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変化が分かる革。バケッタレザーの魅力

 

バケッタレザー(ヴァケッタレザー)とは、イタリア・トスカーナ州に伝わる伝統的な鞣し(なめし)製法で作られた皮革のこと。非常に手間のかかる製法ではありますが、丈夫さと時間が経過するにつれて表れる発色の良さ、そして美しい艶が何よりの特徴です。今回はバケッタレザーを取り扱うレザーブランド、ARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)のアイテムとその魅力をご紹介します。

 

植物が作る、バケッタレザー

 

革製品が生まれるまでには、原料の違いはもちろん、工程の違いによって異なる種類のレザーが生まれます。カーフレザー(牛革)、コードバン(馬革)、シープスキン(羊革)といった名称は革の原料である動物の違いを指しますが、バケッタレザーやクロムエクセルレザーは、革を鞣す工程の違いを表しています。

 

革製品は動物の皮を鞣すことで、腐敗を防ぎ、柔らかく日常使いが出来るようになります。もともと皮と呼ばれていたものが「革」と呼ばれるのは、この工程を経てから。鞣しの工程には、植物のタンニン(渋)を使う、塩基性硫酸クローム液と呼ばれる薬品を使う、もしくは複数の方法を組み合わせる、といった数種の方法があります。バケッタレザーは、このうち植物を用いたベジタブルタンニン鞣しを施したものになります。

 

 

 

ARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)では、チェストナットやミモザから抽出したタンニンを使っています。原皮をタンニンにじっくりと漬け込むことで、革の芯までタンニンが染み込み、非常に堅牢な革が生まれます。仕上げには獣油を使うことで、肌触りの良い表面に。全部で30もの工程を経る必要がありますが、人工的な原料を使わず、太古から続けられてきた製法ののちに生まれた革製品には、他にはない味わい深さがあります。

 

「触れる」ことで育つ革

 

革は使うことで柔らかくなり、さらに色が濃くなっていきますが、その理由のひとつに油分があります。バケッタレザーは獣油が仕上げに使われていることで、もともとふんだんに油分を含んでいますが、使用することで人の手から滲み出た油分が染み込み、さらに変化が表れやすくなります。

 

バケッタレザーと真鍮を金具に使用した、ARTS&CRAFTSのTWIN PURSEを例に取ってみましょう。もともとは赤みがかった明るい茶色が目を引きます。一方、同じTWIN PURSEを6ヶ月〜8ヶ月使用したものを見てみると、ぐっと革の色が濃さを増しているのが分かりますね。

 

新品のTWIN PURSE

 

6〜8ヶ月使用後のTWIN PURSE

 

 

 

 

革には色の変化だけでなく艶も表れています。まるで表面が改めてオイルコーティングされたように、品のある光沢を放ち、柔らかさを感じるように。特に硬貨を入れるフラップの部分は革一枚で作られていることもあり、その柔らかさが実感しやすい部分でもあります。ボタンやジップ部分の真鍮も、青み・緑みがかったより落ち着いた色合いへ変わっています。

 

左:新品、右:6〜8ヶ月使用後

 

バケッタレザーは「使い手の手に馴染む」と言いますが、TWIN PURSEは持つと指が当たりやすい裏面の下部に柔かなへこみが出来ており、使う人の癖がそのまま表れているかのよう。革と真鍮の相性の良さも垣間見えますね。

 

 

まず手に入れたい、バケッタレザーの財布

 

 

 

ARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)のMIDDLE WALLETは、品格のあるブラックのバケッタレザー。マットな質感のため、程良い滑り止め効果がある印象。こちらも徐々に艶を増していきます。また、内部の仕切りや小銭入れのフラップ部分の革は一枚仕立てで裏地が付いていない仕様になっています。革の表裏の質感がよく分かり、さらにそれが柔らかくなっていく様子が伝わります。

 

 

 

贈り物にも喜ばれるキーケース

 

毎日手に取る財布だけでなく、キーケースなどの小物ともバケッタレザーは好相性。KEY CASE(キーケース)は、必要な鍵を全てまとめられるキーケース。革一枚仕立てのシンプルなデザインとコンパクトな手のひらサイズです。

 

 

 

 

こちらもバケッタレザーと真鍮の組み合わせ。スリムな作りで、ポケットに入れてもかさばりません。

 

 


OLIVEとTANの2色をご用意。それぞれの革の色に合わせたカラフルなステッチの色もポイントになっています。「鍵を使う」という日常のワンシーンをお洒落でスマートに見せてくれる、そんな存在になりそうです。

 

 

美しい経年変化のために

 

バケッタレザーは手に触れることで、変化を見せていくと先述しましたが、出来れば美しく変化させていきたいですよね。もともと堅牢な革のため、特別なケアを毎日する必要はありませんが、以下の点を心がけてみてください。

 

傷は馴染ませる

 

使用していくと付きやすいのがこすり傷ですが、革製品の場合、こうした傷も雰囲気のあるものになります。どうしても目立つ傷が付いてしまったら、まずは指で馴染ませてみますと、油分によって徐々に目立たなくなっていきます。

 

指の腹で優しく擦るように。

 

基本のお手入れは、拭き取る

 

普段のお手入れとしては、拭き取ることが第一。靴磨きに使うようなネルでも良いですし、メガネ拭き用の布のような、ファイバークロスもおすすめ。目が粗いものは傷を招くので、出来るだけきめ細かなものを選び、全体を優しく拭き取ります。

 

パソコンのディスプレイなどに使うファイバークロスもおすすめ。

 

保湿はやり方にご注意

 

油分の多いバケッタレザーは頻繁に保湿する必要はありません。ELBAMATT BRASS SHOEHORNKEYCASE(エルバマットブラスシューホーンキーケース)のように光沢加工なされていない素上げ仕上げの製品は、一般的な革製品のように革用クリームを塗ってしまうと色が濃く表れてしまう場合も。

極端な色ムラを防ぐためにも、乾拭きを基本としてください。もし表面のかさつきがどうしても気になる場合に、革用クリームか人肌に使う保湿ローションを薄く布や紙に取り、伸ばして擦り込ませて頂くことをおすすめします。

 

▼レザーケア小物はこちら

 

▼拭き取りにおすすめのマイクロファイバークリーニングクロス

 

 

 

▽国産レザーブランド、ARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)の製品一覧はこちら

投稿者: 植田 日時: 2017年09月20日 11:00 | permalink

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