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技術体験ラボラトリー#1 FALBE:光受けて輝く、ビーズのクロッシェ

 

ものが作られる工程は、私たちにとって普段の生活からはなかなか見られない光景です。熟練の職人による難しい技術、時間の掛かる工程と一口に言っても、想像の範疇で止まってしまう。それはメーカーや実際に製作している方からたっぷりお話を伺う私たちスタッフも同じように感じていることです。そこで、「スタッフが実際に体験してみたら?」ということになり、今回はなんとお店にお邪魔して、実際に製作体験をさせて頂けることになりました。技術体験ラボラトリー、第1回は日本のグラスビーズを扱うMIYUKIのビーズブランド、FALBEのビーズ編み体験に行ってきました。

 

東京・浅草橋のBEADS FACTORYへ

 

お店があるのは、東京・下町の浅草橋駅西口から徒歩3分。浅草橋は昔から問屋街で栄え、その周りにはビーズを含めた服飾雑貨を扱うお店が多くあります。そんな中、大通り沿いに佇むレンガ調の建物が今回の舞台。

 

 

出迎えてくださったのは、ビーズに詳しいKさんとSさん。お二人の持ち物から、ビーズへの思いが汲み取れます。

 

Kさんの名刺入れはビーズ織りで出来たもの。

 

Sさんは自作のビーズピアスを。

 

今回のビーズ体験を「面白いですね、是非やりましょう!」と快諾してくださったお二人。非常に難しい編み方を教わるということで、スタッフには体験前にかぎ針編み練習用のビーズとかぎ針も貸し出して頂きました。まずは、ビーズクロッシェ(ビーズ編み)をご説明します。

 

 

ビーズクロッシェとは?

 

今回教えて頂くのは、ZUTTOでも長く取り扱っている、FALBE(ファルビー)のクロッシェブレスレットの編み方。クロッシェとはフランス語でかぎ針編みのことで、ビーズを予め糸に通して、編んでいく方法です。

 

 

 

ビーズは一周につき6つのビーズが並んでおり、ジグザグにはまるようにぎゅっと編み込まれています。ビーズのサイズは1.5mm、ここまで小さなビーズを編んでいることはおろか、製造している所すらほとんど無いのだといいます。

 

このブレスレットを作っているのはインドネシア・バリ島の職人さんたち。バリのデンパサール空港から車で2時間ほどの田園地帯に住む、農家のお母さんが主です。雨が降った時には農作業が出来ないため、2〜30人ほどが村の集会所に集まり、パートタイムで働いているのだとか。台風が来て屋根が飛んで行ってしまったから、といった理由で納期が遅れたこともあるといいますが、農作業の合間を使って、バリ島の職人さんたちが丁寧に、そして楽しく製作している風景が想像できます。

 

バリの職人さんたちは、慣れた方だと手元を見ずにビーズを編めるといいます。しかし、そんな熟練の職人においてもこのブレスレットを編むのには3時間かかるそう。更に1つの村で生産しているため、1ヶ月に生産出来る量は決まっているという、贅沢なブレスレットなのです。

 

 

クロッシェビーズ編み体験〜準備と手順〜

 

早速、体験に取り掛かっていきます。今回、教えてくださるのは、MIYUKIのビーズクラフト教室のインストラクターもされている、Sさん。「普段、ビーズ教室でも教えていないような難しいビーズ編みですけど、一緒に頑張りましょうね」と声を掛けてくださいます。

 

まずは使う道具と、手順をご紹介しましょう。

 

使う道具:

【ビーズ】今回は直径3mmのビーズを使用。ZUTTOで扱うクロッシェブレスレット製品で使われているのはこの半分の1.5mm

【かぎ針】ビーズを通した編み糸を編むためのもの。実際はかぎ針というより、針の様に細いレース用のかぎ針を使用しているとのこと。

【編み糸】ナイロン製の強度のあるもの。色によって完成した時の印象も変わりますが、今回は深いブラウンのカラーをチョイス。

左:今回使う3mmのもの、右:クロッシェブレスレットで使われている1.5mmのもの。その大きさは一目瞭然です。

 

 

手順は、【糸にビーズを通す】→【ビーズの通った編み糸をらせん状に編む】だけという一見シンプルにも思える工程ですが、果たしてどうなるでしょうか。

 

1. 糸にビーズを通す

 

 

まずは糸にビーズを通す作業から。クロッシェブレスレットに使うビーズは2m分ですが、今回は60cm分通していきます。机の上にたっぷり置かれたビーズの山を前に、手で一粒一粒通していくスタッフを見たSさん。「ビーズを糸に通す時は、ビーズの山にニードルをザクザクと刺す様にしてみてください」

 

スタッフ「さっきよりもビーズが糸に通るようになりました!60cm通すだけでもなかなか大変な作業です。」

 

 

2.はじめの6目を編んでいく

 

「慣れるまでは、最初が1番難しいです。まずお手本を見せるので見ていてくださいね。」

 

 

まず編み糸にループを作って、その中にかぎ針を通します。ビーズを一粒ずつ寄せ、糸にかぎ針を引っ掛けて編み、6目のビーズの輪っかを作っていきます。

 

①ループの近くにビーズ一粒を寄せます。

②糸にかぎ針を引っ掛けます。

③④そのままループから糸を引き抜き、1目作ります。

 

ゆっくり説明しながら編んでいってくださったSさん。これで1目完成です。編み進めていくSさんを見て「早い!」と驚きを隠せないスタッフも、まずは1段目(6目)に挑戦。

 

編み物の経験があるスタッフも、その緻密な作業に悪戦苦闘。針が抜けてしまったり、引っ掛ける方向が違ったりで、何度もやり直します。

 

 

3.ビーズの上にビーズを編む

 

今回挑戦しているクロッシェ編みは、筒状。筒にするためにはビーズをらせん状に編む必要があります。「らせん状にするためには、今編んだ6つのビーズの上に、ビーズを乗せるように編んでいく必要があるんです。やり方はほとんど変わりませんが、正しく編みこまないと形が崩れてしまったり、編み目を飛ばしてしまう原因になります。」

 

「一粒ビーズを寄せて、引き抜き、編む」という工程を同じように繰り返します。

 

スタッフも「とっても難しいです・・・」と四苦八苦。一目一目、確かめるように編んでいきます。

 

ビーズの可愛らしさと、ビーズ編みの難しさに夢中になるスタッフ。その間に、編集部が今回の体験のきっかけになったクロッシェブレスレットについて取材してきました。

 

 

クロッシェブレスレットの似合わせ方を教えてもらう

 

想定以上の難しさで、スタッフがビーズを編んでいる間、FALBEを良く知るMIYUKIのKさんにクロッシェブレスレットについて詳しくお話を伺うことに。

 

—こちらのビーズブレスレット、個人的には軽さに加えて、輪が狭いので一見女性向けかな?と感じました。

 

輪は確かに細身に出来ていますが、実は男性にも付けて頂けます。実際に私も簡単に腕を通すことが出来ます。(指先から転がすように装着)

 

 

—確かに、スルスルっと付けられましたね!個人的に、糸が千切れてしまわないか心配にもなるんですが・・・

 

いえ、実は簡単には千切れてしまわないんですよ。このブレスレット、ナイロン製の強度の高い編み糸を使用していることと、その編み糸をしっかりとかぎ針で編み込んでいるため、多少ですが伸縮性があって丈夫に出来ています。例えば、ニットのセーターを引っ張ることで編みの伸縮はありますが、毛糸自体が千切れてしまうことは無いですよね。あの原理と一緒です。もちろん無理に引っ張ったり、異なる使い方をされた場合には破損の可能性も無いとは言えませんが、通常のご使用でしたらビクビクされなくてくても大丈夫だと思います。

 

—そうなのですね!安心しました。シンプルだけれど華やかで、幅広い世代に愛されるデザインですよね。

 

ありがとうございます。1本試しに付けて頂くと、ビーズ一粒一粒の品質や、編み方の細やかさを肌で感じ、リピートいただくことが多いです。素材がガラスなので、アレルギーなども出にくく、贈り物にもぴったりだと思います。

 

丸いかたちが可愛い特小ビーズ

 

デリカビーズはシャープで爽やかな印象。

 

 

 

クロッシェ編み体験〜完成編〜

 

クロッシェ編み体験が始まってから、約2時間が経過しました。完成したのがこちらです。

 

編んだビーズの様子。今回は一色だが、複数の色を混ぜたり、柄を表現することになると、更に緻密な工程が必要になるのだとか。

 

Sさんに手伝って頂きながら、スタッフが編めたのは約4cmほど。「手順は分かってきましたが、知れば知るほど製作されているバリ島の職人さんには頭が上がりません。2倍の大きさのビーズでこんなに大変なのに、信じられない思いです。」とスタッフは述べます。今回の体験はここまでとし、後日Sさんに編み切ったものをブローチにして頂きました。

 

60cm分のビーズ糸を編み切ると、およそ直径4cmほどのドーナッツ型に。その後、金具を取り付けてくださいました。

 

完成品

 

完成したのがこちら(下)。ZUTTOでも取り扱っている同じカラーのクロッシェブレスレット ソリッド(ゴールドアイリス)(上)と並べてみましたが、改めてその細やかさに驚きます。

 

可愛らしいブローチになりました。

 

 

かぎ針編み経験者といえども、相当苦労したビーズクロッシェ。今回、編み方を教えてくださったSさんも、「本来のクロッシェブレスレットは、今回のものよりも更に技術が必要なため、同じスピードでは私も編むことが出来ないと思います。」と仰います。実際に体験してみて、高い技術と良質なビーズの織り成す贅沢なクロッシェブレスレットの良さを再発見するきっかけになりました。

 

 

細やかな手仕事が感じられる、FALBEのビーズアクセサリー

 

 

例えば、ビーズアクセサリーを身につける時のドキドキする気持ちはお化粧やネイルアートのそれに似ています。初めて母の鏡台からこっそり口紅を取り出して付けてみた時、お小遣いで買ったマニキュアを小指に塗ってみた時、何だか自分が違う人間になったように感じました。きっとその気持ちはきらきらと輝くビーズアクセサリーを身につけている時も同じで、洋服ともまた違う女性ならではのその高揚感は、本当に小さなことではありますが、時に自信を付けてくれるお守りのような存在にもなります。それは、ビーズ(Beads)の語源が「祈り」にあることも関係しているかもしれません。太古の人々は、太陽や月をはじめとする大自然に祈りを捧げました。災害から身を守るため、幸福を祈願するため。ビーズは、ただの装飾品としてだけでなく、人々の祈りや願いとともにあったことが、その語源の背後に秘められているのです。

 

クロッシェブレスレット、最初の1本を選ぶなら?

 

様々なデザインやカラーがある、クロッシェブレスレット。どれを選べば良いか迷ってしまいます。「最初の1本にはどのカラーがおすすめですか?」とKさんに伺ったところ、下の2本をおすすめしてくださいました。

 

クロッシェブレスレット DELICA(ライトティーローズ)

 

クロッシェブレスレット ソリッド(スパークルベージュ)

 

「初めてこのブレスレットを手に取られる方なら、肌馴染みが良く、肌が明るく綺麗に見えるカラーが良いと思います。シルバーバングルなどと合わせてコーディネートするのもおすすめです。」とのこと。爽やかなデリカビーズがキラリと光るクロッシェブレスレット DELICA(ライトティーローズ)と、きらきらと光に輝くクロッシェブレスレット ソリッド(スパークルベージュ)はこれからの季節にぴったり。他にも、クリアなブルーやホワイトもお洋服とのコーディネートが楽しくなりそうです。

 

上:アクアブルー 下:クリスタルシルバー

 

リピーターさんの多いこのブレスレットですが、意外にもリピートされる方は柄の入ったものや、明るい色のものを選ぶことが多いのだとか。

 

クロッシェブレスレット スパイラル

 

クロッシェブレスレット ダイアモンド

 

クロッシェブレスレット ランダム

 

細やかなデザインが目を引く1本。そのビーズの質とデザインの素晴らしさを知ったからこそ、選ばれるのかもしれません。

 

 

上から千歳緑・ペールグリーン・オペラモーブ。繊細で上品な色を揃えて、気高い雰囲気に。

 

上からマットグレー・マットシーグリーン。落ち着いた雰囲気に

 

 

まんまる、ころん。少女のような可愛らしいビーズボールピアス

 

まるで小さな木ノ実や果実のように、シンプルで可愛らしい丸いモチーフのピアス。ゆらゆらと揺れるそのピアスボールは、全てビーズ。きらきらしたビーズは光を受けて、また、マットなビーズは時に紅を差したように、肌を明るく艶やかに見せてくれるのです。

 

上から、シルバー・マットレッド・マットターコイズ

 

ビーズボールがキラキラと反射して印象的ながらも、大人の女性が使いやすい絶妙なサイズ感。

 

 

印象的なロングネックレスも、ビーズで繊細な印象に

 

淡く、優しい色合いのバンチネックレス2。何連にもなったネックレスは、日常には特に華やか過ぎる印象を持ちますが、それがビーズであれば問題ありません。バンチネックレスは、"Bunch=束にする”が名前の由来。糸に通したビーズを何本も束にしたネックレス。丸ビーズ、竹ビーズ、スリーカットビーズ、デリカビーズなど、光の反射が異なるビーズを組み合わせることにより、様々な輝きが生まれます。 薄手のニットやカットソー、ブラウスやTシャツまで、「ちょっと寂しいかも」と思うコーディネートに是非取り入れて頂きたいネックレスです。

 

パールグレーはグレーのビーズととパールのような輝きのビーズを組み合わせたもの。

 

キャメルゴールドは華やかながらも柔らかい印象を併せ持ちます。

 

>>その他、FALBEの商品はこちらから

 

美しくも儚いビーズの世界は、知れば知るほど奥深いものでした。今回体験させて頂いたBEADS FACTORYさんでは、定期的にビーズクラフト教室を開催しているとのこと。是非足を運んでみてくださいね。

 

 

▽BEADS FACTORY

 

 

 

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投稿者: 村上 日時: 2018年03月20日 12:00 | permalink

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