ビュービューと吹く北風に体を縮こませ、耐えながら帰宅するこの頃。
大敵は寒さだけでなく、この時期は何枚も重ね着した上に更にコートを着て、マフラーといった小物が体に積まれるので重たく、肩や首、腕まわりのコリも感じがち。そんな中入る温かいお風呂は寒くて固まった体もほぐれ、格別ですね。今回は、「湯冷め、寝冷えを防ぐ」という観点で、夜お風呂に入り眠りにつくまでに気をつけたいことをピックアップします。
湯冷めとは、入浴で上がり過ぎた体温を元に戻そうと体の機能が働くことで、汗をかいたり血管を広げたりすることで、熱を体外に放出しようとし、その結果、熱放出が過剰になり、体温がどんどん低下してしまう状態のことを指します。
お風呂の後のスムーズな入眠のためには、体温が自然に徐々に下がることが理想なので、湯冷めで急激に体温を下げないことが、風邪対策だけでなく質の良い眠りにとっても大事なことなのだとか。
湯冷めしにくい入浴のポイントは沢山あります。
お風呂場に入り、まず乾いたボディブラシを使って体をマッサージすると血行が良くなり、入浴後のポカポカが持続すると言われています。同時にリンパの流れも促進されるので、老廃物が排出されやすくなったり古い角質を取り除いて滑らかな肌になる、とも。
iris hantverk(イリス・ハントバーク)のボディブラシは柔らかめの馬毛を使用しているので、初めての方も取り入れやすいブラシです。マッサージ用のブラシとしても良いですし、もちろんボディソープを付けて体を洗っても。
一点一点手作業で毛が植え付けられ、編み込まれたハンドメイドブラシです。手作業のため、毛が抜け落ちにくく長持ちします。毛束は全部で手のひらほどの大きさで、それぞれに太さがあるので当たりが心地良いですよ。程良い長さのある柄が付いているので、足先も背中もこれ一本で洗えます。
湯船には、体を温める入浴剤やバスソルトを入れるのがおすすめです。お風呂で心身ともにリラックスする時間は、夏よりも冬のほうが体が求めている気がするから不思議なものです。
塩の力で発汗を促し保温効果を高めてくれるのはTHERMAE DI SALSOMAGGIORE(テルメディサルソマッジョーレ)のエモリエントバスソルト。たっぷりとバスタブに入れてゆっくり体を休めると、入浴後の体が芯からポカポカ暖まります。保湿効果も高く、肌もしっとりしますので、冬の時期には特におすすめなのです。
イタリアは、古代ローマ時代からTERME(温泉)が日常的に利用されてきました。テルメディサルソマッジョーレとは、直訳すると「最高の塩を用いた温泉」。北イタリアの温泉保養地として有名な地で、人の手が全く加えられていない純粋無垢な天然温泉水を使用しています。地上に降った雨が岩に蓄積された層を通り抜けて生じるミネラル水は、2千万年前の地下約2千メートルの地層から掘り出されているため、環境汚染などとは全く無縁と言えます。
寒い冬、いきなり湯船に浸かっては気温差で血圧が一気に上下し体にも悪影響です。お湯の温度に体を慣らすために、「かけ湯」を行ってから入る習慣を付けると良いでしょう。心臓から最も遠い足先からお湯をかけていき、最後は肩まで浴びます。
シャワーで行うのも手軽で良いですが、せっかくなら木の香りで湯を浴びる幸せを。山一(やまいち)のさわら片手汲み桶はまるで江戸時代の浮世絵に登場する桶のようで、風呂場に置いてあるだけで雰囲気たっぷり。
使用している椹(さわら)はヒノキ科の常緑針葉樹。独特の赤味があり、耐酸性と耐水性に富んだ木材でお風呂場の桶や椅子、飯台などに多く使用されています。厳しい気候の中時間をかけ育った木曽地方の木材はとても丈夫で、長く愛用するための性質が木材そのものに備わっています。
山一(やまいち)は樹齢100年以上にもなる木の中心(心材)のみを厳選した木曽さわらを使用。木であると嬉しいモノ、木でしか出来ないモノを追い求めているブランドです。
そしてそろそろお風呂を出ようかな、という時。足元や手元に冷水をかけるとその後の体温の低下を防いでくれます。冷水を10秒ほどかけると手先は冷たくなり、逆に冷えてしまうのでは?と感じるかもしれませんが、体の表面温度が下がるだけで、それ以上は下がらないようになり結果的に体温を保ってくれます。
湯冷めを防ぐためにお風呂から上がったら気をつけたいのはすぐに「水気」を拭くこと。暑いからといってすぐに拭かずに濡れた状態でいると気化熱で体温を奪われてしまい、気がつくと一気に冷えていることも。バスタオルで体も髪の毛もすぐに拭いてくださいね。
kontex(コンテックス)の「フラックスライン バスタオル」は柄のついたガーゼ生地と柔らかいパイル生地の二重構造で、ガーゼ生地は異なった色の糸を撚り合わせ、霜降り効果を出した杢調のラインをあしらっています。また、パイル生地はしっかりと水分を拭き取ります。 吸水性、速乾性に優れ、毎日気持ち良くお使い頂けます。
昔ながらの低速織機でゆっくり織り上げた後、製品洗いを施しているので、綿本来の柔らかさを生かした優しい仕上がりになっているのが特徴です。手触りが優しく、使えば使うほど、味わいと柔らかさが増し、病み付きになるタオルです。
タオルで肌を拭いたらボディクリームで保湿と保温効果を。保湿とはつまり水分が蒸発しないようにするためなので、これもまた気化熱による体温の低下を防いでくれます。また、クリームを優しく塗ることで血流を良くし、ポカポカが持続します。
おすすめしたいのはフランスのブランド、Lolivier(ロリヴィエ)のボディミルク。有機のオリーブオイルにシアバター、マンダリン、レモン、ゼラニウム、ラベンダーなどのハーブエキスが配合されていてリラックス出来る良い香りが広がります。
ポンプタイプなのも、お風呂後に使いやすく習慣として続けやすそうですね。
▲ボディミルクだけでなく、マッサージ用のオイルも。
Lolivier(ロリヴィエ)は、300年の歴史あるマリウスファーブル社の有機オリーブオイルで作るボディケア製品です。素材の95%〜100%天然または天然由来成分で、精油、抽出物、植物油、植物油脂、植物ロウのなど植物性のものを使用。天然保湿成分のオレイン酸がたっぷり含まれていて、お肌にしっとり潤いを与えてくれます。
いくらお風呂に入ってポカポカでも、冷たいフローリングを数歩歩いただけでつま先からジンジンと冷たくなってくるのが足。足が冷えると全身の血液の循環が悪くなり、結果的に全身冷えてしまうことになります。外出用の薄い靴下ではなく、暖かいルームソックスまたはルームシューズを履いて、足先を冷やさないようにしてくださいね。
こちらはヤクとコットンの毛糸でざっくりと編まれたSforT ケーブルソックス。編み模様が冬の温もりをイメージさせて、履くのも嬉しくなりますね。ボリュームのあるルームソックスなのでつま先からふくらはぎまでしっかりと寒さから守られている感覚です。
ZUTTOではおなじみのブランド、SHOKAY(ショーケイ)ですが、ラインナップにウェアやストールが多い中、こうした家の中で使うアイテムは比較的珍しいですね。暖かさと肌触りに定評があるブランドなので、素足に履けるふかっとしたルームソックスはやみつきになりそうです。
SHOKAY(ショーケイ)はヤクを放牧するチベット族から毛を直接買い取ることで安定した雇用と、継続的に生計を立てることを支援しています。豊かな風合いと、味わい深いSHOKAY(ショーケイ)のニットは、作り手の思いと、かけがえのない自然の美しさが盛り込まれています。
パジャマもルームソックスも履き、さあ脱衣所を出て寝る前のリラックスタイムを楽しもう、という時。パジャマのままで寒い廊下やキッチンをウロウロしたり、ソファでうたた寝なんてしてしまってはすかさず風邪をひいてしまうこの時期。パジャマの上にもう一枚、気軽に羽織れるものがあると便利です。
カーディガンを羽織るのも手ですが、ゆったりとしたつくりのパジャマの上にカーディガンを羽織るとなると腕や肩周りが窮屈に感じてしまうことも。それよりも気軽なのが大判ショールです。ブランケットの厚みのあるストールを肩から掛ければ、背中や腕もすっぽり覆ってくれるので上半身暖か。
LAPUAN KANKURIT(ラプアンカンクリ)のポケットショールは、羽織ると首元が自然と立ち上がるので襟がないタイプのパジャマでも首元が寒く感じにくいのが嬉しい点。両サイドにポケットが付いているので、寝る際にリビングから寝室へ行く時はポケットにスマートフォンを入れて、手にはドリンクや本を持って、スムーズな移動が叶います。ベッドの脇に置いておけば、朝起きてベッドを出る前にサッと羽織るものがあるので便利ですね。
ウールのセーター、カシミヤなどと比べて若干ゴワゴワとした手触りですが、この厚手のざっくり感が普段遣いのしやすさと丈夫さ、保温性、暖かさが増すというLAPUAN KANKURIT(ラプアンカンクリ)のポケットショールです。
タオルケットやブランケットは「掛ける」のが一般的ですが、「敷く」暖かさもぜひお試しください。冷んやりとしたシーツの中に入る込むのは勇気がいりますが、シーツの上にタオルケットなどを敷いておけば良いのです。
もちろん、ウールのブランケットは暖かさ抜群なのですが人によってはチクチクが気になってしまうもの。そこでおすすめなのがガーゼ素材のタオルケット、「ガーゼケット」です。
ガーゼは夏に涼しく過ごすための素材と思われがちですが、5重になったガーゼの一枚一枚の間に空気の層が生まれ、冬は適度な暖かさを保ってくれるのです。また、吸水性が良いのもガーゼの特徴。寒いとは言え、冬も人は寝ている間に汗をかきます。その汗が冷えると全身の冷えにつながるので、汗をかいたら吸いとってくれるガーゼは一石二鳥の素材という訳です。
愛知県三河のichiori gauze(イチオリガーゼ)は50年以上培ってきた技術と経験から現代の暮らしに合うガーゼ製品を作り出しています。一般的なガーゼケットは、同じガーゼ生地を重ねて縫い合わせるだけの製法ですが、 ichiori gauze(イチオリガーゼ)は数種類の糸を使った異なる5層の生地で出来ており、更にそれらを一緒に織り込む手間のかけようです。
寒いこの時期には羽毛布団を愛用されている方も多いと思いますが、それと併用するブランケットをどのように使うか、が更なる暖かさの鍵です。
羽毛布団の中の羽毛は体温で広がり厚みを増すため、保温効果が高まると言われています。つまり、羽毛布団は体に直接触れるように掛けることが大事なのです。ブランケットを併用する場合は、羽毛布団の中ではなく上に掛けてくださいね。ウールのブランケットには熱の放出を防ぐ効果があるので、上に掛けたほうが羽毛布団・ブランケットともにその効果を最大限に発揮するのだとか。
▲羽毛の上から薄手のブランケットを掛けて
一点注意が必要なのは、ブランケットの重みです。重いブランケットを羽毛布団の上に掛けてしまうと羽毛が潰れてしまうので効果は薄まります。KLIPPAN(クリッパン)のスローやSilkeborg Plaids(シルケボー プレード)のブランケットならば薄手で良質なウールなので、うってつけですよ。
サイズはともに約200cm130cmで、シングルサイズのベッドには十分な大きさです。ダブルベッドですと左右に垂れる余りがなくなりますが、使用には問題ありません。100%ウールでふんわりと柔かく、ウールのしっかりとした弾力はありますがチクチクはさほど気になりません。何より柄がかわいらしいので、羽毛布団の上に掛けた時に様になりますね。
ZUTTOでは冬の定番となっているKLIPPAN(クリッパン)。130年以上続くスウェーデンの老舗テキスタイルメーカーで、紡績から織工、染色、最終製造まで全て自社工場で生産しているため、絶対的な高品質を守っています。
Silkeborg Plaids(シルケボー プレード)はデンマークを代表するブランド。染料を使わないナチュラルカラーで、黒い色はゴットランドシープ、白い色はスカンジナビアンシープ、茶色の毛はアイスランドシープなど色を産地によって変える丁寧なものづくりを行っています。
▼バスルーム カテゴリー
▼タオル カテゴリー
▼パジャマ / ルームウェア カテゴリー