この数年によるコンビニコーヒーの躍進は目を見張るものがあります。「コンビニでコーヒーが飲める」「安いコーヒーは不味い」という概念を覆したコンビニコーヒーは、職場や自宅で、気軽に淹れたての香り高いコーヒーが楽しめるようになってきました。その一方、外にいるときはとても便利だが、一律の味180mlに100〜200円払うのは、実は割高なのでは・・?と感じるようにもなってきました。コーヒー好きな人は、いろんなコーヒーショップに足を運び、そこで飲んだコーヒー豆を持ち帰り、自分の好みの味になるまで挽き方を変えたり、淹れ方を変えたりするようですし、そんな楽しみがあるのは素敵だななんて思ったりするものです。
昨年はなかなか時間が取れなかった方も、今年こそ新しい趣味を開拓しようと思っている方も、コーヒーで過ごす一年に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
自分に合うコーヒー器具というのは、どんなものなんでしょうか?
コーヒー器具を選ぶときに大切なのは、どんなコーヒーが好きか?というもの。普段コーヒーショップで飲むならドリップコーヒーが好きか、エスプレッソドリンクが好きか?どちらが良いでしょう。
3種類でコーヒーを入れ、スタッフに聞き取り調査したところ、このような結果になりました。
※スタッフによる私見です。
普段、コーヒーショップで本日のコーヒーやアメリカンを選ぶ方はすっきりとした爽やかな飲み心地のペーパードリップ式のコーヒー器具を。
ミルクたっぷりのカフェラテ、カプチーノ、エスプレッソを頼む方は直火エスプレッソマシン。
喫茶店で出てくるような濃いドリップコーヒーや、3時のおやつとのペアリングを楽しみたい方は、スイーツに負けないネルドリップ。
ペーパードリップ式:KONOの名門ドリッパーセット
スタンダードで癖のない使用感。ペーパーフィルター
ビアレッティのマキネッタ:イタリアのエスプレッソマシンで、本格的なエスプレッソを自宅で簡単に楽しめる。
小野硝子のネルドリッパー:ペーパーフィルターと違い、ネルがコーヒーの味をダイレクトに伝える。すでにコーヒーを淹れる習慣がついていて、より美味しいコーヒーを楽しみたい人など中〜上級者向け。ネルドリップで淹れたコーヒーが一番美味しいという人も少なくないが、ペーパードリップに比べて手間がかかり、少し難易度は高め。
初心者にも、コーヒ好きにも選ばれる、KONOの名門ドリッパーセット。今回こちらをご紹介するのは最近お家ドリップを始めたスタッフA。
紹介者:スタッフS(愛用歴約2週間)
普段のコーヒーはインスタントがほとんど。ドリップ派に変わったのはちょうど一ヶ月前に行ったコーヒーショップで、飲み比べをさせてもらったことがきっかけです。今まではコーヒーの味なんて分からないタイプだと思っていたんですが、すごく感じのいいお兄さんが扱っているコーヒーを飲み比べさせてくれて、その味の違いにびっくりしました。それからインスタントのコーヒーが飲めなくなってしまって、でも面倒臭がりなので自分に続けられるかな・・?と思っていた時に勧められたのがKONOの名門ドリッパーセットでした。二人暮らしなので、早速小さめの2人用を購入して使っています。
2週間愛用中。まだまだ綺麗です。
コーヒードリップには疎かったので、KONOや名門ドリッパーなどの名前すら知りませんでした。購入して使い始めてからプロが使う業務用の器具として考案されたペーパードリップだって知ったんです。ペーパードリップではありますが、ネルドリップの長所を取り入れていて、手軽なのに深い味わいにできるのが特徴なんだそうです。
内容物はこちら。
・円錐ドリッパー
・耐熱ガラスのグラスポット
・コーヒー豆計量カップ
・使い捨てペーパーフィルター
コーノは日本の老舗珈琲メーカーですが、この円錐ドリッパーって、KONOの代表作なんですよね。「コーノで淹れると美味しい」と言われるのは、このドリッパーに秘密があるみたいです。底の部分は大きく一つだけ穴が空いています。
ドリッパーの穴は、他のドリッパーと比べて大きめです。穴が大きいとお湯の落ちる速度が早い、つまりお湯の淹れ方によって、味が変わってくるということみたいです。
※(調査メモ)ドリップコーヒーの抽出方法だと大きく分けて「透過式」と「浸漬式」があります。透過(とうか)式というのは、理科の実験でよくある「濾過(ろか)」を思い浮かべていただくと良いと思うのですが、コーヒー粉をお湯が通過し、コーヒーの成分を抽出していくタイプ。浸漬(しんし)式は、コーヒー粉を熱湯で浸して成分を抽出し、その上澄みを飲んだり、目の粗いフィルターで豆とお湯を分離させて飲みます。
フィルター式は全て「透過式」と分類しているところもあるようですが、必ずしもそうとは言えないところもあります。穴が小さく、お湯の通る時間が遅いと浸漬式で見られるようなダイレクトな味を感じられるということもあります。ただ、このコーノの円錐ドリッパーは透過の時間が早いことから、穴の小さなドリッパーと比べても、ネルドリップなどに近い味わいが楽しめます。
ちなみに、フィルターの内部の突起には、秘密が。この溝があることによりペーパーとフィルターの間に空間ができ、お湯がスムーズに落ちていきます。突起が全体にあるものもありますが、コーノのドリッパーは全体の1/3ほど溝が入っていて、これだと上の方に泡として残る雑味がコーヒーに入らないんだそうです。
お湯を注ぐスピードの調節がコーヒーの味にダイレクトに影響してくるため、インスタントコーヒーのように一気にお湯を注いでしまうと、お店で飲んだような味に仕上がらないということ。少しずつ調整しながら淹れるのが良いみたいです。
お湯を沸かしておきます。コーヒー抽出量と、カップとグラスポットを温められる分量より少し多め絵に入れて沸騰させます。沸騰したら、カップとグラスポットを半分くらいまで湯を注ぎ、2〜3分温めます。この理由は、カップに注いだ時に液体が冷めてしまうのを防ぐため。急激な温度変化は香りや風味を損ないますので、寒い冬は特に徹底するのがいいそうです。
ポットにドリッパーを乗せ、ペーパーフィルターをセットします。ペーパーフィルターは、チャック止め部分を折り曲げてセット。今回は細口のポットがあるので、それで抽出してみます。
お店の方にオススメされた入れ方は、最初は豆を起こすように、少し注いでじっと待ちの時間を作ります。30秒ほど待ったら、ゆっくりと円を描くようにお湯を注いでいきます。
上手な方はコーヒー豆がむくむくと起き上がってきて、泡がよく動いていました。私はまだまだみたいです。
出来上がったら、事前に温めておいたカップにコーヒーを注ぎ入れて完成!香りがとってもよくて、満足です。
ポットには蓋もついていて、気分を変えてお茶を抽出することもあります。コンパクトでころんとしたフォルムのポットは、コーヒーを飲む機会以外でも出番が多いです。
使いやすさ ★★★
コンパクトさ ★★☆
コーヒーの満足度 ★★★
ネルドリップ、というと、喫茶店でマスターがこだわって淹れてくれるコーヒーを思い浮かべます。同じコーヒー豆でも、ネルドリッパーで淹れると、香り高く、とろみのある独特のコーヒーに仕上がります。ペーパーとは違う滑らかな口当たりは、ペーパードリップでは紙が吸着してしまっていた油などがダイレクトにコーヒーに表れるため。ペーパーよりもネルの保管に少し手間がかかりますが、コーヒーを愛する人が最高の抽出方法と謳うほど。この三ノ輪2丁目ネルドリッパーは、小泉硝子製作所のもので、ハンドメイドのガラス職人が作るフラスコやビーカーを思わせるフォルムのドリッパーが特徴です。
紹介者:スタッフM(愛用歴約1年)
もともとコーヒーは好きで、自宅でも職場でもよく淹れていました。コーヒー好きが行き着くとされる【ネルドリップ】に興味が出たのはここ数年のこと。ネルはお手入れが大変だよ〜と言われて躊躇していたんですが、こんなに毎日飲んでいるのだから、少し奮発して試してみよう!と思い立って一年前にゲットしました。結果は、大正解。ネルで淹れたコーヒー、本当に美味しいです。お手入れも思っているより楽ですし、ネル用にコーヒーを探しているというと店員さんと話が弾むのも楽しいです。
初めてのネル、ということで、商品が桐箱に入っていたのはとても嬉しかったのを覚えています。
セットされているのは、ドリッパーとネル2枚、そしてドリップ後に熱くなるガラスを持てるレザーの持ち手です。
20回ほど使っているネルをセット。コーヒーの色に染まっていて、あまり綺麗には見えませんが、今くらいのネルが一番美味しく飲めると思います。
手間がかかると言われているネルの保管方法ですが、最初にネルを煮沸して、糊を取ってしまいます。抽出し終わったら、豆かすをしっかり洗い流し、水の入ったタッパーなどに浸けて保管します。使うごとに煮沸したり、コーヒー液に浸けて保管したりと、やり方は色々あるようですが、自分のために淹れるので、あまり時間をかけずに使いたいと思い、洗ってタッパーの水の中に浸けて保管することだけ気をつけてます。そんなに難しくないですよ。
早速抽出していきます。私も最初始めるときにコーヒーに詳しいお店の方数人に聞き込みをしたんですが、素人がやるなら、「とりあえず、まずペーパードリップのように抽出してみる」ことだそう。最初は布での濾過に時間がかかったり、すごく苦味のあるコーヒーになったりしますが、どうしたら「自分の好きな味」になるか、トライし続けるのが、コーヒーを楽しむコツなんだそうです。私はせっかちなので意外と一気にお湯を注いでます。とろりとしたネルドリップの舌触りで、すっきりごくごく飲めるコーヒーが好みみたいです。
体感、ペーパードリップよりも時間がかかります。じっと待っていると、頭の中がすっきりするので、仕事の合間に休憩として淹れてます。
出来上がったら、レザーの部分を持って、マイカップへ。レザーの部分は簡単に取り外しできるので洗うときは外します。会社では保温できるスタンレーのサーモカップを使ってます。
ちょっとの手間で、美味しいコーヒーが飲める。仕事の合間のコーヒータイムが至福の時間の私にとって、このネルドリッパーはなくてはならないものになりました。日本の職人さんが手仕事で作っているガラスも良いですよね。ゆっくり時間をかけてコーヒーを作るのが好きな人には、おすすめしたいです。
コーヒーを楽しむ時間 ★★★
お手入れ ★☆☆
見た目のスリムさ ★★★
直火式エスプレッソメーカーとして最も有名なビアレッティのマキネッタ。コンパクトで手軽な使い心地が女性に受け、そのクラシックな道具感が男性にも人気です。今回コーヒーを淹れるのは、愛用歴1年半のスタッフ。
紹介者:スタッフS(愛用歴約1年半)
コーヒーは好きです。豆にはあまりこだわりはないですが、ブラックのドリップコーヒーより、カフェラテやカプチーノが好きで 。ミルクを入れてもしっかり味が出るエスプレッソを気軽に入れたいなと思っていました。エスプレッソマシンもいいですが、幅をとるので、直火のコンパクトなタイプを選びました。ビアレッティのマキネッタは、イタリアでは一家に一台はあると言われる超名品。エスプレッソマシン、なのですが、どちらかというと濃厚なモカコーヒーを作って、ミルクで楽しんでいますよ。
一年半使っているので、かなり味が出てきています。
ビアレッティのマキネッタは、実はいろんな種類があるのですが、ZUTTOで紹介しているのはステンレスタイプのヴィーナスというモデル。アルミタイプのモカポットと違い、比較的綺麗な状態で使い続けられますが、直火なので多少の焦げ感が出るのは愛用者目線として可愛いポイントです。
まず、コーヒーの準備。注意していただきたいのは、豆の挽き方で、細めに挽いてもらってください。市販のものでも「エスプレッソ用」と書かれたものを用意してもらえたらOKです。
内部の構造はこんな感じになっていて、下部のタンクにコーヒー豆を入れるバスケットが付いています。
最初にバスケットを外した状態で、水を入れます。直火でかけるから当たり前なんですが、お湯を用意しなくていいっていうのがかなり楽です。中に線があるので、そこまで水を入れます。
水を入れ終わったらバスケットを装着し、コーヒー豆を入れます。入れたら指で平らにならします。
ポット部を装着して、準備完了です。
数分火にかけると、くつくつくつ・・・と音がしてきて、フタがカパカパと音を立ててきます。火傷しないようにフタを開けてみると、お湯が下から上に上がってきているのが見えます。
上がりきったところで、火を止めて完成です。
完成です。2カップで小さ目のコーヒーカップ一杯分くらい。ミルクをたっぷり入れてもコーヒーの味がしっかりしていて、とても美味しいですよ。何より火にかけて、放って置けるのがいいですよね。技術が必要なく、味が均一に出ること、後は小さなキッチンでもコンパクトに置いておけるのが、一人暮らしにはありがたいです。
今回私が使ったのは2カップようですが、モカコーヒーとして飲むのであれば、1人分くらいの量です。2カップ用はコンロによっては安定して置けない場合があるので、家族で飲む方は個人的には4カップ以上をおすすめしたいです。
ほったらかし度 ★★☆
味の均一さ ★★★
コンパクトさ ★★★
コンビニのコーヒーは、便利です。欲しい時にすぐ出てきて、ごくごく飲んで、100円、200円の世界。でも、コーヒーを自宅や職場で淹れると、コーヒー豆の代金が一杯数十円〜数百円。コンビニと同じか、もしかしたらそれ以下の値段で、自分の好みのコーヒーを飲めるとなると、試してみようかなと思いますね。
今回スタッフの愛用コーヒーメーカーを紹介するにあたって、スタッフから聞こえてきたのが、「コーヒーを淹れる時間が何よりも大切」ということ。「ポツポツとコーヒーを抽出しているのを見ていると、なんだか忙しい毎日の中で頭が空っぽになり、煮詰まっていたのにアイディアがポンと浮かんできたりするんです。」と言います。まるで瞑想のような、そんな暮らしの中の豊かな時間を、コーヒーがツールとなって私たちに与えてくれるのかもしれないですね。
ご紹介したアイテム