風にそよぐワンピースは、軽やかなスタイルを一枚で実現出来る万能アイテム。
色や柄だけでなく、襟付き襟なし、ボタン有無といった形の違いも多々あり、バリエーションが豊かなアイテムでもあります。トップスからボトムスまでが連なったワンピースは、シルエットを縦長に見せてくれる効果も。
一枚で着やすい。しかし、毎度着方がワンパターンになってしまいがちなところがワンピースの悩ましい部分。また、薄手の生地や袖が短いワンピースを着られるのは1年のうち暖かい季節のみで、ワンピーススタイルを楽しめる期間は実は短いのでは?という疑問もあります。
気軽に身につけられるワンピースをもっと着こなすためのポイントは、着方の幅を広げること。中でもシャツワンピースとジレはこうした悩みを払拭したコーディネートを提案してくれます。
ワンピースの中でも着こなしの幅を広げてくれるのは、シャツワンピース。シャツワンピースはシャツのように襟が付き、パリッとした作りで前面にボタンが付いたもの。今回はデザインの異なる2種類のシャツワンピースを使った着こなしの仕方を探求してみます。
シャツワンピースその1:ストライプ シャツワンピース/ZUTTO
ZUTTOオリジナルのストライプ シャツワンピースは、高密度のコットンで作り上げたシャツワンピース。前面にボタンが付いていますが、二番目以降のボタンは隠しボタン(比翼仕立て)になっているのがポイントです。細ストライプがすとんとした縦長のシルエットを助長し、きちんとした雰囲気を作ります。
シャツワンピース2:シャツ ワンピース/Les Olivades(レゾリヴァード)
Les Olivades(レゾリヴァード)のシャツワンピースは、フランス・プロヴァンス地方の動植物をモチーフにし、木に模様を彫り、主に植物系の染料を用いてプリントするトワルパント(捺染綿布)の技法で柄を描いたワンピース。総柄でありながらも、程よいさじ加減の華やかさと爽やかさを醸し出しています。
まずは基本の「着る」という着方。シャツを全て留めてワンピース一枚を着る着方を見ていきます。
バングル:スネークデザイン バングル/196/L’INDOCHINEUR(ランドシヌール)、バッグ:HORSE LEATHER DRAW STRINGS POUCH/S(巾着ショルダー)/ARTS&CRAFTS (アーツアンドクラフツ)、シューズ:MUKAVA インウエッジソールサンダル/chausser(ショセ)※近日発売予定
ZUTTOのストライプ シャツワンピースの襟元の特徴が表れるのがこの着方。首元の開き具合を指す天巾(てんはば)を広めに取ることで、第一ボタンを閉めた状態でも、首元にゆとりが出来る作りにしています。「かっちりし過ぎない」ワンピースを実現するのが、この襟元です。
ストライプ シャツワンピースの場合、裾が膝丈ほどなので、ペチコートを着て一枚で着る、もしくは細身のレギンスに合わせても。ワンピースとして着ることで、足元をすっきりと見せて縦長シルエットが出来上がります。
バッグ:サークル形 ラフィアバッグ/Sans Arcidet(サン・アルシデ)、シューズ:フラットシューズ JazzShoe White/CATWORTH(カットワース)
Les Olivades(レゾリヴァード)のシャツワンピースはボタンを全て留めることで、柄が引き立ち華やかさがアップします。サイドにスリットが入っているので、より軽やかな雰囲気に。白色のシューズやかごバッグと合わせることで、爽やかな印象で統一出来ます。
2つめの着方は「羽織る」。ワンピースとして認識していたアイテムを羽織りにするのはなかなか難しいのでは?と感じるかもしれませんが、着てみると意外にどんな服にも合わせやすいのがこの着こなしです。例えば、これだけではカジュアル過ぎるかも、と感じるTシャツとパンツの組み合わせに一枚シャツワンピースを羽織るだけで、大人っぽさをプラスしてくれます。
腕時計:フィールドウォッチ ステライル デザートタン/MARATHON(マラソン)、バッグ:手提げバスケット008/MUUN(ムーニュ)、パンツ:ハーフパンツ/Fileuse d'Arvor(フィールズダルボー)、サンダル:MACI クロッグサンダル BLACK/dansko(ダンスコ)※近日発売予定
コットン製のストライプ シャツワンピースは見た目も軽やか。薄手のロングカーディガンやスプリングコートのような感覚で羽織ることが出来ます。ハリのある生地なので、袖をまくれば立体感のあるクシャッとした表情を楽しむことが出来ます。
バッグ:バスケットM/BE/TOINO ABEL(トイノ アベル)、カットソー:コットン ラウンドネック カットソー/MAJESTIC FILATURES (マジェスティック・フィラチュール)、パンツ:チノトラウザーズ BEIGE/ZUTTO、サンダル:MACI クロッグサンダル YELLOW/dansko(ダンスコ)※近日発売予定
Les Olivades(レゾリヴァード)のシャツワンピースは、ボタンを全て開けて羽織りにしてもワンピースは主役のまま、目を引く存在に。ブルーやイエロー、グリーンといったアースカラーの鮮やかな色と組み合わせるとバランス良く決まります。長めのパンツと合わせるなら、トップスの裾をボトムスに入れてウエストを少し上げ、ヒールの付いたシューズに合わせると寸胴に見えません。
そして3つめが「重ねる」着こなし。シャツワンピースの上にさらにカットソーを重ねることで、基本のワンピーススタイルとは異なる、新しい雰囲気を作ることが出来ます。カットソーとワンピースの組み合わせは、色や素材のコントラストを作ることがポイントです。
カットソー:Vネックプルオーバー/ZUTTO、バッグ:【別注】帆布バッグ SCCF 001 BLACK/GREY/SUNSET CRAFTSMAN CO.(サンセット クラフツマン カンパニー)、シューズ:タップシューズ Star Tap Shoe Black/CATWORTH(カットワース)
薄手のストライプ シャツワンピースは少し厚みのあるカットソーと好相性。モノトーンで合わせると品良くまとまります。襟元や袖口からもシャツワンピースをさり気なく見せてアクセントに。揺れるワンピースの裾がおしゃれです。
カットソー:KARINA コットンセーター/FilMelange(フィルメランジェ)、バッグ:スモールパック GREEN/ FILSON(フィルソン)
Les Olivades(レゾリヴァード)のシャツワンピースをカットソーと重ねるのなら、ワンピースの柄の魅力を引き出すためにもカットソーはとことんシンプルなものを選んで。やや目の粗い、コットンセーターならうっすらとワンピースが透けてセーターでありながら暑苦しくなりません。重ね着をすることでややカジュアルな装いになるので、スニーカーやリュックに合わせてみてもバランス良く着こなすことが出来ます。
そして、ワンピースの中で幅広い着こなしに応用出来るもうひとつのアイテムがジレ。フランス語で「gilet」と書くジレとは、もともと袖の付いていないインナーのことを意味していました。ベストに近い衣服のため、上に上着などを重ねて胸元から見せるものだったのだそう。
Vlas Blomme(ヴラスブラム)のリネンジャージー ロングジレは、裾を長くし、柔らかくフィットするリネンで作られたワンピースタイプのジレ。薄手の気持ちの良い素材なので、ワンピースの3つの着こなしのうち、「重ねる」にとても役立つアイテムです。そのコーディネートの応用は春に限らず夏本番まで使うことが出来ます。季節を越えて活躍してくれる、便利なアイテムです。
インナー:ウール丸胴リブ 長袖ハイネック/ZUTTO、バッグ:葦ショルダーバッグ/ CANDRIA TOMMASO(カンドリア・トマソ)、シューズ:Professional プロフェッショナル Black Oiled/dansko(ダンスコ)
春は雨も多い季節。少し肌寒く感じる日にはインナーと10分丈のボトムスを重ねたコーディネートがおすすめです。
インナーは冬物よりは厚すぎず、下着よりは薄すぎないものを選ぶのがコツ。コットン製のインナーはもちろん合わせやすいですし、ZUTTOのウール丸胴 リブ タートルネックのように、薄手のウールインナーでも体を程良く保温してくれます。冷えやすい足元は、細身のパンツや10分丈のレギンスを合わせるのがおすすめ。外へのお出掛けは、このコーディネートに薄手のアウターを重ねれば、スタイルも暖かさもちょうど良く収まります。
インナー:ウール丸胴リブ 長袖Uネック/ZUTTO、ネックレス:チェーンネックレス/564/L’INDOCHINEUR(ランドシヌール)、シューズ:2337T レーススリッポン/JOYKS(ジョイックス)
日差しが出て、穏やかな気候になった日にはアウターなしでお出掛けしたいもの。
ジレはトップス一枚だけだと肌寒いけれど、アウターを着ると暑苦しい、というときに活躍してくれます。首元を開けたUネックのトップスにさらりと羽織って体温を調節。足元も7分丈のレギンスに合わせれば、気温15度のコーディネートより爽やかに、気候にぴったりな着こなしになります。鮮やかなブルーのリネンジャージー ロングジレは、4月〜5月にかけて咲くネモフィラの花のように印象的な色合いです。
バッグ:籐ショルダー付ハンドバッグ/CANDRIA TOMMASO(カンドリア・トマソ)、シューズ:CHARLOTTE サンダル CAMEL/dansko(ダンスコ)
トップス:無地Vネックショートスリーブ black/MOULIN NEUF TEXTILE(ムーランヌフテキスタイル)、スカート:HENIN スカート/FilMelange(フィルランジェ)、ネックレス:ネックレス 1628/I.Ronni Kappos(ロニー・カポス)、バッグ:キルティング ショルダーバッグ pouch/PATRICK STEPHAN(パトリック ステファン)、シューズ:MACI クロッグサンダル BLACK/dansko(ダンスコ)※近日発売予定
そして気温が25度まで上がった夏日には、いよいよ半袖インナーの出番。ノースリーブのジレは半袖インナーにも合わせやすく、さらにボトムスもパンツだけでなくスカートにも合わせることが出来ます。
インナーとなるトップスとスカートの色合いを一緒にすることで、インナーをワンピースのように見せ、ジレをカーディガンのように見せる、上級テクニック。ジレはボタンを全て外して羽織ることで、さらに涼やかな装いに変化します。足元は素足ですっきりと見せれば、春から着ていたジレが初夏まで活躍してくれます。
「よくある姿」になってしまいがちなワンピースも、ボタンを開けてみたり、もう一着重ねることでぐっと着こなしの幅が広がります。まずは使いやすいシャツワンピースやジレから、コーディネートを楽しんでみませんか。
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