何気ない仕草で目が行く手元。そこへその人の雰囲気にぴったりな腕時計があったなら、自分に似合うモノを知っているのだな、と感心に近いような気持ちになるものです。ただちょっとお値段が張る腕時計は、簡単には手を出しづらいというのも本音。だからこそ、家事や仕事、育児など、日々の暮らしを頑張る自分へ贈る、とっておきのご褒美として選ぶのも手です。
オンラインショップで腕時計を選ぶとなると、画像で見る見た目だけでなく、細かな仕様やサイズ感も気になりますね。そこで今回は女性向けの腕時計の選び方をご紹介。実際に腕時計を探しているZUTTOのスタッフと一緒に様々な腕時計を見ながら、自分に似合う一本を見つけに行きませんか。
目をやるだけでパッと文字盤が浮かび上がる、デジタル時計も増えてきた現代。アラームが付いていたり、時計としてだけでない機能が付いていたり、腕時計そのものが進化していく様子が肌で感じられます。そうした機能性の高いデジタル時計の利便性も捨てがたいものですが、道具としての「時計」の作りが突き詰められたシンプルなアナログの腕時計には、今だからこそ感じる魅力があります。
腕時計 かさね 露草(つゆくさ)/はなもっこ
また、腕時計というくくりで言えば、まるでアクセサリーのように身につけられるというのも良さ。金属製のベルトのものはビジネスシーンにも似合いますし、クラシカルな革ベルトのものなら普段使いにもよそ行きにもなります。ブレスレットやリングとの組み合わせやすく、ひとつのアクセサリーとして楽しむことができるアイテムです。
ZUTTOで取り扱う腕時計ブランドは様々ある中で、今回は5種類をピックアップしました。
形からサイズ、ケースの色、ベルトの仕様。文字盤のデザインなど、細かな部分がまったく異なることに気がつきます。言い換えれば、それぞれの仕様には各ブランドのこだわりが隠されている部分でもあります。それぞれのブランドの歴史やものづくりの背景を少し見てみましょう。
二重巻ベルトのデザインが素敵なこちらの腕時計は、Churchill(チャーチル)という名とともに歴史的な背景を持っています。
1948年、第2次世界大戦にてナチス・ドイツの占領下におかれたパリの解放に尽力した、当時のイギリス首相、サー・ウィンストン・チャーチルに感謝の証としてフランス政府から贈られた時計、それがLIP(リップ)の「T18」シリーズです。「CHURCHILL T13」は、その「T18」をコアより女性向けにとサイズダウンしたモデルになります。
1910~30年代にパリを中心に栄えた装飾様式「アールデコ」の雰囲気を纏った時計は、エキセントリックな文字盤のデザインなどが特徴。現代の女性がブレスレット感覚で腕時計を身に着けられるような、華やかな印象です。
▲文字盤はホワイトでシンプルな印象を与え、ブレスレットの一部分であるかのようなタイトなフォルムのケース。
落ち着いたグレーのベルトも素敵ですが、心踊るのはやはりオレンジベルト。洋服はベーシックな色味で落ち着いてしまう、という方こそ腕時計などの小物で色を加えてみてください。例えシンプルなブラックニットにデニムの装いでも、手元にこの腕時計があれば洗練されたイメージを放ちます。
「岩紫雲」は、「アクセサリーのように愉しむ、腕時計」をテーマにはなもっこと製作した、ZUTTO別注品です。ベルトの色とフェイスの色の組み合わせを愉しむデザインですが、ディテールやベルト使いによりごちゃごちゃしない、全体的に大人にふさわしい逸品に仕上がりました。
発売開始依頼何度も追加発注をしている人気色です。
フェイスカラーの「岩紫雲」は、天然石、ソーダライトを砕いて作った岩絵具を使用しています。まるで刻一刻と変わる空の色を写したような、まだらな色合いが特徴。
はなもっこの「こないろ」シリーズは、腕時計のフェイスもベルトもコンパクトなので女性が身につけていて邪魔にならず、本当にアクセサリー感覚で着けられる一本です。華奢な手首を強調して、夏服でも冬服でも一年中そっと寄り添ってくれます。
大人カジュアルのちょうどいい腕時計ならばBREDA(ブレダ)。中でもスクエアタイプのESTHERは、ブランドがコンセプトとして掲げる「Timeless self-expression ~時を超えて、自分らしく~」を体現しているデザインです。
丸みを帯びたスクエアデザインは柔らかな印象を残しつつも、インデックスは繊細で直線的でスマート。「かっこいい、かわいい、男性らしい、女性らしい、中性的」と様々な形容詞がある中で、時とともに変わるそれらの気分丸ごと包み込んでくれるかのような振り幅で長く寄り添い、最終的には自分らしさとして結実する、そんな深さを感じるデザイン。
文字盤は、光の当たる角度で表情が変わるサンレイ文字盤を採用、ジャケットやシャツの袖口を邪魔しないスリムなケースで、手首をスッキリと。各パーツはシンプルなものを使いながらバランスを重視したトータルデザインで、袖口から覗かせて見せたくなる腕時計です。
メッシュベルトの腕時計は中性的なイメージやビジネスシーンのカチッとした雰囲気がありますが、フェイスサイズは30mmで思ったより小さめ。そしてROSE GOLDとYELLOW GOLDの色味が華やかでエレガント、良い意味で想像を覆してくれますよ。
そして何より、シンプルなのに「普通」ではない普遍的なデザインが素敵。20世紀で最も影響力のある建築家兼デザイナーの一人、アルネ・ヤコブセンが1939年に生み出した「ROMAN」デザインは元々はテーブルクロックのために作られましたが、その美しさからその後、ウォールクロックや腕時計としてもリデザインされています。
かっこよさの中にも上品な一面を垣間見られる一本で、大人の女性に身につけていただきたいです。
日本を代表するプロダクトデザイナー、渡辺リキがデザインした「リキ腕時計」は、よりカジュアルに楽しめる腕時計。こちらも、元々は壁掛け時計として生み出されたものですが、デザイン発表当時、渡辺リキさんは92歳だったというから驚きです。
細く伸びやかなインデックス(目盛り)と分針が精緻な印象を与え、アラビア数字は「ベルナール・タンゴ」という、細くて上品な印象だけれども芯があって視認性は抜群、という不思議なフォントです。
ALBA リキ腕時計 AKQK451は、ピンクゴールドのケースにホワイトの文字盤、ベージュのレザーストラップのシンプルな組み合わせ。ケース幅は35mmで、女性の腕には十分な存在感ですが、主張しすぎないのが良いところ。
腕時計の候補を選んだら、次は自分に合うサイズを考えていきます。まずは、自分自身のサイズから。実際に腕時計を着ける手首の直径がどのくらいあるのか、おおよそで良いので測ってみましょう。
糸など、手首にぐるりと巻けるものを使い、実際に腕時計を着ける場所に巻きつけて長さを測ります。長めにとった糸の端に輪を作り、そこへもう片方の糸を通すと測りやすいです。
腕時計を着ける位置はお好みですが、尺骨と呼ばれる手首の出っ張った骨よりやや上に着ける方が多いようです。スタッフの手首サイズはおよそ14cmでした。
続いて腕時計のサイズを見ていきます。確認するべきパーツは、文字盤を囲うケースの直径とベルト幅。ケース径が大きくなれば、必然的にベルト幅も太くなります。女性の場合、ケース径が26mm-32mm程度のものが多くあるので、この大きさをひとつの基準として考えるのがおすすめです。
ケースサイズが直径32mmを超えてくると、腕時計に目が行く存在感が生まれます。カジュアルに合わせたりメンズライクな服によく似合うサイズとも言えます。一方、ケースサイズが26mmより下回ってくると、ぐんと華奢なイメージに。ブレスレット感覚で身につけたいという方におすすめです。
▲ARNE JACOBSEN 腕時計 Watch BANKERSは、ケース直径3.4cm
それでは、先に挙げた5種類の腕時計の中からスタッフが実際に身につけてみます。同じ場所に着けてみると、サイズやデザインからそれぞれ異なる印象を受けるので、ぜひ時計選びの参考にしてください。
① 【別注】腕時計 こないろ 岩紫雲 レディース
ケースサイズ:直径約2.2cm
ベルト幅:約0.7cm
スタッフ手首サイズ:14cm
もっとも華奢な印象を受ける腕時計。革ベルトが柔らかくフィットし、サイズが小さい分、腕時計を着けているという感覚が薄く、ほとんど重たさを感じませんでした。
ケースサイズ2.2cmだと、腕時計のフェイスが手首の中にすっぽり収まって華奢なイメージになりますね。
② LIP 腕時計 Churchill T13
ケースサイズ:縦約2.8×横約1.3cm
ベルト幅:約0.8cm
スタッフ手首サイズ:14cm
時計のフェイス自体は小さいのですが、細長いスクエアタイプだということ、そして二重巻きのベルトが存在感を放ちます。小ぶりでありながら、洗練された手首のおしゃれをするのにぴったりの一本です。
③ ALBA リキ腕時計 AKQK451
ケースサイズ:直径約3.5cm
ベルト幅:約1.6cm
スタッフ手首サイズ:14cm
女性の手首だと、全面にフェイスが覆うので腕時計が際立つサイズ感。華奢な手首にあえて大きめを選ぶおしゃれを楽しめます。大きめサイズだとメンズものを無理やり着けているのかな?という印象を与えかねませんが、この腕時計はそのサイズの印象とは異なり、淡く優しい色合いなのでバランスも取れています。