ほわほわと上がる蒸気に、ほんのり漂う木の良い香り。
そしてそのまま食卓に出せる手軽さと、立派に料理をした感じ。
せいろ(蒸篭)を使ったお料理を想像するとどれも美味しく幸せなイメージがありますが、実際に食生活に取り入れてみようと思うと、どう選べばいいのか、木なので扱い方が難しいのではないか、そしてお手入れはどうすれば?と色々と心配な点も。
そこで今回は、「はじめての中華せいろ、どう使う?」と題して、中華せいろについてご説明していきます。
電子レンジではなく、せいろを使って蒸したくなるのは、せいろならではの良さがあるからです。
・野菜を蒸すと味・甘みが増す
・野菜が水っぽくならず、冷めても美味しい
・茹で野菜と違い栄養価が溶け出さないのでヘルシー
・お肉は余分な脂が落ちて、脂っぽさやカロリーが抑えられる
・蓋を開けた時の木の香りが食欲をそそる
・食材をセットして蒸すだけなので簡単
・食卓にそのまま出せる手軽さ
お肉やお魚のメイン料理から、野菜蒸しやおこわなどのサブ料理作りにも使え、かつ冷凍のパン(バターロール・カンパーニュなど)の温めにも活躍します。また、肉まんは電子レンジでは皮が固くなってしまいますが、せいろを使う少しの手間で全体的にふわふわと美味しく仕上がりますよ。
中華せいろの素材として代表的なのは竹・杉・そしてひのきです。素材が異なっても、使い方や蒸し具合は同じなのですが、耐久性や香りの違いがあります。
竹:香りが弱いので、木の香りを食材に移したくない方におすすめ
杉:杉の良い香りがするので、木の香りが好きな方におすすめ
ひのき(ZUTTO取扱有):木目が細かく丈夫で、長くお使い頂けます。蒸すとほのかにひのきの香りがします。
せいろはサイズが様々あり、ZUTTOでは15cmと21cmをご用意しています。
15cmは1人〜2人分、21cmは3〜4人分、というサイズ感です。4人以上ですと24cmがおすすめ。
サブ料理に使うなら15cm、メイン料理に多く使うなら21cm、という選び方も出来ますね。
※山一(やまいち)ひのき中華せいろ21cmを使用
せいろを使った料理のためには、せいろだけでなく蒸すための鍋が必要です。ふち部分が一段下がり、せいろをぴたっと固定させることが出来るせいろ用の鍋もありますが、もちろん通常の鍋でも代用可能です。
その場合、注ぎ口があるお鍋はNGで、鍋のふち幅が広いほうがせいろが安定するので安心ですね。
また、鍋の口径がせいろとぴったり合わないと上手に蒸せないので、お持ちの鍋とせいろの直径が合わない場合は、蒸し板の活用をおすすめします。ZUTTOではお取り扱いがありませんが、鍋とせいろの間に置く金属製の板で、せいろを安定して鍋の上にセットすることが出来ます。また、蒸し板を挟むことでせいろの焦げも防げますよ。
せいろ用の鍋を使うと、せいろが鍋の内側に入るので火があたらず焦げる心配が少なくなります。せいろ用の鍋はZUTTOではご紹介がありませんが、山一では15cm・21cmのせいろに合うものがございます。
それでは、実際にせいろを使ってみましょう。
すでにお持ちの方も、使う時の扱い方でせいろを長持ちさせることが出来るので、ぜひおさらいしてくださいね。
1.使用前にせいろを水に濡らす
山一(やまいち)が推奨しているのは、使用前に15分ほど水に漬けること。素材内部にも水を染み込ませ、せいろが焦げてしまわないようにします。
時間がない場合でも、蓋も含め全体的に水に濡らしてから使うことがポイントです。
2.せいろに食材を入れる
食材を入れる際のポイントですが、
・くっつき防止にクッキングシートやレタス・白菜などの葉もの野菜を敷く
・お米などの小さい材料は、蒸し布やふきんで包んで
・器を入れて蒸すなら、取り出しやすいよう下にふきんを入れておく
せいろに食材を直接載せないことで、食材のくっつきや匂い、脂シミなどを防ぐことが出来るので、長く使うことが出来ます。
※蒸している際、蓋の内側から食材に水滴が垂れる場合があります。仕上がりが水っぽくならないよう、蓋に蒸し布を巻くと防ぐことが出来ますよ。
3.お湯を沸かした鍋に、食材をセットしたせいろを載せる
湯気が熱いので、必ず鍋つかみでせいろを持ってセットしてくださいね。
4.ふたから蒸気が上がる火加減で蒸す
5.食材によって調理時間は異なるので、ふたを開けて蒸し加減をチェックしてください。
今回作ってみたのは、野菜蒸しとシュウマイです。
せいろ料理を作ってみてまず思うことは、本当に簡単でハードルが低いこと。食材を入れて蒸している間は他のおかずを作れますし、時間さえタイマーでセットしておけば火加減を気にする必要もありません。
また、やはりせいろの香りは料理の時間も楽しくしてくれます。蒸している段階で既にひのきの良い香りがしてきて、思わずクンクンとかいでしまうほど。蒸し上がって蓋を開けると立ち込める湯気の良い香り!食材のにおいはもちろん、食べる時にもほのかに感じるひのきの良い香りは格別です。アツアツのうちに食べたいので、蒸し上がる前に食卓の準備は済ませておいて、蒸しものが出来たらすぐに頂けるようにしておくのも、美味しさのポイントですね。
上のお料理で使っているのは、山一(やまいち)のひのき中華せいろ21cmです。
すべてが職人の手作業で作られている山一(やまいち)のひのき中華せいろ。木曽ひのきの薄い板を煮て柔らかくし、木製ローラーを使うことでせいろの形に曲げていきます。丁寧に曲げられた大きさの異なる板を重ねることで丈夫なせいろが完成するのです。国産の上質な木曽ひのきを何重にも重ねることで出来上がったひのき中華せいろは、耐久性に非常に優れており、蒸し料理の力強い味方です。
また、山一(やまいち)のせいろは蓋と本体が重なる部分に切り込みがなく、上にぽんと置くだけの仕様。この場合は高さが出るので、茶碗蒸しや高さのある器を使った蒸し物もしやすいですよ。
蓋と容器のセットだけでなく、容器のみの単体でも販売していますので、二段、三段と重ねて使えば一度に何品もおかずが出来て便利です。驚くことに、三段までなら蒸気の量にさほど差がなく出来上がるそうですが、根菜など火の通りが遅い食材は一番下にして蒸してくださいね。
蓋には二層の竹網代編みが施されており、余分な蒸気を程よく逃し、水滴が食材に落ちることを防ぎます。その上、蓋がせいろ全体の水分量を調節してくれるので、食材をムラなく低温でじんわり蒸すことが出来るのです。
山一(やまいち)は今もなお高樹齢の大木が生い茂る信州木曽の土地で、良質木材「ひのき」「さわら」などを素材とする木製品を生み出しています。木であると嬉しいモノ、木でしか出来ない仕事をするモノを追い求めて、せいろやまな板などのキッチン用品や、湯おけなどのバス用品を展開しています。
せいろは塗装などされていないので、使用後のお手入れによって長く使えるかどうかが変わります。
・洗剤で洗わず、水とたわしで
せいろ使用後は、たわしやブラシを使ってくっついてしまった食材や脂シミを落としてください。洗剤の成分が浸透してしまうので、食器用洗剤は使わずに。代わりに塩で洗うのもおすすめです。
・乾燥は、風通しの良い場所でしっかり
出来れば外に出し、何かに立てかけるようにして乾かしたり、洗濯物干しラックの上に置くなどして、上下左右から風が通るようにしてください。その際、直射日光に当たらないようにお気をつけください。(直射日光にあたってしまうと乾燥しすぎでひび割れやがたつきの原因になります。)
・保管も風通しを気にして
完全に乾いたら、高温多湿にならない場所で保管してください。仕舞い込まずに出しておくのがベストですが、棚などで保管する場合も、ビニール袋には入れないでくださいね。
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