寒い冬の日を凌ぐためにセーターは必須ですが、毎日セーターを着ていると、いつも同じようなコーディネートになってしまいがち。また、ウールのセーターは摩擦によりどうしても毛玉が出来たり、ホコリが付きやすかったりと、ネガティブな面もあります。そんなセーターの代わりになるものは?また、春になっても使えるウェアとは?ご提案したいのが、ジャージー素材です。ジャージー素材ならではの特徴と、おすすめの装いをご紹介します。
「ジャージー」と聞いて思い浮かぶのはスポーツウェアという方が多いのではないでしょうか。伸縮性があり、運動しても破れにくく、厚めの生地。まさにそれがジャージーの特徴でもあります。
ジャージーとはメリヤス編みのニットの総称で、一枚の反物を裁断して縫製して作られています。もともとイギリスのジャージー島で漁業を営む人のために作られていたニットだったことから、この名が付いたのだとか。ジャージーには、見た目にも非常にシンプルなメリヤス編みから、横によく伸びるリブ編み、両面編みのインターロックと様々な種類の編み地が属しています。
身頃と袖など、パーツごとに裁断、縫製して出来上がる過程はカットソーとも同じですね。
スポーツウェアのジャージーを想像すると分かる通り、フィット感を感じられるジャージー特有の着心地の良さは近年、多くのウェアにも取り入れられてきました。ジャージーウェアの中では、ぎゅっと糸の密度を高くし、極厚な生地とすることで保温性を高めているものもあり、気温の低い冬の日にセーターの代わりに選べば、暖かさを十分に感じることが出来ます。一方、素材にコットンなどを選ぶと、春先までも着続けられる便利なウェアに。生地の密度や使われている素材によって、柔軟に季節に対応するウェアなのです。
中綿を詰めることで、さらに保温性を増したジャージーも。
では、ジャージーの服にはどんなものがあるのか、どう取り入れるべきか、詳しく見ていきます。今回は4つの異なるトップスをピックアップしました。
smoothday(スムースデイ)のUNISEX カットオフプルオーバーはウール100%で作られたもの。フェルト地になっており、すっきりとした印象になっています。程よいメリハリがあり、品の良さを感じる仕上がりで、綺麗めやモード感のあるスタイルにおすすめ。トップスのシルエットを活かして、細身のパンツと合わせたり、光沢感のあるアクセサリーや靴、バッグといった女性らしい小物を加えるとバランス良くまとまります。
トップス:UNISEX カットオフプルオーバー(TOP GRAY)
ブレスレット:スターリングシルバー バングル WIDE SBW14
細身のデニムとシンプルなヒール靴を選んで全身をすっきりとまとめたコーディネートがこちら。UNISEX カットオフプルオーバーは袖をやや長めに取っているので、無造作にたくし上げて手首のラインを見せても素敵。シルバーバングルとレザーのパンプスが高級感を高めておしゃれに決まります。アウターにはロングコートに選んでも素敵です。
HAVERSACK(ハバーサック)のキルティングトップもまた、ジャージーウェア。ジャージーのウール生地の中に中綿を詰めることで、さらに保温性を増したウェアになっています。
ダウンコートをイメージすると分かる通り、中綿を詰めるとどうしてもボリュームがアップしてしまいますが、表面にヘリンボーン柄のキルティングステッチを施し、袖に切り替えを施すことでボリュームを抑え、暖かさとファッション性を両立できるようになっています。表面にはさりげない微光沢があり、カジュアルになりすぎない上品な仕上がり。
トップス:キルティングトップ(BLACK)
シューズ:スニーカー Tennis leather White
キルティングトップはゆったりとしたサイズ感でありながら、丈が長すぎないのでルーズな印象にならないのが良いところ。重ね着もしやすいので、例えばトップスと真逆の色のシャツを持ってきて、襟元や袖口、裾から少し見せるとおしゃれ。また、丈が長すぎないという特徴はワイドパンツなどボリュームのあるボトムスを履いたときにもバランスを取りやすいという利点があります。一着でも十分暖かいですし、重ね着も挑戦しやすいキルティングトップです。
FilMelange(フィルメランジェ)のウール ガゼット付きプルオーバーは胸元のV字に入ったガゼットがポイントのジャージーウェア。肉厚なウール生地はぎゅっと目が詰まっており抜群の暖かさと柔軟性があります。ついボリュームアップしがちなジャージーウェアですが、ウール ガゼット付きプルオーバーは袖口にリブ素材のフィンガーホールが付いており、裾にはドローコードを加えることで好みの具合に絞れるようになっています。
素材がウールになることで、いわゆるカジュアルな「ジャージ感」だけでなく上質な印象を受ける装いになります。また、毛玉が付きやすいセーターにお悩みの方にもぜひおすすめしたい一着。シルエットを好みに合わせて変えられるので、はじめてジャージーウェアのコーディネートに挑戦してみようという方に手に取って頂きたいトップスです。
シューズ:ショートブーツ AGIO30 LEATHER BLACK
程よくボリュームを抑えたジャージートップスは、ティアードスカートのように横に広がるボトムスにも合わせやすい特性があります。トップスと足元の色を合わせれば、ちぐはぐな印象にならず、差し色を取り入れやすい装いに。ウール ガゼット付きプルオーバーはカジュアルなボトムスにも、きちんとした清楚な印象のボトムスにも合わせやすいので、セーター代わりの定番として重宝します。
そして最後にご紹介するsmoothday(スムースデイ)のUNISEX 裏毛プルオーバーは先にご紹介したUNISEX カットオフプルオーバーと同じ形ですが、素材はコットンで、裏地はもこもことした裏毛仕様になっています。肩から裾にかけて立体感のある形で、裾の後ろ側はゴムが入っていることで、前・横・後ろから見た姿がどれも少しずつ異なるのが特徴です。
UNISEX 裏毛プルオーバーはボリューミーでありながら軽量な作りで、もこもことした着心地が暖かく身を包んでくれます。それでいて、コットン製なので春にかけて着られるアイテムになっています。
トップス:UNISEX 裏毛プルオーバー(TOP GRAY)
スカート:【別注】RELAX DENIMスカート CHARCOAL HEATHER
シューズ:ショートブーツ TEXAS19 LEATHER TAUPE
モデル身長:158cm(以下すべて同じ)
UNISEX 裏毛プルオーバーは細身の男性でも着られるように、ゆったりとしてボリュームもありますが、着るだけでバランスが取れるパターンになっているので意外とボトムを選ばないという良さがあります。例えばひざ下のタイトスカートと、ヒールの付いたショートブーツと合わせれば、全身のスタイルを維持しながら女性らしくまとめることが出来ます。さらに差し色の帽子を合わせれば、目線を上げる効果も生まれます。アウターにはダウンベストを合わせても良いですね。
・コットンやウール100%のジャージートップスは毛足の長いセーターや化学繊維のものに比べると、毛玉が出来にくいですが、袖の裏側や身頃のサイドなどは、繰り返し摩擦が生じるとどうしても毛足が生じます。そのため基本的に洋服ブラシでのブラッシングをおすすめするとともに、大きくなってしまった毛玉は糸切りバサミで丁寧にカットしてください。
・お洗濯は各製品の洗濯表示に従って行ってください。
ご紹介したブランド
▽ユニセックスで重宝する、ウェアの数々。smoothday(スムースデイ)
▽キルティングの刺繍まで美しい、HAVERSACK(ハバーサック)
▽着やすさは細部のこだわりから。FilMelange(フィルメランジェ)