さんま、栗、さつまいも、きのこ。美味しい秋の味覚のそばにあるのは、白いご飯です。美味しい食材には美味しいご飯が欲しい。いつも炊飯器で何となく炊いているご飯がもっと美味しく食べられるなら土鍋に挑戦してみたい・・・そんな思いを抱いたことがある方も多いのではないでしょうか。でも調べれば調べるほど自分ではなかなか続けられそうになくて、結局断念してしまったり、少しハードルが高い印象です。例えばこんな懸念点。
・火を使うから、うっかり目を離せない。
・鍋が大きくて取り扱いが難しい。大きな鍋だと小まめに炊けなくて不便。
・美味しく炊くには火加減などの微妙なコツが不可欠で難しそう。
ちょっとのことでも、毎日の生活の中に取り入れるのは少し腰が引けてしまうと感じますよね。そんな今回ご紹介するのは電子レンジで気軽に本格的なご飯を楽しめるご飯釜。料理もずっと気を張っていると疲れてしまうから、ちょっと手抜きもしながら美味しいご飯を炊きたい、そんな方におすすめのアイテムです。
今回取り上げるのは、萬古焼(ばんこやき)の産地として有名な三重県のTOJIKI TONYAという陶磁器ブランドのご飯釜。オールブラック、オールホワイトのモダンで洗練された見た目ながら、素材本来の美味しさを引き出してくれる調理器具です。ZUTTOのスタッフも気に入って愛用しているというこのぽってりフォルムのご飯釜、早速見ていくことにしましょう。
なんでレンジで土鍋ご飯が作れるの?
TOJIKI TONYAのご飯釜がレンジでご飯を炊ける理由は、釜の本体を加熱させるために内側に電子レンジから発されるマイクロ波に反応して高温になる釉薬を施しているから。この独自の工夫により、直火で炊いたご飯と同じ甘みが出る仕組みになっています。
釜自体はすべすべした耐熱陶器。大きく幅をとってしまうこともなく、インテリアにも調和しやすいシンプルでモダンなデザインです。まずは、電子レンジでご飯を炊いてみることにしましょう。
電子レンジで土窯ご飯を炊いてみる
◇白米の炊き方
材料・・・白米、水
白米と水の分量は普段通り。一合(180cc)につき水200ccが必要です。
炊飯器や鍋で炊くように、まずはお米を洗っていきます。(無洗米の場合は省いてください。)その後、十分にお米に水分を吸収させるために白濁するまでご飯を浸けておきます。夏場なら30分〜1時間、冬場なら1〜2時間程度。この工程が、芯のないふっくらつやつやしたご飯に不可欠なのです。今回は外蓋を被せて1時間置きます。
十分に浸水させたら、内蓋、外蓋と被せて、電子レンジ庫内に入れます。
炊き時間の目安は【500ワット】で、一合12分、二合14分。じっくり加熱していくと、釜内が高温になり、蓋がカタカタといい始めます。まれに二合炊きで噴きこぼれることがあるので、気になる場合は10分加熱した後、2分放置して、再度5分加熱してみてください。
そして、レンジの加熱が終わったら、そのまま20分蒸らすこと。これで完成です。
開けてみるとふわっとあま〜いお米の香りが広がります。炊飯器で炊いた時と比べて、お米一粒一粒が立ち上がるようにふっくら!
じっと見ていたくなりますが、杓文字で混ぜ合わせて余分な水分を飛ばして完成です。美味しくお召し上がりください。
食べてみた感想としては、「ご飯が一粒一粒しっかりしていて、とっても美味しい!」ということでした。余ったご飯は冷蔵庫に入れたり、冷凍しても、温め直した時にべちゃっとしないのに感動しました。釜の中を高温にして、じっくり炊いたからこその美味しさです。
さて、ご飯釜で美味しくご飯を炊くために必要なポイントはこちらです。実は最初に炊く時に見落として失敗する方も多い部分ですが、シンプルな工程なので何度か炊くと体が覚えますよ。お好みで水の量や炊く時間をプラスしても良いです。
!!ポイント!!
・お米は完全に白濁するまで水に浸しておくこと
・レンジにかけた後は20分蒸らす
なんでレンジで美味しく炊けるの?
一般的に販売されているレンジで炊けるご飯調理器がなんだか味気なかったり、硬くなってしまうのには理由があります。それは【電子レンジでは温度上昇に限界がある】ことが原因です。十分に加熱できないために、お米に芯が残ってしまったり、お米のでんぷん質を甘みのある美味しい状態にできないのです。このご飯釜では、釜内の温度を100度以上に保つことが出来、お米の芯が抜けたふっくらとした甘いご飯を炊けます。先ほど見たように、二重蓋構造になっているので、程よく圧力がかかり、ふんわりもっちりしたご飯が炊きあがるのです。
使い方その1:おひつとして
白いご飯を、美味しく炊ける。実は、このご飯釜はそれだけではありません。炊いたご飯は「おひつ」としてそのまま冷蔵庫に入れてもOKです。
(釜は十分に冷ましてから入れてくださいね)
更に、再加熱も入れたままできるので、洗い物も少なくて済みます。少量を小まめに炊けるアイテムなので、朝の忙しい時間にも、レンジで気軽に炊いて、残ったご飯は釜に入れたまま冷蔵庫に保管、夜帰ってきてすぐ加熱できます。(しかも釜で加熱するのでふっくら美味しく温められます。)炊飯ジャーの保温機能を使うとご飯が劣化してしまいますが、このご飯釜があれば、少量ずつ炊いて、余ったら冷蔵庫で保管→レンジで加熱できますよ。
使い方その2:蒸し器として
レンジで簡単蒸し器としての使い方も可能です。余ったお野菜を蒸して、ヘルシーに。さつまいもやかぼちゃも水を入れてチンするだけで簡単に蒸せます。ポテトサラダやスイートポテトなどのお菓子作りの時短にもぴったりです。
使い方その3:陶器のお鍋として
レンジも直火もOKなので、陶器のお鍋としても使い方ももちろん可能です。メイン料理の調理も可能で、レンジでミートローフ、肉じゃが、ロールキャベツなど、このご飯釜一つで作ることが可能です。
実はメインディッシュやパンを焼いたりもできるこのご飯釜。簡単で美味しく、秋にぴったりの食材を使った、応用編です。
秋の味覚を存分に楽しむ、手軽な蒸かし芋
さつまいもを切って、水に浸けてレンジに入れるだけで、ふっくらあま〜い蒸かし芋が簡単にできます。
◇蒸かし芋の作り方
材料・・・さつまいも(中サイズ)2本、水(半カップ)
用意するもの・・・耐熱小皿
さつまいもは洗って2〜3等分に切り、ご飯釜の底に小皿を裏返して引いた上に置きます。ゆっくりと水を加え、準備完了。電子レンジで【500ワット、13分加熱、5〜10分蒸らし】で出来上がりです。お芋の太さや大きさで時間調整が必要な時がありますが、しっかり蒸すことができました!お子さんのちょっとしたおやつにもぴったりですね。
秋の味覚を入れるだけ。炊き込み御飯
付属のレシピを元に、炊き込み御飯を作ってみました。
◇鶏と舞茸の炊き込み御飯の作り方
材料・・・白米一合、水180cc、鶏もも肉120g、舞茸適量、めんつゆ小さじ2、醤油小さじ2、みりん小さじ2、砂糖小さじ1/2
きのこと鶏肉の炊き込み御飯。具材を入れてチンするだけ。
お米は洗って水に浸しておきます。具材は鶏肉を1cm角に切り、舞茸はお好みの大きさにカットします。鶏肉は醤油・みりん・砂糖に浸しておきます。この浸し終わった後の汁とめんつゆを釜の中に入れて、米と混ぜ合わせ、その後具材を乗せてレンジに入れます。(500ワットで15分、蒸らし20分)中身を混ぜ合わせて余分な水分を飛ばしたら完成です。
さて、アレンジをしながら様々な暮らしにフィットするご飯釜ですが、手に入れる前にどんな風に使うか、注意事項などを知っておけば更に安心です。
どんな使い方ができる?
一人暮らしの方には、メインの炊飯で使うのがおすすめ。例えば夜ご飯でご飯が食べたくなった時にメイン料理を作っている最中にささっとレンジでご飯を炊いてしまえます。レンジを使っている時間も10分ちょっとなので、お料理の邪魔になることはありませんし、いつでも炊きたてのご飯を少量ずつ作れます。
家族がいるお家には、ご飯が足りなかった時の炊き足しに使えます。食べ盛りのお子さんが多いお家で、カレー用のご飯が少し足りなくなってしまった・・そんな時に便利です。更に、水分量を調整できるので、柔らかめのご飯が好みの方や高齢のご家族がいる方、風邪を引いた時にも使えます。贈り物にもぴったりで、結婚祝いや引っ越し祝い、内祝いに選ぶ方も多い品です。
黒と白、どっちを選ぶ?
モダンな黒と白のカラー展開でご紹介していますが、人気は圧倒的に「黒」です。汚れが目立ちにくく、更に火にかけても焦付きが目立ちにくいのも人気の理由かもしれません。炊飯器に多いホワイトではなく、ブラックでシックな重厚感が感じられるのも特徴です。しかし、今回愛用しているスタッフが選び取ったのは「白」でした。その理由を聞いてみると、「家が木を基調としたナチュラルカラーなので、黒の重厚感よりも白の可愛らしい感じが合っていると感じた」「火にかけると確かに少し焦げつくが、すぐに真っ黒になってしまうことはないので、経年変化として受け止めて更に愛着が湧く」のだとか。暮らしに合う、デザインを選んでくださいね。
二合炊きだと吹きこぼれがある?
今回のご飯釜は、二合まで炊ける仕様ですが、レンジや環境状況によって吹きこぼれが発生することがあります。ただし、釜の内部を高温にして炊く釜や土鍋炊きご飯では避けては通れない点で、それだけ高温で炊けるというのは美味しくご飯を炊くために良いことなのです。それでも、拭き上げは面倒ですよね。そんな時は、10分炊いた後に一旦レンジを止めて(2分ほど)、再加熱してみると良いです。尚、一合炊きだと今まで吹きこぼれたことはないようです。(スタッフ談)
その他注意点は?
コンパクトなデザインですが、電子レンジのサイズによっては中に入らないことがあります。高さは12cmほどなので、念のためご確認ください。
今回ご紹介したTOJIKI TONYAのご飯釜 二合炊。忙しい毎日でも「食」を大切にすることで、豊かな気持ちを思い出させてくれる気がします。外で嫌なことがあってもグツグツと煮込み料理すると息抜きになったり、狂いない細さのみじん切りに集中していたら失敗したことを忘れていたり、ほっくほくの炊きたてのご飯を口に入れるとじわっと甘みが広がって、つい顔がほころんでしまったり。そんな毎日の一シーンに、このご飯釜を登場させてみてください。
▽今回ご紹介したアイテム「ご飯釜 二合炊」