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ウールは羊の毛から作られる天然繊維で、以下のような特性があります。
・優れた保温性
・湿気を吸収しやすい
・自然な防臭効果
・高い耐久性
衣類やインテリア用品、アウトドア用品など、ウール素材は秋冬ものを中心に身の回りのものに多く使われています。「ウールのお手入れ事典」では、ウール製品を長く愛用いただくためにお手入れ方法をご紹介します。
ウールには天然の抗菌性と防汚性、消臭性が備わっているため、頻繁に洗濯する必要はありません。汚れにくいとはいえ、着用した後はお手入れすることで、見た目が綺麗な状態を保ち、繊維の劣化も防ぎます。日頃から行いたいケアは、ブラッシング、汚れた箇所の部分洗い、リフレッシュの3つです。
保温性の高いウール繊維ですので、セーター、帽子、マフラーなどすぐにクローゼットにしまわず、風通しの良い場所で陰干しするなどして湿気を飛ばしてください。すぐにたたんでしまうと型崩れやカビの原因にもなりますので、気をつけましょう。また、この時、軽い汚れや匂いが気になる場合は、スチームアイロンやスプレー式の布用消臭剤を使うと、手軽にリフレッシュできます。
気になる汚れは、ぬるま湯に少量の中性洗剤を溶かし、柔らかい布に含ませ硬く絞り優しく拭き取りましょう。この時、ゴシゴシ擦ると毛羽立ちや縮みの原因になるため注意してください。
ウールは静電気が発生しほこりを吸着したり、毛玉になりやすい性質があります。使用後や収納前に柔らかいブラシで毛並みに沿って軽くブラッシングをして、繊維の間に詰まったほこりや汚れを取り除きましょう。繊維の流れを整えてあげることで、次の着用する時の毛玉対策にもなります。できてしまった毛玉はハサミでカットしたり、専用の毛玉取り器を使うと綺麗になります。
自宅洗いする時は、必ず製品タグを確認してください。自宅で洗濯可能かどうか、水の温度の指定がないか確認しましょう。
・ウールの適切な水温は36〜38度(体温に近い温かさからやや熱さを感じる温度)です。ウール繊維を過度に刺激せず、汚れを落とすのに最適な温度がこの温度で、実はカシミヤなどよりも温度に敏感な繊維です。40度(肌に触れると強い熱さを感じる温度)以上になると繊維が絡まり、縮む原因になるためお気をつけください。
洗剤は、中性洗剤(おしゃれ着用)を使用してください。アルカリ性洗剤や塩素系や酸素系の漂白剤はウール繊維を傷めるため避けましょう。
洗濯機を使用する場合は、網目の細かいネットに入れて、おしゃれ着(ドライ)コースで洗濯します。
手洗いの場合も畳んで、網目の細かいネットに入れます。2〜3回優しく押し洗いをして、5〜10分付け置きをします。ゴシゴシ擦すったり、もみ洗いはしなようにしてください。毛玉の原因になります。
つけ置き後、再度新しい水を溜め、4〜5回押してすすぎ、泡が出なくなることを確認して水を捨てます。
ネットに入れる際は、洋服は一着ずつ入れてください。洗濯機より手洗いのほうが摩擦が少なく毛玉になりにくいためおすすめです。
アイテムごとの注意点
<手袋・マフラー>
内部が汚れてやすい手袋は裏返して洗うと効果的です。ただし、形が崩れる恐れがある場合は裏返さずに洗ってください。また、ゆったりと編まれているものや織られているものは、引っ掛かりやすいためネットに入れて洗うと安心です。
<ベレー帽>
取り外し可能な装飾品は、洗濯前に外しておきます。
ファンデーションや汗染みが気になる場合は、柔らかい布やスポンジに少量の洗剤を含ませ、軽く拭き取ります。
ネットに入れた状態で洗濯機で約30秒ほど脱水します。バスタオルなどで包み、優しく押して水分を取り除くことも効果的です。
形を整えて平らに干します。その際、変色の恐れがあるため直射日光を避け、日陰で乾燥させてください。
ベレー帽など形崩れしやすいものは、保管する際には丸めたり、折りたたんだりせず、平らな状態で保管してください。丸めた薄紙等を詰めて形を保つこともおすすめです。
保管やシーズンオフのお手入れをすることで、汚れや湿気が原因で繊維が劣化するのを防ぎ、虫食いやカビの発生を予防できます。
ウール製品は、ハンガーに吊るすと形が崩れることがあるため、平らに置いて保管します。特に重いニット製品は平置きで保管してください。湿気を防ぐために、乾燥剤や吸湿性のある天然素材(シダー材)でできたボックスなどの活用も効果的です。なお、ウールは虫食いにあいやすいため、防虫剤は直接ウールに触れないように注意し、使用してください。
信頼のできるクリーニング店でクリーニングを行ったり、ご自宅でお手入れした後に保管することをおすすめします。そうすることで来シーズンも気持ちよく着用することができます。長期保管する際は、通気性のある袋やカバーに入れて保管してください。
着用や洗濯時の摩擦によって繊維が表面に浮き出てくることがあります。この繊維が互いに絡み合い、小さな球状の毛玉となります。そして、さらに摩擦が加わることで、これらの毛玉はしっかりと絡まり、目に見える形になります。
毛玉はウールだけでなく、アクリルやポリエステル、ナイロン、コットンなど、さまざまな素材に発生する可能性があります。特に摩擦を受けやすい部分にできやすいため、素材に関わらず、注意が必要です。
・同じ衣類を頻繁に着用すると摩擦が増え、毛玉ができやすくなります。着用の間隔をあけて休ませる時間をとると良いでしょう。
・着用後や洗濯後に、ブラシやコームで表面を整えることで、繊維の絡まりを防ぎます。
・洗濯機ではなく手洗いする、あるいは洗濯ネットを使うことで、摩擦を減らし毛玉を防ぐことができます。また、洗濯機を使う場合は、デリケートな衣類用の洗濯モードを選ぶと良いです。
・柔軟剤を使用することで、繊維が柔らかくなり摩擦が減少します。デリケートな素材に適した柔軟剤を使用することをおすすめします。
1.衣類の表面に目立つ毛玉を見つけます。毛玉を取り除く箇所を少し引っ張って、毛玉を持ち上げると作業しやすくなります。
2.ハサミで毛玉を慎重に切り取ります。ハサミの刃が繊維に触れないように注意し、毛玉だけを切り取るようにします。
3.毛玉を取り除いた後、衣類を軽くブラッシングして、繊維を整えます。必要に応じて、ハサミの使用を繰り返します。
1.衣類を平らな面に広げ、毛玉がはっきり見えるように整えます。
2.電動毛玉取り器の電源を入れ、刃が正常に動作していることを確認します。
3.毛玉取り器を衣類の表面に軽く当てます。強く押し付けないように注意しながら、円を描くようにして動かします。毛玉が取れるまでこの動作を繰り返します。
4.毛玉取り器の刃に毛玉がたまると、効率が落ちるため、定期的に掃除をします。器具の取り扱い説明書に従って、刃やフィルターの掃除を行ってください。
5.毛玉が取り除かれたら、衣類を軽く振って繊維を整えます。必要に応じて、再度毛玉取り器を使用します。
毛先をランダムに配置することで埃を効果的に取り除き、化学繊維を一切使用しない天然素材のこだわりがあるアイテムです。
柔らかい長めの豚毛を使用し、静電気を防ぎながら優しく埃や汚れを取り除きます。大きな丸いブラシ面で使いやすく、カシミヤからウールまで幅広い衣類のお手入れに最適です。
硬めの豚毛を使用し、ジャケットやウール、スエードにも使用できます。
ハンドルを回してブラシ面を出し、ゴミを取り除いた後、内部に集めて簡単に清掃できます。軽量で片手で使え、ポリエステル素材により、どんな素材にも対応し、衣類を手軽にケアできる便利なアイテムです。
界面活性剤を主成分とする優しい洗剤で、ウールやシルクの繊維を守りながら、食べ物や汗、メイクの汚れを効果的に分解します。
6枚の精密ブレードで毛玉や毛羽立ちを素早く取り除き、短時間の充電で使え、充電しながらの使用も可能です。お手入れも簡単で、毛玉を取り出したり、クリーニングブラシで刃を掃除できます。
刃先が沿っていて生地を傷めず細かい作業がしやすく、切れ味も抜群です。
▲握り鋏
糸切り・細かいところの布地の切断に適していて、日本鋼の高炭素鋼を使用しているので摩耗性にも優れています。アフターケアとして研ぎ直しサービスもあります。
▲天然樟脳
九州産の樟を使用し、手漉き和紙に包まれて衣服を守る自然な香りの防虫剤です。化学製品とは異なり、森林浴のような爽やかさで、肌にも優しい効果があります。
水をタンクに入れ、ヘッドカバーを外して電源を入れるだけで、約30秒で使用できるアイロンスチーマーです。クローゼットや鏡の近くに置いて、忙しい朝でも手軽に身だしなみを整えられます。また、アイロンのようにプレスすることもでき、タオルを敷いて衣類に押し当てて使用できます。
1968年創業、アイルランド最古で有名な100%メリノウールのニットメーカーです。
品質の高さはISO9002取得やクリントン元大統領からの感謝状でも証明されており、伝統的なデザインで世界中から高く評価されています。
1929年創業のHarley of Scotlandは、スコットランド産の良質なウールを使用し、シェットランドやフェアアイルニットを手掛ける老舗メーカーです。
地元に根ざした品質と技術で、自社ブランドや著名ブランドのニットウェアを生産しています。
1963年創業のデンマーク発子ども向け肌着ブランドjohaは、ウールの特性を活かした高品質な肌着を提供。
スカンディナヴィア地方で広く愛され、素材とデザインにこだわるブランドです。
1784年創業のJOHN SMEDLEYは、イギリス・ダービシャー州発の老舗ニットブランド。
全工程を自社で行う方針と最先端技術の導入で、ファインゲージニットの名門として知られています。
KLIPPAN社のブランケットは、創業以来高品質なウール製品を自社で製造し、スウェーデンで広く愛されています。
鮮やかでユニークなデザインが特徴で、長年使える愛らしい一生モノのブランケットです。
LAULHEREは、1840年にバスク地方で創業し、高品質なウールのベレー帽を作り続けています。
職人の手作業で仕上げられたベレー帽は、形や手触りに優れ、フランスの伝統を守る証です。
Ojbro Vantfabrikは、1984年に創業し、北欧の伝統模様を取り入れた持続可能な手袋や靴下を作る家族経営のブランドです。
優しい素材と倫理的な製造方法で、環境に配慮した「スローファッション」を追求しています。