。ガラスというと冷たくて硬いイメージがありますが、ガラスの2つの線が二つ編みになった造形は、まるで飴細工のように優しく柔らかい印象。
続くコーディネートは、腕時計とシルバーバングルの組み合わせ。どちらも単体で存在感のあるアイテムではありますが、色味のないシンプルなアクセサリーは重ね付けしてもボリュームが抑えられるので悪目立ちしません。光を反射するシルバーの光沢と、革ベルトのマットな質感が素材のコントラストを生むのもさりげないポイントです。
FIRST AMERICAN TRADERS(ファースト アメリカン トレーダーズ)のシルバーバングルは、ネイティブアメリカンの装飾文化を現代に伝える、まるでお守りのようなジュエリー。シンプルな細めのデザインから、幅が広く緻密な模様が施された重厚感あるデザインまで意匠の違いを楽しむことが出来るのもポイントです。シルバーは使うほどに愛着が増す素材ですので、流行り廃りのないアクセサリーを求める方にもぴったり。
ROSENDAHL(ローゼンダール)の腕時計は、男女ともに使いやすくシックなスタイルが決まります。 シンプルに表現された文字盤は、パッと見てすぐに時間のわかる視認性の高さがあります。サイズは女性に使いやすい34mmとユニセックスでもお使い頂ける男性向けの40mmをご用意。存在感のある腕時計と華奢なバングルの相性は抜群です。
・樹脂
今回ご紹介した「KISSO(キッソオ)」には、セルロールアセテートという素材が用いられています。この素材の特徴は、「熱に弱く、変形しやすい」ということ。そのため加工しやすく、滑らかな曲線美を活かしたアクセサリーが生み出されるわけですが、その反面、ご使用頂く上では熱や酸性、アルカリ性物質などに触れないよう注意が必要です。お洗濯や食器洗いといった家事や、入浴時は必ず外すようにします。また化粧品や整髪料が触れないよう注意しましょう。
・シルバー、銅、真鍮
シルバーや銅、真鍮は、ぶつけたり、大きな力を加えると変形や破損の原因になりますので、取り扱いは優しく丁寧に行います。また、特にシルバーアクセサリーは放置すると、黒ずみが進みます。銀が黒ずんでしまう主な原因は、空気中に硫黄の蒸気などがあった場合にその成分に反応して化合物を作るため。(硫化と呼ばれる現象です。)長時間空気に触れた状態で、身につけずに放置すると表面の輝きが失われてしますので、お守りのように身につけて、使わない時はこまめに柔らかい布かアクセサリーケア専用のクリーニングクロスで磨くようにします。
溶かしたガラスに空気を吹き込んで管状にしてから細かく切断。そこに着色や加工を施して作られる「シードビーズ」。FALBE(ファルビー)のクロッシェブレスレットは、その「シードビーズ」を糸に1,000粒通し、長さ2mにまでなるビーズを通した糸を、かぎ針を使って一粒一粒を編みこんで作ります。1つ作るのに約3〜4時間を要すと言われる熟練した職人技ともいえる製品です。 シンプルながら、ビーズ一粒一粒が光を反射して優美な印象に仕上がるブレスレットはバングルとの重ね付けにもぴったりです。
バングルは、それ自体では目立ったモチーフが付いていないシンプルなものが多いので、ころんとしたチャーム付きのブレスレットのようによりフェミニンなブレスレットと合わせると可愛らしい印象に早変わり。写真は、ARATA(アラタ)のブレスレット JPA1593。ころんとしたチャームは、小さく儚げな存在感。素材に和紙を使っているので腕元に揺れても重たく感じないのも重ね付けに嬉しいポイントです。