青い絵の具を落としたような空、もくもくとしたどこか美味しそうな白い雲。今年もいつのまにか暑い夏がやってきました。
夏に出かける先のことを考えてワクワクする気持ちは、いつまで経っても変わらないような気がします。どんな服を着ていこう、どんなアクセサリーをつけていこう…。不思議と準備までもが楽しくなりますよね。
そんな思いきり楽しみたいお出かけのために、旅のお供として、長く愛用できる相棒のような靴を選んでみてはいかがでしょうか。
■脱ぎ履きする機会が多い海では
海といえばまずこの形、履くのに手間取らないトングサンダルは定番ですね。
楽しい夏の象徴でもある海。その海を愛する創業者の想いが形となったのがアメリカ、カリフォルニア州発のRAINBOW SANDALS(レインボーサンダルズ)です。創業40年以上経つブランドですが、創業者のジェイ・ロングリー氏は海を愛するサーファーでした。ブランド創業のきっかけも、同氏がビーチに捨てられたサンダルを見つけたこと。そして、「楽しく過ごす海岸が、壊れて打ち捨てられたビーチサンダルで汚れてしまうこと」を解決するため、すぐに壊れない「長持ちするサンダル」づくりを心に決めたのです。
そんな創業者の想いが色濃く表現されているこの鼻緒。
この鼻緒にはパラシュートを作る糸を使用しており、なんと900kgの重さにも耐えられる耐久性を持っています。鼻緒が切れる心配を少しもせずにすむ、とてもタフなサンダルです。
素材が「革」というビーチサンダルらしからぬところも。革の特徴といえば、なんといっても経年変化です。
長く履いて頂くことで、徐々に足に馴染んできます。砂浜や水など様々な環境下でも安心して履ける心強さ、是非実感してみてください。
やや歩きにくい砂浜では、機能性を重視したい。そんな方には次にご紹介するサンダルがおすすめです。
歩きにくい砂浜でもベルクロ式で安定感抜群、SUICOKE(スイコック)のスポーツサンダルです。
たくさん足を動かす夏の海辺、ベルクロ式サンダルはとても重宝します。そしてさらに大きな特徴として、日本のブランドであるSUICOKE(スイコック)と、イタリアの老舗メーカー、ビブラム社との共同開発によってうまれた、世界初のビブラム製フットベッド(フットベッドとは、いわゆる中敷きのことを指します)。
サンダルの底にはその証拠に「Vibram(ビブラム)」の文字が。
ビブラム社は「ビブラムソール」を開発したイタリアのシューズメーカー。当初は登山靴用に開発されたビブラムソールですが、現在は登山靴に限らず、多くの靴に採用されています。
自分たちが求めているものを挑戦的に想像し、そして開発するSUICOKE(スイコック)のブランドカラーが色濃く表されています。
土踏まずが盛り上がっているのも、人が歩く時の力や支点も考慮された設計のため。スエードレザー調の踵パッドのおかげで、靴ずれもしにくいのです。とてもシンプルな作りのように見えて、細部にとてもこだわっている点がなんだか誇らしくもあります。グレーの明るい爽やかな色が涼しげで、夏のシンプルな服装にもよく合いますよ。
色違いのネイビーも、落ち着いた色合いでまた違った印象が楽しめます。
■自然の中を歩くなら、丁寧に作られたスニーカーを
ハイキングやキャンプなど、自然が広がる旅先へ行くご予定の方や、運動もしっかりしたい!という方へは足全体を軽やかに優しく包んでくれるスニーカーはいかがでしょうか。
WALSH(ウォルシュ)はとにかく軽量化にこだわったブランドです。スニーカーは片足だけで400gを超えることもある一方、今回ご紹介する「Ensign(エンサイン)」シリーズの重さは、片足約217g。こだわって作り上げられたことが、重さを知るだけでも伝わってくるようです。
1981年、ニューヨークマラソンに出場するイギリスチームのために製造された本シリーズ。ビブラム社のアウトソールや、衝撃吸収のEVAミッドソールを採用した本格的な作りです。普段使いはもちろんのこと、アスリートの方にも自信を持っておすすめできるスニーカーです。通気性の良いナイロン生地なので、湿気が気になる夏でも安心して履いて頂けます。
また、こちらのカラーは、アウトドア特有の土汚れも気になりにくいのも嬉しいところ。夏らしい鮮やかな黄色はコーディネートのアクセントにもなります。
スポーティーでありながら、どこか上品さも漂うのは、フランス発、VEJA(ベジャ)のレザースニーカー。
なんとこのスニーカー、フランスのブランドでありながら、製造はブラジル。ブランド創業者であるフランソワ・ギラン・モリィヨンらが、ブラジルの老若男女に愛されるスポーツシューズメーカーと出会ったのがVEJA(ベジャ)のはじまりでした。
「VEJA(ベジャ)」とは、ポルトガル語で「見る」という意味。そこから広がる「靴の『向こう側』に何があるのか?」というブランド独自の視点。製造の『向こう側』へ目を向けるきっかけになれば、という想いも込められています。そんな視点が感じられる点として、使用する素材の採取方法や製造過程が挙げられます。まずソールの素材には、世界で唯一ゴムの木が自生するアマゾン中心部のナチュラルラバーを使用しています。
ゴムの素材となる「液体ラテックス」を樹木から採る際に、その木を傷つけることなく持続的に採取できるという優しさ。そのゴムをその日のうちに精製するため、すばやい製法がゴムの酸化を防ぎ、結果しなやかな履き心地に仕上がります。
アッパー部分には植物性のアカシアタンニンレザーを、コットン素材はフェアトレードで仕入れたブラジル北部のオーガニックコットンを使用しています。そんな優しい素材を使って、ブラジルの職人さんが心を込めて組み立てるVEJA(ベジャ)。
ものづくりの優しい背景を知ると、その上品なたたずまいが一層引き立つように感じます。アウトドアはもちろん、街中で履いてもそのシンプルさが光ります。
優しい素材、履き心地が、あたたかい製造背景を思い起こさせるような一足です。
■お泊りの荷物に忍ばせて
自分のお家じゃなくたって、自分のお家のようにくつろぎたい。そんな方へ、Le dd(レディーディー)のスリッパはいかがでしょうか。
不思議な質感と快適な履き心地が「第二の皮膚」とまで言われ、世界中で愛されています。夏らしい元気なイエローが、また愛らしいですね。お泊りにぴったりと言えるのが、その柔らかさゆえに折り畳みができるところ。
普通のスリッパにはある芯材がLe dd(レディーディー)には入っていないため、こんなにもコンパクトになるのです。このコンパクトさだから、飛行機の中やホテルでも気軽に取り出せます。
心地よく使い続けられるポイントは、素材にも隠されているのです。全体に隙間があるので通気性も良いですが、発泡性の素材を用いているため適度な保温性も。なんだかいいとこどりです。紫外線や熱による劣化にも強い上、洗濯機の丸洗いだって大丈夫。
一度履いたらやみつきになる快適な履き心地、お家はもちろん旅先でも、自分らしいひとときをお過ごしください。
旅先でも、出かけるときの気分に合わせて靴を変えたい、というときにはEspadrij l originale(エスパドリーユ・オリジナル)がおすすめです。
鮮やかな空の色に、夏の素材を携えた一足。もともと船乗りや湾岸労働者の作業靴だったエスパドリーユ。この靴がどれだけコンパクトになるかというと、
ここまでスリムになるのです。気軽に旅先へ持っていけますよね。内側の足裏に当たる部分には、丁寧に編み込まれたジュート。キャンバス生地で優しく包まれる感覚は、ダメージを受けやすい夏の肌にも嬉しいところです。
アウトソールには、撥水効果のある天然ゴム製なので海辺やプールにもぴったり。旅先に向かうときは日常使いの靴でも、荷物の中に忍ばせておいた鮮やかな海の色を、ビーチでお披露目するのもいつもと違う気持ちで楽しむことができそうです。
■番外編:夏のお出かけには、晴雨兼用の折り畳み傘も
変わりやすい夏の天気。そんなときに心強いのが、かしこい晴雨兼用の折り畳み傘です。
この傘はまさに、歴史ある北欧デザインと歴史ある日本の技術のコラボレーションなのです。
北欧デザインの巨匠である「スティグ・リンドベリ」のデザインが、150年培った槙田商店の技術によって形となりました。北欧らしい穏やかさと、落ち着いた中にもどこかポップさを感じる色使い。そんな柄が、清らかな富士山の湧き水を使い、丁寧にムラなく染め上げられています。
カラーバリエーションは、
どこか楽しげな印象を受けるレッド×ブルーに、
少しクールな印象で涼し気なブルー。
同じ柄であるのに、色が違うだけでこんなにも印象が変わります。暑い日差しからも突然の雨からも守ってくれる、かしこいお供です。
どのアイテムをとっても、様々なストーリーを内包しています。ひとつひとつ、その背景を知ると一層愛着が持てる一足になりますよ。お気に入りの靴をお供に、この夏をめいっぱいお楽しみください。
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