春は新しいことを始めるのに良い季節。4月は、育ち盛りのお子さんの学校が始まったり、新しい職場で働き始めたりと新しいイベントも盛りだくさんです。新しいこと、慣れないことに苦戦する生活の中で、「今日も頑張ろう」とやる気を出させてくれるのは、お気に入りの暮らしの道具たち。少し背伸びしたとしても毎日手に触れるものだからこそ、愛着がわく素敵なものを選ぶのも新生活を楽しむ工夫の一つです。
今回は、お弁当生活にチャレンジ中のZUTTOスタッフが、実際に山一(やまいち)の弁当箱 桐二段を手に入れて使い勝手をレポート。その使いやすさと気をつけたいポイントを押さえながらご紹介します。
私が選んだのは、山一(やまいち)の漆塗りのお弁当箱桐二段です。容量は元気いっぱいの男子中高校生から成人男性も大満足の900ml。一段で使えば450mlで女性にもぴったりです。
素敵な工芸品が溢れる小さなお店にひっそりと置かれているような、温かみのある木のお弁当箱です。通勤バッグやトートバッグに入れやすいスリムな形で、漆の色艶と木目が美しい作り。実際に持ってみると、見た目の【暮らしの道具】という重厚感からは想像できないほどの軽さに驚かされます。
天然の桐を使用して、職人が丁寧に作る大量生産のものにはない個体差なども愛しい一品です。
木のお弁当箱の良さは、「ご飯とおかずの彩りを格段に綺麗に見せる」こと。こちらのお弁当箱では、それに加えて桐ならではの特徴である「軽さと保温性」、漆塗りのならではの「丈夫さと抗菌作用」も持ち合わせ、見た目の美しさだけではないというのが人気の理由の一つです。
一般的なステンレスのお弁当箱(670ml)と比較してみると、サイズ感はこんな感じです。
スリムな見た目からは想像できない容量は、なんと900ml(!)も入ります。食べ盛りの男子中高生から成人男性もお腹いっぱい食べられて大満足。奥行きが狭めになっていることで嵩張らず、通勤バッグの中にも入れやすいので、立てられるバッグであればランチバッグ不要で手荷物を減らして出勤できるのも嬉しい点です。
▲スリムな分、高さで容量が確保されています。
第一印象は、とにかく軽い!ということ。漆の威厳たっぷりの風格から、少し気持ちを構えて手に取ると、「おっと」となるほどの軽さで驚かされました。重さは約125gということで、およそ小ぶりのバナナ一本程度。
お弁当を作る日は、基本的に持ち歩くことを想定していますが、これほど軽ければ荷物としての負担にならず、ほとんど中の料理の重量のみを持ち運んでいるのと同等のお弁当箱です。資料や教科書、PCやタブレットなど、普段から重いものを持ち歩く通勤通学に、できるだけ楽をさせてあげたい、楽をしたいという思いもあり、この軽さは決め手の一つとなりました。
▲スリムなので、大抵のトートバッグ、ビジネスバッグにきちんと入ります。厚みはない分、長方形の長さがありますので、お弁当包みは大きめが◎。(手持ちの42×42cmのハンカチはギリギリでしたので、それより大きいものがおすすめです)
さらに、もう一つ決め手となったのは漆の持つ扱いやすさ。冷えたご飯もふっくらと食べられる木のお弁当箱には以前から憧れていましたが、お手入れが難しそうということで避けてきました。ですが、漆塗りのものは、シミや黒ずみなどを防ぎながら、漆の持つ抗菌作用でお弁当の中身が痛むのも防いでくれるということで、初めての木のお弁当箱に選ぶなら漆塗りと決めていました。
ステンレス・プラスチック製品、それぞれ優れているところがありますが、漆の抗菌作用の自然の知恵はそうしたものには見られない点です。この桐のお弁当箱では、天然の桐に吹き漆を6回重ねることで、漆の持つ抗菌作用に加え、お手入れのしやすさと耐久性が高められて毎日使うお弁当箱として適任。無垢材や曲げわっぱはお手入れに少しコツが要りますので、それを難しいと感じる方におすすめしたいお弁当箱です。
そういった漆の扱いやすさは、まさに初心者から使えるという使い勝手の良さで、素敵なお弁当生活にチャレンジする私が選んだのでした。
香りはヒノキのわっぱのようなたっぷりとした木の香りはしませんが、しっかり嗅ぐとほんのりと木と漆の柔らかい香りが感じられます。クセが少なく、普段プラスチック製のお弁当箱を使われている方など料理の味をしっかりと楽しみたい日に使いやすいお弁当箱です。
これまで私が使っていたお弁当箱の容量は500mlでしたが、450mlの一段と900mlの二段で選べる桐二段。実際に、どれくらい入るのか試してみました。
お茶碗一杯分のご飯をお弁当箱に詰めてみます。
お弁当箱の2/3弱が埋まりました。
一合分炊いて一段にどれだけ入るか試してみたところ、一合の3/4を一段に詰めることができました。木のお弁当の力のおかげか、ただご飯だけを詰めても美味しそうな見た目。
時間のない朝に凝ったお弁当作りをするのは大変で、昨晩の残りをちゃちゃっと詰めたり、冷凍食品を入れたりとできるだけ時短を図りながら作るお弁当ですが、何を入れても華やかで美味しそうな魅力がある弁当箱 桐二段です。
実際に詰めてみた印象は、・・・素敵!
私はお弁当の配置に自信がなく、普段は、おかずを出したり入れたりしてしまいます。
弁当箱 桐二段の細長い形はそのサイズから、それぞれのおかずを置ける場所や向きがある程度決まっているので、悩まず次々に入れられる上、なんだかバランスよく見えて嬉しいです。
これまで500mlのお弁当箱を愛用していましたが、450mlの一段は女性のお昼ごはんにも少なすぎることはなくちょうど良いサイズだと感じました。今日はもう少し食べたいという日には、プラスで小さな容器に野菜やフルーツなどを入れて一緒に食べるのもよいかもしれません。
一段で使う時は、お弁当を止めるゴムを別途用意する必要がありますので、お気をつけください。
▲プラスで持ち運ぶには、液体の入るこちらのグラスランチポットも便利です。
また、スリムなお弁当箱の形を生かして、おにぎりを可愛らしく詰めることも。
実際に食べてみた感想は、ご飯が美味しい!ということ。桐の木の匂いや漆の匂いは全く気にならず、木のお弁当ならではの冷たくてもふっくらと美味しいご飯を堪能できます。電子レンジはNGですが、あえて温める必要性を感じないほどのおいしさを感じられました。これから暖かくなる季節には、一緒に保冷剤もお忘れなく。
こちらはまた別の日のお弁当。無垢材に比べて色味が気になりにくいということを聞いて、思い切ってオムライスにしてみました。
無垢の木のお弁当箱だと、少し心配になってしまうケチャップやソースも、拭き漆のおかげで心配無用。
漆は色のある食材の汚れも目立ちにくいというだけでなく、酸とアルカリにも強く抗菌作用があると言われています。無垢のものより扱いやすく、入れられる食材の幅が広いというのも嬉しいです。
食べた後は柔らかいスポンジと中性洗剤で洗うこともできますので、安心感も2倍。どうしても気になる場合には、底にクッキングシートやワックスペーパーを敷くのもいいですね。
お弁当箱を取り扱う時のポイント2点
1、熱い状態、水気のある状態で入れない。
木は熱に弱く、熱いものを入れておくと反ったり割れたりしてしまいますので要注意。
また、パッキンはついていませんので、水気のあるものを入れると、横になった時に液漏れしてしまう原因に。
2、揚げ物や酢の物を入れても大丈夫?
無垢材に比べてシミが気になりにくくなっているので、そのまま入れても問題ありません。慎重に使いたい方はワックスペーパーなどを敷くとより汚れが目立ちにくくなります。
特別なお手入れを必要としないことから、初めて木のお弁当箱に挑戦する方にもおすすめしたい山一(やまいち)の弁当箱 桐二段。
以下の基本的なNGを避けて使うことで、より寿命を伸ばして大切に使うことができます。
【お弁当箱のNG】
・粗熱の取れていない料理を入れるのはNG
木は熱に弱く、ひび割れや破損の原因に。特に揚げ物は高温ですのでご注意ください。熱すぎるものは一度冷まして入れるのをおすすめします。
・電子レンジ、オーブンの使用はNG
こちらも同じく、熱に弱いため。冷えたままでもご飯が美味しいお弁当箱です。
・食洗機、硬いタワシやクレンザー、漂白剤の使用はNG
拭き漆が禿げたり欠けたりしてしまい、寿命が短くなります。柔らかいスポンジで中性洗剤を使って優しく洗い、水気を拭いて日陰で乾かしてください。
・直射日光に当てて干すのはNG
乾燥しすぎてひび割れする原因になります。水気を拭いて乾かすだけで十分です。
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プロがこぞって愛用する逸品:玉子焼鍋 関西型/中村銅器製作所
銅のお鍋はまさに「プロの道具」といった印象が強く、憧れの存在。熱伝導性が良い銅のお鍋は微妙な火加減が味に直結する玉子焼き作りに向いています。今回選んだものには【関東型】と名がついていますが、正方形の関東型と長方形の関西型の2つをご用意しています。
関東と関西で玉子焼き器の形が異なっているのは、玉子焼き自体の違いによるもの。濃く甘い味の関東風の玉子焼きは、適度に焦げ目をつけて厚く巻きます。玉子もたっぷり使って、うなぎや穴子を入れたり、伊達巻にしたりと、分厚いタイプで作るのならば東型がおすすめです。関西の玉子焼きはだし巻きのようなふるふるした食感が大切なので、薄く玉子を敷いて何度も返します。そのため、細長い方が返しやすくて使いやすいのです。
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