大きくて重い荷物と、小さくて軽い荷物であれば大半の方は荷物は少なく、軽いほうが良いと考えるはずです。それでも毎日持ち歩くものはありますし、出先で思わぬ戦利品を獲得して荷物のボリュームが増える、ということもあります。
日々持ち歩く必需品をコンパクトに出来れば、トータルの荷物を許容範囲に収めることは可能なはずで、必ず持って出るお財布がいい例です。
小さいお財布への憧れはあるけれど、たくさん入る長財布やポケットが多くついた折り財布に慣れてしまい、踏ん切りがつかない方へ。実際に、思い切ってお財布をコンパクトなものに変更した4名にどのように使っているのか、我慢ポイントがないかなど、お話を聞いていきます。
まず愛用のお財布を見せて頂くのは、レザーバッグやレザー小物を手がけるARTS&CRAFTS (アーツアンドクラフツ)の男性スタッフMさん。長年ZUTTOにARTS&CRAFTS (アーツアンドクラフツ)をご紹介頂き、レザーに精通したスペシャリストでもあります。お仕事柄、様々なお財布の仕様を見たり使ったりされている方が愛用中のお財布とは。
そうなのです。現金主義で心配性なので、元々はお金もカード類も全部入れられる長財布派でした。ただ、ここ最近のキャッシュレス化の流れに逆らっていては、お財布も展開するブランドの担当として広い視野を持てないと思ったことと、休日に持ちたいバッグが小さくなってきたこともあって長財布とCOMPACT TWIN PURSEを持ち歩いています。
メインで使っているCOMPACT TWIN PURSEには5千円以下のお札とコイン、そしてよく使うカード類のみを厳選して5枚入れています。こちらはパンツのポケットに入れて、いつも持ち歩いている感じですね。
長財布には1万円札と、たまにしか使わないキャッシュカードや各種ポイントカードをがさっと入れています。長財布は基本的には平日にしか持たず、トートバッグの中に入れていて必要な時だけ取り出します。なので、長財布を一度も出さずに終わる日がほとんどなのですが、それでも念のために長財布も持ち歩いています。
はい、なんとなく1万円札は折りたくなくて(笑)。COMPACT TWIN PURSEにお札を入れる時は四つ折りにする必要があるのですが、1万円がくずれて5千円・千円になった時に長財布から移動させています。
やはり持ち運びやすいCOMPACT TWIN PURSEのほうをメインに使いたいので、1万円がくずれたら嬉しくなるくらいです。
まだまだコンパクト財布初心者なので、長財布は念のために、という部分が大きいです。潔く手放したらそれはそれであまり問題はないのかもしれないですね。多少の不安がある内は、コンパクト財布への移行期間中として自分が納得のいく使い方をしたいので、しばらくはこのまま2個持ちを続けてみたいと思います。
そうなんです!COMPACT TWIN PURSEはエルバマットというレザーを使っているのですが、エイジングが綺麗なんです。使い始めたのは1年ほど前ですが、新品と比べると全く違いますよね。私が持っているNAVYは使ううちに色が濃くなり、ブラックの手前くらいの色合いに。はじめは硬く感じていたレザーの端(縫い目のあたり)も、フラップ部分もくったりとして扱いやすくなりました。お手入れは普段あまりしていません。日常使いするものなので、毎日触れていますし手の脂で十分かなと。
【登場したCOMPACT TWIN PURSE】
元々ブランドとして展開していた「TWINPURSE」を、よりコンパクトなサイズ感にしたお財布です。おおらかな曲線のフラップ付きポケットが特徴的で、革色毎に異なるステッチ色を効かせる事によって親しみやすいカジュアル感を演出しています。L字型に開くファスナーは最近良く見かけますが、こちらはL以上に大きく開く「J」の形。お札とカードの出し入れが非常にしやすいですよ。
※NAVYは現在欠品中ですが、9月初旬に再入荷予定です。
次にご登場頂くのは、PATRICK STEPHAN(パトリック ステファン)の女性スタッフUさんです。フランス人デザイナーのPATRICKと、素材の風合いや表情を感じ取り、扱いを研究し続ける日本の卓越したものづくりの技術が出会うことで生まれるレザーブランドを展開しています。
Uさんも職業柄、これまでも数多くのお財布を使ってきた確かな目の持ち主です。
レザー三つ折り財布 cartable/PATRICK STEPHAN
コインケース、カードスロット×6、札入れ×1 が備わっています。
収納力と、きちんと仕分けが出来るのが良いですね。私はカード払いが多く現金も最低限持ち歩くだけなので、このお財布の前はもっと小さい、ポーチをお財布として使っていたのですがそれには仕切りがなく、やはり使い勝手の面で難ありで。そこで、小さいけれどそれぞれの定位置があるこのお財布に変えたのです。
よく使うカード2枚は①の一番左のポケットに一緒に入れて、②その隣のポケットにはポイントカード、③には普段は何も入れていません。③は、その日に行く場所によって必要なカードが出てきたら入れて出掛ける、という感じです。コインケースのほうにもカード入れが2箇所あるのですが、こちらはいま使わずに済んでいます。余白があるのが良いですね。
お財布に対する我慢ポイントという訳ではないのですが、出掛ける場所によって必要なカード類が変わることがあるため、行き先が決まっていない時にカード類をまとめた別のカードケースも持ち歩く必要が出てくるところでしょうか。その他の我慢ポイントや使い勝手の面で不便と感じているところはないですね。
PATRICK STEPHANのお財布を使ってみる、という面でこれからもお財布は短いスパンで変わるのかと思いますが、それでもコンパクト財布の快適さや、不要なものは持ち歩かないことの快適さは実感しているので、私自身は大きいお財布には戻れないのではないかと感じます。とはいえ世の中に長財布の需要は確実にありますし、否定している訳でもないです。何を快適と感じるかは人それぞれなので、それぞれに合ったものをブランドとしても提案していきたいと思います。
使用しているシープスキンは手に吸い付くようなしっとりとした素材。比較的エイジングも早く、使用2ヶ月半で美しく変化しています。
【登場したレザー三つ折り財布 cartable】
コンパクト財布の場合、「小さく、機能的」であることが最優先になるのでお財布のかわいらしさや装飾性が置き去りにされることが多く感じるのですが、この「レザー三つ折り財布 cartable」は差し込み式の錠がデザインのポイントになっています。 カラーは、ブラックとグレーの2種類をご用意しています。
次に登場してもらうのは、ZUTTOの商品セレクトを担当するスタッフS。レザー小物、ウェア類など仕事柄、日々様々なジャンルのものに触れています。もちろんお財布もこれまで数多のものを吟味してきたスタッフSが愛用しているのは、なんとお財布ではなく「キーケース」でした。
はい、アイテム本来の用途としてはキーケースです(笑)ただ、フックがついているタイプのものではなく鍵の束を中に仕舞い込めるポーチタイプで、収納部も2箇所あるのでコンパクトなお財布としても使えるんですよ。
そもそも私がお財布をコンパクトなものに変えようと思ったきっかけが、交通系ICカードも兼ねたクレジットカードをスマホケースに入れるようになって、外でのお会計のほとんどをカード類で済ませるようになったためにお財布を持って出掛けるのを忘れてしまうことが増えたからなんです。やはり現金が必要な場面はありますし、お財布を忘れてしまうのをどうにかしたいなと思っていた時に、「鍵と一緒にしておけば忘れることはない!」と気が付いたのです。鍵は自宅を出る時に必ず持って出ますし、鍵とお財布を一体化出来るものといえば、ポーチ式のキーケースが一番だと思って。
もちろん、忘れなくなりましたよ!このキーケースとスマホだけ持っておけば問題ないですし、もともと身軽に出かけたい派なので荷物の量へのストレスもなくなりました。
前面のスナップボタンのポケットにはキャッシュカードと保険証の合計2枚のカードを入れています。2枚だとかなり余裕があるので、あと3枚は入れられそうです。
ファスナーのメインポケットには、四つ折りにしたお札と小銭を一緒に入れています。お札は10枚くらいは入りますが、一枚一枚折って入れないといざ必要な時にもたついてしまいますね。
鍵はいま1本しか持ち歩くことがないので自宅の鍵をキーリングにつけて、常に外側に出しています。鍵は複数あるとジャラジャラとうるさいので、2−3本が限度かと思います。
最初はあったのですが、慣れてしまいました。現金は、ICカードやクレジットカードが使えない場合にのみ取り出すくらいなのでさほど手間には感じていません。ただ、見て頂くと分かるようにファスナーの金具部分で取り出し口の一辺全てが開く訳ではないので、お札の出し入れで引っかかることはありますね。
私はこのキーケースを日々のお財布として使っていますが、普段はキーケースとして使って、週末のコンパクトバッグ用のセカンド財布として、使い分けるのも良いと思いますよ!
【登場したキーケース】
ミニマル・シンプルなデザインでより多くの機能性を持たせることを得意とする日本のバッグ・小物ブランドのSTANDARD SUPPLY(スタンダードサプライ)。
中でもこのPAL(パル)シリーズはカラーバリエーションが豊富で、今回ご紹介したブラック以外にもピンク、レッド、イエローなどポップな色も揃っています。素材はイタリアのナッパレザーを採用し、使いはじめから手に馴染むソフトな風合いが特徴です。カラフルな色でありながらも、奥行きや透明感があるレザーで、その名の通りいつもそばにいてくれるPAL(友達)のような存在になってくれます。
キーケース以外にも、一回り大きいFLAP WALLETや、長財布のLONG FLAP WALLETもご用意しています。
続いては、よみもの編集担当かつ別注商品の企画を行うスタッフM。愛用中のコンパクト財布はREN(レン)の「SOLUM ミニウォレット」。三つ折りされたお財布の上のコインポケットがついた仕様で、カード類はお札の後ろに縦に差し込むようになっています。使いはじめてまだ3ヶ月だというこのお財布、使い方を聞いてみましょう。
実はこの前のお財布は、長財布を使っていたんです。元々ずっと二つ折りのお財布を使っていて、前回初めて長財布に変えたのですが、変えてみてすぐに私には大きすぎると感じていました。沢山あるポケットは、不要なポイントカードの温床になってしまうことも嫌でしたし、何よりバッグの中でお財布の存在感がすごかった。でもレザーやデザイン自体は好きだったので数年使っていたんです。
それが数ヶ月前、REN(レン)さんの展示会に伺った際にこのSOLUM ミニウォレットを改めて手に取って、「これくらいのコンパクトさでもいけるのでは?」と思ったのがきっかけです。ZUTTOでは2017年の末からご紹介している人気商品ですが、自分が使うとなると何を入れよう?と考えはじめたら一気に心がこのお財布に傾いていきました。
カード類ですね。お財布に携帯しておきたい「免許証・保険証・クレジットカード・キャッシュカード・セキュリティカード」の合計5枚まで減らしました。元々ポイントカードをそんなに持つタイプではないのですが、よく行くスーパーやドラッグストアのポイントカードは、よくよく調べてみるとアプリがあったのでそちらに変えました。意外とアプリ化しているところは多いみたいなので、ダメ元で調べてみたら実は、ということがあるかもしれませんよ。
そこなんです!私も、商品ページの画像で見る限りはカードは4枚しか入れられないかと思っていたのですが、1箇所に2枚入れられたのです。なので、お札の後ろにあるカードスロット3箇所に計6枚入ります。私は結局カード類を5枚まで減らしたので、まだ入れられます。
コインケースの後ろにもカードが1枚入るのですが、入れてみたらカードの頭が少しはみ出るのが気になって、ここには今何も入れていません。本当に必要になったらまだ多少なりとも入れられる余裕が残されているので安心ですね。
私は、上で紹介しているスタッフSほど支払いは「カード主義」ではないので、現金もカードも半々くらいで使います。なので、コインケースの容量は多少なりとも心配でした。
スナップボタンを外して開くとボックス型に四方が立ち上がるタイプで、小銭を探しやすそうだなと思う反面、小銭が増えてしまったら閉まらなくなるのでは、という懸念があったのです。
でも実際に使ってみると、パンパンになるほどの小銭の量には一度もなっていません。小銭を最小限でもらうように出す金額を考える、ということをしている訳でもなくて、単に通常お財布に入っている量の小銭は余裕で入るくらいの容量がある、ということなのだと思います。小さく見えるのですが意外にも入る、ということかと。
いいですね!私が購入前に不安に思っていたことは少なからず皆さんも感じるであろうことなので、それが払拭出来るなら嬉しいです。
左:コインケース空の状態、右:小銭25枚を収納した状態
パンパンの状態で、でもスナップボタンが閉まる小銭の枚数は【25枚】ですね。500円2枚・100円15枚・50円1枚・10円1枚・5円1枚・1円5枚の合計2570円分を小銭で入れることが出来ました。
この状態ですとコインケースの形もかなり変わってしまっているので、おすすめはしない量ですが入れることは出来ます。実際にこの量の小銭になることはないと思いますので、通常使う量としては問題のないコインケースの容量だと言えますね。
(ちなみに、お札は10枚入れても問題なく閉まりました。)
全くありません!使いやすくて、お財布を変えて良かったと思っています。皆さんそうでしょうが出来るだけ荷物も少なく軽く外出したいので、平日も休日も入れ替える必要なくこのお財布一つで過ごせています。これから先また変わっていくのでしょうが、今の自分に最適なものを追求したところたどり着いたお財布と言えます。
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異なる4名のコンパクト財布の実際の愛用シーンをご覧頂きました。コンパクト財布に変えた理由や使い方はそれぞれ違いますが、共通しているのは今の自分の暮らし方に合うものを模索しているということ。お財布はついつい、長年使っている形やサイズを使いやすいと思ってしまいがちで、買い換える時も他の選択肢を入れない場合が多いように思います。ですがそのタイミングで一度お財布の中身を見直し、不要なものはないか、効率化出来る点はないか考えることで、新しい選択肢が見えてくることもあるはずです。
支払い方法の多様化により選択肢が増えていく中、心地良い・使いやすいと思うものを探していくことが大事ですが、このよみものがその参考になれば嬉しいです。
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