華やかさ、繊細さ、柔らかさ。
アクセサリーはひとつ身につけるだけでも、その人の様々な印象を作り、身につけている人の気持ちや品を表す役目さえも果たしてくれます。特に耳や胸元といった顔まわりは人の目が行きやすい分、アクセサリーによる影響も大きいもの。また、冬はぬくぬくとした厚手の装いになりがち。そんな中で、ひとつアクセントになるアクセサリーがあれば、ぱっとお顔も華やぎます。
いつもと違った雰囲気を作るためのアクセサリー。
自分の気分に合わせて身につけるアクセサリー。
大切な人の気持ちを明るくさせるようなアクセサリー。
そんな冬のアクセサリーをご紹介します。
顔まわりを明るく見せるにはコントラストを作ることが一つの手。色の中でも、顔まわりに異なる色を配置することで、互いの色を引き立て合う効果を見つけられます。
ふたつのイメージを例に考えてみます。
例えばネイビーのアウターを羽織ったら、どこか地味な印象に、という場合はアウターと強い対比となるオレンジ系のアクセサリーを添えると、オレンジはもとより、肌の色もネイビーまでもが引き立つ配色になります。
一方、肌色に近いブラウンやベージュ系の服を身に着けた場合、肌なじみが良いという利点がある一方で、肌色と同化しがちで、少々ぼんやりとした印象に。そこで、優しいピンクを合わせてみると、ピンクが肌色の明るさを引き立てるような効果を作ってくれます。
色の良さを相互に出し合うポイントは、同じトーンで、コントラストの強い色を合わせること。もしここでピンクのトーンが肌色より強いと、ピンクだけが悪目立ちしてしまう可能性があるので、ご注意を。お化粧をしている感覚でアクセサリーを選ぶと、コーディネートの幅が広がります。
■カラフルなネックレスは、トップスとの対比を作る
では、顔まわりを明るくするアクセサリーを詳しく見ていきます。まずはコーディネートに取り入れやすいネックレスから。豊富な色づかいもひとつの魅力のネックレスは、身につける服との対比を作るとよりバランス良くワンポイントとなり、顔色までも明るく見せてくれます。
I.Ronni Kappos(ロニー・カポス)はヴィンテージのガラス製ジャーマンビーズを使ったジュエリーブランド。使用されているジャーマンビーズは、今では手に入らない材料や顔料、金型を使用した、1920〜40年代にかけて製造されていたビーズです。職人の手仕事によりガラスに微量の金属を添加して色を引き出しており、ひとつひとつが異なった表情を持つ、神秘的な色になっています。
存在感のある大粒のヴィンテージビーズがモードな美しさを演出する、ネックレス1584。円、四角形、直線、曲線という形のリズムに、黒、イエロー、ピンクという色のリズム。その2つの組み合わせが相まって視覚的なリズムが生まれているのが魅力的なネックレスです。
大粒のビーズは顔まわりにあると視線を上にあげてくれる効果があります。さらにビーズに黒が入っていることで、全体のコーディネートを引き締めてくれる利点も。シンプルな薄色のニットと相性の良いネックレスです。
円が切り取られたようなユニークな形が印象的なこちらは、ベトナムの天然素材であるバッファローホーンを使用した、L’INDOCHINEUR(ランドシヌール)のチェーンネックレス/562。バッファローホーンに斜めにコーティングが施されていることで、モダンなデザインになっています。
古くからアジア各地でカトラリー等に重宝されてきたバッファローホーン(水牛のツノ)は、一言では表せない奥行きのある色合いが魅力。不透明でありながら様々な色が重なり合う独特な質感がそのままに残されたチェーンネックレス/562は、身につける人の感性を表すかのよう。アースカラーをベースにしたコーティングがその天然素材の美しさを際立たせ、そしてコーディネートに明るさを取り込む役割を果たしてくれます。
チェーンが長めなので、ニットにはもちろん、ワンピースやブラウス等にも合わせやすい作り。ベージュ・カーキ系のお洋服に合わせやすいのは、天然素材ならではの良さかもしれません。お揃いでL’INDOCHINEUR(ランドシヌール)のバングルに合わせても、大人っぽい素敵な組み合わせになります。
■小さなアクセサリーはデザインもこだわる
ネックレス以外にも、顔まわりを明るくしてくれるアクセサリーはたくさんあります。例えばピアスやイヤリングといった耳に付けるアクセサリーも、顔に近いことからその色とデザインが印象を大きく変えてくれます。
ころんとした形と和菓子のような独特の質感が特徴的なARATA(アラタ)のピアス JPA1422。素材に手漉き和紙を使用しており、控えめな光沢のある和紙パールの先端にスワロフスキーを付けています。和紙なので、軽くて付けやすいだけでなく、上からコーティングしているので、水にも強いという特徴もあるのです。
この珍しいデザインのピアスには、同じARATA(アラタ)の【別注】金箔玉ネックレスがぴったり。【別注】金箔玉ネックレスには和紙ボールのところどころに金箔が貼られており、つぶつぶと小さなボールが入ったチェーンに連なっていることで、先ほどのピアス JPA1422とはまた違った女性らしい印象があります。
ベレー帽:PARIS10 KHAKI(ベレー帽)
このピアスとネックレスを組み合わせてみれば、顔まわりの明るさがぐんと増していきます。日本人の黒髪に映える黄色と和紙ボールは悪目立ちせず、上品な雰囲気を作り出してくれます。
小さなアクセサリーの中でも、意外と万能なのがブローチ。夏に比べるとセーターやカーディガン、コートといった厚手の生地を身にまとうことが多い冬はそのぶんブローチを直接付けやすく、またマフラーや帽子の出番も多いので、ブローチの活躍の幅も広がります。
セーター:セーラーセーター THE NAVY CREWNECK grey
スカート:コーデュラミニ裏毛 スカート
手に持った帽子:ZERMATT(ツァーマット)
スカーフにも使われるシルクで出来たリボンブローチ、シックな漆塗りのヒグマのブローチ、綿花由来の樹脂、セルロースアセテートで出来たピンズ。どれも素材が異なるのに、組み合わせると程良く賑やかに。シックな黒をベースにブルー・パープル・グリーンといった色味が少しずつ入ることで、ブローチに視線が行くように。
こちらはSIWA|紙和(シワ)のブローチ fuji S。藤の花の凛とした表情をそのまま造形に落とし込んだかのように見える繊細な表情で、小さいながらも大きな存在感を放つこちらのブローチです。硬さのある「ナオロン」という和紙に特殊加工を施した素材を使うことで繊細な造形が崩れることなくキープされています。
マフラー:セリーン・スカーフ
濃色の服と薄色のブローチは顔まわりを明るくさせるのに便利な組み合わせ。小さくても、ブローチをそっと添えるだけでいつものマフラー姿も華やぎます。
顔まわりを明るく術はもうひとつ。それは光を顔の近くに散りばめることにあります。
テレビの中の俳優さんたちはレフ板を当てて顔色を明るくするように、光を顔に当てることで、顔色を良く見せる効果が期待できます。
アクセサリーで光を作るなら、日光や電気の光が当たると反射するゴールドやシルバーといった金属系、柔らかく光を反射させるパール系、透明感を作るガラスやクオーツなど、光を呼び寄せる素材は意外と多くあります。また、こうしたアクセサリーは見ているだけでも心が踊るような美しさも楽しめます。
■石の魅力
「宝石」と耳にすると、どこか手を出しにくいイメージがあるかもしれませんが、TO LABO(トゥラボ)の手がけるジュエリーは、宝石をより身近に感じさせる魅力があります。こちらのネックレス and Necklaceは、加工の仕方で幾通りにも印象が変化する水晶と色味に特有の魅力をもつ瑪瑙(メノウ)が組み合わされたネックレス。
後からコーティングしているのかなと思いきや、石の持つ色味をそのままに活かしたネックレス and Necklaceは、宝石の持つ高級感を残しながら、水晶とツートーンになるようなデザイン、小粒のサークルが普段づかいに取り入れやすい形になっています。
石のアクセサリーは小さくても身につけるだけで十分に存在感を放ちます。ダークカラーの服にひとつ乗せると、静かに顔まわりのアクセントに。お仕事用のアクセサリーとしても活躍してくれること間違いありません。
■普段使いのパール
きらめきといっても、何もギラギラとする必要はないと教えてくれるのがパールのアクセサリー。天然素材であるパールは原料をそのままに使えば一粒一粒が異なる形と大きさを持っており、その違いによって光が当たると唯一無二の陰影を作ります。光を適度に吸収していることで、反射する様子もとても柔らかく、優しさを感じさせる姿がいつの時代も愛される素材です。
Vlas Blomme(ヴラスブラム)のニット/パール ネックレスは、リネンのニットに淡水パールと真鍮を組み合わせて作られたネックレス。天然ならではの様々な形をした淡水パールが光をランダムに柔らかく反射させ、血色を良く見せてくれるとともに可憐な装いに仕上げてくれます。
フォーマルシーンの印象が強いパールでも、リネンのニットと組み合わさることで清楚な印象とどこか愛嬌のある雰囲気を作ってくれます。淡水パールを繋げている真鍮も、使えば使うほど深い色合いになり表情を変えていく様子をお楽しみ頂けます。
■陰影を作るガラス
最後にご紹介するのは、ガラスで作られたアクセサリー。ZUTTOでも人気の高いHARIO Lampwork Factory(ハリオ・ランプワーク・ファクトリー)のアクセサリーは、歴史ある国産ガラスメーカーならではの長年の技術を活かしながら、アクセサリーの素材であるガラス棒をバーナーの炎に当てて溶かし、職人が道具を使ってひとつひとつ丁寧に様々なシルエットに形作っています。
透き通る美しさは、まさにガラスならでは。光を通すことで、透明の中にも影が生まれ、また後ろに合わせる色によっても印象を変えていく、そんな魅力があります。ネックレスのほかにもブレスレットやピアスも。
ニットワンピース:シャンバラ マルチウエア ワンピース ブラック
細やかな造形が楽しめるHARIO Lampwork Factory(ハリオ・ランプワーク・ファクトリー)のアクセサリーは、普段使いはもちろん、少しおめかしした冬の装いにもおすすめ。顔まわりが華やぐだけでなく身につけている服の良さまでも引き出してくれるような、そんな存在です。
▼まだまだあります。冬のアクセサリー
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