リネン(麻)のアイテム、お持ちですか?
洋服だけでなくハンカチやキッチンクロスなど様々なアイテムに使用されている素材、リネン。気持ちの良い独特の肌触りとラフ感が魅力な素材で、丈夫なためにお洗濯の時もさほど気にせずに他の素材のものと同じように洗いがちです。
もちろん、それでも良いのですが、使ううちに表面がふわふわと柔らかくなり風合いを増していくリネンの特徴を最大限に活かすならば、そのためのリネン(麻)の洗濯や干し方を知る必要があります。
リネン(麻)初心者の方も、既にご愛用中の方も、ここで改めてリネン(麻)について知り、適切なお手入れ方法を確かめてみてください。
リネン(麻)の素材としての特徴は
・独特なシャリ感
・清涼感
・速乾性
・丈夫さ
そしてその魅力は、気兼ねなく日常使い出来る点、強い素材であるが故に長く愛用可能な点、使うほど、洗うほどに柔らかく風合いを増していく点です。それでは、リネン(麻)の風合いの変化とは、どういうものでしょうか。
こちら、数年愛用したキッチンクロスをご覧ください。
左:新品/右:数年愛用
長年使用したリネン(麻)は表面が毛羽立ち、くったりとした様子が分かります。ふわふわと柔らかくなり、使いはじめに感じられたコシも和らいでいます。「使うほどに柔らかくなる」と表現されるリネンのエイジングですが、まさにその通りで、使うほど、洗うほどに繊維が細く柔らかくなり、肌触りが変わっていきます。繊維が細くなるといっても、リネン(麻)は丈夫な繊維なのでそう簡単に薄くなったりすることはありません。
リネン(麻)の洗い方を、アイテム別に考えてみましょう。
・ハンカチやキッチンクロスなどの小物
→日常使いするものは気軽に洗濯機洗い
・シャツやパンツなどのウェア類
→大事なもの、退色を避けたいものは手洗い推奨
もちろん、洗濯機でも問題はないのですが、鮮やかな色や柄のものは色落ちが懸念です。
洗濯のポイントは、
・洗剤は中性
・畳んでネットに入れる
洗濯ネットに入れる時、くしゃくしゃっと入れていませんか?リネンは他の素材と比べてもシワがつきやすい素材です。シャツやパンツはきちんと畳んで、出来れば1アイテム・1ネットに入れてください。
・水または30℃以下のぬるま湯を使用
・すすぎは十分に(洗剤が残ると黄ばみの原因に)
・蛍光剤、漂白剤は使用しない(色合い、風合いが損なわれます)
リネン(麻)のシワが好き、という方ももちろんいらっしゃると思います。あえて伸ばさずに干して、シワを活かした表情を楽しんでも良いですね。ただ、リネン(麻)のウエアはシワシワの状態ですと元のシルエットが綺麗に出ず、かっこよく決まらないことが多いように思います。また、常にシワシワの状態ですとシルエットも定着してしまい戻すのも一苦労です。
ここでは、リネン(麻)のお洋服のシワを最小限に抑える干し方をご紹介します。
・脱水時間短めまたは、脱水なし
シワの一番の原因は洗濯機の脱水です。
遠心力でぐるんぐるんと回され、干す時にパンパンと叩いても、くしゃくしゃになったリネン(麻)に深く刻まれたシワはそれだけではなかなか取れません。そこで、洗濯機での脱水時間を短く、または脱水をしないのがベスト。
「濡れ干し」と呼ばれる、水がボタボタ滴っている状態で洗濯機から取り出し、そのまま干してしまうのです。(手洗いした場合でも、絞らずにそのまま干します。)
重みで下に引っ張られるのでシワが伸びますし、リネンは速乾性があるのでポタポタ水が垂れていても比較的早く乾くため、濡れ干しに適した素材です。
脱水干しは、干す際にシワを伸ばしパンパンと叩いたにもかかわらずシャツ全体がねじれ、腕部分もくしゃくしゃです。濡れ干しのほうは、細かいシワが目立たないだけでなくシャツの全体的なシルエットが整っているのが分かりますね。ちなみに濡れ干しのシャツが乾くまでの時間は、約3時間でした。(夏、窓を開けた浴室で)
濡れ干ししたシャツを、アイロンをかけずにそのまま着用しました。リネンの自然な風合いが出ているのにシルエットは綺麗で、アイロン無しでも問題なく着ることが出来ます。
その他、リネン(麻)の干し方注意点
・ウェア類は、太めでしっかりしたハンガーを使用
リネン(麻)はシワがつきやすい素材=ハンガー跡がつきやすい、ということになります。
画像の右側のハンガーのように厚みがあるものを使用してください。厚みだけでなく、シャツは特に、肩幅があったものを使用しないと、変な位置にハンガー跡がついてしまいますのでご注意を。
また、シワだけでなく乾く途中でシャツのシルエットも決まってしまうので、ハンガーに吊るした時に左右均等に形を整えるのも、忘れないようにしてくださいね。
・風通しの良い日陰で干す
リネン(麻)を直射日光に当てることは日焼け・退色につながります。風通しの良い日陰を選んで干すようにしてください。また、綺麗な色のリネンアイテムは特に退色が気になりますよね。そんな時は裏返して干して、表面への影響を最小限に留めましょう。
・乾いたらすぐに取り込む
リネン(麻)は他の素材に比べて乾きやすいので、他のものが乾く時間に合わせて見にいくと、乾きすぎて生地がパリパリになってしまうことも。それを繰り返すとふんわりとした手触りが損なわれてしまうので、乾いているのにずっと外に出ていた、ということにならないように注意してください。
・乾燥機は使用しない
リネン(麻)を乾燥機にかけてしまうと縮みます。型くずれも起きてしまいますので、絶対に使用しないでくださいね。
リネン(麻)アイテムをアイロン掛けをするのかしないのか、はこれもまた好みやアイテムによるところです。シワが入った自然なリネン(麻)の表情がお好きな場合はアイロンの必要はありませんし、キッチンクロスやエプロンなど日常使いするものも洗いざらしのままで。シャツや、センタープリーツの入ったパンツなどシルエットをきちんと残したいアイテムや、きっちり感を出したい時はアイロンを掛けると、また違った雰囲気になります。
リネン(麻)のアイロン掛けのポイントは。
・アイロン掛けするものは、生乾きの状態で
リネン(麻)に限らず、繊維は乾く過程でシワが定着します。特にリネン(麻)はシワがつきやすく、取りにくいので生乾きの状態でアイロン掛けをはじめるとシワが取りやすいですよ。
・完全に乾いたものをアイロン掛けするならば、霧吹きでスプレーしながら
乾いたもの、保管中についてしまったシワを取りたい場合はアイロンのスチームや、霧吹きで水をスプレーしながらアイロン掛けを。手でしっかりとシワを伸ばしてから掛けはじめてください。右手でアイロンを持つ場合、左手は生地を引っ張りながら行うのがポイントです。
・温度は中・高で
アイロンの温度は、各アイテムの洗濯表示を確認してください。リネン(麻)は大体、中・高温でと指示されていることが多いです。
・あて布を使用
リネン(麻)に直接アイロンを掛けるとテカリが出る場合があるので、ウェア類は特にあて布を使用してください。鮮やかなカラーのリネン(麻)はテカリだけでなく変色も起こしてしまう可能性があるので、目立たない場所で試してから行いましょう。
イタリアのリネンブランド、120%LINO。
イタリア語でlinoとはリネンを意味し、ブランド名にするほどリネンにこだわりと情熱を持っています。フランス・ベルギーで採れる最高ランクのリネン素材のみを確保して使用することにより、高い柔軟性とナチュラルな着心地を実現しています。
このリネンを特殊な製品染め『tinto capo』技法で染め上げ、また驚くほど柔らかな仕上げ加工も大きな特徴です。
自然のままの色で織った布の状態で縫製し後工程で染め上げているので、自然でやさしい雰囲気を持つ、タイムレスなコレクションを発表しています。
数世紀に渡りリネン産業の中心地として栄えてきたベルギー、コルトレイクのリネンを使用した、ナチュラルかつモードな服を展開するブランドです。コルトレイクリネンは豊かな土壌から十分なミネラルを吸収して成長することで、膨らみとコシ、そして光沢感を持っています。
さらにVlas Blomme(ヴラスブラム)のリネンは、昔ながらの木製部品を使用した織機を使うことで糸への負担(テンション)を減らし、より柔らかさを増すように設計されています。
1894年、アイルランド・ドネガルでカスタムメイドのシャツメーカーとして誕生したJames Mortimer(ジェームスモルティマー)。縫い方や美しいシルエットにこだわるシャツを作り出すブランドは素材選びにもその姿勢を貫きます。
コットンやリネンなど様々な素材のシャツを展開していますが、リネンにはフランスやベルギー産のフラックス(亜麻)を輸入し紡績したアイリッシュリネンを使用しています。袖を通せば分かる、ひんやり爽やかでなめらかな肌触りと上品な光沢感。コシのある弾力性が与えるナチュラルな質感が魅力です。
リネンの国、リトアニアで上質なリネン製品を製造しているLINEN TALES。リトアニアは良質な亜麻を育てるのに適した環境であったこともあり、伝統的にリネンの生産が行われてきました。中世より受け継がれてきた高い技術によって生まれる上質なリネンは、
「リトアニアリネン」と呼ばれ、国内外で注目を集めています。エプロン、ルームウェアにベッドリネンなど日常使いするリネンアイテムを取り揃えるブランドです。